立岩佑一郎

教育システム若手の会
教育システム若手の会
名古屋大学大学院
ポジションペーパー
情報科学研究科
横井・安田研究室
2005
社会システム情報学専攻
博士課程後期2年
立岩 佑一郎
自己紹介
大学時代に講義を聴いても教科書を読んでも,さっぱりわからなかったネットワーク理論(TCP/IP)
ですが,自分でネットワークを構築し,試行錯誤していくうちにだんだんと理解が深まってきたのを実
感できました.この経験をふまえ,ネットワーク理論の学習支援として,仮想環境内に学習者がネット
ワークを自由に構築でき,そのネットワークの振舞いを視覚化するシステムを開発しました.次のステ
ップとして,より詳細なネットワーク構築を可能にすることで,ネットワーク構築の学習を支援するシ
ステムを開発したいと考えています.
(これから始める)研究テーマ:仮想環境を利用したネットワーク構築学習支援システムの開発
本研究では,ネットワークの構築に関わる知識のうち,サ
仮想的にネットワーク構築
ーバ設定,帯域設定,経路設定などソフト面を学習するため
のシステムを開発することを目的とする.対象者は,情報系
大学生を想定しており,構築実習をするための教育環境が整
っていない状況におかれている者とする.
システムは,仮想環境ソフトウェア User-mode Linux とネ
ットワークシミュレータ ns-2 を融合することにより実現する.
仮想機器(サーバやゲートウェイ)を User-mode Linux によりシミュレーションし,機器間の通信(ケ
ーブル,無線)を ns-2 によりシミュレーションさせ,仮想的なネットワークを実現する.
学習手順として,まず課題としてネットワーク要求仕様を学習者に提示する.そして,学習者は提示
された仕様を満足するようなネットワークを,本システム内に仮想的に構築することを試みる.仮想的
な構築では,仮想機器の設置やサーバの設定,仮想的な通信実験を行うことができる.最後に,構築が
完了したら,システムにより仕様書通りのネットワークを構築できたかをチェックする.構築ミスがあ
った場合は,システムがその部分を指摘&アドバイスすることで,学習者の理解支援を行う.
私の研究の定義
項目
(1) 誰が(研究の対象者)
定義の文章
ネットワーク理論(TCP/IP)を学んだ情報系大学生
が,
(2) どんなコンテキスト(状況や環境)で
ネットワーク構築実習のための環境が不十分な状
況で,
(3) 何をできるようにするために
ネットワーク構築の基礎知識を習得するために,
(4) どんな手段(アプローチ)で
仮想環境ソフトウェア User-mode Linux とネット
ワークシミュレータ ns-2 の融合により実現された
仮想環境内で,ネットワークを構築することによ
り,
(5) 対象者がどのような行動をとれば研究の効
ソフト面において,ネットワーク要求仕様に正確に
果と認めることができる
応える構築ができることを目指す.