【コラム】 孫への遺贈で相続税対策

2015 年8月7日
一般社団法人 日本遺言執行士協会
【コラム】 孫への遺贈で相続税対策
◆増える「孫への相続」
Aさんは、自分の財産を子だけでなく、孫にも残したいと考えています。もちろん孫に喜んでもらいたいから、
というのが大きな理由ですが、どうやら孫への相続が節税につながるかもしれない、ということがわかったから
です。実際、Aさんのような人が増えています。なぜでしょうか。
子に相続させる場合、将来その子が死亡した時にも課税されます(=課税が2回)が、孫に相続させると課税
が1回になり、トータルの税負担が少なくなるからです。
仮に子と孫が半分ずつ財産を相続した場合、子が全財産を相続する場合に比べ、相続税額は大幅に少なく
なります。孫に財産を遺贈すると、相続税が 20%加算されますが、それでも相続税対策としての効果はありま
す。
◆孫へ相続させるには「遺贈」
遺言に「孫に財産を相続させる」旨を書いておけば、孫に相続させることができます(遺贈)。遺言は、原則とし
て法定相続に優先しますから、孫に相続させるには遺言を書く必要があるのです。
◆メリットだけではない
ただし、複数の孫がいて、特定の孫だけに遺贈すると、家庭内から不公平だとの声があがり、これをきっか
けに家族同士の仲が悪くなってしまい・・・ということも起こり得ます。また、孫ばかりに財産を相続させてしまい、
配偶者や子など、他の相続人が不満に思うこともあるでしょう。
節税対策のつもりが、家族内のトラブルを招いてしまっては元も子もありません。節税効果はどのくらいある
のか、不満に思う身内はいないか。よく検討し、家族とも話し合って理解を得ておくようにしましょう。