所属:鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 基盤教育グループ 研究タイトル: 文学作品に登場する聖俗循環、 同調圧、象徴としての貨幣研究 氏名: 窪田 眞治 / KUBOTA Shinji E-mail: [email protected] 職名: 教員 学位: 文学修士 所属学会・協会: 日本独文学会, 東北ドイツ文学会 キーワード: ドイツ語, ドイツ文学, 聖俗循環, 終末思想, 貨幣 技術相談 なし 提供可能技術: 研究内容: 文学研究は実利のない虚学なので,シーズ・ニーズといった概念にはなじまないものです。ただ市場原理至上主義が 行き詰まりの様相を呈し、それに代わるかもしれない思考モデルが未だ見つけられないなかで、思考モデルを「物語」と いう言葉に置き換える事が可能な場合があるなら、物語論は考察の手助けになると思います。 研究の諸相 1.日本には欧米とは異なり,社会は存在せず,それに代わるのは成文化されない掟に規定された「世間」であり,近代 以降の欧米社会にはこの「世間」に相当するものはない,というのが昨今主流の考え方だと思います。しかし,19 世紀ド イツ文学の作品中には「世間」と呼んで差し支えないような社会関係が描写されていることがあります。例えば、神から の掟を本当に守っているかどうかではなく、周囲の人々の目に、掟を守っているように見えることを、作品中の旧世代 (親世代)に属する人間が重視する描写があったりします。こういった事例を文学作品から丹念に拾っていく必要を感じ ています。 2.社会関係一般を媒介・規定するもののうち貨幣,言語,同調圧,聖俗循環を伴う社会構造,その他に着目し,人が自 明のものとして意識せずに前提している思考形式,思考内容等を明らかにしていきたいと考えています。なかでも貨幣 は、実力行使(暴力)を回避するための媒介手段であるにもかかわらず、世直し運動においてはしばしば廃止、撤廃目 標になることがあり、その都度悲劇的な惨事に繋がってきた歴史があります。文学作品に現れる貨幣観は研究対象とし て重要です。 3.終末思想は聖俗循環の特殊モデルです。時間の流れに沿ってノモス→カオス→コスモス→ノモス→・・・と循環する 私たちの聖俗循環が、ある特定の時点においてコスモスの状態で止まる、という考え方が終末思想であり、様々な宗教 が終末観を提示していますが、人類史においてはまだこれは実現したことがありません。これを力づくで実現しようとす る世直し運動はしばしば惨事を生んできました。文学作品においてもまた、終末思想が描写、提示されていることがあ り、研究の対象となります。 提供可能な設備・機器: なし 名称・型番(メーカー)
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