平成27年10月19日(月) 名学館グループ保護者各位 株式会社 名学館ホールディングス 代表取締役社長 佐藤剛司 【緊急告知】ノロウイルス感染症とその対応・予防について 各種報道により流布されておりますが、毎年11月頃から翌年の4月にかけて、ノロウイルスの感染を原因と するウイルス性のおう吐・下痢症が流行します。特に保育園(所)、幼稚園、小学校などの子ども達が集団生活 を送っている施設では、内部でヒトからヒトに感染し、爆発的に流行することがあるようです。ノロウイルス感染症 は、牡蠣(かき)などの2枚貝の生食による食中毒が有名ですが、保育園(所)、幼稚園、小学校などで発生した 集団感染の大半は、誰かがまずノロウイルスに感染し、施設内でヒトからヒトへ感染して拡がっていくというもの でした。このヒトからヒトへの感染力は極めて強力だそうです。 咳やくしゃみでは感染せず、吐き出したものや糞便に触れることで感染します。あるいはおう吐物が道路に放 置され、その後乾燥してその粉末が空気中に漂い、それを吸引した場合も感染するそうです。また、ドアノブ、電 車やバスのつり革、タオルなども感染の対象になります。 「国立感染症研究所感染症情報センター」によりますと、食習慣の問題もあって、毎年発生するノロウイルス 感染の流行を阻止することは残念ながら不可能だそうです。しかしながら、私たち教育サービス業の従事者も、 前述の教育施設同様にその流行を最小限に食い止めるために、ノロウイルス感染症の症状・治療法、予防方法 など、塾やご家庭における注意点等を理解し、遵守することが必要です。 以下に表記いたしますので、ご確認ください。 1. ノロウイルス感染症の症状 主な症状は、吐き気・おう吐および下痢です。あまり高い熱とならないことが多いです。 小児ではおう吐が多く、おう吐・下痢は一日数回からひどい時は10回以上の時もあります。 感染してから発病するまでの「潜伏期間」は短くて数時間~数日(平均1~2日)であり、症状の持続する期間 も数時間~数日(平均1~2日)と短期間です。元々他の病気があったり、大きく体力が低下している等が無 ければ、重症になって長い間入院しないといけないということはまずありませんが、ごく稀におう吐した物を喉 に詰めて窒息することがありますので注意が必要です。 2. ノロウイルス感染症の治療法 治療薬は特にありません。症状の持続する期間は短いですから、その間に脱水にならないように、できる限り 水分の補給をすること(場合によっては病院で点滴をしてもらって)が一番大切です。 家庭ではスポーツドリンク、または「生理食塩水(0.9%の食塩水のこと)」を電子レンジで人肌に暖めて飲む ことが有効でしょう。この他に、あたたかい昆布茶・コンソメスープ・具のないみそ汁も良いでしょう。 みそ汁はアミノ酸のバランスも良く、栄養補給にもなります。コップ1杯・お椀1杯を30分くらいかけて、一口ず つゆっくりと含んで飲むようにすると、おう吐感で縮こまった胃をほぐしてくれる作用もあります。 塩分を含まない湯冷まし、お茶などは水分の吸収が遅くなります。 その他は吐き気止めや整腸剤などの薬を使用する対症療法が一般的です。下痢止めは逆効果です。しっか りと排便するようにして、毒素(ウイルス)を排出することが大事です。 3. 予防方法 a.とにかく手を洗う ノロウイルスにはワクチンもなく、その感染を防ぐことは簡単ではありません。最も重要で、効果的な予防方 法は「流水・石けんによる手洗い」です。 トイレの後、食事の前、おう吐物や下痢便の処理の後などに流水・石けんによる厳重な手洗いやうがいが 有効です。また、症状のある方とのタオルの共用は厳禁です。 <手洗い6つのポイント> ① 手のひら ② 指先 ③ 指の股 ④ 親指 ⑤ 手の甲 ⑥ 手首 以上の6つをしっかりと行ってください。流水で30秒くらいは洗い流しましょう。 なるべく指輪などのアクセサリーは外しましょう。 共用タオルは使わずに、自分用のタオルもしくは使い捨てのペーパータオルを使用すると良いでしょう。 b. おう吐物・下痢便の処理 感染者のおう吐物や下痢便には、ノロウイルスが大量に含まれています。そしてわずかな量のウイルスが 体の中に入っただけで、容易に感染します。 また、ノロウイルスは塩素系の消毒剤(商品名:ピューラックス、ミルトンなど)や家庭用漂白剤(商品名:ハ イター、ブリーチなど)でなければ効果的な消毒はできません。取り扱いには注意が必要です。 ア) 処理:おう吐物や下痢便の処理をする前に、まず処理にあたる人以外を遠ざけて(最低3m)ください。 また、放っておくと、感染が広がりますので、早く処理をする必要があります。 イ) 方法:マスク・手袋(この場合の手袋は清潔である必要はなく、丈夫であることが必要)をしっかりと着用 (処理する人の防御のため)し、雑巾・タオル等で吐物・下痢便をしっかりと拭き取ってください。眼鏡を していない場合は、ゴーグルなどで目の防御をすることをお勧めします。拭き取った雑巾・タオルはビニ ール袋に入れて密封し、捨てることをお勧めします。拭き取りの際に飛沫が発生しますので、無防備な 方々は絶対に近づけないでください。その後うすめた塩素系消毒剤(200ppm 以上:家庭用漂白剤で は200倍程度)でおう吐物や下痢便のあった場所を中心に広めに消毒してください。 ※消毒剤の希釈の際も素手で行わずに手袋を用いましょう。 ウ) 汚れた衣類など:おう吐物や下痢便で汚れた衣類は大きな感染源です。そのまま洗濯機で他の衣類と 一緒に洗うと、洗濯槽内にノロウイルスが付着するだけではなく、他の衣類にもウイルスが付着してし まいます。おう吐物や下痢便で汚れた衣類は、マスクと手袋をした上でバケツやたらいなどでまず水洗 いし、更に塩素系消毒剤(200ppm 以上)で消毒することをお勧めします。 <参考資料> 国立感染症研究所 感染症情報センター http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-a.html ノロウイルスの予防と対策ガイド http://www.21kenko.com/noro/ Yahoo!JAPAN ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20151020-00000043-jnn-soci
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