かくしたボール

第2学年 組
道徳の時間学習指導案
指導者
1
主題名
きまりを守る
4-(1) 公徳心,規則の尊重
2
資料名
かくした ボール(東京書籍)
3
主題設定の理由
(1) 価値について
低学年の内容項目4-(1)
「約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にする」では,きまりや規則
の大切さを知り,これを守ろうとする態度を養うことが求められている。子どもたちが成長していくため
には,社会や集団の規範を身に付けていくことが必要であり,約束やきまりを守ることができるようにす
ることが重要である。この学習を通して,物の使い方のきまりだけでなく,学校での約束事や遊びの中の
きまりを理解し,それを守ろうとする態度を育てていきたい。さらに,学校の中だけでなく,他の場での
きまりも同じであることを知らせたい。
(2) 児童について(省略)
(3) 資料について
本資料は,学校でボールけりがはやっているが,なかなか上手にできない「ぼく」が,休み時間に練習
をするところから始まる。ボールけりに夢中な主人公は,
「ボールはきちんと決められた場所にかえしまし
ょう」という字が見えたのにもかかわらず,植込みの中にボールを隠してしまう。昼休みになり,隠して
いたボールで遊ぼうとするが,植込みをのぞいていた 6 年生の言葉にはっとし,自分がしたことに気付く
という話である。みんなが使うものを,自分勝手に使ってしまうことは,児童にとっても経験があること
と考えられるので,主人公の気持ちに共感できると考える。
導入では,最近自分ががんばっていることを思い起こさせ,ボール蹴りをしている「ぼく」の気持ちに
共感できるようにする。展開においても,ボールけりをしたい主人公の気持ちに共感できるよう,ボール
けりをしているときの気持ちを考えさせる。また,
「ぼく」が看板を見たにも関わらず,ボールを隠したこ
とを押さえることで,自分がしたいことと,きまりを守らなければならない心の葛藤に気付かせたい。中
心発問では,6 年生の言葉を聞いた「ぼく」が,自分のことしか考えておらず,きまりをやぶったらどうな
ってしまうか考えられるようにする。展開後段の自分を振り返る場面では,きまりを守ることができた場
面を振り返らせることで,きまりを守ろうとする気持ちが高まるようにしたい。
終末では,きまりを守って行動している児童の写真を提示することで,きまりを守ることは大切である
という心情を高められるようにしたい。
4
資料分析
主な場面
学校でボール蹴りがはや
登場人物の心の動き
・早く上手になって,ぼくも
っているが,まだ上手にボ
上級生に混じって遊びたい
ールけりができない「ぼく」
な。
は,壁に当ててボール蹴り
の練習をしている。
・何度も練習をすれば上達す
・こんなにいいボールはめっ
良いボールが気に入り,昼
たにないから,手放したく
休みもこのボールを使って
ないな。
ル」を植え込みの中に隠す。
「みんなのものなのに,
一緒に遊びたいな。
・練習すればきっと上手になる
からがんばろう。
・いいボールだから,ずっと
使いたいな。
・決められた場所に返さないと
・昼休みもこのボールを使っ
いけないけれど,だれにも取
て練習したいから,取られ
られたくないから隠してしま
ないように隠しておこう。
おう。
・6年生を困らせてしまった
こまっちゃうね」という上
・自分がボールを使いたいこ
級生の声が聞こえてきて,
としか考えていなかった。
ぼくははっとして自分のし
・今度からきちんと片付けよ
たことを振り返る。
・早く上手になって,上級生と
発問
価値
○ボールを壁に当てて
練習しているとき,
「ぼ
く」はどんなことを考
えていたでしょう。
るかもしれない。
使っていたはずみ具合の
練習したいと思い,「ボー
子どもの意識
う。
・人が困ることをしてはいけな
いな。
・自分のことばかり考えていて
はだめだな。
・ボールを使いたくても片付け
をきちんとしなければいけな
いな。
○「ぼく」はどんな気
持ちから,ボールを
植え込みの中に隠し
善悪の判断
たのでしょう。
○6年生の言葉を聞い
て,なぜぼくは,は
っとしたのでしょ
う。
公徳心
規則の尊重
5
関連構想
道徳
学級活動
○学級目標を決めよう
4-(1)公徳心・規則の尊重
道徳
学校行事
「こうえんの花」
○交通安全教室
4月
4月
4月
どんなクラスにし
みんなで使うものや
たいか話し合うこと
場所を大切にし,人に
を通して,クラスの
迷惑をかけないように
一員としてより良い
しようとする態度を養
クラスにしていこう
う。
○避難訓練
5・9・2月
○遠足
9月
とする態度を育てる。
○当番,係活動,たて
割り班活動
通年
クラスメイト,下
道徳
教科
「かくしたボール」
級生,上級生と一緒
7月
【体育】
「ボール投げゲーム
に活動を行うことを
きまりや規則の大
6月・10月
通して,きまりや規
切さを知り,これを
ボールゲームの順
則の大切さを知り,
守ろうとする態度を
番やきまりを守り
守ろうとする態度を
養う。
勝敗を受け入れて
育てる。
友達と仲良くゲー
ムすることができ
○係を決めよう
4月,8月,1月
道徳
る。
「黄色いベンチ」
係活動を通し,学級
11月
の一員として,みんな
みんなが使う物を大
のために一生懸命働く
切にし,約束やきまり
経験をし,働くことの
を守ろうとする態度を
大切さを理解させる。
養う。
6
本時の実際
(1) ねらい きまりや規則の大切さを知り,守ろうとする態度を養う。
(2) 学習の展開
学習活動
導
入
予想される児童の反応
1.最近,がんばっているこ ・鉄棒
とについて発表する。
・水泳
5
教師の支援
・自分のがんばりを想起させること
で,主人公「ぼく」に共感できる
ようにする。
分
展
2.資料「かくしたボール」
開
の話を聞き,話し合う。
・話の内容がよく分かるように紙芝
居を使って読み,場面の絵を提示
35
分
していく。
○ボールを壁に当てて練習し ・早く上手になりたいな
・早く上手になって,みんなとボー
ているとき、
「ぼく」はどん ・みんなとボールけりをして遊びた
ルけりをしたいという,一生懸命
なことを考えていたでしょ
な気持ちから練習していることを
う。
い
・がんばって練習しよう
押さえる。
○「ぼく」はどんな気持ちか ・こんなにいいボールはめったにな ・始めにペアで考えさせることで,
ら,ボールを植え込みの中
に隠したのでしょう。
いから,だれにも取られたくない
話しやすい雰囲気作りをする。
・決められた場所に返さないといけ ・
「ぼく」が看板を見たにも関わらず
ないけど,またこのボールを使っ
ボールを隠したことを押さえ,自
て練習したい
分がしたいことと,きまりを守ら
なければならない心の葛藤を考え
させる。
◎6 年生の言葉を聞いて,な
ぜぼくは,はっとしたの
でしょう。
・自分がボールを使いたいことしか
考えていなかった
・今度からきちんと片づけよう
・6年生を困らせてしまった
・
「ぼく」の気持ちを考えやすくする
ために,イラストと吹き出し入り
のシートを準備する。
・6 年生の「かたづけておこうね」
というセリフを聞いた後の,「ぼ
く」の気持ちを考させる。
・きまりを守る大切さに気付いた「ぼ
く」の気持ちをとらえさせること
で,きまりを守ることの大切さを
感じさせたい。
3.自分を振り返る。
・休み時間にしたいことがあったが, ・自分について振り返ることが難し
係の仕事をきちんとした
・チャイム席をきちんと守ることが
い児童には,友だちのよい行為を
思い起こすよう助言する。
できた
終
4.きまりを守って行動して ・○○さんはちゃんと廊下を歩いて ・きまりを守って行動している児童
末
いる児童の写真を提示す
5
る。
分
いるな
・みんなのためにそうじをがんばっ
ている人がいるんだな
の姿を見ることで,きまりを守るこ
との大切さに気付けるようにする。
二年
はやく上手になりたいな
みんなとボールけりをしてあそびたいな
がんばってれんしゅうしよう
板書計画
ボール
道徳の時間
かくした
さし絵①
休み時間がおわって
さし絵②
おこうね
こんなにいいボールはめったにない
だれにもとられたくない
ちゃんとかたづけないといけないけど・・
またこのボールでれんしゅうしたい
か た づけ て
六年生
かんばん
ボールはきちんと
きめられたばしょ
にかえしましょう
ひる休み
さし絵③
さし絵④
じぶんがボールをつかいたいことしか考えていなかった
こんどからきちんと片付けよう
六年生をこまらせてしまった