東海大学安楽死事件 <NEWS の概要> 日時 2015/1/6 病院に入院していた末期がん症状の患者に塩化カリ 文責:土肥 弘聖 ウムを投与して、患者を死に至らしめたとして担当 の内科医であった大学助手が殺人罪に問われた刑事 <調べたこと> 事件。日本において裁判で医師による安楽死の正当 【判決】 性が問われた現在までで唯一の事件である。 横浜地方裁判所平成 7 年 3 月 28 日判決は、被告人を有 【事件の概要】 罪(懲役 2 年執行猶予 2 年)とした。 患者は多発性骨髄腫のため東海大学医学部付属病院 判決では、医師による積極的安楽死として許容される に入院していた。病名は家族にのみ告知されていた。 ための 4 要件として、 1991 年(平成 3 年)4 月 13 日、昏睡状態が続く患 患者に耐えがたい激しい肉体的苦痛に苦しんでいるこ 者について、妻と長男は治療の中止を強く希望し、 と 助手は、患者の嫌がっているというフォーリーカテ 患者は死が避けられず、その死期が迫っていること ーテルや点滴を外し痰引等の治療を中止した。長男 患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽く はなおも「いびきを聞くのがつらい。楽にしてやっ しほかに代替手段がないこと て下さい。 」と強く主張。医師はそれに応じて、鎮痛 生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があるこ 剤、抗精神病薬を通常の二倍の投与量で注射した。 と しかしなおも苦しそうな状態は止まらず、助手は殺 を挙げた。 意を持って、塩化カリウム製剤 20ml を注射し、患 本件では患者が昏睡状態で意思表示ができず、痛みも 者は同日、急性高カリウム血症に基づく心停止によ 感じていなかったことから 1、4 を満たさないとした。 り死亡させられた。 ただし、患者の家族の強い要望があったことなどから、 (参考: 情状酌量により刑の減軽がなされ、執行猶予が付され http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B た 5%B7%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%AE%89% 【論点・問題点】 E6%A5%BD%E6%AD%BB%E4%BA%8B%E4%B 本判決は、上記の 4 要件では患者の自己決定権を重視 B%B6) したことを特徴とする。そして、緊急避難の法理と患 者の自己決定権をベースとして、積極的安楽死につい て限定的ながらも認めたことに意義がある。刑法の学 説も積極的安楽死を認める説が有力であるが、生命の 処分を認めるべきではないとする説もある。医師によ <感想など> 安楽死についてはいろいろと賛否両論があります る安楽死であれば違法性が阻却されるとする論拠は不 明確との批判もある。 が、自分は安楽死はあまりよくないことだと思いま した。 、現段階では苦しい状況でももしかしたら奇跡 は起きるかもしれないし、医者は安楽死とはいえ、 <次回の人のテーマ・理由> 人を殺しているのだから精神的にもこたえると思い T4 作戦について ます。 今回のことについて調べているなかで関連事項として 安楽死を考えているひとは、もっと生きることに ついて深く考えてほしいとおもいました。 ありました。すごく興味深い内容だったので次回のテ ーマにあげました。
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