CytoFLEX システムの性能評価

CytoFLEX システムの性能評価
James
Tung1 、 Dan
Donnenberg4 、 Erika
Condello3 、 Albert
MATERIAL AND METHODS
Duggan3 、 Jesus
VSSC(Violet laser Side Scatter Channel)をオプション装備
Lemus1 、 John Nolan3 、 Kathy Ragheb2 、
した CytoFLEX マルチカラーフローサイトメーター(ベックマン・コール
Jennifer Sturgis2、J Paul Robinson2、Zhao,
ター製)を使⽤。
Jing1 、Domenic Fenoglio1 、Yijun, Huang5 、
Paul Scibelli1
1. ベックマン・コールター株式会社(⽶国フロリダ州マ
イアミ)、2. パデュー⼤学 サイトメトリー研究所、3.
ラホヤ バイオエンジニアリング研究所、4. ピッツバーグ
⼤学 がんセンター、5. 中国広州 中⼭⼤学医学部
CytExpert ソフトウェアによる毎⽇の精度管理項⽬である rCV
(robust CV)値を算出には、CytoFLEX 精度管理⽤(QC)
ビーズを⽤いました。QC ビーズによるデータは、異なる 3 台の
CytoFLEX 機器で取得しました。robust CV 値は、概ね 75 パーセ
ンタイル値から 25 パーセンタイル値を差し引いた値を中央値で除した
値になります。robust CV 値は、CV 値よりも外れ値により歪みを⽣
じません。
Abstract
サイトメトリー機器の性能試験は、サイトメーターによるきわめて複雑
なアプリケーションを⾏うことへの可能性を明らかにするため⾏われます。
今回、感度、ダイナミックレンジ、集団の分解能、リニアリティ、安定性、
再現性、ナノ粒⼦分解能の性能測定について新製品 CytoFLEX
フローサイトメーターについて検討しました。市販のスタンダードビーズ
を⽤いて、複数のパラメータの性能について評価しました。
CytoFLEX フローサイトメーターの評価は、ラホヤ バイオエンジニアリ
ング研究所、パデュー⼤学 サイトメトリー研究所(PUCL)、ベック
マン・コールター(所在地:マイアミ)で⾏いました。追加データは、
ピッツバーグ⼤学がんセンターの Al Donnenberg ⽒、中国広州 中
⼭⼤学医学部との共同研究の取り組みを通じ収集しました。3 レー
ザー(405 nm、488 nm、638 nm)、蛍光検出器 9 個 12
パラメータの機器を使⽤しました。ナノ粒⼦の検出には、散乱光検出
機能強化した VSSC(Violet laser Side Scatter Channel)を
使⽤しました。
分解能、リニアリティ、安定性、分離能の試験については、
Spherotech 社製 8 Peak Rainbow ビーズを⽤いました。
微粒⼦試験については、以下材料を⽤いました。
Laboratory1:ベックマン・コールター(マイアミ)
Spherotech 社製ビーズ:0.5 μm および 0.2 μm
Laboratory 2:ラホヤ バイオエンジニアリング研究所
Polybead Polystyrene Sampler Kit III:PolySciences 社
製# 16905-1
Polybead Polystyrene Sampler Kit II:PolySciences 社製
# 21756-1
Laboratory 3:PUCL
PolySciences 社製ビーズ:0.5、0.4、0.35、0.3、0.2 μm ビー
ズ
Laboratory 4:中国広州 中⼭⼤学医学部
図 3.
ベックマン・コールターParticle Sizing Standard 0.5 μm、0.3 μ
2 台の機器で Spherotech 社製 8 Peak Rainbow ビーズを 17
m、0.2 μm ラテックスビーズ(⾮蛍光)を試験⽤に混合。ビーズ
⽇間毎⽇測定し、ピーク#5 の rCV データをプロットした結果。
は UPW(超純⽔)を⽤いて希釈。
同等のレーザーとフィルターのセットアップで構成される他社システムと、
サイトメーターの⽐較を⾏いました。
分離指数(Separation Index)は、隣接する Rainbow ビーズ
のピークの分離度(隣接するピークの平均蛍光強度(MFI)間の
差)をピークの標準偏差の幾何平均により除した値として⽰されま
す。
分離指数は、次の式を⽤いて測定されました。
分離指数=(ピーク 2 の MFI-ピーク 1 の MFI)/(SQRT
(ピーク 1 の標準偏差 2+ピーク 2 の標準偏差 2)/2)
Results
図 1. QC ビーズによる 18 ⽇間の rCV 値解析
QC ビーズを本機器で 18 ⽇間実⾏しました。スタートアップおよび
シャットダウン 12 サイクルを捉え、rCV 値を Levey-Jennings プロッ
トによりトラッキングしました。下記データは、各レーザーに関連するパ
図 4.
ラメータです。
CytoFLEX( 3 レーザー10 カラー)の Spherotech 社製 8 Peak
Rainbow ビーズのデータ。(データはピッツバーグ⼤学がんセンターよ
りご提供いただきました。)
図 2. 8 Peak Rainbow ビーズにより連続 1 時間実⾏した場
合の rCV 値
CytoFLEX で Spherotech 社製 8 Peak Rainbow ビーズを連続
1 時間測定しました。ピーク#5 の rCV データでは、PE:2.12%、
APC:4.40%、BV421:2.34%となり、本システムの安定性を
⽰しました。
図 5.
図 7.
Spherotech 社製 8 Peak Rainbow ビーズよるビーズのピーク間の
微粒⼦の検出。4 施設において、側⽅散乱チャンネルおよび VSSC
分離指数算出データをハイエンドタイプの標準的なフローサイトメー
を⽤いたビーズによるナノ粒⼦の測定を⾏いました。(データはピッツ
ターとの⽐較した結果。(データはピッツバーグ⼤学がんセンターより
バーグ⼤学がんセンター、PUCL、ラホヤバイオエンジニアリング研究所、
ご提供いただきました。)
中⼭⼤学医学部よりご提供いただきました。)
図 6.
Spherotech 社製 8 Peak Rainbow ビーズによるピーク間の分離
指数算出データをハイエンドタイプの標準的なフローサイトメーターと
⽐較した結果。データは、特に⾚⾊チャンネルの感度に関して表⽰い
ます。(データはピッツバーグ⼤学がんセンターよりご提供いただきまし
た。)
SUMMARY
性能評価結果から、CytoFLEX サイトメーターの安定性、再現性、
感度が、特に紫⾊チャンネルおよび近⾚外チャンネルにおいて⽰され
ました。分離指数により CytoFLEX の分離能は、⼀般的なセルアナ
ライザーよりも優れていることが⽰されました。
ナノ粒⼦の評価では、VSSC を⽤いた場合、ノイズから 0.2 μm の
粒⼦の明確な分離検出できることが⽰されました。さらに、
CytoFLEX フローサイトメーターは、サブミクロンビーズの各サイズを明
確に識別できます。
CytoFLEX および CytExpert は、Beckman Coulter company の 1 社 Xitogen Technologies, Inc.(蘇州)の商標です。Fast track to success は
Beckman Coulter, Inc.の商標です。Beckman Coulter および Beckman Coulter ロゴは、Beckman Coulter, Inc.の商標であり、⽶国特許商標庁
(USPTO)に登録されています。
2015.9