小型でしなやかに動く子ども型ロボット 「Affetto(アフェット)」の基本骨格を

平成27年7月31日
キーワード:知能機械学・機械システム・人間機械システム・ロボティクス・ソフトメカニクス
リアリティを追求した赤ちゃんアンドロイド完成に前進
小型でしなやかに動く子ども型ロボット
「Affetto(アフェット)」の基本骨格を開発
【記者発表:8 月 5 日(水)14 時~@阪大工学研究科(吹田キャンパス)
】
本研究成果のポイント
● 小型ながらしなやかに動作可能な関節を数多く備える子ども型ロボット「Affetto(アフェット)」の基本骨格部分を開発。
● 外部からの力を柔らかく吸収する関節設計を実現し、多数の動作機構をコンパクトに実装したことで、多様な姿勢の
表現が可能。従来のものよりも、骨格機構の信頼性としなやかさが向上。
● 今後、さらなる動作安定化や人様皮膚の実装を通じて、子どものように親密に触れ合えるアンドロイドの実現に期待。
概要
大阪大学工学研究科の石原尚助教および浅田稔教授を中心とする研究チームは、子ど
ものように親密に触れ合えるロボットを目指して、小型でしなやかに動作可能な子ども型ロボ
ットの基本骨格部分の設計・開発を行いました。柔らかくしなやかな動作を実現するために、
空気圧駆動方式を採用し、外から加わる力が効率よく内部の空気に伝わるように設計しまし
た。また、直線的に動作するリニアアクチュエータ※と回転型アクチュエータを体の場所に応
じて適切に使い分けることで、小さな体でありつつも、多数の動作機構を備えさせることに成
功しています。これまでに実施したいくつかの試作機の開発を経て、骨格機構の信頼性とし
なやかさが向上しました。
これらの特徴により、多様な姿勢を表現することができ、かつ人と触れ合った際にも柔ら
かく動作することが可能です。さらに、人のような柔らかく機能的な皮膚を実装することで、子
どもを相手にするように親密に触れ合うことのできる子ども型ロボット「Affetto(アフェット)」
図 1 Affetto 頭部に皮膚
(図1)が実現できます。
本研究の一部成果は Advanced Robotics 誌に近日掲載予定です(報道解禁設定なし)。 を実装した完成イメージ
※アクチュエータ: 油圧や空気圧、また電気などのエネルギーを機械的な並進または回転運動に変換する駆動装置
特記事項
本研究は、科学研究費補助金 特別推進研究「神経ダイナミクスから社会的相互作用へ至る過程の理解と構築に
よる構成的発達科学(代表:浅田稔、課題番号:24000012)」および科学技術人材育成費補助金 テニュアトラック
普及定着事業(代表:掛下知行)の補助を受けています。
また、一部の成果は Advanced Robotics 誌(ⓒTaylor & Francis and The Robotics Society of Japan)に近日掲載
予定です(報道解禁設定はありません。論文 DOI:10.1080/01691864.2015.1046923)。