PDF- ロボットと人間が 手に手を取って協力する未来へ

稼働中の P-Rob。 写真©maxon motor
ロボットと人間が
手に手を取って協力する未来へ
バリケードに囲まれて決められた動きだけを行うロボットは過去のものになりつつあります。スイ
スのある若い会社で研究が進めてられているロボットアームは、変化する状況に合わせた対応が可
能で、学習能力もあります。あなたの家庭でロボットが家事を手伝う日も近いかもしれません。
ロボット工学の技術は大きな飛躍を遂げています。ロボットは今、前もって決められている動きを忠実にこ
なすだけの機械から、インタラクティブに様々な作業の補助をする助手へと進化しています。バリケードや
光電センサで隔離されることなく自由に動くこのロボットは、人間に対する安全性を脅かすこともありませ
ん。その様子は、ハリウッド映画「アイアンマン」で垣間見れます。主役のロバート・ダウニー・Jr の横で
ロボットアームがはんだを持ったりネジを締めたり、必要な工具を渡したりして作業を手伝うシーンがある
のです。
合成皮革で覆われたロボット
このような場面が実際に見られるようになるのも、そう遠い未来ではないかもしれません。これこそが、ス
イスにある F&P Robotics 社が思い描いている未来です。同社の 20 人のスタッフが開発したロボットは、仕
事場におけるこれまでの人間と機械の関係を 180 度変える可能性を秘めています。標準仕様で高さ 1.1 m、
作業半径 80 cm、6 自由度のロボットアームは、P-Rob(「Personal-Robot」の略)と呼ばれます。機械構造
部分はアルミ製ですが、外側全体は使用者が親しみを持てるように高品質の合成皮革で覆われています。
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アプリケーション事例
「私たちの目標は、現在のパーソナルロボットのレベルを P-Rob で一段階引き上げることです」と F&P
Robotics 社 CEO のハンスリューディ・フリュー氏は語ります。彼の頭の中ではこのロボットの用途がすでに
明確にイメージされており、ラボオートメーションや産業オートメーション分野が最適であるとされていま
す。「例えばタンクや容器の取り扱い、あるいは品質管理の用途にロボットは役立つことができます」。今
回開発された新しいソフトウェアとの連携プレーで、P-Rob はモノを認識したり、つかんだり、巧みに操り
ながら、同時に変化する周囲の状況も絶えず知覚し、人が近寄って来たときにも正しい対応ができるように
なりました。
6 自由度の P-Rob 1R(右)とその弟分の 1U。写真 © maxon motor
「我が社が開発したこのロボットは、常に状況
を分析し、それをもとに自分で最善の行動を判
断して実行することができます。」
F&P Robotics 社 CEO ハンスリューディ・フリュー氏
F&P Robotics 社の見解によると、これはまだほんの始まりでしかありません。次の段階では、P-Rob は他の
ロボットアームや人間と連携し、人間の社会的な態度を認識することで自律的に動作する機械となります。
「このロボットは、常に状況を分析し、それをもとに自分で最善の行動を判断して実行することができま
す。」とハンスリューディ・フリュー氏は言います。それはつまり、例えば製造ラインに不具合があったと
きにロボットが自分一人でそれを取り除けるようになることを意味します。そうすれば、不測の事象が起こ
るたびに製造ラインをストップしなければならない現状が変わります。
ハンスリューディ・フリュー氏の構想には、5~10 年後にはロボットが食事の準備をしたり、あらゆる家事
作業を補助するようになることも含まれています。「我が社では安心して使うことができる安全な対話型イ
ンテリジェントロボットアームを作ることを目指しています。そうすればロボットは単なる機械ではなく、
助手や友人のような存在になることでしょう。」
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アプリケーション事例
ロボットの頭部には様々なグリッパを装着可能。写真 © maxon motor
ブラシレス DC モータが精密な動作を実現
F&P Robotics 社は、このロボットアームの駆動にマクソンのブラシレス DC ドライブを採用しました。PRob の関節やグリッパには、直径 45 mm および 90 mm、出力 70 W および 90 W の EC フラットモータが最
大 8 個まで装備されています。高パワー、コンパクトな形状、優れた放熱性を特長とするこのモータは、ロ
ボット工学分野における最適なソリューションです。「特にこのモータのフラットな形状に、大きな利点を
見出しました」とハンスリューディ・フリュー氏は述べています。このフラットモータとマクソン製センサ
を組み合わせると、ドライブシステムの電流からトルクを簡単に確認でき、出力の測定にも役立ちます。
また、このドライブシステムが簡単に制御できて使いやすいことも、採用を決める大きな理由となりました。
P-Rob はラップトップコンピュータで手軽に制御したりプログラムできるため、様々な分野から多くの関心
を集めています。実際に、この最新型ロボットアームを用いた最初のプロジェクトはすでに進行中で、その
他にも様々なプロジェクトが予定されています。このことから、産業面でも、私たち一人ひとりの生活でも、
人間とロボットの関わり合いが今後より一層深くなっていくことは間違いないでしょう。F&P Robotics 社と
マクソンモータは今後も先頭に立ってこのような開発を進めたいと考えています。
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アプリケーション事例
この記事に登場するマクソン製品
maxon EC 45 flat モータ
直径 45 mm のこのドライブシス
テムは 70 W の出力を実現。多極
アウターロータが非常に高いトル
クを発揮します。
maxon MR エンコーダ
このマクソン製エンコーダは磁気
式タイプです。インターポレータ
が装備されているため、非常に高
い回転数にも対応します。また、
パルス数も選択できます。
文章:シュテファン・ローシ(マクソンモータ編集者)
詳細については下記までお問い合わせください:
maxon motor ag
Brünigstrasse 220
Postfach 263
CH-6072 Sachseln, Switzerland
Tel:
+41 41 666 15 00
Fax: +41 41 666 16 50
インターネット:www.maxonmotor.com
Twitter:@maxonmotor
F&P Robotics AG
Rohrstrasse 36
8152 Glattbrugg
スイス
Tel:
+41 44 515 95 20
Fax: +41 44 515 95 25
www.fp-robotics.com
Twitter:@FPRoboticsAG
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アプリケーション事例