鉄筋コンクリート長方形断面壁の 大槻莉央 せん断耐力に関する実験的検討 溝口研究室 杉山祥司 はじめに I形断面耐震壁 長方形断面耐震壁 1800 300 400 鉄筋コンクリート構造物における耐震壁の重要性は極めて高く、RC耐震壁 に関する研究は連層耐震壁や壁筋の定着方法に関するものなど数多く行われ ている。 しかし、柱主筋量の多い柱型を有するI形断面を対象とした実験が多く、柱 型のない長方形断面壁を対象とした実験は少ない。 そこで当研究室では、RC長方形断面壁に関する実験を行い、実験値と曲 げ強度値がよく対応することを確認した。しかし、せん断破壊に関しては不 明な点が多くあるため、長方形断面壁の模型を作製、せん断破壊実験を行 い、設定したパラメータの変化によるひび割れ、荷重-変形曲線、横筋歪 み分布、せん断耐力への影響を検討するとともに、靭性保証式及び広沢式 による計算値との対応性を検討することを目的とする。 加力梁 実験計画 実験結果 800 D6@175 50 D6@175 4φ 400 試験体はNo.1~No.5の計5体であ り、全試験体共通で壁全長は 1200mmとした。壁厚は50mmを目標 に設計した。壁高さはNo.1~No.4が 800mm、No.5は500mmとした。端部 曲げ補強筋にはD10、D13、壁筋に はD6、帯筋はスパイラル筋とし、4 φを使用した。 4-D13 基礎梁 No.3 右図中の黒線は正加力時、赤線は負加力時に発生したひび割 れを、灰色はコンクリートの剥落箇所を示す。 壁筋間隔の狭い試験体ほど多くひび割れが入り、壁高さの低い 試験体ほどひび割れの角度が大きくなることがわかった。 下図から壁高さが低い方試験体、端部曲げ補強筋量が多い試 験体、壁筋間隔が狭い試験体の方が耐力は大きくなることがわ かり、すべてのパラメータによる影響が確認された。 No.3とNo.4を比較すると壁筋間隔の変化による影響が特に大き いことがわかる。No.3とNo.1及びNo.3とNo.5を比べると端部曲げ 補強筋量,壁高さの変化による影響があまりないことがわかる。 No.3とNo.4を比較すると壁筋間隔の変化による影響が特に大きい ことがわかる。No.3とNo.1及びNo.3とNo.5を比べると端部曲げ補 強筋量,壁高さの変化による影響があまりないことがわかる。 実験値と計算値の比較を右の表に示す。実験値Qmaxと靭 性保証式Vuによる計算値を比較すると全体的に良い対応を 示した。No.1~No.4は実験値が計算値を上回る結果となり 過小評価、No.5は計算値が実験値を下回る結果となり過大 評価していると言える。 壁筋間隔が狭い 壁 高 さ が 低 い
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