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2015年 11 月 27 日
引き下げアカン!大阪の会通信
№8(1)
生活保護基準引き下げ
違憲訴訟を支える大阪の会
TEL06-6697-9058
FAX06-6697-9059
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期 日
生活保護基準違憲訴訟の第3回期日が 10 月 19 日に
大阪地方裁判所202号大法廷で行われました。弁護
団は生活保護世帯の実態を数字で示し、基準引き下げ
によって全ての受給者が受けた被害を明らかにしま
した。2人の原告が意見陳述(次号以降陳述要旨掲載
予定)に立ちました。期日後は、中之島公園で報告集
会を行い130人が参加しました。第4回期日は、
2016 年2月 19 日(金)の午後3時から同裁判所で。
第3回期日を終えた裁判ですが原告側の意
見陳述が続いています。一方で、被告である
国等はどの様な主張・反論をしているのでし
ょうか。弁護団事務局長の和田信也弁護士に
解説してもらいました。
国 の 主 張
保護基準を決めるのは、厚生
労働大臣であり、判例上、広い
裁量がある。次のとおり、引下
げは必要かつ理由があり、受給
者に配慮して引下げたので、違
法はない。適法なので慰謝料も
中之島公園の報告集会の様子(10 月 19 日)
原告らの主張に対する反論
1.憲法25条(生存権)と社会権規約9条(制
度後退禁止の原則)の解釈
憲法25条は、国民に権利を与えたものでは
ない。制度後退禁止の原則(社会保障の引下げ
は違法との原則)も定めていない。社会権規約
9条は、法的責任ではなく政治的責任を定めた
に過ぎない。
2.ゆがみ論は正しいこと
生活保護は最低限度の生活を保障するもの
なので、最も貧しい人と比べることは正当であ
る。保護基準の検証では、これまでも最も貧し
支払う必要はない。
1.引下げは必要かつ理由があること
①最も貧しい人(第1十分位)と比べると、
受給者の消費の方が多いという「ゆがみ」があ
ること(ゆがみ論)、②物価が下がっているの
に、保護費は減っていないこと(デフレ論)が
報告されたので、引下げは必要かつ理由があ
る。
2.受給者に配慮したこと
い人と比べてきた。
3.デフレ論は正しいこと
保護基準は、厚生労働大臣の広い裁量で決め
られるので、専門家の検討や意見を踏まえる必
要はない。物価の計算で、どの数字を使うかは,
厚生労働大臣の裁量で決められるので、「生活
扶助CPI」を使っても違法ではない。
4.引下げの影響は無関係
保護費の引下げで、住民税の非課税基準等に
保護費を一気に減らすのではなく、3年かけ
て少しずつ減らし、しかも、引下げ幅が10%
を超えないよう、配慮した。
影響を与えても、違法ではない。生活保護法に
は、他の制度への影響を考慮すべきとは書いて
いない。
2015年 11 月 27 日
引き下げアカン!大阪の会通信
№8(2)
生活保護充実を 憲法 25 条守れ
東京・日比谷野外音楽堂に4千人 大阪から250人参加
「生活保護アクション 25 条大集会」が 10 月 28 日、東京・
日比谷野外音楽堂で開かれました。会場には4千人を超え
る人が集まり、生活保護制度始まって以降最大規模の集会
になりました。大阪からは250人が参加。実行委員会共同
代表の尾藤廣喜弁
護士は、「貧困が広
がり生活保護の充
実が何よりも求め
られている中、国
東京・日比谷野外音楽堂(10 月 28 日)
は憲法 25 条に反し
て保護基準引き下げを進めている。全国で提訴されている
裁判は命を守るための当然の行動だ。」と述べました。集会
後、「福祉を守って命を守ろう」「生活保護は命の保障」の
コールを響かせながら銀座方面へパレードをしました。
銀座方面へパレード(10 月 28 日)
集会参加者の感想
勝利を確信する一日
勇気もらった
「生きさせろ!」
「25 条を守れ!」の叫びが日比谷野音から首都
生活保護アクション 25 条集会に参加しま
圏・全国へと轟いた。集会は予定の3千人をはるかに超える4
したが、当日は上着を脱ぎ、Tシャツ一枚で
千人余りが全国から大結集した。会場の野音を埋め尽くす程の
ちょうどよいほどの暑さでした。全国から
人々の怒りと熱気。そしてパレードは先頭が解散地点の鍛冶橋
集まった4千人を超える参加者でもっと暑
に到着しても、まだ野音に梯団が残っているという状況だ。
く盛り上がりました。共同代表の尾藤弁護
会場でのすべての発言者の訴えが心の底にズッシリと重く響
士は貧困にあわせた最低賃金の引き上げ、
く。
「食費を削って腹が減ってもガマンするのが人間らしい生活
医療費の自己負担の引き下げ、基礎年金の
と言えるのか」
「貧困者が急増している中で、最後のセーフティ
引き上げ、生活保護の充実等を訴えられま
ネットである生活保護が破られたら貧困=死だ」
「弱者は死んで
したが、どれも的を射た素晴らしい演説で
も構わないという政治を許すな」
「平和が脅かされるとき、生活
した。最後に9条と 25 条は車の両輪、幅広
も脅かされる―25 条と9条を破壊する安倍政権を一日も早くや
い人達が連帯し、25 条の実質化を呼びかけ
めさせよう」
「生きるためには闘っていかなければならない。権
ました。生活保護問題だけで4千人をこえ
利は闘ってこそ守られる」などなど。
る集会は史上初めてだそうです。集会のメ
そうだ!安倍の巧言令色に騙されないようにしよう。権力者
ッカとも言われる日比谷野外音楽堂の集会
の嘘に騙されることは、戦前の歴史が示しているように、自分
に参加でき、僕自身勇気をもらいましたが、
自身の首を絞めることになる。沖縄や反原発や差別などと闘う
なにより全国200万人をこえる生活保護
多くの人たちと手をつなぎ、
「生活保護引き下げを許さない」運
受給者によいメッセージになればと思いま
動と闘いをさらに大きく巻き起こしていこう。
す。
この日は勝利を確信させる一日だった。 (原告
S.Z)
(原告 大石 正弘)
)
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