歴代卒業研究テーマ(抜粋) 人間計測・解析

歴代卒業研究テーマ
歴代卒業研究テーマ(抜粋)
卒業研究テーマ(抜粋)
※かなり古いテーマもありますが、研究領域、テーマ選択・発案の参考にしてください。皆さんの発案する新しい切
り口や展開、応用によっては、次年度テーマとして取り上げます。ただし、現在、実験環境や機材がなくなってい
るものもありますので、詳細を把握するためには、梶川への直接の問い合わせ、図書館所蔵の卒論概要集の調査な
どが必要となります。
人間計測・解析
1)皮膚温を持つロボットハンドとの接触に対する心理的評価
マッサージなど人と触れるロボットにおいて
は、人の皮膚と同じように柔らかさと温かさを有
するものが好ましいと考えます。その点について
表面をヒーター内蔵のスポンジで被覆したロボ
ットハンドを製作し、触れ心地の評価を行いまし
た。
ヒーター内臓ソフトハンド
ロボ
2)曖昧な程度表現と押し込み力の関係
“もう少し”
、
“もっと”など日常用いられる程度表現について、ロ
ボットがその大きさを適切に把握してくれると、音声による簡便な指
示の可能性が大きく広がります。介護ロボットなどが人に触れる力を
制御する際に使われるであろう程度表現(
“もっと強く”
“ちょっと弱
く”
)を取り上げ、実際にその大きさがどの程度なのか、実際に人の
腕を押す力を計測し、表現との関係を確かめました。
押し込み力評価実験の様子
3)ボールトス動作の解析
人の行うダイナミックな動作としてボールト
ス運動を計測、解析しました。手指関節の運動と
筋電活動を計測し、人のトス運動の制御方法(関
節運動と剛性)について考察しました。得られた
知見を基に弾性要素を持つ腱駆動ロボットハン
ドによるボールトス運動を行うことが最終目的
トス動作解析実験の様子(左)と腱駆動ハンド(右)
です。
4)運動中の肘関節剛性の変化に関する解析
負荷をかけた状態で運動を行う場合の肘関節の
剛性を、筋電位の変化から推定を行う目的で行った
ものです。パワーアシスト機器や人との協調作業を
行うロボットの制御方法を考案することを目的と
して行ったものです。
関節運動と筋電位の同時計測実験の様子
マンマシンインターフェース系
1)音声(程度表現)を用いたロボット制御
“もっと”
、
“もう少し”などの程度表現に対して、人が
持つ大きさ、量のイメージを定量化し、実際のロボット制
御に適用しました。移動ロボットの操作やロボットフィン
ガの制御などを行いました。
オープンキャンパスでの体験デモ
2)グローブインターフェースを用いたロボットハンドの制御
人がセンサを取り付けたグローブを装着し、そのセン
サの出力を基に人と同じようにロボットハンドを動か
すテーマを行いました。遠隔作業などへの応用が考えら
れます。
3)筋電位を用いたロボット関節剛性の制御
遠隔操作ハンドいろいろ
人との協調作業(重量物を一緒に持ち上げるなど)を想
定し、負荷によって巧みに大きさを変える人の関節剛性と
同期してロボットの関節剛性を増減させるような制御を
行いました。
筋電制御ロボットアーム
ヒューマケアロボット系
1)空気圧クッションを利用した関節剛性可変ロボット
人と同じように作業に応じて関節剛性を制
御できるハンドを製作しました。関節内に挿入
したクッションの膨張収縮によって剛性を制
御します。空気圧制御を利用したメカニズムで
す。時に優しく時に強く人に触れることのでき
るマッサージハンドやマニピュレータへの適
用を行いました。
マッサージロボットハンド
2)物体表面の性質を識別するハンド
皮膚の性状(ざらつき等)を識別することを目的とし、
上記の関節機構をさらに小型化したフィンガを製作しまし
た。フィンガが物体表面をなぞった時に生じる摩擦力を関
節内部のクッションの内圧変化として捉えることで、接触
物体の表面状態を識別しました。
表面状態識別フィンガ
3)生活支援用移動ロボット
ロボットに搭載したカメラ映像を見て、ロボットの目的
位置を画面上でクリック(タッチ)すると、その位置に自
動的に移動します。右図は顔をクリックしたところ、画面
内で同じパターンの領域を見つけ、それが常に画面中心に
存在するようロボットは移動します。 結果として、正面
から対象の人物に接近していきます。
顔追跡移動ロボット制御画面
(タッチパネル)
4)巻き取り式ロボットアーム
ベットサイドや車椅子に取り付けることを想定し、コン
パクトで操作しやすいロボットアームを製作しました。短
いリンクをつなぎ合わせることで巻き取り収納が可能に
なることと、床面に沿ってアームを伸ばすことも可能です。
机の下に落ちたものも拾えるかも
巻き取り式ロボットアーム全景