【誤嚥性肺炎患者のケアの統一―標準化した看護を目指して―】鹿野淳子

誤嚥性肺炎患者のケアの統一―標準化した看護を目指して―
○鹿野淳子¹⁾、徳永恵子¹⁾、大峠仁美¹⁾、大坂彩夏¹⁾、濱崎美津代¹⁾、古谷玲奈²⁾
NHO 浜田医療センター5階南病棟¹⁾、NHO 福山医療センター²⁾
【目的】病棟に勤務する全看護師が誤嚥性肺炎患者へ標準化した看護ケアを提供できるよ
うになることを目的に講義を行い、講義実施前後の知識と技術の変化を明らかにする。
【方法】知識を測定するためのペーパーテスト(離床・口腔ケア・吸引・食事介助)と実
技テスト(口腔ケア・吸引・食事介助)を計3 回実施した。
【成績】実技テストに関しては3 回行うことで平均正答率が80% から90% 台に上昇した。
ペーパーテストに関しては1 回目から平均正答率が低く、各項目によってばらつきがあっ
た。3 年目以上・以下での経験年数別平均正答率には大きな差はなかった。
【考察】本研究を行なった結果、実技テストについては、1 回目から標準化した看護の提
供が行えていると考えられる。ペーパーテストで測定した知識に関しては実技テストに比
べて平均正答率が低い現状にあった。これは根拠が明確になっていなかったと考える。講
義や自己学習により看護手順に基づいた看護を行った結果、標準化した看護ケアの提供が
できるようになったと考えられる。実技テストに関してはどの項目も回数を重ねるにつれ
て正答率が上昇していることは日頃から行う技術であり、回数を重ねるにつれて技術が熟
練されると考える。経験年数別では正答率の大きな差はなかった。また、正答率が経験年
数によって差がないことから、講義の内容は対象者に関係なく一律の内容で問題がないと
考える。
【結論】1.講義を受けることで標準化した看護ケアが提供できるようになった。2.経験
年数別で大きな差はなかった。
誤嚥性肺炎患者のケアの統一
―標準化した看護を目指して―
○鹿野淳子¹ 徳永恵子¹ 大峠仁美¹ 大坂彩夏¹ 濱崎美津代¹ 古谷玲奈
²
NHO 浜田医療
5階南病棟¹ NHO 福山医療
²
はじめに
A病棟は新規採用看護師や配置換え看護師などにより呼吸器
内科経験年数2年目以下の看護師が過半数を占めている。看
護師による垂れ込み防止のギャッジアップ不備や口腔内乾燥
が著明な患者に対して保湿剤の使用を早期に勧めることがで
きていないなどケアの標準化がはかれていない現状にある。
看護師の経験や知識の不足から誤嚥性肺炎の改善や悪化予
防に必要な統一した看護が提供できていないのではないかと
考え、患者に対して全看護師が標準化した看護を提供できる
ようになることを目的に本研究を実施した。
.研究方法
期間:平成25年7月~10月
対象:研究参加について同意を得られた病棟看護師23名
方法: 1回目として研究開始時に看護手順に基づいた知識
を測定するための記述式ペーパーテスト(離床・口 腔ケア・吸引・食事介助)と実技テスト(口腔ケア・
吸引・食事介助)を実施した。
テスト終了後に離床・口腔ケア・吸引・食事介助方
法についての講義を行った。
1回目と同様の内容のテストを2回目は講義終了後
3回目は2回目のテスト施行2か月後に実施した。
倫理的配慮:研究参加は任意であり、 研究発表の際にデータは
個人が特定されない方法で公表することも記載し、同意の上署名
を得た。
3
.結果
実技テスト(病棟看護師23名)
4
.結果
ペーパーテスト(病棟看護師23名)
.結果
ペーパーテスト(病棟看護師経験年数別)
.考察
実技テストの内容は日頃から行う技
術であり,1回目のテスト時から平
均正答率が高く,回数を重ねるにつ
れて正答率が上昇した。
実技テストに関してはどの項目も回
数を重ねるにつれて正答率が上昇し
ている。そのため1回目から標準化
した看護の提供が行えていると考え
る。
7
.考察
ペーパーテストで測定した知識に関して
は実技テストに比べて平均正答率が20~
30%も低い現状にあった。
これは実技が習得できていても根拠が明
確になっていなかったと考える。
講義や自己学習により2回目以降の平均
正答率が上昇したと考える。
.考察
経験年数別では大きな差がない。
病棟経験年数別では
大きな差を認めないため、
講義の内容を変える必要ない。
結論
講義を受けることで標準化した看護
ケアが提供できるようになった。
経験年数別で大きな差はなかった。
おわりに
全体的にペーパーテストの平均正答率
は実技に比べ低く、特に離床に関して
は平均正答率が60%台であるため引き
続き継続的な学習が必要である。
今後も病棟での勉強会などを行い、知
識・実技の向上を図っていく必要があ
る。
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