高体連ボクシングニュース

高体連ボクシングニュース vol.5
● ピ ン 級
重岡(熊本)のスピードのあるボクシングに大田(香川)もうまくフェ
イントを使い、カウンターパンチをヒットさせる。しかし 1R 終盤に重岡の
左ストレートが炸裂しダウン。2Rも重岡のスピードが落ちずTKO勝ち
を収めた。豊嶋(神奈川)は、自分の距離に相手を引き込み、落
ち着いた試合運びで勝利した。鶴林(奈良)は豊嶋(兵庫)の連打
を浴びるところも見られたが、前の手をうまく使ってのパンチ
をヒットさせ僅差のポイント勝ちを収めた。松本流(東京)は上下に
パンチを散らしながら、相手に迫り要所を締め勝利した。
<準決勝 対戦カード>
第 1 試合 重岡(熊本) 対 豊嶋(神奈川)
重岡の左からの攻撃を、豊嶋がどのように対応し、攻略して
いくかに注目したい。
第 2 試合 鶴林(奈良) 対 松本流(東京)
リーチの長い鶴林が松本流の素早い動きに対し、自分の有利な
展開に持ち込めるか期待したい。
● ライトフライ 級
中垣(宮崎)は 1R から動きがよく、手数も多く相手に向かっ
ていく。森川も右ストレートを多投するが、パンチが空を切る。3R 疲
れが見えた森川に、中垣は容赦なくパンチをヒットさせ、ポイント勝ち
を収めた。松本圭(神奈川)も本来の動きを取り戻し、左右のボ
ディから相手に的を絞らせない攻撃でベスト 4 進出を決めた。飯
村(東京)は山下(栃木)との関東勢対決を制した。田村(広島)と
山下(福岡)の一戦は、ともに気持ちを前に出し、激しい接近戦
を展開、勝負所で田村の連打がヒットして試合を有利に進め勝利
した。
<準決勝 対戦カード>
第 3 試合 中垣(宮崎) 対 飯村(東京)
試合ごとに実力通りの力を発揮してきた中垣に、飯村も一歩
も引けをとらない。激しい試合になることは間違いない。
第 4 試合 松本圭(神奈川) 対 田村(広島)
田村のスピードが勝つか、松本圭のテクニックが勝つか注目のカード
である。
●フ ライ 級
A リング 井上(宮崎) は序盤から要所でパンチをまとめて安定
した滑り出しを見せる。一方の小川(鳥取)が反撃するとカウンター
を狙う。第 3R には井上のカウンターがヒットしてカウントを奪い圧勝し
た。大湾(沖縄)は思い切った攻撃を仕掛けるのに対して金元
(愛媛)はリーチを活かしながら攻撃するが、有効打が奪えないま
ま競技終了となったが、大湾が勝利した。
B リング 増田(広島)はリーチを活かしながら長尾(福岡)を迎え
平成 2 7 年 8 月 2 日発行
全国高体連ボクシング専門部
撃つ。長尾は自分の距離に入るや否やスピーディなワンツーをヒットす
る。第 3R 増田は長尾の出鼻にタイムリーにパンチをヒットしてポイント勝
ち。堤(千葉)は積極的に攻撃を仕掛けるが関(佐賀)はフットワークで
それをしのぐ。第 1R 終盤に堤の連打で関はロープにつまりカウン
トが入る。第 2R にも堤は席をロープに詰めて TKO 勝ちをした。
<準決勝 対戦カード>
第 5 試合 井上(宮崎) 対 大湾(沖縄)
選抜からの連覇を狙う井上を大湾がどのように攻略を図る
かに注目したい。
第 6 試合 増田(広島) 対 堤(千葉)
快進撃を続ける新鋭 堤とここまで安定して勝ちあがって
きた第 3 シードの増田との対戦は興味が持たれる。
● バンタム 級
第1シード井上(宮崎)はコンパクトなボクシングを終始展開しペースを
譲らずポイント勝ち。坂口も左ストレートを好打したが及ばなかった。
蛯名(宮城)が左右の強いフックを武器に前進するも、金子(東京)
は右のストレートからの左フックの返しが効果的にヒットし金子のポイント
勝ち。小田川(岐阜)はテンポの速い攻撃が冴えポイント勝ち。渡来
(神奈川)はフットワークを使い長い距離をキープしたが、後手に回る
事が多かった。今永(奈良)、木村(静岡)は熾烈なペース争いを制
した今永のポイント勝ち。
<準決勝 対戦カード>
第 7 試合 井上(宮崎) 対 小田川(岐阜)
今大会ぐいぐいと調子を上げている小田川。攻防に隙がな
く、崩れない井上。勢いのある小田川に対し、井上がどう戦う
か注目したい。
第 8 試合 金子(東京) 対 今永(奈良)
両者とも、長距離戦を得意とした選手。緊張感のある戦いに
なりそう。
●ラ イト 級
津田(岐阜)はリーチがあり、選抜 C の齋藤(宮崎)は、上体を振り
ながら距離を詰めプレスを強めていく。距離がつまり掛けた直
前に、齋藤は右ショートの連打でカウントを奪う。ペースを握った齋藤は
試合を決めようと多彩なコンビで追い込んで行ったが、津田も
最後まで粘り食い下がった。
藤山(兵庫)と森下(京都)の近畿勢の戦いは、お互いに手の内
を知り尽くしており、ともに手数が少ない。藤山の右が度々ヒッ
トしたが、後半はサウスポー森下の左がヒットし僅差の判定をものに
した。佐藤(東京)対玉城(沖縄)は、佐藤が先手で仕掛け、玉城が
反撃する展開で進む。後半に佐藤の攻撃が大振りになったと
ころに玉城のカウンターの強打が決まり玉城が勝利を収めた。
長身の岡田(熊本)のストレート攻撃に対し、堤本(大阪)はカウンターを狙
う。岡田の右ストレート合わせた堤本の強い右カウンターがヒットしカウントを
奪うと、堤本は重い左ボディとフックを上下に打ち分けて追撃し
試合を決めた。
<準決勝 対戦カード>
第 9 試合 齋藤(宮崎) 対 玉城(沖縄)
多彩な攻撃の引き出しを持つ齋藤に対し、玉城がインパクトの
あるカウンターで対抗する。どちらがペースヲ握るかが勝敗のカギとな
る。
第 10 試合 森下(京都) 対 堤本(大阪)
近畿勢同士の対戦。テクニックの森下とパワーの堤本の柔と剛の見
ごたえのある戦いから目が離せない。
● ライトウェルター 級
細野(北海道) と堀尾(神奈川)の戦いは、両者ガードを固めて
接近し、激しい打ち合いを展開した。堀尾も反撃し粘りを見せ
たが、最後はパワーで勝った細野が 3 度ダウンを奪い勝利した。サウ
スポー同士の戦いは末吉(福岡)が前進し、中井(兵庫) が左右に
動きながらチャンスをうかがう試合でスタートした。終始プレッシャーをか
けた末吉もパンチをヒットさせたが、中井が後半にボディから攻撃
を集め僅差(2-1)の判定をものにした。荒本(奈良) と河津(熊
本)の試合は、両者決め手に欠く試合となった。最後は荒本の
技術が上回り判定で勝利した。中(大阪)はプレッシャーを掛け攻撃
するが、杉本(京都)はホールドで逃げる。終始、攻撃を続けた中が
安定した試合運びを見せて勝利した。
<準決勝 対戦カード>
第 11 試合 細野(北海道) 対 中井(兵庫)
細野が追い、中井が足を使った展開が予想される。細野のパ
ワーに対して、中井がどのような技術を駆使するか見ものであ
る。
第 12 試合 荒本(奈良) 対 中崎(大阪)
近畿大会決勝の再戦である。前回は僅差の判定で荒本が勝
利しているが、中も最後のインターハイで雪辱に燃えている。
● ウェルター 級
原田(広島)対河津(神奈川)の一戦は、序盤からお互いの距離
がつかめないままクリンチ戦。離れて原田がジャブ・右ストレートを的確
にヒットさせポイント勝ち。横内(埼玉)と櫻井(京都)はサウスポー同士、
先手と前に出るボクシングを展開する櫻井に対し横内は左ストレート
から右フックを何度かヒットさせた。終盤の 3 ラウンド前に出てくる櫻
井にクリンチを多用した横内に減点。さらに櫻井が攻め込みポイント
勝ちを収めた。黒柳(栃木)対安部(福岡)は、積極的に前に出る
黒柳、それを下がりながらも応戦する安部。1 ラウンドにニュートラルコ
ーナーに詰められた安部に黒柳の右がヒットしダウン。3 ラウンドにも黒
柳が連打の中から右ストレートを当てそこで TKO となり試合終
了。岩崎(大阪)と谷田(兵庫)関西ブロック同士、ボクシングスタイルも似
ているパワーヒッターの戦い。一進一退の攻防でお互いに左フック・左
ボディー・右ストレートのクロスカウンターどちらが倒れてもおかしくない試
合展開が続いたが、2 ラウンド離れ際に岩崎の強烈な左フックがヒット
し岩崎が優位に展開し始めたように見えてきたが谷田も負け
ずに戦い続けた。2-1 のポイントで岩崎が勝利したが、これぞ高
校ボクシングと言えるナイスファイトであった。
<準決勝 対戦カート>゙
第 13 試合 原田(広島) 対 櫻井(京都)
試合巧者の原田に対し、勢いのある櫻井。熱い試合になる事
が予想される一戦。
第 14 試合 黒柳(栃木) 対 岩崎(大阪)
前へ前へ先手必勝ボクシングの黒柳、それを迎え撃つハードパンチ
ャー岩崎。ナイスファイトが期待される。
● ミ ド ル 級
A リング 梅村(岩手)は積極的に仕掛けるが田島(神奈川)は左
右のフットワークでこれをかわす。第 2R 梅村は上下のコンビネーションで
カウントを取る。しかし田島は粘りを見せて反撃する。3R は梅村
は左右へのステップからコンビネーション攻撃を見せて圧勝。新城は懐
の深い秋山に思い切りのよいパンチを振るうが秋山は有効打を
許さずに新城の打ち終わりに反撃する。3R 新城の大振りなパ
ンチがヒットし二度のカウントを奪い TKO 勝ち、宮本(熊本)対国本
(大阪)
の両者はお互いにリードから強いパンチを交換する。終盤
宮本が攻勢を仕掛けるが、国本は冷静にストレートから返しのフック
をヒットさせポイント勝ちした。
正木(広島)と三上(青森)はリードで間をとりながら主導権を
奪いあう。しかしリードからワンツーといった基本的な攻撃で徐々
に正木は主導権を奪い勝利した。
<準決勝 対戦カード>
第 15 試合 梅村(岩手) 対 新城(兵庫)
4 冠を目指す実力者の梅村に、パワフルな攻撃を身上とする
新城の注目の対戦。
第 16 試合 国本(大阪) 対 正木(広島)
試合巧者の両者が対戦する。主導権争いに興味が持たれる。
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