水道の蛇口(給水栓)を見直そう - 公益社団法人 福岡市食品衛生協会

(公社)福岡市食品衛生協会FAX情報サービス
平成27年3月
183号
水道の蛇口(給水栓)を見直そう
食品衛生の基本の一つに「手洗い」があります。特にノロ
ウイルスやインフルエンザ対策として手洗いは重要です。
その際、必ずお世話になるのが手洗い器等の水道蛇口(給
水栓)です。拭き取り検査を実施すると、従業員が多く手を
触れるためか、菌数が多かったり不衛生になっていることが
あります。そこで今回は、水道の蛇口をテーマに衛生面から
解説してみました。
1.水道蛇口(給水栓)の種類と特徴
三つ叉式コック水栓
・水道の蛇口には、水用と温水用があり、さらに湯水を混合するタイプもあります
・蛇口の形状は、コック式(三つ叉式、ノブ式)、レバー式、足踏み式、自動式(赤
外線センサー)など様々なタイプがみられます
・コック式は、一般に普及しているタイプで、栓を回すことで水を出したり、止め
たりする方式です。シンプルな構造で分解が容易で、洗浄しやすいのが特徴です
・レバー式は、レバーを上下・左右に動かして使用します。湯水混合栓に多く、以前
は「上げ止め式(レバーを上げると止まる方式)」が多かったが、近年は「下げ止め
式(レバーを下げると止まる方式)」が主流になっています
・足踏み式や自動式等のハンズフリー方式も近年普及してきました。手を触れずに
使用できるのが長所ですが、構造が複雑で故障が多かったり、欠点もあります
2.水道蛇口の汚染実態
・拭き取り検査をすると、ヒトの手が触れる頻度が多いほど菌汚染が高くなり、
相関関係にあるようです
・コック式は、定期的に分解し洗浄を行っている場合は問題ありません
・レバー式は、下面(裏側)が不衛生になりやすいようです。またステンレスがプ
レーンな形状のものは比較的清潔ですが、彫刻マーク(ギザギザ模様)のあるタ
イプは、ここに菌が入り込み、拭き取り検査でよく菌が検出されます
・自動式は機械内部で水との接触箇所が多く、メンテナンスが悪いと水がレジオネ
ラ菌などに汚染されている実態が報告され、注意が必要です
3.水道蛇口を清潔に保つためには?
・定期的に水道蛇口の洗浄・消毒を行ってください
・洗浄は、洗剤とブラシ(使用済みの歯ブラシで可)を用いて隅々まで洗浄しまし
ょう。分解できる構造なら、できる限り分解して洗浄すると効果があります。
レバー式は、特に裏側まで洗浄を行ってください
・消毒は、熱湯(70∼90℃)か、エタノールを用います。それぞれの施設にあった
消毒方法で行ってください
・ノロウイルス対策として消毒する場合は、次亜塩素酸 Na(ハイター等)を規定の希釈
倍数にして消毒します。次亜を使う場合は金属の錆や腐食に注意してください