日本呼吸器学会東北地方会:第 100 回記念大会 第 130 回日本結核病

日本呼吸器学会東北地方会:第 100 回記念大会
第 130 回日本結核病学会東北支部学会
第 9 回日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会東北支部会
講演プログラム・抄録集
会長
日本呼吸器学会東北地方会 棟方 充
(福島県立医科大学呼吸器内科学講座)
日本結核病学会東北支部学会 新妻 一直
(福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科)
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会東北支部会 棟方 充
(福島県立医科大学呼吸器内科学講座)
■一般演題
≪第 1 会場≫セッション 1~3 9:30~12:18
≪第 2 会場≫研修医セッション 1・2、セッション 4 9:30~12:04
■ランチョンセミナー:≪第 1・2 会場≫12:40~13:40
■総 会 ・ 表 彰 式:≪第 1 会場≫
13:40~14:00
■特 別 シ ン ポ ジ ウ ム:≪第 1 会場≫
14:00~16:40
■特
別
講
演:≪第 1 会場≫
16:40~17:20
■代
議
員
会:≪第 7 会議室≫ 12:40~13:40
日 時:2015 年 3 月 7 日(土)受付 9:00 より
会 場:フォレスト仙台
〒981―0933 仙台市青葉区柏木 1―2―45
参加費:1,000 円(当日受付にてお支払いください)
【合同地方会事務局】
福島県立医科大学呼吸器内科学講座
〒960―1295 福島県福島市光が丘 1 番地
TEL:024―547―1360 FAX:024―548―9366 E-mail:[email protected]
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演者の方へ
1.口演時間は 5 分、口演後の討論時間は 2 分です。口演中は緑色ランプが点灯し、1 分前に黄
色ランプ、終了時に赤色ランプが点灯しますので時間を厳守してください。
2.発表はコンピュータープレゼンテーションで下記の条件で準備してください。
・当日発表に使用する PC の OS は Windows7、プレゼンテーションソフトは PowerPoint
2003、2007、2010、2013 です。Macintosh に関しては従来通り、各自 PC の持ち込みとい
たします。
・ご発表予定時刻の 30 分前までに CD-R、USB メモリーもしくはノートパソコン本体を PC
受付(2F ロビー)にお持ちいただき、受付をお済ませください。
※発表データは学会終了後、事務局の責任で破棄いたします。
・発表時は演者の手元にある機器で、演者自身でパソコンを操作していただきます。
・動画・アニメーション・音声の使用はお断りいたします。
・ご自身の PC をお持込の場合は、事前に動作確認をお願いいたします。なお、その場合の
動作不良につきましては事務局では責任を負いかねます。念のため、Windows で動作確認
をしたバックアップデータをお持ちください。
※その他、特別な事情がある場合には事務局にご相談ください。
ご参加の皆様へ
1.会場内での発言はすべて座長の指示に従い、必ず所属・氏名を述べてから簡潔に発言してく
ださい。
2.学会中の呼び出しは緊急でやむを得ない場合以外いたしません。
3.プログラムの当日配布はいたしませんので、各自ご持参ください。
4.初期研修医の発表で優秀な演題を、当日総会時に表彰いたします。
5.当日、単位登録を行います。受付の際に、会員カードのバーコードを読み取らせていただき
ますので、必ず会員カードをご持参ください。
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会場(フォレスト仙台)地図
会場(フォレスト仙台)地図
タクシーご利用の場合
タクシーご利用の場合
JR 仙台駅より約
10 分 10 分
JR
仙台駅より約
地下鉄ご利用の場合
地下鉄ご利用の場合
北四番丁駅下車「北 2 出口」より徒歩約 7 分
北四番丁駅下車「北
2 出口」より徒歩約 7 分
JR ご利用の場合
JR ご利用の場合
JR 仙山線「北仙台駅」下車、徒歩約 10 分
JR 仙山線「北仙台駅」下車、徒歩約 10 分
バスご利用の場合
バスご利用の場合
JR 仙台駅周辺のバス停より北仙台方面行きに乗車し「堤通雨宮町」下車
JR 仙台駅周辺のバス停より北仙台方面行きに乗車し「堤通雨宮町」下車
◆駐車場のご案内◆
◆駐車場のご案内◆
○立体及び平面駐車場 有り
○立体及び平面駐車場 有り
○有料~30 分毎 100 円
○有料∼30 分毎 100 円
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施設案内図
フォレスト仙台 2階
身障者
WC
第1会場
WC
←
WC
受付
PC受付
機器展示
→
控
室
WC
ELV
ELV
ホワイエ
第2会場
本部
第5会議室
クローク
第6会議室
WC
第1フォレストホール
外
廊
下
廊
下
ELV
吹き抜け
ELV
←
→
第2フォレストホール
第8会議室
代議員会
第7会議室
第9会議室
階段
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日本呼吸器学会東北地方会:第100回記念大会
第130回日本結核病学会東北支部学会
第9回日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会東北支部会 日程表
フォレスト仙台
第1会場
(第1フォレストホール)
9:00
日本呼吸器学会東北地方会 会長 棟方 充
開会の挨拶
9:25~
9:30~10:26
10:26~11:22
セッション 2 9~16
座長:本田 芳宏
三木 誠
11:00
日本結核病学会東北支部学会 会長 新妻 一直
開会の挨拶
9:25~
9:30~10:19
10:19~11:08
研修医セッション 2 32~38
座長:柴田 陽光
髙梨 信吾
11:08~12:04
11:22~12:18
セッション 3 17~24
座長:谷野 功典
松浦 圭文
12:00
セッション 4 39~46
座長:武内 健一
斎藤美和子
12:40~13:40
12:40~13:40
ランチョンセミナー 2 ランチョンセミナー 1
在宅呼吸ケアのポイント
13:00 喘息診療アップデート―感染による喘息
~退院から在宅まで~
増悪への対応とこれからの個別化医療― 座長:黒澤 一 演者:蝶名林直彦
座長:柴田 陽光
共催:帝人ファーマ株式会社/
演者:長瀬 洋之
帝人在宅医療株式会社/
共催:アストラゼネカ株式会社
レスメド株式会社
総会・表彰式
第7会議室
研修医セッション 1 25~31
座長:山谷 睦雄
小林 仁
セッション 1 1~8
座長:森 清志
井上 彰
10:00
第2会場
(第2フォレストホール)
12:40~13:40
代議員会
13:40~14:00
14:00~15:20
14:00
特別シンポジウム
今、東北から発信する
呼吸器臨床の未来
セッション1(気道系疾患)
座長:一ノ瀬正和
演者:小荒井 晃、斎藤 純平、
柴田 陽光、佐藤 一洋
15:00
15:20~16:40
16:00
特別シンポジウム
今、東北から発信する
呼吸器臨床の未来
セッション2(間質性肺疾患・肺癌)
座長:山内 広平
演者:谷野 功典、佐々木信人、
井上 彰、田中 寿志
17:00
特別講演
日本呼吸器学会東北支部の歩み
座長:棟方 充
演者:山内 広平
16:40~17:20
閉会の挨拶
17:20~
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<プログラム>
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一 般 演 題
第 1 会場(第 1 フォレストホール)
開会の挨拶 9:25~
日本呼吸器学会東北地方会 会長 棟方 充
(福島県立医科大学呼吸器内科学講座)
セッション 1 9:30~10:26
座長 坪井病院呼吸器内科 森 清志
東北大学病院臨床研究推進センター 井上 彰
1.
DIC を合併した ALK 融合遺伝子陽性肺腺癌に対してアレクチニブが奏効した一例
宮城県立がんセンター呼吸器内科1、同病理診断科2
○突田 容子1、渡邉 香奈1、佐藤ひかり1、盛田 麻美1、鈴木 綾1、
福原 達朗1、伊藤しげみ2、佐藤 郁郎2、前門戸 任1
2.
血栓塞栓症を合併した肺癌患者にへパリン在宅自己注射療法を導入した 2 例
宮城県立がんセンター呼吸器内科
○佐藤ひかり、突田 容子、福原 達朗、鈴木 綾、盛田 麻美、
渡邉 香奈、前門戸 任
3.
骨髄転移により血小板低下をきたした小細胞肺癌の一例
独立行政法人国立病院機構仙台医療センター呼吸器内科
○安藤 正勝、中村 優、西巻 雄司、菊地 正、笹森 寛、
三木 祐
4.
IV 期非小細胞肺癌に対し集学的治療で 6 年間生存中の 1 例
仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科1、同病理部2
○関 由美加1、洞口 亮1、須田 祐司1、進藤百合子1、飯島 秀弥1、
澤井 高志2
5.
化学療法継続のため血小板輸血に難渋した小細胞肺癌の 1 例
秋田大学大学院医学研究科呼吸器内科1、秋田大学大学院医学研究科保健学科2
○浅野真理子1、佐藤 一洋1、奥田 佑道1、須藤 和久1、竹田 正秀1、
飯野 健二1、佐野 正明1、渡邊 博之1、塩谷 隆信2、伊藤 宏1
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6.
組織型が異なる同時性三重多発肺癌の 1 例
仙台オープン病院呼吸器内科1、東北薬科大学病院呼吸器外科2
○洞口 亮1、進藤百合子1、関 由美加1、須田 祐司1、飯島 秀弥1、
田畑 俊治2
7.
化学療法の継続で長期生存が得られた肺腺癌の一例
石巻赤十字病院呼吸器内科
○森野 杏子、小林 誠一、大久保愉一、石田 雅嗣、矢満田慎介、
花釜 正和、矢内 勝
8.
Crizotinib 使用中に中枢神経病変で再発した EML4-ALK 融合遺伝子陽性肺癌に対
し Alectinib が有効であった一例
岩手県立中央病院呼吸器科
○佐藤麻美子、守口 知、宮本 孝行、佐々島朋美、佐藤 司、
宇部 健治、守 義明
セッション 2 10:26~11:22
座長 仙台厚生病院呼吸器内科 本田 芳宏
仙台赤十字病院呼吸器科 三木 誠
9.
肺良性転移性平滑筋腫の一例
岩手医科大学救急医学1、同呼吸器・アレルギー・膠原病内科2、同病理診断学3
○中舘 俊英1、関村 研之2、内海 裕2、丹田 実2、森川 直人2、
中村 豊2、山内 広平2、上杉 憲幸3、無江 良晴3
10.自然消褪を来した胸壁リンパ腫の 1 例
福島県立医科大学会津医療センター感染症呼吸器内科
○斎藤美和子、鈴木 朋子、新妻 一直
11.当科における胸膜癒着術の検討~タルクの有用性について
済生会福島総合病院呼吸器科1、福島県立医科大学呼吸器内科学講座2
○猪腰 弥生1、石井 妙子1、勝浦 豊1、棟方 充2
12.当院における局所麻酔下胸腔鏡検査の検討
済生会山形済生病院呼吸器内科
○山本 友香、鈴木 博貴、渡邊 麻莉、西塚 碧、佐藤 千紗、
土田 文宏、武田 博明
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13.在宅訪問患者における肺炎患者の発症要因及び予後予知因子について
医療法人社団仁明会齋藤病院内科
○盛田 真樹
14.当院における黄色爪症候群 2 例の臨床的検討
仙台赤十字病院呼吸器内科1、同皮膚科2
○高橋 秀徳1、三木 誠1、清水川 稔1、井上 大輔1、田畑 伸子2、
小野寺信江2
15.未成年から成人期に至る過程での非医療大学学生の喫煙に関する調査
福島大学保健管理センター
○宇野 友康
16.大動脈グラフトを用いた両肺移植術の検討
東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野1、
東北大学大学院医学系研究科心臓血管外科学分野2、東北大学病院臓器移植部3
○渡邉 龍秋1、鈴木 寛利1、松田 安史1、野津田泰嗣1、新井川弘道1、
野田 雅史1、桜田 晃1、星川 康1、遠藤 千顕1、岡田 克典1、
近藤 丘1、安達 理2、斉木 佳克2、秋場 美紀3
セッション 3 11:22~12:18
座長 福島県立医科大学呼吸器内科学講座 谷野 功典
太田西ノ内病院呼吸器センター内科 松浦 圭文
17.黒にんにく摂取が原因と考えられた薬剤性間質性肺炎の一例
福島県立医科大学呼吸器内科
○鈴木 康仁、斉藤 純平、東川 隆一、佐藤 佑樹、平井健一郎、
美佐 健一、福原奈緒子、福原 敦朗、佐藤 俊、谷野 功典、
棟方 充
18.自覚症状なく検診にて初めて指摘された肺胞蛋白症の 1 例
太田西ノ内病院呼吸器センター内科1、新潟大学2
○松浦 圭文1、宮澤 希1、安達 優真1、原 靖果1、中田 光2
19.多発空洞結節を呈した肺ランゲルハンス細胞組織球症の 1 例
一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院呼吸器センター
○原 靖果、松浦 圭文、小柳津 毅、宮澤 希、安達 優真、
佐藤 航太
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20.慢性ベリリウム症の一例
福島県立医科大学呼吸器内科学講座1、山梨大学医学部循環器呼吸器内科学講座2
○福原 敦朗1、鈴木 康仁1、関根 聡子1、峯村 浩之1、植松 学1、
斎藤 純平1、谷野 功典1、棟方 充1、樋田 和弘2、渡邉 一孝2、
石原 裕2
21.リツキシマブによる治療を加えた難治性の Sjögren 症候群関連肺疾患の一例
東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野1、
東北大学大学院医学系研究科血液免疫病学分野2
○竹越 大輔1、玉井ときわ1、蒲生 俊一1、相澤 洋之1、光石陽一郎1、
佐藤 輝幸1、小荒井 晃1、城田 祐子2、一ノ瀬正和1
22.
確定診断に至らないまま長年見過ごされていた Birt-Hogg-Dube 症候群(BHDS)
の1例
仙台赤十字病院呼吸器内科
○井上 大輔、三木 誠、清水川 稔、高橋 秀徳
23.眼瞼下垂を認めたサルコイドーシスの一例
秋田大学大学院呼吸器内科学1、同保健学科2
○竹田 正秀1、鈴木 貴之1、佐藤 一洋1、奥田 佑道1、浅野真理子1、
須藤 和久1、飯野 健二1、佐野 正明1、渡邊 博之1、塩谷 隆信2、
伊藤 宏1
24.外科的リンパ節生検後に急性呼吸不全をきたしたサルコイドーシスの 1 例
岩手医科大学附属病院呼吸器・アレルギー・膠原病内科
○長島 広相、中村 豊、村田 興則、中島 義雄、丹田 実、
内海 裕、小林 仁、山内 広平
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一 般 演 題
第 2 会場(第 2 フォレストホール)
開会の挨拶 9:25~
日本結核病学会東北支部学会 会長 新妻 一直
(福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科)
研修医セッション 1 9:30~10:19
座長 東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座 山谷 睦雄
岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科 小林 仁
25.間質性肺炎に潰瘍性大腸炎を合併した 1 例
会津医療センター
○峯岸 幸博、齋藤美和子、鈴木 朋子、新妻 一直
26.家族性地中海熱の経過中に悪性胸膜中皮腫を発症した 1 例
山形大学医学部附属病院卒後臨床研修センター1、山形大学医学部附属病院第一内科2
○近 壮一朗1、五十嵐 朗2、井上 純人2、阿部 祐紀2、小林 真紀2、
佐藤 建人2、佐藤 正道2、根本 貴子2、布宮 慶子2、西脇 道子2、
阿部 修一2、柴田 陽光2、久保田 功2
27.Mycobacterium abscessus 肺感染症の 1 例
山形県立中央病院内科
○佐藤 裕人、片桐 祐司、日野 俊彦、長澤 正樹、藤井 俊司
28.当院で経験した抗アミノアシル tRNA 合成酵素抗体(抗 ARS 抗体)陽性肺病変 4
例の検討
大崎市民病院呼吸器内科
○宇根岡 慧、井草龍太郎、丹野 篤、平野 泰三、沼倉 忠久
29.中年初発女性気胸の 1 例
~癌家系で下肺野中心の多発肺嚢胞を見たら Birt-Hogg-Dube 症候群(BHDS)を
疑い遺伝子検査を行うべきである~
仙台赤十字病院呼吸器内科1、東北薬科大学病院呼吸器外科2
○徐 東傑1、三木 誠1、清水川 稔1、井上 大輔1、高橋 秀徳1、
田畑 俊治2、勝俣 博史2、深谷 建2
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30.重症筋無力症に合併した肺クリプトコックス症の 1 例
仙台赤十字病院呼吸器内科
○伊藤 俊輔、三木 誠、清水川 稔、井上 大輔、高橋 秀徳
31.両肺に多発する多彩な陰影を示した肺原発悪性リンパ腫 Diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)の 1 例
岩手県立胆沢病院呼吸器内科
○水口 康彦、鈴木 俊郎、佐々木優作、板倉 康司、鳴海 創大、
大内 譲、勝又宇一郎、松本 登
研修医セッション 2 10:19~11:08
座長 山形大学医学部附属病院第一内科 柴田 陽光
弘前大学保健管理センター/附属病院呼吸器内科 髙梨 信吾
32.両肺全体に FDG-PET で集積を認めた血管内リンパ腫(IVL)の一例
岩手医科大学附属病院呼吸器・アレルギー・膠原病内科
○水野 友貴、中村 豊、松本 あみ、及川 侑芳、千葉 亮祐、
村田 興則、内海 裕、齋藤 平佐、長島 広相、小林 仁、
山内 広平
33.肺癌担癌患者に併発した気胸に対する 2 手術例
岩手県立中央病院呼吸器外科
○菅原 真弓、菅原 崇史、石田 格、大浦 裕之
34.多発肺転移を契機に発見された Alveolar soft part sarcoma の一例
東北大学病院呼吸器内科1、東北大学病院病理部2
○内藤恵里佳1、佐藤 輝幸1、田中 里江1、小野 学1、岡崎 達馬1、
渡辺 みか2、相澤 洋之1、蒲生 俊一1、玉井ときわ1、光石陽一郎1、
小荒井 晃1、一ノ瀬正和1
35.生前に診断が困難であった Nocardia farcinica 感染症の 1 剖検例
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科1、同病理部病理診断科2
○髙橋 賢治1、古谷慎太郎1、神宮 大輔1、矢島 剛洋1、生方 智1、
庄司 淳1、渡辺 洋1、高橋 洋1、伊藤 干城2
36.Shewanella putrefaciens による院内肺炎の 1 例
大崎市民病院呼吸器内科 ○李 河、平野 泰三、丹野 篤、沼倉 忠久、井草龍太郎
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37.肺がん患者における 2 次性食道アカラシアの 1 例
大崎市民病院呼吸器内科 ○阿部 出、平野 泰三、丹野 篤、沼倉 忠久、井草龍太郎
38.Chryseobacterium indologenes が分離された重症肺炎の 1 剖検例
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器内科
○古谷慎太郎、高橋 賢治、神宮 大輔、矢島 剛洋、生方 智、
庄司 淳、渡辺 洋、高橋 洋
セッション 4 11:08~12:04
座長 岩手県予防医学協会 武内 健一
福島県立医科大学会津医療センター感染症呼吸器内科 斎藤美和子
39.治療中に対側胸水貯留と肺野の結節影を認めた結核性胸膜炎の一例
山形県立中央病院内科
○片桐 祐司、日野 俊彦、長澤 正樹、藤井 俊司
40.結核化学療法中に薬剤性肝硬変をきたした一例
国立病院機構弘前病院呼吸器科1、同消化器・血液内科2
○石岡 佳子1、山本 勝丸1、下山亜矢子1、中川 英之1、高杉かおり2
41.気管支喘息で外来通院中に発症した喘息症状と紛らわしかった肺結核の一例
総合南東北病院呼吸器科
○座安 清
42.リンパ脈管筋腫症に対する左片肺移植術後に右固有肺に結核を罹患した一例
東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野1、
東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野2、
東北大学病院感染症診療地域連携講座3、東北大学病院臓器移植部4、
東北大学病院薬剤部5
○鈴木 寛利1、渡邉 龍秋1、松田 安史1、岡崎 敏昌1、野津田泰嗣1、
新井川弘道1、野田 雅史1、桜田 晃1、星川 康1、遠藤 千顕1、
岡田 克典1、近藤 丘1、玉田 勉2、菊地 利明2、一ノ瀬正和2、
具 芳明3、秋場 美紀4、高橋阿希子5
43.急性骨髄性白血病患者で Mycobacterium fortuitum 菌血症を呈した一例
大曲厚生医療センター・内科
○佐々木重喜
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44.喉頭浮腫を伴った侵襲性アスペルギルス症の 1 例
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座1、弘前大学医学部附属病院検査部2、
弘前大学保健管理センター3、弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座4
○糸賀 正道1,2、當麻 景章1、中村 邦彦1、田中 寿志1、高梨 信吾1,3、
奥村 謙4
45.潰瘍性大腸炎のインフリキシマブ治療中に肺クリプトコックス症を合併した一例
山形県立中央病院内科1、同消化器内科2
○日野 俊彦1、片桐 祐司1、長澤 正樹1、藤井 俊司1、武田 弘明2
46.肺真菌症の 2 例
仙台厚生病院呼吸器内科
○相羽 智生、本田 芳宏、斉藤 勉、百目木 豊、川名 祥子、
斉藤 亮平、川嶋 庸介、高原 政利、中村 敦、石本 修、
木村雄一郎、菅原 俊一
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ランチョンセミナー(12:40~13:40)
第 1 会場(第 1 フォレストホール)
ランチョンセミナー 1
座長 山形大学医学部附属病院第一内科 柴田 陽光
「喘息診療アップデート
―感染による喘息増悪への対応とこれからの個別化医療―」
演者 帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科 長瀬 洋之
共催:アストラゼネカ株式会社
第 2 会場(第 2 フォレストホール)
ランチョンセミナー 2
座長 東北大学環境・安全推進センター、東北大学大学院医学系研究科産業医学分野 黒澤 一
「在宅呼吸ケアのポイント~退院から在宅まで~」
演者 学校法人聖路加国際大学聖路加国際病院呼吸器センター 蝶名林直彦
共催:帝人ファーマ株式会社/帝人在宅医療株式会社/レスメド株式会社
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特別シンポジウム(14:00~16:40)
第 1 会場(第 1 フォレストホール)
特別シンポジウム「今、東北から発信する呼吸器臨床の未来」
セッション 1(気道系疾患)
14:00~15:20
座長 東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野 一ノ瀬正和
「COPD 増悪病態における自然免疫の役割」
演者 東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野 小荒井 晃
「喘息管理における新規バイオマーカーとしての呼気 NO および硫
化水素(H2S)の有用性」
演者 福島県立医科大学呼吸器内科学講座 斎藤 純平
「疫学研究から理解された呼吸機能低下を予測するバイオマーカー」
演者 山形大学医学部附属病院第一内科 柴田 陽光
「遺伝性出血性毛細血管拡張症における肺動静脈奇形の治療適応と
効果」
演者 秋田大学大学院医学系研究科循環器内科学・呼吸器内科学 佐藤 一洋
セッション 2(間質性肺疾患・肺癌)
15:20~16:40
座長 岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科 山内 広平
「肺の炎症と修復におけるプロテオグリカン・グリコサミノグリカ
ンの役割」
演者 福島県立医科大学呼吸器内科学講座 谷野 功典
「膠原病に合併する間質性肺炎および肺高血圧症」
演者 岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科 佐々木信人
「東北が変えた、東北が変える、肺癌個別化治療」
演者 東北大学病院臨床研究推進センター 井上 彰
「肺癌診断における免疫染色の応用」
演者 弘前大学医学部循環器・呼吸器・腎臓内科 田中 寿志
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特別講演(16:40~17:20)
第 1 会場(第 1 フォレストホール)
座長 福島県立医科大学呼吸器内科学講座 棟方 充
「日本呼吸器学会東北支部の歩み」
演者 岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科 山内 広平
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<抄 録 集>
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セッション 1 9:30~10:26 第 1 会場(第 1 フォレストホール)
座長 坪井病院呼吸器内科 森 清志
東北大学病院臨床研究推進センター 井上 彰
1.
DIC を合併した ALK 融合遺伝子陽性肺腺癌に対してアレクチニブが奏効した一例
宮城県立がんセンター呼吸器内科1、同病理診断科2
〇突田 容子1、渡邉 香奈1、佐藤ひかり1、盛田 麻美1、鈴木 綾1、
福原 達朗1、伊藤しげみ2、佐藤 郁郎2、前門戸 任1
症例は 74 歳男性。肺腺癌 cT4N3M1b stageIV(HEP、LYM、PLE、PUL)の診断で 8 月
22 日から CBDCA +nab-PTX を開始した。2 サイクル中の CT では PR の判定で、10 月 23
日から 3 サイクル目を施行した。11 月 11 日に右前頸部の腫脹・疼痛を主訴に来院し、CT
で甲状腺腫大を認め、甲状腺炎が疑われた。その際、肺内病変、肝転移は縮小を認めてい
た。7 日後、全身状態が悪化し、CT で急激な肝転移の増大を認め、臨床検査上 DIC を発
症しており、入院となった。精査を進めていた ALK 陽性が判明し、PS2 であったが ALK
阻害剤であれば救命の可能性があると考え、毒性面を考慮してアレクチニブを開始した。
day 4 で DIC を離脱し、day14 の CT では肝転移の縮小とともに甲状腺腫大も改善し、甲
状腺腫大は肺癌転移によるものと考えた。本症例は DIC を呈した PS 不良例であったが、
アレクチニブが安全かつ速やかに効果を発揮し、患者は救命され、PS 改善し、独歩で退院
することができた。アレクチニブは PS 不良の ALK 肺癌患者に適した治療と考えられる。
2.
血栓塞栓症を合併した肺癌患者にへパリン在宅自己注射療法を導入した 2 例
宮城県立がんセンター呼吸器内科
○佐藤ひかり、突田 容子、福原 達朗、鈴木 綾、盛田 麻美、
渡邉 香奈、前門戸 任
担癌状態での血栓塞栓症の合併は、生命予後や QOL を大きく左右する。今回我々は、へ
パリン在宅自己注射療法を導入した 2 症例を経験した。症例 1:64 歳女性。201X 年 4 月に
肺腺癌と診断され化学療法を施行。経過で深部静脈血栓症を認め、へパリン持続静注導入
からダビガトラン内服に変更。2 ヶ月後に肺塞栓症を発症し、へパリン持続静注を再開。
症状改善後に、5000 単位 1 日 2 回の自己皮下注を導入し外来治療継続した。症例 2:42 歳
男性。201X 年 2 月に肺腺癌の診断で化学療法を施行。18 日後に左大腿静脈から腸骨静脈
にかけて血栓を認め、へパリンの持続静注を開始しダビガトラン内服に移行。同年 8 月、
ダビガトラン内服中に再発性の脳梗塞を認めへパリン再開。症状進行なく 10000 単位 1 日
2 回の自己皮下注を導入し退院。以後、血栓症の再発なく経過。結語:内服抗凝固薬でコ
ントロール困難な担癌患者の血栓塞栓症に対して、へパリン在宅自己注射療法は有用な治
療法である。
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3.
骨髄転移により血小板低下をきたした小細胞肺癌の一例
独立行政法人国立病院機構仙台医療センター呼吸器内科
○安藤 正勝、中村 優、西巻 雄司、菊地 正、笹森 寛、
三木 祐
【症例】46 歳男性【現病歴】2013 年 11 月頃より感冒様症状あり、近医で左肺炎を指摘さ
れ、抗生剤の内服加療を受けた。自覚症状は改善したが、血算の異常を指摘され前医紹介。
骨髄生検で芽球を 20%認め、急性白血病の疑いで当院血液内科紹介。当院初診時の採血で
は WBC 15,000/μL、Plt 23,000/μL。胸部 CT では左下葉の腫瘤影と左下葉の閉塞性肺炎を
認めた。また、左肺門と両側縦隔リンパ節腫脹、小脳病変を認め、肺癌疑いで 12 月下旬当
科紹介。
【経過】血小板輸血を施行し、気管支鏡検査を行った。結果は classV であったが、
組織型の確定には至らなかった。腫瘍マーカー等の結果も考慮し小細胞肺癌を強く疑った
ため、血小板輸血を施行しつつ、12 月 27 日から CBDCA+VP-16 を開始。その後、当院紹
介時の骨髄組織診で小細胞癌と判明した。化学療法により血小板数は上昇し、画像上も部
分寛解を得た。
4.
IV 期非小細胞肺癌に対し集学的治療で 6 年間生存中の 1 例
仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科1、同病理部2
○関 由美加1、洞口 亮1、須田 祐司1、進藤百合子1、飯島 秀弥1、
澤井 高志2
65 歳、女性。X-7 年 9 月に胸部異常陰影指摘され、精査を指示されたが放置。X 年 12 月、
気管支喘息にて当院を紹介受診。右下葉に 42mm 大の腫瘤を認め、精査で腺癌と診断した
(cT2aN3M1a:StageIV)
。化学療法(カルボプラチン + ゲムシタビン)開始したが、Grade
4 の血小板減少のため中断。EGFR 遺伝子変異あり、ゲフィチニブ治療に変更。著効を示
したが、2 年半で PD となったため、サルベージ手術および術後化学療法(カルボプラチ
ン+ペメトレキセド)を施行した。術後 2 年 2 か月で局所再発を認めたが、その後の増大
は緩徐であった。術後 3 年からゲフィチニブ治療再開したが、2 か月の経過で SD であり、
難治性下痢のため中断。摘出癌組織の Ki67 発現は顕著であったが、栄養血管の脆弱性が推
察されたことから、カルボプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブによる化学療法に変
更し、PR を得ている。癌の指摘から 13 年間、治療開始から 6 年間、PS-0 で経過している
非小細胞肺癌症例を経験したので報告する。
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5.
化学療法継続のため血小板輸血に難渋した小細胞肺癌の 1 例
秋田大学大学院医学研究科呼吸器内科1、秋田大学大学院医学研究科保健学科2
○浅野真理子1、佐藤 一洋1、奥田 佑道1、須藤 和久1、竹田 正秀1、
飯野 健二1、佐野 正明1、渡邊 博之1、塩谷 隆信2、伊藤 宏1
73 歳、女性。限局型小細胞肺癌に対して、シスプラチン + エトポシドの化学放射線療法を
施行した。腎機能障害のためカルボプラチンに変更して 2 コース目を施行したところ、
grade 4 の血小板減少が出現し、輸血を行った。しかし、翌日には 7000/μL とさらに減少
したため血小板輸血不応を疑った。確認のため輸血 1 時間値と 24 時間値を測定したがいず
れも 6000/μL であった。抗 CD36 抗体陽性と判明し、同種抗体による免疫学的な機序が輸
血不応の原因と考えられた。適合輸血を行い、再度シスプラチンに変更して化学療法を継
続した。
CD36 は血小板膜糖蛋白の一つで、日本人では 0.5~1% の頻度で CD36 欠損者が存在する。
輸血や妊娠により感作されて抗 CD36 抗体を産生し、輸血不応の原因となることが報告さ
れている。本症例は化学療法継続のため輸血を要したが、血小板輸血不応であり難渋した。
文献的考察を加えて報告する。
6.
組織型が異なる同時性三重多発肺癌の 1 例
仙台オープン病院呼吸器内科1、東北薬科大学病院呼吸器外科2
○洞口 亮1、進藤百合子1、関 由美加1、須田 祐司1、飯島 秀弥1、
田畑 俊治2
78 歳、男性。定期健診で胸部異常陰影を指摘され、当院を受診した。胸部 CT で左 S1+2 に
2 個、右 S6 に 1 個の各々形態の異なる腫瘤影を認めた。気管支鏡擦過診で左 B1+2 に対し、
腺癌の診断を得た。PET/CT で悪性腫瘍が疑われ、肺門および縦隔内リンパ節転移および
遠隔転移所見を認めなかったため、胸腔鏡下左肺上区区域切除術および右下葉部分切除術
を施行した。病理学的検討にて左 S1+2 の 2 個の腫瘍は腺癌と大細胞癌、右 S6 の腫瘍は扁平
上皮癌で、同時性三重多発肺癌と診断された。近年、同時性多発肺癌の報告が増えてきて
いるが、三重多発肺癌の報告は多くない。多発肺癌は時に肺内転移、肺外病変からの転移
との鑑別が困難であり病期診断に影響を与える。術前の診断が治療法の選択を左右するた
め、多発癌の存在を念頭に置き診断することは重要と考えられる。今回、積極的な外科的
切除により組織型の異なる同時性三重多発肺癌の 1 例を経験したのでここに報告する。
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7.
化学療法の継続で長期生存が得られた肺腺癌の一例
石巻赤十字病院呼吸器内科
○森野 杏子、小林 誠一、大久保愉一、石田 雅嗣、矢満田慎介、
花釜 正和、矢内 勝
症例は 70 歳男性。既往に関節リウマチ(63 歳~)
、冠攣縮性狭心症(65 歳~)
、高血圧症
(65 歳~)がある。63 歳時に住民健診で胸部レントゲン異常陰影を指摘され、当院紹介と
なった。肺腺癌 cT4N0M1:StageIV と診断され、切除不能のため化学療法を開始した。
レジメンは、カルボプラチン/パクリタキセル 6 コース、休薬後同レジメンで 6 コース、ペ
メトレキセド 2 コース、ティーエスワン、エルロチニブ、ドセタキセル 16 コース、アムル
ビシン 12 コース、ビノレルビン 8 コースを実施し、治療開始から 7 年が経過した。現在は
PS4 に低下したため、緩和医療に移行している。
考察:非小細胞肺癌の IV 期症例に対して化学療法を実施した場合の MST は 11~14 ヶ月、
2 年生存率は 21~26% とされている。本症例は IV 期肺腺癌で、分子標的薬は無効であっ
たが、レジメンを変更しながら化学療法を長期に継続することができ、長期生存が得られ
た。
8.
Crizotinib 使用中に中枢神経病変で再発した EML4-ALK 融合遺伝子陽性肺癌に対
し Alectinib が有効であった一例
岩手県立中央病院呼吸器科
○佐藤麻美子、守口 知、宮本 孝行、佐々島朋美、佐藤 司、
宇部 健治、守 義明
症例は 71 歳女性、右下葉肺癌(cT4N2M1a、StageIV、EGFR mut-)に対し初回治療
CDDP+PEM4 コース、PEM 維持療法 4 コース施行し、本人の希望で経過観察となった。
甲状腺転移で再発し摘出手術を施行、手術検体で EML4-ALK 融合遺伝子変異陽性と判明
した。原発巣の増大も認めたため、二次治療として Crizotinib 投与を開始した。PR の腫瘍
縮小効果を認め約 10 ヶ月間投与を継続したが、多発脳転移、髄膜癌腫症で再発した。中枢
神経病変への効果を期待し三次治療は Alectinib 600mg/day 投与を選択した。投与開始
1 ヵ月後の頭部 MRI で多発脳転移の縮小、髄液所見で腫瘍細胞の陰性化を認めた。投与開
始 2 ヵ月後に多発脳転移の再増大を認めたため、全脳照射を開始した。胸部病変に関して
は SD の効果が得られており、現在 Alectinib 投与を継続中である。
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セッション 2 10:26~11:22 第 1 会場(第 1 フォレストホール)
座長 仙台厚生病院呼吸器内科 本田 芳宏
仙台赤十字病院呼吸器科 三木 誠
9.
肺良性転移性平滑筋腫の一例
岩手医科大学救急医学1、同呼吸器・アレルギー・膠原病内科2、同病理診断学3
○中舘 俊英1、関村 研之2、内海 裕2、丹田 実2、森川 直人2、
中村 豊2、山内 広平2、上杉 憲幸3、無江 良晴3
良性転移性平滑筋腫(Benign metastasizing leiomyoma:BML)は病理学的に良性とされ
る子宮平滑筋腫が遠隔転移を来す稀な疾患である。我々は検診で多発性腫瘤陰影を指摘さ
れ、CT ガイド下肺生検で BML と診断した症例を経験したので報告する。患者は 43 歳未
婚女性。25 歳時に子宮筋腫核出術の既往がある。検診での胸部 X 線写真にて両側下肺野に
多発結節性陰影が認められ、胸部 CT にて両側の全肺葉に多発する境界明瞭な円形結節性
陰影を認めた。また骨盤腔にも同様の腫瘤が認められた。四肢、体幹に異常を認めず、ガ
リウム・シンチグラフィーでも異常集積を認めないことから BML が疑われ、診断目的で
呼吸器内科に紹介となり、CT ガイド下肺生検を施行した。組織像は類円形から紡錘形の
細胞が、錯綜しつつ増殖しており、免疫染色ではエストロゲン受容体、プロゲステロン受
容体が陽性であり、BML と診断した。
10.自然消褪を来した胸壁リンパ腫の 1 例
福島県立医科大学会津医療センター感染症呼吸器内科
○斎藤美和子、鈴木 朋子、新妻 一直
胸壁リンパ腫は、稀であり膿胸関連リンパ腫がほとんどで予後は不良である。一方、悪性
リンパ腫には自然消褪がある。
我々は、4 年前からの原因不明の胸水貯留から発症した胸壁リンパ腫が自然消褪した非常
に稀な 1 例を経験した。
症例は 81 歳、男性。糖尿病、胃がん、脳梗塞の既往あり。20X 年 2 月右胸水出現し某医で
胸腔鏡施行され膠原病疑いでステロイドの内服を開始された。4 年後に腹痛と発熱で入院。
腹部 CT にて右胸壁内に腫瘤が出現していた。エコー下生検で、胸壁リンパ腫と診断した。
家族と本人が根本的な治療は希望されず、PSL 5mg にて経過を見たところ、徐々に解熱し
2 月に退院した。退院 1 か月後には右側胸部の腫瘤が縮小傾向となり 2 か月後には消失し
た。
悪性リンパ腫の自然消褪は 20%前後に認められると報告されている。しかし、胸壁リンパ
腫については、検索範囲では報告がない。若干の考察を加え報告する。
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11.当科における胸膜癒着術の検討~タルクの有用性について
済生会福島総合病院呼吸器科1、福島県立医科大学呼吸器内科学講座2
○猪腰 弥生1、石井 妙子1、勝浦 豊1、棟方 充2
胸膜癒着術で使用する薬剤の選択や効果について一定の見解はないが、2013 年 12 月にユ
ニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤Ⓡが保険適用となりその有用性が期待されている。今回当科
で施行した胸膜癒着術について後方視的に検討した。2013 年 12 月~2014 年 12 月に当科で
胸膜癒着術をした患者は 17 名、34 件であり、疾患は悪性胸水 11 名、炎症性胸水 2 名、難
治性気胸 3 名、有瘻性膿胸 1 名であった。胸膜癒着術により胸腔ドレーンを抜去できたの
は 11 名(悪性胸水 7 名、炎症性胸水 2 名、難治性気胸 2 名)であった。使用した薬剤はタ
ルク 11 件、OK-432 15 件、MINO 2 件、自己血 4 件、フィブリン糊 2 件であり、ドレーン
を抜去できた薬剤はタルク 3 件、OK-432 6 件、MINO 0 件、自己血 0 件、フィブリン糊 1
件であった。今までの報告では胸膜癒着術に使用する薬剤はタルクが優れているとするも
のが多いが、今回の検討ではタルクの優位性は明らかではなかった。胸膜癒着術について
文献的考察も含め報告する。
12.当院における局所麻酔下胸腔鏡検査の検討
済生会山形済生病院呼吸器内科
○山本 友香、鈴木 博貴、渡邊 麻莉、西塚 碧、佐藤 千紗、
土田 文宏、武田 博明
【対象と方法】2004 年から 2014 年 12 月までに当科で局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した 80
例。男性 59 例、女性 21 例。年齢は 24 歳から 89 歳(平均 74.1 歳)
。疾患の内訳は、癌性
胸膜炎 30 例(肺癌 25 例)
、悪性胸膜中皮腫 8 例、悪性リンパ腫 2 例、結核性胸膜炎 7 例、
良性石綿胸水 3 例、尿毒症性胸膜炎 3 例、リウマチ性胸膜炎 2 例、膿胸 3 例、SLE 胸膜炎
1 例、細菌性胸膜炎 1 例、ANCA 関連血管炎 1 例、マンソン弧虫症 1 例、未確診 18 例。
診療録と内視鏡レポートをもとに後方視的に検討を行った。
【結果】悪性腫瘍 40 例のうち、内視鏡所見で結節性病変を認めた場合の診断率は 28/29
(96.5%)
、認めない場合の診断率は 7/11(63.6%)であった。結核と膿胸以外の良性疾患の
確定診断は局所麻酔下胸腔鏡のみでは困難であった。
【結論】原因不明胸水症例に対する局
所麻酔下胸腔鏡は、悪性腫瘍で特に有用であると考えられた。
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13.在宅訪問患者における肺炎患者の発症要因及び予後予知因子について
医療法人社団仁明会齋藤病院内科
○盛田 真樹
在宅訪問診療患者において肺炎は主要なイベント・死因であるが、その要因・予後予知因
子は不明である。在宅訪問診療患者 277 例、平均年齢 83.0±3.2 歳、平均訪問診療期間 3.5
±1.5 年で、経過中に肺炎を起こした患者(P)48 例、肺炎を起こさなかった患者(C)229
例を比較し、要因や予後規定因子を調べた。P では C と比べて、日常生活 ADL の諸指標
及び frailty scale(7.5±0.7 vs 6.7±1.1;p<1*10-4)が有意に悪く、在宅診療期間が有意に
長かった。また P の中で遠隔死群 20 例(L)及び肺炎死群 9 例(D)と生存群(S)を比
較して、P ROAD が、L(2.8±1.2)
、D(3.1±1.4)において、S(1.5±0.9;p=0.0022、p
=0.018)に比べて、また、CURB 65 が L(2.5±1.3)において、S(1.4±0.8;p=0.0090)
に比べ有意に高かった。L、D とも S と比べて有意に高齢であった。在宅訪問診療肺炎患
者では、frailty scale を含む ADL 指標が悪く、年齢、P ROAD、CURB 65 が予後と関連。
14.当院における黄色爪症候群 2 例の臨床的検討
仙台赤十字病院呼吸器内科1、同皮膚科2
○高橋 秀徳1、三木 誠1、清水川 稔1、井上 大輔1、田畑 伸子2、
小野寺信江2
【目的】黄色爪症候群(YNS)は黄色爪・リンパ管浮腫・呼吸器病変を三徴とする稀な疾
患である。予後は比較的良好だが疾患の本態と有効な治療は明らかでない。肺炎予防に
CAM が有効とされる。当科にて経験した YNS 三徴を満たす 2 症例について臨床的検討を
行う。
【症例 1】59 歳、男性。
【主訴】低体温、呼吸困難感。
【既往歴】多発性硬化症。肺炎による
入院歴三回あり。
【現病歴】33℃の低体温で当科受診し、CT にて右肺浸潤影と両側胸水、
下腿浮腫・黄色爪を認め、心不全・肺炎を疑い入院となった。
【経過】MEPM により肺炎
は軽快し、CAM 内服導入し退院した。
【症例 2】83 歳、女性。
【主訴】息切れ。
【既往歴】慢性副鼻腔炎。
【現病歴】肺炎軽快 3 ヶ
月後も両側胸水と息切れが残存していたため当科外来を受診、下腿浮腫・黄色爪の合併を
認めた。
【経過】EM 内服導入し経過観察中。
【考察】YNS 診断には三徴各々の鑑別に熟慮
を要する。
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15.未成年から成人期に至る過程での非医療大学学生の喫煙に関する調査
福島大学保健管理センター
○宇野 友康
近年、若年者喫煙習慣について問題視されている。現状把握・対策を目的とし、全学生
(H22.1 月~構内禁煙)に実施したアンケート調査で同意が得られた 641 例を対象として検
討した。現/過去喫煙者(%)8.4/5.1、開始年齢は 17.9±3.2 歳だった。禁煙治療について
96.3% が保険診療適応を知らなかった。更に現行制度では保険適応条件を満たすことが困
難だが、全対象群で 30.3%、現/過去喫煙群では 50% 以上が改正を希望していた。非喫煙
群の半数以上が禁煙支援の認識共有に前向きな回答だったが、無関心群も多かったことは
憂慮すべき結果だった。また東日本大震災前後比較では、学生/身内(%)=9.0/13.7 が再
喫煙していた。全対象の 85% がタバコ税使途について無知だったことは、行政・たばこ関
連企業に限らず、医療関係者/会社の周知不足も推察された。科学的見地のみならず、社会
情勢や大気汚染・依存性物質など複合因子が絡む問題認識を喫煙有無問わず、未成年者を
含む若年世代に広く周知すべきと考えられた。
16.大動脈グラフトを用いた両肺移植術の検討
東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野1、
東北大学大学院医学系研究科心臓血管外科学分野2、東北大学病院臓器移植部3
○渡邉 龍秋1、鈴木 寛利1、松田 安史1、野津田泰嗣1、新井川弘道1、
野田 雅史1、桜田 晃1、星川 康1、遠藤 千顕1、岡田 克典1、
近藤 丘1、安達 理2、斉木 佳克2、秋場 美紀3
背景:当施設では肺動脈瘤また左右主肺動脈の著しい拡張を伴った肺高血圧症症例に対し
て両肺移植術を行う場合にドナー大動脈グラフトを用いた再建を行っており、これらの症
例について検討した。
対象:2001 年~2014 年に脳死両肺移植術を行った肺高血圧症 16 例を対象とした。内訳は
原発性肺高血圧症 11 例、Eisenmenser 症候群 3 例、TGA 術後肺高血圧症 1 例、膠原病に
伴う肺高血圧症 1 例。
結果:肺動脈再建を伴わない肺高血圧症 13 例(グループ A)
、肺動脈再建を伴う肺高血圧
症 3 例(グループ B)であった。グループ A の手術時間は 991±289 分、グループ B は 1274
±150 分であった(p=0.13)
。グループ A は 13 例中 9 例生存中、グループ B は全例生存中
である。グループ B における最長の観察期間は 4 年であるが CT 上の大動脈グラフトに経
時的な変化を認めなかった。
結語:肺動脈再建を要する場合、移植手術時間は長くなる傾向であるが、短期、長期予後
ともに現時点では差異を認めなかった。
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セッション 3 11:22~12:18 第 1 会場(第 1 フォレストホール)
座長 福島県立医科大学呼吸器内科学講座 谷野 功典
太田西ノ内病院呼吸器センター内科 松浦 圭文
17.黒にんにく摂取が原因と考えられた薬剤性間質性肺炎の一例
福島県立医科大学呼吸器内科
○鈴木 康仁、斉藤 純平、東川 隆一、佐藤 佑樹、平井健一郎、
美佐 健一、福原奈緒子、福原 敦朗、佐藤 俊、谷野 功典、
棟方 充
症例は 77 歳、女性。2014 年 3 月 1 日より健康食品である黒にんにくの摂取を開始した。3
月 7 日頃から咳嗽と労作時呼吸困難が出現し近医で感冒薬が処方されたが改善を認めな
かった。3 月 19 日の胸部 CT で両側肺野にすりガラス影・網状影を認め、急性 I 型呼吸不
全を呈しており急性間質性肺炎が疑われ同日当科紹介入院となった。入院翌日に行った気
管支肺胞洗浄検査ではリンパ球分画 76.1% と上昇を認めた。ステロイドパルス療法の後、
PSL 40mg/日投与から漸減し、臨床所見の改善を認めた。黒にんにくに対し DLST を行っ
たところ測定値 306cpm、S.I. 306% と陽性を示した。以上より本症例は黒にんにくによる
薬剤性間質性肺炎と考え、今後も黒にんにくの摂取は控えるよう指導した。黒にんにくが
原因と考えられた薬剤性肺炎の一例を経験した。今後、本症例のような健康食品由来の肺
炎の報告が増加する可能性もあり、
注意して診療にあたることが重要であると考えられた。
18.自覚症状なく検診にて初めて指摘された肺胞蛋白症の 1 例
太田西ノ内病院呼吸器センター内科1、新潟大学2
○松浦 圭文1、宮澤 希1、安達 優真1、原 靖果1、中田 光2
59 歳、男性。X 年 7 月 23 日検診にて胸部 X 線写真上、右下肺野優位に両側中下肺野にび
まん性浸潤陰影、CT スキャン上 crazy paving pattern 様のスリガラス陰影ベースに小葉
間隔壁肥厚像を認め当センター紹介受診。臨床症状なし。SpO2 94%、両側背側下肺野に
fine crackles を聴取、KL-6 15920U/ml の CEA23.1ng/ml。BALF は白濁状で肺生検上肺胞
空内は PAS 陽性液状物質で満たされ、肺胞マクロファージの集族クリスタル形成を伴い肺
胞蛋白症と診断。抗 GM 抗体 57μg/ml と高値で自己免疫性の関与が考えられた。左右各々
生食 500ml 肺胞洗浄行い陰影は改善。通常 KL-6、CEA などの上昇は重症度と相関すると
言われているが、本症は臨床症状が矛盾することから文献を踏まえ報告する。
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19.多発空洞結節を呈した肺ランゲルハンス細胞組織球症の 1 例
一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院呼吸器センター
○原 靖果、松浦 圭文、小柳津 毅、宮澤 希、安達 優真、
佐藤 航太
53 歳、喫煙男性。X 年 5 月からの咳嗽を主訴に近医受診し胸部 X 線上多発陰影を指摘され
肺転移疑いに 6 月当院紹介となった。胸部 CT 上は両側全肺野に 1cm 以下の不揃い、一部
空洞形成を有する多発結節状陰影を認めた。胸水、リンパ節腫脹はなし。転移性肺腫瘍を
否定できず、消化管内視鏡などの全身検索、腫瘍マーカーなど行うも明らかな悪性所見は
認めなかった。確定診断のため外科的に胸腔鏡下的肺生検を施行。病理組織にて胸膜近傍
に結節を認め、内部には線維増生を伴い多数の好酸球浸潤や S100 蛋白、CD1a 陽性のラン
ゲルハンス細胞の浸潤を認めた。これにより肺ランゲルハンス細胞組織球症と診断。禁煙
のみで咳嗽は軽快したため現在経過観察中。今回我々は多発空洞結節を呈した肺ランゲル
ハンス細胞組織球症を経験したため、その病理学的発生器所を考察し発表する。
20.慢性ベリリウム症の一例
福島県立医科大学呼吸器内科学講座1、山梨大学医学部循環器呼吸器内科学講座2
○福原 敦朗1、鈴木 康仁1、関根 聡子1、峯村 浩之1、植松 学1、
斎藤 純平1、谷野 功典1、棟方 充1、樋田 和弘2、渡邉 一孝2、
石原 裕2
症例は 37 歳男性。労作時呼吸困難にて当科を受診。胸部 Xp、CT にて縦隔リンパ節腫脹
と両肺に間質性陰影を認め、呼吸機能検査で拘束性換気障害、拡散能障害を認めた。以前
ゴルフクラブ製造業に従事し、鉄、チタン、タングステンの加工歴があることから超硬合
金肺が疑われた。しかし、TBLB、VATS より得られた肺組織では非乾酪性類上皮肉芽腫
を認め、サルコイドーシスが疑われた。その後、ゴルフクラブ製造時に 2 ヶ月程度のベリ
リウム合金の使用歴が判明。ベリリウム薬剤刺激試験が陽性であったため、慢性ベリリウ
ム症と診断された。今回、極めて短期間の暴露により発症し、追加の病歴聴取によって判
明した慢性ベリリウム症の一例を経験した。慢性ベリリウム症は、本邦での報告は少ない
が、サルコイドーシスと所見が類似するため誤診されている可能性がある。サルコイドー
シスが疑われる症例では、ベリリウム暴露の有無の確認が必要である。
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21.リツキシマブによる治療を加えた難治性の Sjögren 症候群関連肺疾患の一例
東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野1、
東北大学大学院医学系研究科血液免疫病学分野2
○竹越 大輔1、玉井ときわ1、蒲生 俊一1、相澤 洋之1、光石陽一郎1、
佐藤 輝幸1、小荒井 晃1、城田 祐子2、一ノ瀬正和1
症例は 71 歳女性。10 年以上前よりドライアイ、ドライマウスあり、2011 年の口唇生検、
SS-A、SS-B 抗体陽性で Sjögren 症候群と診断された。2013 年 5 月に当科入院、膠原病関
連間質性肺炎としてステロイド、シクロスポリンを併用し改善した。その後ステロイド減
量中の 2014 年 2 月に再度陰影の悪化を認め当科入院、ステロイド大量療法、シクロフォス
ファマイド投与を行った。プレドニゾロン 25mg まで漸減した際に再度左肺野の陰影が悪
化し、ステロイド増量、タクロリムスの追加を行うも明らかな改善が見られず、CD20 モ
ノクローナル抗体であるリツキシマブの投与を追加した。その後陰影、呼吸状態は緩徐に
改善した。通常の治療に抵抗性である重症の膠原病関連肺疾患に対する治療法は未だ確立
されていない。新規治療としてリツキシマブの有効性が指摘されており、文献学的考察を
加え報告する。
22.
確定診断に至らないまま長年見過ごされていた Birt-Hogg-Dube 症候群(BHDS)
の1例
仙台赤十字病院呼吸器内科
○井上 大輔、三木 誠、清水川 稔、高橋 秀徳
【症例】50 歳代男性 【主訴】胸部 X 線にて肺虚脱(気胸)
【家族歴】癌の家族歴なし
【既往歴】約 20、約 30 年前に気胸。脊髄小脳変性症。
【現病歴】2 年前に N 病院で脊髄小脳変性症(SCD)と診断。その後歩行困難と発語困難が
進行してきたため、X 年 9 月にリハビリ目的で同院に入院。胸部 X 線写真にて II 度の左気
、息切れなどの呼
胸を認めたため、当科へ紹介入院となった。入院時 SpO297%(室内気)
吸器症状なし。持続脱気療法を開始。経過は順調で第 5 病日に抜管し、その後も肺の再虚
脱は見られず、紹介元の N 病院に再度転院となった。胸部 CT では胸膜直下優位、下肺野
優位にブラを多数認めたため BHDS を疑い、遺伝子検査を依頼、特異的変異を確認し、診
断が確定した。現時点で関連する皮膚病変や腫瘍は認めない。
【考察】BHDS は多発性肺嚢胞および反復性気胸、線維毛包腫、腎腫瘍などを特徴とする常
染色体優性遺伝の疾患であるが、遺伝子型と臨床型の関連については不明な点が多い。
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23.眼瞼下垂を認めたサルコイドーシスの一例
秋田大学大学院呼吸器内科学1、同保健学科2
○竹田 正秀1、鈴木 貴之1、佐藤 一洋1、奥田 佑道1、浅野真理子1、
須藤 和久1、飯野 健二1、佐野 正明1、渡邊 博之1、塩谷 隆信2、
伊藤 宏1
【症例】51 歳女性【既往歴】帯状疱疹、左緑内障【現病歴】1994 年肺および眼サルコイドー
シスと臨床診断され、以降定期外来通院としていた。2009 年の胸部 CT で右 S5 に新規の
結節影を認め、定期的に CT 撮影し経過観察したところ、陰影の増大傾向を認めたため、
精査目的に当科入院となった。
【入院時現症】入院時より左優位の両側眼瞼下垂を認める。
【経過と考察】右 S5 より TBLB を施行。組織にて非乾酪性類上皮肉芽腫を認め、CD4/CD8
や Ga シンチグラムの結果もあわせ、改めてサルコイドーシスと組織診断した。眼瞼下垂
に対しては脳 MRI や抗 AChR 抗体などの検索を行ったが原因特定には至らず、PET-CT
を施行。両側鎖骨上窩に SUVmax 5.44 の集積を認めた。Horner 症候群による眼瞼下垂を
疑い、PSL による治療を開始した。眼瞼下垂を呈したサルコイドーシスの報告は稀であり、
文献的考察も含め報告する。
24.外科的リンパ節生検後に急性呼吸不全をきたしたサルコイドーシスの 1 例
岩手医科大学附属病院呼吸器・アレルギー・膠原病内科
○長島 広相、中村 豊、村田 興則、中島 義雄、丹田 実、
内海 裕、小林 仁、山内 広平
症例は 70 歳の女性。3 か月前から乾性咳嗽が出現した。近位で胸部 X 線施行され、肺門周
囲に浸潤影を認め、当科紹介された。PET 検査で全身のリンパ節に腫脹を認め右鼠径部リ
ンパ節生検施行し類上皮肉芽腫を認めた。しかし鼠径部のみからでは完全に悪性リンパ腫
を除外できないと判断し、縦隔リンパ節生検を施行した。迅速病理では類上皮肉芽腫を認
め、悪性所見はないと診断された。術後翌日酸素を中止すると SPO2 が 80 後半まで低下
し、胸部 X 線で肺野の浸潤陰影の悪化を認めた。CT 検査では肺野の浸潤陰影の悪化、肺
門部のリンパ節腫大が悪化していた。サルコイドーシスの急性増悪が否定できないと判断
し、ステロイドパルス療法開始。その後 PSL0.5mg/kg を開始した。肺野の浸潤陰影、呼
吸不全の改善を認め退院、現在ステロイド漸減中である。今回我々は診断目的のために外
科的リンパ節生検を施行したのちに呼吸不全を来し、ステロイド治療を行った 1 例を経験
したので若干の文献的考察を加えて報告する。
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研修医セッション 1 9:30~10:19 第 2 会場(第 2 フォレストホール)
座長 東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座 山谷 睦雄
岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科 小林 仁
25.間質性肺炎に潰瘍性大腸炎を合併した 1 例
会津医療センター
○峯岸 幸博、齋藤美和子、鈴木 朋子、新妻 一直
【症例】56 歳男性。2012 年に労作時呼吸困難を自覚し前医にて間質性肺炎と診断された。
2013 年に潰瘍性大腸炎を発症しメサラジン内服を開始したところ間質性肺炎の増悪を認
めたためステロイドパルス療法を施行され症状は改善した。2014 年 5 月に当科紹介受診。
11 月に間質性肺炎の急性増悪のため当院に入院した。初診時に陰性であった PR3-ANCA
が入院時に弱陽性を示した。ステロイドパルス療法及び免疫抑制剤により治療したところ
呼吸状態は改善し、ステロイドを漸減して退院となった。
【考察】潰瘍性大腸炎は多様な合
併症を伴うが間質性肺炎を合併した症例の報告は稀である。潰瘍性大腸炎において 10-40%
の症例で PR3-ANCA が陽性を示すと報告されており、また近年間質性肺炎の病態と
ANCA の関与を示唆する報告が散見されている。本症例における一連の病態形成に関して
PR3-ANCA の関与について考察したい。
26.家族性地中海熱の経過中に悪性胸膜中皮腫を発症した 1 例
山形大学医学部附属病院卒後臨床研修センター1、山形大学医学部附属病院第一内科2
○近 壮一朗1、五十嵐 朗2、井上 純人2、阿部 祐紀2、小林 真紀2、
佐藤 建人2、佐藤 正道2、根本 貴子2、布宮 慶子2、西脇 道子2、
阿部 修一2、柴田 陽光2、久保田 功2
症例は 60 代男性。X-7 年頃から反復性の胸膜炎、腹膜炎を繰り返し、X-4 年遺伝子検査を
行い家族性地中海熱と診断された。コルヒチンの内服を行っていたが、その後も胸膜炎、
腹膜炎を繰り返していた。X-3 年頃より右胸膜の肥厚を認めるようになり X 年には右胸膜
のびまん性の肥厚を認めるようになった。PET/CT では右胸膜の一部に FDG の集積を認
めた。悪性胸膜中皮腫を疑い右胸膜の肺生検を施行したが診断には至らなかった。そのた
め全身麻酔下に胸膜全層生検を施行し悪性胸膜中皮腫と確定診断された。
文献的にはアスベスト吸入歴のない家族性地中海熱に伴う悪性胸膜中皮腫は非常に稀であ
るとされている。本症例にもアスベスト吸入歴はなく家族性地中海熱による反復性の炎症
が悪性胸膜中皮腫の発症に関与していると考えられた。
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27.Mycobacterium abscessus 肺感染症の 1 例
山形県立中央病院内科
○佐藤 裕人、片桐 祐司、日野 俊彦、長澤 正樹、藤井 俊司
症例は 68 歳男性。X 年 7 月中旬から前胸部の違和感、8 月中旬から発熱があり 8 月下旬に
当科を受診した。炎症反応が高く、CT で右肺上葉を中心とした浸潤影と気管支拡張・壁
肥厚、肺尖部に空洞病変を認め、喀痰検査で M. abscessus が検出したため同菌による肺感
染症と診断した。CAM+AMK+IPM/CS による治療を行い、症状・炎症反応は改善して喀
痰からの排菌は消失した。X 年 11 月から CAM+FRPM+LVFX で治療したところ病勢は
増悪したが、X+1 年 6 月から再び CAM+AMK+IPM/CS の治療をして改善した。X+1 年
7 月から CAM+FRPM+MFLX+KM に治療を変更したところ、緩徐に増悪傾向を示した。
M. abscessus 肺感染症は難治性と考えられているが本症例では CAM+AMK+IPM/CS で
効果がみられた。その治療をどのように行うべきかという課題に直面し、示唆に富む症例
と考え報告する。
28.当院で経験した抗アミノアシル tRNA 合成酵素抗体(抗 ARS 抗体)陽性肺病変 4
例の検討
大崎市民病院呼吸器内科
○宇根岡 慧、井草龍太郎、丹野 篤、平野 泰三、沼倉 忠久
【背景】アミノアシル tRNA 合成酵素に対する抗体(抗 ARS 抗体)陽性例は高率に筋炎、
間質性肺炎、関節炎を合併し、抗 ARS 抗体症候群と呼ばれている。今回当院で経験した
抗 ARS 抗体陽性肺疾患 4 例について、臨床像、画像的検討を行った。
【結果】4 例とも女
性であり、平均年齢は 65.7 歳であった。1 例のみ Jo-1 抗体陽性であり筋炎症状を有してい
た。他の 3 例は筋炎、関節炎症状は認めなかった。現時点では 4 例とも悪性腫瘍の存在は
確認されていない。3 例にステロイドと免疫抑制剤治療を行い、うち 1 例に経過中の再増
悪を認めた。4 例とも両側下肺優位の consolidation とすりガラス陰影が主体の陰影を認め
た。
【考察】3 例に筋炎症状はなく、間質性肺炎のみの抗 ARS 抗体症候群であった。4 例
とも特徴的画像所見を有しており、女性の下葉中心の間質性陰影では、抗 ARS 抗体症候
群を念頭にいれる必要があると考えられた。
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29.中年初発女性気胸の 1 例
~癌家系で下肺野中心の多発肺嚢胞を見たら Birt-Hogg-Dube 症候群(BHDS)を
疑い遺伝子検査を行うべきである~
仙台赤十字病院呼吸器内科1、東北薬科大学病院呼吸器外科2
○徐 東傑1、三木 誠1、清水川 稔1、井上 大輔1、高橋 秀徳1、
田畑 俊治2、勝俣 博史2、深谷 建2
【症例】60 歳代女性
【主訴】呼吸苦
【家族歴】父:大腸癌、母:膀胱癌、兄:大腸癌
【既往歴】気胸なし
【現病歴】X 年 1 月登山翌日呼吸苦が出現し、近医受診。胸部 X 線写真にて右気胸を認め
たため紹介入院となった。持続脱気療法施行。胸部 CT では下肺野を中心にブラを多数認
めた。特徴的な胸部 CT 所見および鼻部線維毛包腫、濃厚な癌家族歴より BHDS を疑い、
遺伝子検査を依頼。Folliculin 遺伝子 Exon9 に 1015C → T(Q339X)のナンセンス変異を
認め、診断が確定した。気胸を反復したため胸腔鏡下手術(肺部分切除術)を施行した。
その後、再発を認めていない。
【考察】BHDS は非典型的な分布を示す多発性肺嚢胞および反復性気胸、線維毛包腫、腎腫
瘍を特徴とする常染色体優性遺伝の疾患であり、これらの所見、特に下肺野中心の嚢胞性
肺疾患を認めた際には、積極的に遺伝子検査を行うことが重要である。
30.重症筋無力症に合併した肺クリプトコックス症の 1 例
仙台赤十字病院呼吸器内科
○伊藤 俊輔、三木 誠、清水川 稔、井上 大輔、高橋 秀徳
【症例】80 歳代、女性。
【主訴】微熱、感冒様症状。胸部異常陰影。
【既往歴】X-1 年~重症筋無力症(眼筋型)で PSL5mg/日内服治療中。
【現病歴】X 年 10 月初旬より感冒様症状と微熱が出現、近医にて胸部 X 線で左下肺野異常
陰影の指摘を受け当科紹介。胸部 CT で左下肺末梢に多発結節影を認め、血清クリプトコッ
クス抗原が陽性であった。診断確定目的の気管支鏡検査を拒否したため、臨床所見から肺
クリプトコックス症と診断し、抗真菌薬投与と副作用の有無を確認するため入院。F-FLCZ
200mg1 日 1 回点滴静注で治療開始したが、明らかな副作用を認めず、FLCZ 200mg/日 内服に切り替え第 14 病日に退院。その後も現在まで治療を継続中である。
【考察】ステロイド投与中の高リスク患者においては深在性真菌症の可能性を念頭に置き、
診断確定のための生検が行えなくても臨床所見、特に感度・特異度が高い抗原検査から診
断し、治療を開始することが重要と考えられた。
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31.両肺に多発する多彩な陰影を示した肺原発悪性リンパ腫 Diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)の 1 例
岩手県立胆沢病院呼吸器内科
◯水口 康彦、鈴木 俊郎、佐々木優作、板倉 康司、鳴海 創大、
大内 譲、勝又宇一郎、松本 登
症例は 56 歳男性。201Y 年 12 月、肺検診で異常を指摘され、精査のため当科を受診。胸部
CT 写真にて、両肺に多発するすりガラス陰影・濃い浸潤影・結節影を認め、その大きさ
は数 mm から 60mm まで多彩であった。気管支内視鏡による経気管支肺生検の病理組織
は、Diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)であった。骨髄生検や PET-CT 等の全身検
索の結果、肺以外に異常所見を認めず、肺原発 DLBCL と診断した。血液内科転科となり、
化学療法 R-CHOP 予定となった。肺原発悪性リンパ腫は稀であり、その大部分が mucosaassociated lymphoid tissue(MALT)lymphoma である。肺原発 DLBCL は非常に稀であ
るので、文献的考察を加え、治療経過についても発表したい。
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研修医セッション 2 10:19~11:08 第 2 会場(第 2 フォレストホール)
座長 山形大学医学部附属病院第一内科 柴田 陽光
弘前大学保健管理センター/附属病院呼吸器内科 髙梨 信吾
32.両肺全体に FDG-PET で集積を認めた血管内リンパ腫(IVL)の一例
岩手医科大学附属病院呼吸器・アレルギー・膠原病内科
○水野 友貴、中村 豊、松本 あみ、及川 侑芳、千葉 亮祐、
村田 興則、内海 裕、齋藤 平佐、長島 広相、小林 仁、
山内 広平
【症例】50 歳 女性
【現病歴】2014 年 1 月から全身倦怠感出現、その後 39 度を超える発熱が出現したため 3 月
近医を受診した。生化学検査 LDH 1.400IU/L、sIL-2R 2,423/ml と高値を認めた。頭痛悪
化したため頭部 MRI や髄液検査施行されたが診断には至らなかった。IVL を疑われ当院へ
転院し、精査目的で FDG-PET 検査が施行された。両肺全体にびまん性の FDG 集積を認
めた。他の部位に集積は認めず、読影の段階で IVL 疑いと指摘された。その後皮膚生検、
TBLB 施行された。皮膚組織より腫瘍細胞が確認され IVL の診断に至った。
【考察】IVL は胸部 CT で、びまん性に淡い肺野濃度上昇を呈することが多いが、無所見の
症例や、全肺野に微細な粒状陰影を呈したという報告もある。CT 上では無所見であって
も肺や骨髄などの臓器に FDG-PET の取り込み亢進を認めた報告がある。当症例では FDGPET から得られる情報が IVL の診断に有用であったが、FDG-PET が IVL 診断において
真に有用であるかを判断するには症例の蓄積がさらに必要である。
33.肺癌担癌患者に併発した気胸に対する 2 手術例
岩手県立中央病院呼吸器外科
○菅原 真弓、菅原 崇史、石田 格、大浦 裕之
肺癌に気胸を合併する頻度は低いと報告されているが肺癌患者の増加に伴い経験症例も増
えた。今回、肺癌担癌患者に併発した気胸に対する 2 手術を経験したので報告する。
【症例 1】69 歳男性。左副腎転移を伴う右肺癌に対し手術を施行、術後化学療法中に右気胸
を発症。
【症例 2】74 歳男性。左肺癌脳転移再発に対し化学療法、放射線療法施行後 HOT
を導入され経過観察中に左気胸を発症。2 例ともドレナージにて軽快しないため手術を施
行した。破裂部位はいずれも癌病変以外の気腫性部であり、術式は破裂部の結紮にとどめ
た。症例 1 は術後 8 ヶ月で癌死。症例 2 は術後 ICU 管理を要したが軽快し退院、担癌生存
中。2 例とも手術により QOL の改善が得られた。肺癌担癌患者に併発した気胸に対する外
科治療の適応・有用性について若干の文献的考察を加え報告する。
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34.多発肺転移を契機に発見された Alveolar soft part sarcoma の一例
東北大学病院呼吸器内科1、東北大学病院病理部2
〇内藤恵里佳1、佐藤 輝幸1、田中 里江1、小野 学1、岡崎 達馬1、
渡辺 みか2、相澤 洋之1、蒲生 俊一1、玉井ときわ1、光石陽一郎1、
小荒井 晃1、一ノ瀬正和1
【症例】38 歳、女性。
【主訴】右胸痛。
【現病歴】2014 年 4 月バレーボール中に突然右胸痛
が出現し近医受診。胸部 CT にて両肺多発結節及び少量の右胸水を指摘され当科紹介され
た。転移性肺腫瘍を疑い胸水検査、PET-CT、気管支鏡下肺生検を行ったが診断に至らな
かった。しかし骨シンチグラフィーで左大腿骨骨幹部に異常集積を指摘され、左大腿骨 X
線で同部位の骨欠損像を認めた。さらに左大腿 MRI では左外側広筋、大腿二頭筋を主座と
する長径 13cm の石灰化を伴う多血性の腫瘍が骨髄腔に浸潤していた。病理診断目的に左
大腿及び肺結節から針生検を追加施行し、いずれの検体からも胞巣状、索状構造を取る多
稜形の異型細胞像と周囲の豊富な洞様血管を認め、Alveolar soft part sarcoma(ASPS)と
診断した。
【考察】ASPS は軟部肉腫の約 1% に認める非常に稀な多血性腫瘍である。今回
多発肺転移を有する左大腿原発 ASPS の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告
する。
35.生前に診断が困難であった Nocardia farcinica 感染症の 1 剖検例
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科1、同病理部病理診断科2
○髙橋 賢治1、古谷慎太郎1、神宮 大輔1、矢島 剛洋1、生方 智1、
庄司 淳1、渡辺 洋1、高橋 洋1、伊藤 干城2
【症例】47 歳女性。前医にて原発不明の神経内分泌腫瘍と診断後に通院を自己中断してい
た。診断 4 ヶ月後に全身状態が悪化し、当院を紹介受診した。右上葉に新規腫瘤影を認め、
気管支鏡検査を施行した。培養、組織診共に特記所見なく、本人の希望で化学療法を開始
した。治療開始 5 日目より発熱、酸素化低下を認め、右上葉病変の空洞化と両肺に新規浸
潤影が出現した。抗菌薬投与も改善なく、Day49 に死亡した。病理解剖にて右上葉組織培
養で N.farcinica が分離され、右下葉及び大脳皮質の微小膿瘍から前述の菌体を確認し、肺
Nocardia 症による菌血症と診断した。
【考察】肺 Nocardia 症は画像所見が非特異的で長期
培養を要するため、診断に難渋する事がある。一般に緩徐進行性だが、急性増悪例もあり
注意を要する。今回気管支鏡検査及び複数回の喀痰検査でも診断に至らなかった 1 例を経
験したため、文献的考察を加え報告する。
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36.Shewanella putrefaciens による院内肺炎の 1 例
大崎市民病院呼吸器内科
○李 河、平野 泰三、丹野 篤、沼倉 忠久、井草龍太郎
症例は非定型抗酸菌症の既往のある 70 歳男性。数日間の全身倦怠感と呼吸苦を主訴に受診
した。種々の検査からクレブシエラ肺炎と診断し、入院後 CTRX で加療を開始した。治療
に伴い徐々に症状の改善を認めたが、第 9 病日に呼吸器症状が増悪した為、画像検索を施
行した所、新規肺異常陰影を認め院内肺炎の診断となった。臨床経過から誤嚥が考えられ
た為、排痰目的に輪状甲状膜切開により気管にチューブを挿入した。起因菌検索の為に同
部位から無菌操作で採取した喀痰から複数回 S. putrefaciens が検出され、S.putrefaciens に
よる院内肺炎と診断し、PIPC/SBT にて加療し改善を認めた。
S.putrefaciens は主に水環境に存在するグラム陰性桿菌であり、現在までに 9 例の市中肺炎
の報告がある。しかし、院内肺炎の起因菌となった報告は無く本症例が最初の報告となる。
その為、文献的考察を含め報告する。
37.肺がん患者における 2 次性食道アカラシアの 1 例
大崎市民病院呼吸器内科
○阿部 出、平野 泰三、丹野 篤、沼倉 忠久、井草龍太郎
症例はリウマチ肺の既往のある 65 歳女性。CT ガイド下生検にて LK(SCC、cT1bN0M0)
と診断も、本人希望で Best Supportive Care の方針であった。12 月初旬より吐気と食欲不
振を主訴に受診、CT にて原発巣の増大と食道胃接合部上部の食道の拡張を認めた。しか
し、同部外部からの閉塞病変は認めなかった。胃カメラでも同様に食道胃接合部の狭窄を
認めた。上記より、食道の機能不全を疑い食道造影検査を施行した所、アカラシア様の食
道機能障害を認めた為、肺がんに伴う 2 次性アカラシアと診断した。
食道アカラシアは下部食道括約帯の機能不全に伴う食道運動機能障害と定義され、その原
因の 1.5%はがんに伴う 2 次性に発症するとされる。今までに、肺がんに伴う 2 次性食道ア
カラシアは 2 例報告され、Para neoplastic syndrome の一つと考えられている。今回、過
去の論文的な考察を含め報告する。
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38.Chryseobacterium indologenes が分離された重症肺炎の 1 剖検例
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器内科
○古谷慎太郎、高橋 賢治、神宮 大輔、矢島 剛洋、生方 智、
庄司 淳、渡辺 洋、高橋 洋
【症例】69 歳、男性。
【現病歴】統合失調症で精神科病院に長期入院中。2014 年 5 月 10 日より発熱を認め、プル
リフロキサシンを内服するも改善しなかった。5 月 14 日に両側肺炎として当院紹介となっ
た。
【入院時経過】CTX3g/日を開始したが、呼吸状態が急速に悪化し、第 2 病日に MEPM3g/
日と MINO200mg/日へ変更した。しかし、状態は改善せず、第 10 病日に LVFX500mg/
日へ切り替えたが DIC、多臓器不全となり第 14 病日に死亡した。喀痰培養では有意な菌
は分離されなかった。剖検での組織培養で両肺から C. indologenes が分離された。
【考察】C. indologenes は metaro-β-lactamase を有する偏性好気性ブドウ糖非発酵グラム陰
性桿菌であり、カルバペネム系を含む多くの β ラクタム薬に耐性を示す。本菌による肺炎
は免疫抑制宿主に散見されるが、今回は通常の NHCAP で本菌が起炎菌と考えられる肺炎
を経験した。最近増加傾向にある多剤耐性菌の一つであり注意が必要である。文献的考察
を含めて報告する。
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セッション 4 11:08~12:04 第 2 会場(第 2 フォレストホール)
座長 岩手県予防医学協会 武内 健一
福島県立医科大学会津医療センター感染症呼吸器内科 斎藤美和子
39.治療中に対側胸水貯留と肺野の結節影を認めた結核性胸膜炎の一例
山形県立中央病院内科
〇片桐 祐司、日野 俊彦、長澤 正樹、藤井 俊司
症例は 55 歳男性。左胸痛を主訴に当院を受診。胸部 X 線で左胸水貯留を認めた。CT で胸
膜の肥厚や腫瘤影は認めず、肺野に小粒状結節影を認め、腹膜は肥厚し腹腔内に脂肪濃度
の上昇・多発微小粒状影を認めた。左胸水は滲出性で細胞診は陰性、抗酸菌塗抹検査は陰
性、ADA68.0 IU/l であった。胸腔鏡下胸膜生検の病理では乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽
腫の所見であり、結核性胸膜炎と考え抗結核薬 4 剤での治療を開始、その後入院初期の喀
痰の培養で結核菌陽性と判明したため肺結核・結核性胸膜炎と診断した。治療開始 2 週間
後に発熱・皮疹を認め、INH の薬疹と考えられたため以降は RFP、EB、PZA で治療した。
治療開始 2 ヶ月後から右胸水貯留と肺野に結節性陰影が出現したが、それらは治療ととも
に消退し初期悪化・肺内結核腫と考えられた。興味深い画像所見を呈した結核性胸膜炎治
療中の初期悪化・肺内結核腫の症例を経験したので報告する。
40.結核化学療法中に薬剤性肝硬変をきたした一例
国立病院機構弘前病院呼吸器科1、同消化器・血液内科2
○石岡 佳子1、山本 勝丸1、下山亜矢子1、中川 英之1、高杉かおり2
【症例】67 歳、男性。
【既往歴】大酒家で脂肪肝。前医入院時に糖尿病が判明。
【現病歴】咳嗽を自覚し近医受診。喀痰検査がガフキー 5 号で肺結核と診断され、結核専門
施設へ紹介された。INH、RFP、SM、PZA による化学療法が開始され、2 ヶ月後から INH、
RFP の 2 剤となった。治療前の AST、ALT は 60~80IU であったが、経過中 400~500IU
まで上昇。約 1 ヶ月間休薬後、同 2 剤を少量より再開、治療導入後 5 ヶ月目に当科紹介と
なった。しかし AST、ALT はその後も 200IU 前後と高値、血小板も 13 万/μL 前後と低値
続いていたため、当院消化器内科に精査を依頼、肝硬変と診断された。前医入院時の CT
では明らかな肝硬変の所見はなく、治療開始後、短期間で肝硬変に進展していた。【考察】
RFP、EB、LVFX に薬剤変更し、1 ヶ月経過した時点で肝障害増悪はなく、INH、PZA が
原因薬剤と推定された。
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41.気管支喘息で外来通院中に発症した喘息症状と紛らわしかった肺結核の一例
総合南東北病院呼吸器科
○座安 清
気管支喘息で通院中に発症した肺結核は診断に難渋すると考えられるので報告する。
症例:73 才、女性。主訴:咳嗽、喀痰、口腔内違和感。既往歴:陳旧性肺疾患。現病歴:
平成 25 年 5 月から当科受診中である。平成 26 年 9 月 10 日の受診時、咳・痰・口腔内違和
感を訴えた。シムビコート吸入直後にうがいをしてなかったとのことなのでそのための症
状と考え様子観察とした。10 月 15 日の受診時、口腔内違和感はうがいをきちんとしたた
め消失したが咳・痰は継続していた。喘息発作を考えデカドロンの点滴施行。念のため胸
部 X 線撮影施行したところ新たな陰影が認められた。さらに胸部 CT を施行し空洞陰影が
認められたため肺結核を疑った。経過:喀痰結核菌塗抹陰性、TB-PCR 陽性であったため
抗結核剤 4 者にて治療開始した。初期悪化が胸部 X 線で認められたが症状は改善した。4
週培養陽性で 30 コロニー認められた。感受性菌であった。
42.リンパ脈管筋腫症に対する左片肺移植術後に右固有肺に結核を罹患した一例
東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野1、
東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野2、
東北大学病院感染症診療地域連携講座3、東北大学病院臓器移植部4、
東北大学病院薬剤部5
○鈴木 寛利1、渡邉 龍秋1、松田 安史1、岡崎 敏昌1、野津田泰嗣1、
新井川弘道1、野田 雅史1、桜田 晃1、星川 康1、遠藤 千顕1、
岡田 克典1、近藤 丘1、玉田 勉2、菊地 利明2、一ノ瀬正和2、
具 芳明3、秋場 美紀4、高橋阿希子5
症例は 50 歳女性、リンパ脈管筋腫症に対し脳死左片肺移植術を行った。肺移植術 6 ヶ月後
の胸部 CT で右肺に浸潤影を認め抗生剤で加療したが、浸潤影は拡大した。前医で行われ
た喀痰培養で抗酸菌を認め培養菌の PCR で M. tuberculosis を認めた。当院へ入院後、気
管支液、気管支肺胞洗浄液、胃液を採取したが、塗抹検査、PCR では M. tuberculosis は
検出されなかった。入院後 2 週間で右肺浸潤影が拡大したため、臨床的に肺結核と診断し
INH、PZA、EB、LVFX で治療を開始した。RFP は免疫抑制剤と相互作用を認めるため
使用を避けた。治療開始 2 週間後の胸部 CT では右肺の浸潤影は縮小し、移植 1 年後の定
期検査でも結核の再燃なく内服加療を継続している。肺移植患者の結核感染は 1.2-6.5% と
報告され他の臓器移植術後より高頻度である。当施設で初めて肺移植術後に結核を罹患し
た症例を経験したので報告する。
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43.急性骨髄性白血病患者で Mycobacterium fortuitum 菌血症を呈した一例
大曲厚生医療センター・内科
○佐々木重喜
【緒言】急性骨髄性白血病(AML)患者で Mycobacterium fortuitum 菌血症を呈した症例
を経験した。【症例】79 歳男性。急性白血病疑いで当院に転院。骨髄検査の結果、AML
(M1)と診断された。転院時に 38℃台の発熱と胸部 X 線で肺炎の所見があり、培養検査提
出の上で抗菌薬治療を開始。転院 4 日目から寛解導入療法を開始したものの、肺炎の悪化
のため 3 日間で中止した。転院日の血液培養でグラム陽性糸状菌が陽性となり、ミノサイ
クリンを追加したが、無顆粒球症は持続、患者状態の改善を認めることなく、転院 15 日目
に死亡に至った。検出菌は 16sRNA 遺伝子解析にて M. fortuitum subsp. Fortuitum と同
定された。
【考察】本症例は、当院で血液培養から抗酸菌が検出された最初の例である。免
疫不全患者においては、菌血症の原因に抗酸菌をも考慮しなければならないという点で、
教訓的な症例であった。
44.喉頭浮腫を伴った侵襲性アスペルギルス症の 1 例
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座1、弘前大学医学部附属病院検査部2、
弘前大学保健管理センター3、弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座4
○糸賀 正道1,2、當麻 景章1、中村 邦彦1、田中 寿志1、高梨 信吾1,3、
奥村 謙4
症例は 71 歳女性。平成 25 年 11 月より進行期直腸原発 DLBCL に対して R-CHOP を 8 コー
ス施行し CR を得ていた。平成 26 年 7 月から R-HD-MTX 開始し、3 コース施行後の 9 月
5 日より嗄声、発熱が出現し、喉頭浮腫として当院耳鼻咽喉科へ緊急入院となった。ステ
ロイド投与で嗄声は一時的に改善を認めるも、発熱、咳嗽が悪化、両肺異常陰影が出現し
9 月 12 日当科紹介。CT にて両肺野に粒状影、浸潤影、気管支壁肥厚、気管支鏡検査では
気管、気管支に敷石状に偽膜形成を認めた。偽膜からの生検でアスペルギルス菌体を認め、
侵襲性肺アスペルギルス症と診断。VRCZ 投与で改善が得られた。今回、我々は喉頭浮腫
を伴った侵襲性肺アスペルギルス症の 1 例を経験した。気管支鏡検査では偽膜性気管気管
支アスペルギルス症の像を呈しており、声帯直下の偽膜により喉頭浮腫を伴ったものと考
えられた。当日は、若干の文献的考察を加えて報告する。
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45.潰瘍性大腸炎のインフリキシマブ治療中に肺クリプトコックス症を合併した一例
山形県立中央病院内科1、同消化器内科2
○日野 俊彦1、片桐 祐司1、長澤 正樹1、藤井 俊司1、武田 弘明2
症例は 23 歳男性。2013 年 12 月に潰瘍性大腸炎を発症、2014 年 6 月からインフリキシマブ
(IFX)の投与を開始した。8 月上旬に外来で 3 回目の IFX を投与、原疾患の病状は落ち着
いていたが、投与 17 日目の夜から発熱し翌日救急車で来院。胸部 CT でエアブロンコグラ
ムを伴う右肺上葉の浸潤影があり、肺炎の診断で入院した。一般細菌を想定してタゾバク
タム・ピペラシリンとアジスロマイシンの併用で治療を開始したが、肺野の陰影は増大し
新たな多発陰影も出現。入院時採血でクリプトコックス抗原が陽性であることが判明し、
肺クリプトコックス症と診断した。
髄液検査でクリプトコックス脳髄膜炎の合併を否定後、
入院 10 日目からイトラコナゾール内用液 200mg で治療を開始した。肺野陰影は順調に縮
小し入院 17 日目に退院、外来で内服治療を継続した。炎症性腸疾患の IFX 治療で肺真菌
症合併の報告はまだ少ないが、間接リウマチ同様に注意が必要である。
46.肺真菌症の 2 例
仙台厚生病院呼吸器内科
○相羽 智生、本田 芳宏、斉藤 勉、百目木 豊、川名 祥子、
斉藤 亮平、川嶋 庸介、高原 政利、中村 敦、石本 修、
木村雄一郎、菅原 俊一
症例 1:66 歳女性。慢性咳嗽を主訴として、平成 26 年 3 月当科受診。蓄膿症、中葉症候群
の既往歴。胸部 CT 上、左舌区に無気肺を認め、気管支鏡検査施行。舌区入口部は白色膿
で覆われていた。白色膿を吸引した結果、無気肺に改善が見られ、症状も消失した。吸引
物からは糸状真菌が分離され、肺真菌症が疑われた。血清抗体価測定の結果、Schizophyllum commune(スエヒロタケ)に対する IgG、IgE ともに強陽性であった。
症例 2:51 歳女性。平成 26 年 3 月血痰を主訴に当科受診。右肺中葉のアスペルギローマと
右肺下葉の MAC 症にて平成 9 年 9 月に右肺中下葉切除術の既往歴。平成 26 年 4 月の喀痰
より糸状真菌が分離された。遺伝子解析の結果、Trametes hirsute(アラゲカワラタケ)と
同定された。Trametes hirsute による肺真菌症は報告がなく、ヒトでの病原性に関しても
不明な点が多い。その後粘液栓子状の喀痰から再度糸状真菌が分離されており、現在遺伝
子解析による菌種の同定を行っている。
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