人工呼吸器について➀ 松山赤十字病院 医療技術部 臨床工学課 1 呼吸療法の流れ 酸素療法 鼻カニューラ・マスク(低・高流量) NHF (Nasal High flow Ventilation ) NPPV (Non-invasive Positive Pressur Ventilation) 侵襲的陽圧換気 Ventilater 鼻マスク式人工呼吸器とは？～ＮＰＰＶ～ 鼻マスクなどを 使用した陽圧換気療法 気管内挿管や気管切開を行わない 陽圧換気法 3 NPPV •Noninvasive ・・・非侵襲的 •Positive ・・・・・・・ 陽 •Pressure ・・・・・・ 圧 •Ventilation・・・・・ 換気 IPPV TPPV NPPV 気管内挿管 気管切開 マスク 2層の設定圧（Bilevel) 吸気圧 : 呼気圧 : IPAP (Inspiratory Positive Airway Pressure) EPAP（Eｘpiratory Positive Airway Pressure) PCIRC cmH2O IPAP 換気 (PS) EPAP ０ 4 NPPV用人工呼吸器の構成 吸気フィルタ 呼気ポート（リーク孔） 空 気 ブロア 圧 縮 酸 素 吸気の流れ 呼気の流れ 5 Respironics V60 • CPAP,S/T,PCV、AVAPS • 通信信号の出力 • 新しいグラフィカルインターフェイ ス • 3段階での設定変更 • 長時間のバッテリー（6時間） • 高い流量の酸素ブレンダー • 回路／マスクの事前設定 • 精密で迅速な流量反応 V60のモードと機能 • モード – – – – CPAP S/T PCV AVAPS • 機能 – Ramp – C-Flex CPAP （Continuous Ｐositive Airway Pressure） ☆ PEEP下で吸気及び呼気を行うモード • • • • 平均気道内圧を上昇させ肺の虚脱箇所への換気を改善 機能的残気量の増加 酸素化能の改善 呼吸仕事量の減 Ｓ／Ｔ （Spontaneous／Timed） ＝ ＰＳＶモード＋時間的強制圧換気 ・ 器械は患者の呼吸努力を感知し、そのつど決められ たＰＳ圧（IPAPとEPAPの差圧）を圧補助として送気す る。（PSVモード） ・ 患者の呼吸が認識出来なかった場合設定された呼 吸回数に合わせて時間的強制換気を行う。（Ｔモー ドにて作動） ・ Ｔモードで動作中、患者の呼吸を器械が認識したら 再度Ｓモードに移行する。 よく用いるモード 『S/Tモード』 プレッシャーサポート換気（PS）と同じ 自発呼吸があればPSV、なければPCV（バックアップ）で作動する cmH2O IPAP 10 PS圧 10-4 = 6cmH2O （圧） 4 EPAP 0 （時間） IPAP : 吸気時にかかる陽圧 EPAP : 呼気時にかかる陽圧 EPAP = PEEP（呼気終末陽圧） IPAP – EPAP ＝ ＰＳ 圧設定 IPAP＝１０cmH2O EPAP＝４cmH2Oの場合 PCVモード •自発及び強制換気時の吸気時間が 「I-Time」で設定されたもので作動 S/Tモード同様吸気は患者自身でトリガーされますが、IPAP時間はI-Time コントロールによって決定され、その設定時間内はIPAPを保ちます。 効果 I-Timeにて吸気時間がコントロールされますので換気 量が一定量保持されます。 AVAPSモード 『AVAPSとは？』（平均1回換気量保証機能） Average Volume Assured Pressure Support 平均 換気量 保証 プレッシャーサポート 設定された目標の一回換気量を維持するためにプレッシャー サポートレベルを自動的に調整 目標1回換気量（ TargetVolume） EPAP圧 Min Pressure Max Pressure “AVAPS”の動作原理 1分又は2分にて Max IPAP 新しいPS計算 最大１cmH2Oの変動 New PS Min IPAP 換気量低下 ターゲットボリューム Ramp • NPPVの圧力に違和感 を感じる患者さんへ – 設定時間中 • 低い圧力へ自動で切替 – 時間経過後 • 元の設定へ戻ります – 作動途中で中止も可能 CPAP with C-Flex CPAP（持続陽圧）における患者様の違和感を緩和させる機能 C-Flex 1 C-Flex 2 C-Flex 3 CPAP Flow 7 6 5 4 動作原理 ☆ CPAPの圧を呼気開始時フローの比例に軽 減します ☆ 呼気フローが、終了する前に設定された CPAPの圧に戻ります 1 2 3 3 2 1 吸気 呼気 治療に圧力の低下が問題となる可能 性の患者さんへ使用時は注意が必要 です。 外観 前面 ナビゲーションリング カラー液晶 タッチ スクリーン 確定ボタン プロキシマルポート 送気口 オン／オフ ボタン・LED バッテリ LED アラーム LED アラームスピーカー 電源のON/OFF ＊On：電源ボタンを押す ＊Off：電源ボタンを押すと 右のような表示が出るので 「呼吸器の停止」をタッチす ると電源OFF 院内搬送にも利用可能な内蔵バッテリー • 最大作動時間 – ６時間 • ｽﾏｰﾄﾊﾞｯﾃﾘｰｼｽﾃﾑ 3:05 – ﾘﾁｳﾑｲｵﾝﾊﾞｯﾃﾘｰ V60 マスクと呼気ポートの設定 マスクを選択 呼気ポートを選択 正確な意図的リークを認識 最適な患者リークを概算 強化した患者と呼吸器との同調 人工呼吸器 【 V60ベンチレータ 】 専用ディスポ回路＋AF811ジェルフルフェイス or パフォーマトラックフルフェイス 使用パターン 回路構成 回路はマスクのクイックリリース部分に （赤矢印参照） ※①マスクと②呼気ポートの設定 ① マスクのリークシンボルは両方とも 『 1 』 を選択 ② 専用ディスポ回路にはエクスハレーションポートがあるので 『 DEP 』 を選択 ※回路内にあるエクスハレーションポートから呼気が排出されます エクスハレーションポート ※専用ディスポ回路には始めから この時のリーク表示は 『 Pt.Leak 』 になります。 エクスハレーションポートが接続 しています。 注意・・・ AF811マスク・パフォーマトラックマスクには呼気ポートはありません。 （ついているのは、呼気ポートではなく安全弁です。） 人工呼吸器 【 V60ベンチレータ 】 専用ディスポ回路＋パフォーマックス SPUマスク 使用パターン 回路構成 回路はマスクのクイックリリース部分に （赤矢印参照） ※①マスクと②呼気ポートの設定 ① パフォーマックス SPUマスクのリークシンボルは 『 2 』 を選択 ② 専用ディスポ回路にはエクスハレーションポートがあるので 『 DEP 』 を選択 この時のリーク表示は 『 Pt.Leak 』 になります。 エクスハレーションポート ※専用ディスポ回路には始めから エクスハレーションポートが接続 しています。 ３つの構成で、全ては1画面表示 上部 = 患者データ関係 患者モニタリングデータ 情報とアラーム 中部 = 換気パターン関係 呼吸パターン カラー表示による呼吸状態の表示 設定をラインで表示 下部 = 設定タブ関係 •設定タブ •アラームタブ •モードタブ •メニュータブ •スタンバイモードタブ アラーム設定の確認 画面下部（呼吸器設定部）のアラームタブを押せば表記します。 酸素濃度の設定変更 酸素濃度を変更する場合は… ①画面下部のO2表記をタッチし… ②現在のO2％が画面に出ます… ③画面に表記される で設定します（ で下がる （器機右上にあるナビゲーションでも変更可能です） ④最後に確定ボタンを押せば設定完了です。 で酸素があがります） アラーム表記 画面中部の呼吸波形の右横に表記 （アラームレベルは赤・黄・青と3種類の色で表記します。 高レベルアラーム 低レベルアラーム 情報メッセージ 画面最上部アラームバーについて… この部分をタッチしてください。 アラーム消音は2分です。アラーム消音タブを押すと2分からカウントダウ ンしていき最終0分になるとアラームが発生します。 （※注意：アラーム消音中もアラームは発生します） Capnostream™ 20P • 呼吸管理に重要な4つのパラメータを提供 – etCO2，RR，SpO2，PR • Microstream™技術 – 従来型カプノモニタの測定技術と従来型サイドストリームの技術を改善 • Micro Beam；CO2特有の波長；4.2～4.3μm • Micro Flow Rate；サンプリング量；50mL/min • Micro Sample Cell；小容量サンプリングセル；15μL • Smart Capnography – 新しいアラームマネージメント • • • • • スマートBDA；有効な呼吸のみを識別、カウントすることで、呼吸状態の評価を改善 SARA；より確実なイベントをカウントし、不要なアラームを軽減 IPI；Integrated Pulmonary Index；呼吸状態の変化の早期認知が簡潔に可能 Apneas per Hour (A/Hr)；SASのスクリーニングに Oxygen Desaturation Index (ODI)；SAS由来の脱酸素飽和の指標 Integrated Pulmonary Index（IPI）とは • 換気状態を把握するための指標 • etCO2, 呼吸回数，脈拍数，SpO2 のパラメータから評価 • 1～10で表示 患者状態 IPI 10 8－9 7 良好 正常範囲内 正常範囲に近いが注意が必要 5－6 注意が必要、介入が必要となる可能性あり 3－4 介入が必要 1－2 直ちに介入が必要 Screen お疲れ様でした。 来週は、挿管人工呼吸器です。 31
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