No.47 - 天王みどり学園

秋田県立養護学校天王みどり学園
加賀谷
勝
1 一卵性双生児の「WISCーⅢ」プロフィール表
140
125
120
120
100
115
80
兄
兄
110
弟
105
60
弟
40
100
20
0
95
言語性
動作生
言語理解
全検査
20
16
18
14
知覚統合
注意記憶
処理速度
16
12
14
10
12
10
兄
8
兄
8
弟
6
弟
6
4
4
2
2
0
0
知識
類似
算数
単語
理解
数唱
絵画完成
符号
絵画配列 積木模様
組合せ
記号探し
・言葉を理解して操作する力が高い反面、空間認知やイメージで作業する活動が苦手、聴
覚的短期記憶に課題がある等、驚くほど似ている結果であった。しかし、性格は兄が大
人しくて、弟が活発で感情の起伏が激しい。学校には、検査結果を基に苦手さをカバー
する支援方法を伝えた。保護者には、お互い認められたい気持ちが強いので、毎日5分
でいいので、それぞれの話を聞いてあげたり、スキンシップをとったりするスペシャル
タイムを設けて、
「あー楽しかった!」という経験を増やすことを勧めた。
2 「WISC-Ⅳ」を実施して感じていること
・準備に時間のかかる「組合せ」「絵画配列」がなくなったことや10の
基本検査でIQや指標得点を算出できるので、実施時間が短くなり、子
どもの負担が軽減された。4つの指標のバランスを考え、補助検査の
WISCーⅣ検査器具
「絵の抹消」と「算数」は実施している。
・新たに追加された検査は、子どもの興味を引いている。検査者も実施して楽しい。
・言葉の意味を求める検査は、Ⅲでは口頭で質問していたが、Ⅳでは問題冊子を提示する
ので、意味が分からなくても文字を見てイメージして答えられる。
・言語性IQと動作性IQがなくなり解釈に戸惑ったが、言語性IQ=言語理解、動作性
IQ=知覚推理に置き換えて分析したことと、これまで以上にワーキングメモリーと処理
速度の読み取りを重要視したことで、子どもの全体像が見えてきた。
・検査器具、検査問題、記録用紙を開示してはならないので、学校や保護者への報告の仕
方が難しい。
・本校では学校用と保護者用の2種類の報告書を作成している。子どもの自己理解を促す
場合は、得意なところと苦手なところ、そして、具体的な支援方法を記載した本人用の
報告書も作成している。