の算定について - 社会保険診療報酬支払基金

保険請求の
当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムの
診断を行った場合のコンピューター断層診断について
事例❶ 医 科
基 礎 知 識
本事例については、初診料の算定がなく、当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィル
ムについて診断を行った場合のコンピューター断層診断を算定されていますが、
「診療報酬の算
定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」
(平成26年3月5日保医発0305第3号)の
通知に「初診料を算定した日に限り」と示されていることから、他医撮影のコンピューター断層
診断は算定できないこととなりますので、ご留意ください。
月刊基金 January 2015
今 回 は ①「当 該 保 険 医 療 機 関 以 外 の 医 療 機 関 で 撮 影 し た フ ィ ル ム の 診 断 を
別添1
医科診療報酬点数表に関する事項
第2章 特掲診療料
第4部 画像診断
第3節 コンピューター断層撮影診断料
E203 コンピューター断層診断
(1)
(2)
(略)
(3) 当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムについて診断を行った場合に
は、初診料を算定した日に限り、コンピューター断層診断料を算定できる。
行った場合のコンピューター断層診断について」
、②「同一保険医療機関にお
【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号】
いて同一日に別の診療科を初診として受診した場合について」
、③「9歯未満
法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」において、次のように示されています。
の算定について」
、④
「1
の局部義歯での新製有床義歯管理料
「2 困難な場合」
層診断については、平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号「診療報酬の算定方
顎に2箇所以上の暫間固定「1 簡単なもの」の算定について」を掲載します。
当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムの診断を行った場合のコンピューター断
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同一保険医療機関において同一日に別の診療科を
初診として受診した場合について
事例❷ 医 科
同一保険医療機関において同一日に別の診療科を初診として受診した場合については、平成26年3月5日付け厚生労
働省告示第57号および同日付け厚生労働省通知保医発0305第3号「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留
意事項について」において、次のように示されています。
【告示 平成26年3月5日付け厚生労働省告示第57号】
別表第一
医科診療報酬点数表
第1章 基本診療料
第1部 初・再診料
第1節 初診料
A000 初診料
注1~4(略)
5 1傷病の診療継続中に他の傷病が発生して初診を
行った場合は、それらの傷病に係る初診料は、併せ
て1回とし、第1回の初診のときに算定する。ただし、
同一保険医療機関において、同一日に他の傷病につい
て、新たに別の診療科を初診として受診した場合は、
2つ目の診療科に限り141点(注2から注4までに規定
する場合にあっては、104点)を算定できる。
(略)
【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号】
別添1
医科診療報酬点数表に関する事項
第1章 基本診療料
第1部 初・再診料
第1節 初診料
A000 初診料
(1)~(12)
(略)
(13)現に診療継続中の患者につき、新たに発生し
た他の傷病で初診を行った場合には、当該新た
に発生した傷病について初診料は算定できない。
ただし、
「注5」のただし書に規定する同一保
険医療機関において、同一日に他の傷病(1つ目
の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と
同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のこ
とをいう。
)について、新たに別の診療科(医療法上の
標榜診療科のことをいう。
)を初診として受診した場合
(1つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受
けた場合を除く。)は、現に診療継続中の診療科を除く
診療科1つに限り、同ただし書の所定点数を算定できる。
また、診療継続中以外の患者であって、同一日に他の
傷病で2以上の診療科を初診として受診する場合にお
いても、2つ目の診療科に限り、同ただし書の所定点
数を算定できる。
(略)
本事例については、単一傷病名で、初診料の注5のただし書に規定する2つ目の診療科において初診を行った場合の点数を
算定されていますが、ただし書きの所定点数を算定できる場合については、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留
意事項について」(平成26年3月5日保医発0305第3号)の通知に「他の傷病(1つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継
続中の疾病と同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、新たに別の診療科を初診として受診
した場合」と示されていることから、当該ただし書きに規定する点数は算定できないこととなりますので、ご留意ください。
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月刊基金 January 2015
9歯未満の局部義歯での新製有床義歯管理料
「2 困難な場合」の算定について
事例❸ 歯 科
6 5 4
380
190
D
2, 068
新製有床義歯管理料については、平成26年3月5日付け厚生労働省告示第57号および同日付厚生労働省通知保医発
0305第3号「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」において次のように示されています。
【告示 平成26年3月5日付け厚生労働省告示第57号】 【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号】
別表第二
歯科診療報酬点数表
第2章 特掲診療料
第1部 医学管理等
B013 新製有床義歯管理料
1 2以外の場合 190点
2 困難な場合 230点
別添2
歯科診療報酬点数表に関する事項
第2章 特掲診療料
第1部 医学管理等
B013 新製有床義歯管理料
(3)
「2 困難な場合」とは、特に咬合の回復が困難な
患者に対する義歯管理を評価したものをいい、次の
いずれかに該当する場合をいう。
イ 総義歯を新たに装着した患者又は総義歯を装着
している患者
ロ 9歯以上の局部義歯を装着し、かつ、当該局部義
歯以外は臼歯部で垂直的咬合関係を有しない患者
本事例については、3歯の局部義歯を装着していることから、当該通知により、新製有床義歯管理料の「1 2以
外の場合」の算定となりますので、ご留意ください。
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1顎に2箇所以上の暫間固定
「1 簡単なもの」の算定について
事例❹ 歯 科
2 1
1
200
D
1, 476
暫間固定「1 簡単なもの」については、平成26年3月5日付け厚生労働省保医発0305第3号「診療報酬の算定方法
の一部改正に伴う実施上の留意事項について」において次のように示されています。
【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305
第3号】
別添2
歯科診療報酬点数表に関する事項
第2章 特掲診療料
第8部 処置
第1節 処置料
I014 暫間固定
(2)「1 簡単なもの」とは、歯周外科手術を
伴わない場合及び歯周外科手術を予定する
場合の固定源となる歯を歯数に含めない4歯
未満の暫間固定をいう。なお、同日又は他日
にかかわらず1顎に2箇所以上行っても1回
の算定とするが、当該処置を行った日から起
算して6月を経過して必要があって当該処置
を再度行う場合は、1顎につき1回を限度と
して算定する。
(参考)
【通知 平成26年3月26日付け厚生労働省通知保医発
0326第3号】
別添1 別紙1
診療報酬請求書等の記載要領
Ⅲ 歯科診療に係る診療報酬請求書及び診療報酬明
細書の記載要領
第3 診療報酬明細書の記載要領(様式第3)
2 診療報酬明細書の記載要領に関する事項
(28)
「摘要」欄について
キ 処置について
(ウ)エナメルボンドシステムによる暫間固
定は、固定を行なった部位及びその方
法を記載する。
本事例については、「摘要」欄の固定を行った部位の記載から、上顎に2箇所の暫間固定「1 簡単なもの」を行っ
ているため、当該通知により、当該処置は1回の算定となりますので、ご留意ください。
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