野口 勲氏 講演会 入場無料 「タネが危ない」 野口 勲 氏プロフィール 野口種苗研究所代表。 1944 年東京都青梅市生まれ。 親子三代にわたり、在来種・固定種・全国各地の 伝統野菜の種を扱う種苗店を埼玉県飯能市で経営。 店を継ぐ前は、漫画家の手塚治虫さんの担当編集 者をしていた経歴を持つ。 2008 年山崎記念農業賞を受賞。 主な著書に「いのちの種を未来に」(創森社)、 「タネが危ない」(日本経済新聞出版社)、共著に 「固定種野菜の種と育て方」(創森社)などがある。 野沢菜は、宝暦年間、健命寺八世晃天園瑞大和尚が京都遊学の折り、天王寺蕪を持ち帰り栽培した ところ、突然変異して野沢菜になったといわれております。野沢菜伝来以来 250 年全国的にも知られ 食卓に欠かせない一品になりました。しかしながら、現在日本の農業に関しては、化学肥料や、農薬 の危険性の問題と、技術革新は進んでいるとはいえ、その安全性は確かなものではありません。特に 種においては、F1 種 ( 異なる性質のタネを掛け合わせて作った雑種の一代目 ) が主流となり、雄性 不稔という花粉のできない突然変異の個体から作られその安全性も疑問視されています。今こそ伝統 野菜や固定種の種を守り、伝えていくことの意義と必要性を学びたいと思います。 7月26日(日)午後 1 時 平成 27 年 野沢温泉スパリーナ 国際会議場 主 催:健命寺『タネが危ない』講演実行委員会 後 援:長野県、中野市、飯山市、山ノ内町、木島平村、野沢温泉村、栄村 協 賛:JA北信州みゆき、野沢温泉観光協会、㈱野沢温泉、野沢菜伝統野菜の会 野沢温泉村エコファーマーの会、信濃毎日新聞社、SBC 信越放送、 NBS 長野放送、TSB テレビ信州、abn 長野朝日放送、北信濃新聞社 FM 長野 〈 固定種・在来種 〉 地域で何世代にも渡って育てられ、自家採取を繰り返すことで、その土地の環境に適応するよう 遺伝的に安定していった品種。一粒一粒が多様性を持っているため、生育の速度はバラバラだが 味が好まれ、昔から作り続けられてきた固定種は家庭菜園で味わい、楽しむ野菜にぴったり。 〈 F1 種(一代雑種、交配種)〉 異なる性質の種を人工的に掛け合わせて作った雑種の一代目。形がよくて均一、育ちが早く大量 生産できるので経済効率優先の市場向き。しかし、現在世の中に流通している野菜や花の種の多 くが、もともと雄しべがなく花粉を作ることができない雄性不稔(植物としての不妊症)で作ら れたF1 種であると言われている。今日問題となっているミツバチの減少や人間の不妊にも関係 しているのではないかという説もある。 〈 講演主旨 〉 野沢菜は、宝暦年間、健命寺八世晃天園瑞大和尚が京都遊学の折り、浪速の天王寺蕪を持ち帰り 地続きの畑に蒔いたところ、突然変異して野沢菜になったと伝えられております。野沢菜伝来以 来 250 年、全国的にも知られ食卓に欠かせない一品になりました。しかしながら、現在日本の農 業は、化学肥料や、農薬の危険性の問題と、技術革新は進んでいるとはいえ、その安全性は確か なものではありません。特に種子においては、雄性不稔の F1 種が多く、その安全性も疑問視さ れています。また TPP が締結されればアメリカなどの多国籍企業が進める遺伝子組み換え種子や 食品、ターミネーター種子(自殺種子など)が輸入され日本の農業は壊滅的な状況になると言わ ざるを得ません。ここにおいて野沢菜を含めて固定種といわれる地域伝統野菜も絶滅の危機に瀕 しています。不自然な種子からできた野菜が人体に与える影響や問題、そしてもともと自然界に 存在しなかった化学肥料や農薬の土壌汚染問題は地球が汚れるのに比例して、人間の病気も増え るというように自然や動物と人間は密接な相互関係にあることが見て取れます。それに加え、私 たちは千年に一度と言われる大震災、原発事故という人災による放射能汚染、昨今大きな影響を もたらしている異常気象や自然災害などさまざまなことを経験してきました。この経験を生かし 全ての生命を大切にして先祖から受け継いだ英知を子孫や未来にどう伝え何を残していくのかを 考える時です。そのためには今の日本や世界の現状を知ることから始まります。そして命を養う ま ともな種 を残していくことがいかに重要か、日本で唯一固定種専門の種苗店を守ってこられた 固定種研究の第一人者、野口勲さんに講演していただきます。この講演が自然の摂理に従い調和 のとれた未来のために、私たちが一歩前に進む良い機会になれば幸いです。 参考書籍 : 野口 勲著(2011) 『タネが危ない』日本経済新聞出版社 ■当日は 書籍、固定種種子等の販売も予定して居ります。
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