“憲法改悪阻止” の熱い思いが生んだ いま必携の本 CDブック 群読 日本国憲法 [高文研/刊 1500 円+税] 県内公立中学校教員 毛利豊さん(滑川9条イカす会会員)が 5月3日に出版 「国民の“権利の章典”としてとらえなおす」というサブタイトルがつけられた標記の本が、憲法記念日の5月3日に刊行さ れました。出版したのは、毛利豊さん。富山県滑川市在住、公立中学校の教員で、国語科・社会科を担当し、長年、平和・歴史・ 古典・群読などの教育に力を注いでいる方です。「滑川9条イカす会」の一員としても活動しておいでです。 “改憲手続き法”(=国民投票法)が自民・公明両党のゴリ押しによって成立し、安倍内閣がまっしぐらに憲法改悪への道を 突っ走り始めた今、この本の刊行はまことに時宜にかなったものであり、格別におススメの一冊です。ぜひ、FC会員の皆さん が買い求められ、手元におき、あるいは活用されることをおすすめします。 (和田雄二郎・FC事務局員) プロの俳優による「憲法」の群読”を<CD>に 何よりのおススメは、プロの新劇団・青年劇場の俳 優たちによる「日本国憲法」の“群読”が、<CD>と して収められていることです。 9条改悪反対の国民運動の高まりの中で、全国各地 の催しなどで憲法(とりわけ前文・9条)を声に出し て読む試みや、「お国言葉で憲法を」という動きがひ ろがっていますが、プロの俳優が本格的に憲法の“群 読”に取り組んだのは、これが最初ではないでしょう か。 「本格的」というのは、①前文のすべてと、本文1 03箇条中主要な50箇条が読まれていること、②原 文をナマで読むのではなく、“群読”用の「脚本」と して構成されていること、③プロの俳優が、プロの演 出家によって創り出されるアンサンブルのもとに朗読 していること、などによります。 劇団・青年劇場は、1964 年の創立以来、現代日本の 様々な問題に迫る創作劇その他の上演活動を続けてい ます。本書の“群読”を演出する堀口始氏は、この劇 団のベテラン演出家で、最近では『銃口‐教師・北森 竜太の青春』(三浦綾子・原作)の演出で知られてい ます。(因みに、この作品は、今年 7 月下旬、新川・ 富山・高岡・砺波の県内4演劇鑑賞会の例会として巡 演されます。) 毛利豊さんが“群読”脚本を執筆 この“群読”の脚本を毛利豊さんが執筆しています。 長年“群読”教育に携わってきた毛利さんは、“群読” について「一つの文章を複数人で、声に出して読む…。 すると文字に凝固された思想が、鮮やかに、薫り高く 立ち上がってくる。今回、憲法をいま一度、国民の『権 利章典』としてとらえ返して、国民として知っておく べき条文の原文を『群読脚本』にしてみた。読者のみ なさんが声に出して読んでくだされば、『大勢で唱え ことだま れば、願いはかなう』という言霊信仰のセオリー通り、 こうまい 最も高邁で最も現実的な思想が、にわかに実現を求め ぜんどう て蠕動し出すことだろう」(本書)と述べています。 脚本には、前述のように憲法前文のすべてと主要な 条文50箇条が収められ、“一人読み”をベースに、 複数人(2∼8人)による“群読”が随所にきわめて 効果的に盛り込まれ、(「輪唱」のような)“追っかけ読 み”も取り入れてつくられています。 真摯な迫力、聴く者をシャンとさせる <CD>は、30 分余り。青年劇場の俳優8人(男女各 4人)による朗読は、日本国憲法への深い愛情と改憲 阻止の情熱がこもった真摯な迫力とアンサンブルに溢 れており、聴いていると、自然に襟を正させられると 同時に、大いに勇気が湧いて心が晴れ晴れとしてきま す。要所々々に効果的に挿入される、ピアノと打楽器 による演奏が朗読を盛り上げています。 本書には、《脚本》・《憲法全文》に加えて、《[解 説]憲法の各条文にこめられた意味》(高良鉄美・琉球 大学教授)−これがまた、ユニークな示唆に富む!−と 毛利・堀口両氏のコメントも収められています。 一般書店でも注文できますが、「サークルや市民運 動などでまとめ買いする時は割引制度があるので、出 版社または毛利さん(☎・FAX 076475101 9)まで連絡を…」とのことです。
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