アドラー心理学・目標の設定効果

教頭通信
4月①
鹿川小学校教頭
河村
アドラー心理学
新学期が始まり2週間が過ぎました。学級の方も少し落ち着いてきたと思います。そこで,今年度
も「知の共有化プロジェクト」をスタートさせていきます。昨年度よりバージョンアップしていくた
めに,解決行動等に心理学的な裏づけを解説に加えていきたいと思います。最近書店で売れている本
に「アドラー心理学」があります。アルフレッド・アドラーはフロイトやユングと同世代の人ですが,
最近になって注目されるようになってきました。特に「やる気を高める」ことを考えるうえで参考に
なることが沢山あります。それは,「学びの変革」アクションプランに向けて「学習者基点の学び」
を創造していくことにつながると思いますので,しっかり共有していきましょう。
「目標の設定効果」
自己申告では組織目標を基に自己の目標を設定しました。目標を明確化することはやる気を高める
テクニックの一つです。これを心理学では「目標の設定効果」と呼んでいます。
ここで大切なことは,「与えられた目標」を自分なりに咀嚼し「自分で決める目標」に変えていく
ことです。そのことで自分自身の意欲を喚起できます。学校教育目標等に対して,自己申告で定めた
目標が,組織目標を咀嚼し自分が定めた目標になっているかどうか面談前にふり返ってみましょう。
この目標の設定効果を体験できるアイスブレイクを紹介します。
「インパルス」 人数 10 人~20 人
① 全員が輪になって手をつなぐ。
② リーダーは右手をぎゅっと握り,隣の人に,インパルス(電波)を送る。
③ 手を握られた人は,その隣の人に同じようにインパルスを送る。順次送っていく。
④ リーダーまでインパルスが返ってくる時間を計る。
※説明と練習をしたあと,1回目のタイムを計ります。2回目は「目標を決めて」再度計ります。
そして3回目は再度目標のレベルを上げて計ります。
結果は,1回目より2回目の方がタイムは上がり,さらに目標のレベルをあげると全員が集中し
3回目は一気に最高記録達成。自然に歓声が… ここでふり返り(意図開き)をします。
※なぜ記録があがったのですか。→「みんなで目標を決め,心がひとつになったから」
これを体験したあとに「目標の設定効果」を解説すると腑に落ちます。(体験と発見)
法規・法令等コーナー(信頼される公教育の確立のために)
昨年度の研修「是正指導と私」では,「最高の普通」すなわち,当たり前のことを当たり前に徹底
することの大切さを共有しました。是正指導を風化させないために,今年度も「法規・法令等」根拠
に基づいた実践の徹底と,その研修等の公開をしていきたいと思います。
4月の初めは職員会議の連続でした。今回は「職員会議」の法的根拠等を解説します。
学校教育法施行規則 第48条(職員会議の設置)
小学校には,設置者の定めるところにより,校長の職務の円滑な執行に資するため,職員会議
を置くことができる。
2 職員会議は,校長が主宰する。
「主宰する」とは,「職員会議」の中心となって物事を取りはからうことであり,単なる「招集」
ではなく,自らの権限と責任において「職員会議」の運営を行うことを意味しています。
アドラー心理学に関する参考文献・引用
やる気のコツ(植西聴 著) アドラーに学ぶ部下育成の心理学(小倉広 著) 勇気の心理学アルフレッド アドラーが 1 時間で分かる本(中野明 著)