ネット社会を生きる力を育むために(PDF:603KB)

「家庭のルールづくり」のポイント
携帯・スマホの利用ルールには、使ってよい「時間」
「場所」
「サイトやアプリ」のルールと「ルールが
守れなかった場合のルール」の4つの要素が必要です。
わが子をトラブルや「ネット依存」から守る家庭教育
いずれは自分でルールを決めて守れるようになるために、親子で相談してルールを決めましょう。
□
携帯電話やスマートフォン、パソコンやタブレットPCなどの情報機器(※1)を初めて手にする子ども
「家庭のルール」は購入前に決めて書面にする
携帯・スマホを使い始めてからルールを決めても間に合いません。また、口約束は「なし崩し」になります。
必ず携帯・スマホの購入前にルールを書面にして親子でサインをし、目につく場所に保管しましょう。
(例)
□
このルールを守ることが購入の条件です。ルールは冷蔵庫の扉に掲示します。
たちが年々低年齢化しています。低学年から携帯・スマホを持たせる理由の多くは防犯や見守りですが、
逆に携帯・スマホによってトラブルや犯罪に巻き込まれるケースが増えています。
ネット社会の危険を回避し、情報機器を安全に利用できる力を子どもたちに身に付けさせるためには、
学校での指導はもとより、子どもたちの成長に応じた家庭の取組みが必要です。
携帯・スマホは「保護者が貸し出す」
※2
保護者名義で購入したものを一定のルールの下で「貸し出す」ことを子どもにはっきりと伝えましょう。
(例)
□
携帯・スマホの「貸出期間」は 1 年間。更新する時はルールを見直します。
使用してよい場所と時間を決める
自室で自由に使える環境は長時間使用につながります。
(例)
広がる「ネット依存」
犯罪被害の危険
「メッセージが届いたらすぐに返信しな
「交流サイトで知り合った人から、一度
いと嫌われそうで、携帯・スマホを片時
会ってほしいと誘われている」
も手放せない」
利用や充電はリビングで。利用は1日2時間、夜9時以降は保護者に預けます。
「届いたメールのリンク先にアクセスし
□
ダウンロードは保護者と一緒に確認。有料サービスはお小遣いの範囲で
アプリやコンテンツ(音楽、動画など)のダウンロードは親子で確認しましょう。「無料」のオンラインゲームもゲー
「深夜までのオンラインゲーム。やめよ
たら、
『会員登録されたので登録料を振り
うと思ってもやめられない」
込んでください』と表示された」
ムを続けるために必要なアイテムは「有料」の場合がほとんどなので注意が必要です。
(例)
ダウンロードに必要なパスワードは保護者が管理します。
(例)
有料サービスやオンライン・ショッピングの利用は保護者の許可がない限りしません。
個人情報の漏えい
気付いたら高額請求
「気軽にネットに投稿した写真に位置情
「無料のゲームで遊んでいるうちにアイ
危険なのはアダルト向けのサイトだけではありません。スマホで撮影した写真には位置情報が含まれているた
報が含まれていて、知らない人に自宅を
テムがほしくなって親のクレジットカー
め、ブログなどで不用意に公開すると自宅の住所を特定されてしまうことがあります。また、SNSなどに軽
特定された」
ドを登録した。一つ 100 円や 200 円だ
□
アプリやサイト、サービス利用のルールを決める
い気持ちで書き込んだ言葉が他者を傷つけたり、損害を与えたりすることもあります。
□
※3
(例)
アダルトサイト、出会い系サイトにはアクセスしません。たまたまアクセスしてもすぐ閉じます。
(例)
自分がアップしたデータが不特定多数に公開されるサービスは利用しません。
(例)
ネット上に書き込む言葉には責任をもちます。
からメッセージが届いた」
「ルールを守れなかった時」のルールを決める
ったけど、気が付いたら数万円の請求が
届いた」
※1
一度の違反で解約したり使用禁止にしたりするのは現実的ではありません。子どもがルールを守った使い方を
やり直せるようなペナルティを設けましょう。
(例) 夜 9 時までの使用時間を守れなかったら翌日は使用しません。
□
「SN S のアプリを入れたら知らない人
親子で守る共通ルールを決める
「携帯電話やスマートフォン、パソコンやタブレットPCなどの情報機器」
このリーフレットでは「携帯・スマホ」と呼びます。
※2 「ネット依存」
まだ明確な診断基準や正式な名称はありません。このリーフレットでは国内で初めて専門の治療研究部門
を設置した久里浜医療センターが用いている名称に合わせて「ネット依存」と呼びます。
※3 「SNS」
LINE、Facebook、Twitter など、メッセージのやり取りができるネット上のサービス。
家族の団らん、コミュニケーションを大切にするルールを決めて、親子で一緒に実践しましょう。
平成 27 年3月
(例) 食事や外出など、家族で過ごす時間には携帯・スマホを使いません。
【このリーフレットに関するお問い合わせ】
三鷹市教育委員会事務局
(三鷹市役所
指導課
0422-45-1151)
三鷹市教育委員会
「携帯・スマホ」のトラブルから子どもたちを守る家庭教育のポイント
ちょっと待って!
―
「携帯・スマホ」を手渡す前に
知っておきたいこと
!
便利な道具だからこそ「安全に使う力」「危険を回避する力」を身に付ける ―
フィルタリングや機能制限を活用しましょう
親子の会話
子どもを有害情報から守る仕組みが「フィルタリング」です。
携帯・スマホを購入する際に子どもが使用することを販売店に
コミュニケーション
ルールの見直し
家庭の団らん
家庭のルールづくり
(中学2年生~3年生)
豊かな生活体験
(小学5年生~中学1年生)
伝えればフィルタリングサービスを利用できます。しかし、そ
の効果は 100%ではありません。また、有効なのは電話回線を
使用する場合に限られており、無線LANを使ってネットに接
続する場合には機能しません。子どもたちを守るためには、フ
ィルタリングに加えて次のような設定が必要です。
○
携帯・スマホ等の通信端末(無線LAN接続でホームペー
ジの閲覧ができる携帯ゲーム機も含みます)や、利用するア
1
プリで設定する機能制限
○
(小学1年生~4年生)
家庭内に設置した無線LANルーターで設定する機能制限
子どもたちが向き合えるように、親子で話し合う機
1
ご存知ですか? 「現代ネット事情」
1
!
※
使用を続けるためには有料アイテムが必要になるゲームなど、
ネット上には大人と子どもの区別なく提供されるサービスが
2
ケーションを大切にしましょう。
2
や、危険ドラッグを販売しているサイト、基本料金は無料でも
※
3
テレビやゲームの利用のルールを決めましょう。
子で話し合って決め、継続して守れるように見守り
4
携帯・スマホを持たせる場合は、フィルタリング
だけではなく、機器やアプリの機能制限・閲覧制限
ルを守っている」と答えた子どもたちは「子どもはルールを守
を設定し、安全な使い方について親子で話し合って
っている」と答えた保護者の割合を大きく下回っています。ル
みましょう。
ールを決めただけで安心するのではなく、ルールを守れるよう
に見守り続けることが大切です。
なお、三鷹市の調査結果では、有効なルールには次の4つの
要素が必要なことが分かりました。
利用時間・利用時間帯に関するルール
利用場所に関するルール
利用するサイト、アプリに関するルール
ルールを守れなかった場合のルール
◆ 「メッセージの返信が遅れると友達に嫌われそ
う」「オンラインゲームのグループから自分だけ抜
4
子どもが被害者や加害者になったネット犯罪やト
卒業・進学を前に、あらためてフィルタリング等
の設定を確認しましょう。
◆
い目にあったり、いやな思いをしたりした経験があ
ります。
例) チェーンメールが届いた、不当にお金を請求された、
知らない人からメールが届いた、知らない人に LINE
のアカウントを広められた
すのが「ネット依存」です。ネット依存の傾向があ
(三鷹市 ICT カリキュラム改訂検討委員会による調査 平成 26 年)
◆
学力調査の結果では、1日の携帯・スマホの利用時
間が多くなると正答率は下がる傾向にあり、特に3時
間を超えた生徒の正答率は低くなります。
小学生の 4.6%、中学生の 8.8%はネット上で怖
を手放せない状態が続き、勉強や生活に支障をきた
る子どもたちは小学校 3 年生~6 年生の 1.7%、中学
◆
ラブルに関心をもち、家庭で話題にしてみましょう。
けることはできない」など、片時も携帯・スマホ等
生の 5.8%と推定されます。
ルールづくりのヒントが最終ページにあります。
3
ましょう。
「ルール」には落とし穴があります
と言われています。しかし、三鷹市や東京都の調査では「ルー
携帯・スマホ、ゲーム、ネット利用のルールは親
※
3
「携帯・スマホ」の利用ルールを家庭で決めることが大切だ
子どもの人間関係の変化に関心をもちましょう。
家庭の中での生活体験を豊かにしましょう。
ら」と許可してしまうことは危険です。
!
受験期に向けてルールの点検と見直し・改善をし
ましょう。
2
あふれています。実態を知らないまま「みんながやっているか
※
会を増やしましょう。
感謝、思いやりを「言葉」で伝えることを大切に
しましょう。
家庭の団らんと、情報機器を介さないコミュニ
見ず知らずの他人とメッセージのやり取りができるアプリ
1
2
3
4
卒業後の進路や将来の生き方など、現実の課題に
ネット上で「友達」を作ったことのある中学生
は 23.2%で、2.8%の生徒は相手と直接会ったことが
あると回答しています。
(三鷹市 ICT カリキュラム改訂検討委員会による調査 平成 26 年)
90.0
正
答
80.0
国語A
70.0
国語B
数学A
60.0
率
数学B
50.0
1
ア
ア
イ
ウ
エ
2
イ
3
ウ
持っていない
30 分未満
30 分~1時間未満
1時間~2時間未満
4
エ
5
オ
6
カ
7
キ
オ 2時間~3時間未満
カ 3時間~4時間未満
キ 4時間~
(平成 26 年度全国学力・学習状況調査より)
※ A…主に知識に関する問題、B…主に活用に関する問題