KJ法の進め方

KJ法の進め方
KJ法は、発想の技法として広く普及していますが、実際はあまり効果があがっていません。
その理由は、既にできあがっている自分の枠組みで考えるため、始めに思っていた通りの結果が、
まとまるだけで、新しい考え方や発見に繋がらないというのが実態のようです。
いわゆる「予定調和」のまとめ方の技法として、定着しているのが実状と言えます。
今回、江﨑班では、KJ法を本来の発想の技法として用いました。それは、ブレーンストーミング
と併用することで、メンバー間の情報や意識の共通化(レベリング)に大いに効果が期待できるか
らです。
ポイント1.具体的事実をできるだけ多く集める。
具体的事実をできるだけ、
数多く集めるということは、
細かなところまで観察することが必要です。
また、頭のいい人ほど、どうしても抽象的にまとめてしまう傾向が見られます。自分なりにまとめ
てしまっては、具体的事実の数が多く集められません。
じつは、事実を自分なりにまとめてしまうことが、予定調和の原因の一つなのです。
ポイント2.自分の評価や判定は加えない。
最初に自分の評価や判定を加えると、その評価や判定が最後まで付きまといます。その結果が予定
調和になる最大の原因です。
「何々が良い」
「何々が悪い」という言葉は禁物です。
ポイント3.似た感じの事実をくくる。
「これは経営者の問題」
「これは販売員管理の問題」など、項目を最初に設定すると、予定調和にな
ってしまいます。既に出ている事実と感じが似ているかどうかで判断します。感じが似ているかど
うかは、
「明るい」
「暗い」
「でこぼこ」
「まちまち」
「うっかり」
「ちゃっかり」
「尻すぼみ」など、形
容詞的にとらえるのがコツです。複数の事実グループに似ている場合は、その全てのグループに入
れればよろしい。あまり深く考えずに、直感的に判断する方が良いようです。具体的事実が数多く
あると、深く考えていれば時間がいくらあっても足りません。テキパキと判断することで直感的判
断になっていきます。
ポイント4.事実グループの表題は大づかみして付ける。
事実グループの具体的事実を読み上げていき、残った印象でそのグループの表題を付けます。
細かい部分に捕らわれないようにしてください。
ポイント5.事実グループの関連性を考える。
KJ法が発想の技法である所以が、関連性を自分自身で考えることにあります。ここで大切なのは
常識や既成概念に捕らわれずに、いろんな角度から考えることです。雑学が大いに役立ちます。ま
た人間の心理を考えていくことも大切です。
ポイント5.全体の構造を解明する。
KJ法が経営の問題解明に有効なのは、うまく進めていくことにより、経営全体の構造が浮き彫り
になり、経営固有の特性やクセを発見することができるからです。これで診断の基本的な方向性を
決定することができます。いわば診断の幹ができるのです。
ポイント6.具体的事実を項目別に整理する。
具体的事実は、そのまま項目の問題点として活用することができますので、できあがった幹に沿っ
て整理することにより、枝葉として内容にすることができます。