仙台市荒井西土地区画整理事業 安心して 住むことができる 宅地づくり

仙台市荒井西土地区画整理事業
安心して 住むことができる 宅地づくり
2013.4
平成 26 年 12 月
仙台市荒井西土地区画整理組合
■施行地区の概要・地質の状況
・施行地区は、北側に仙台市が施行している荒井土地区画整理事業地、南側が陸上自衛隊霞目駐屯地、
西側の既成市街地に三方囲まれ、南側に緩やか傾斜する平坦な地形で、地区の約 83%が農地利用と
なっています。
・地質は、仙台市東部に広がる沖積平野※1であり、表層部から軟弱な粘性土及び砂質土、有機質土が
分布しています。特に西側エリアにおいて層厚が厚い状況です。
これらの軟弱地盤の下位には、N値 10~30 の砂質土層が分布し、その下位には、N値 30 以上の砂
礫層が厚く分布しています。
※1沖積平野:河川の氾濫により堆積形成された平野。形成年代が若く、粘性土等を中心とした軟弱層が広く分布。
■安心して
住むことができる
宅地をつくるために ~軟弱地盤の対策~
表層部の軟弱な粘性土及び有機質土の軟弱地盤が沈下の原因 ~効果的に改善~
○粘性土等の軟弱地盤で沈下は、なぜ起きるのでしょうか?
地盤の構成:土と水と空気
軟弱な地盤に力が加わると
力⇒建築や盛土の荷重
粒子の細かな粘性土等が問題!
地盤沈下が起きやすいのは水分を
多く含んだ地盤です。
水と空気が抜けて地盤の体積が
減少していきます。
この現象を「圧密沈下」といいます
建築・盛土
建築・盛土
地盤
土
水
土
土
空
土
水
空
土
水
土
土
水
空
土
地盤
軟弱地盤の対策!
■「圧密沈下」の特徴
・対策を講じない場合、数カ月から数年経過してよ
うやく現れるのが普通です
・沈下し始めると建物等の荷重と地盤の強さがバラ
ンスを得るまで続きます
■軟弱地盤における対策
・軟弱地盤における沈下への対策とは、将来の宅地
等の利用において、沈下による影響が生じない状況
を作りだすことです。
・軟弱地盤における対策をすることは、均一でない
地盤沈下である不同沈下への対応でもあります。
・軟弱地盤の対策は、計画地盤までの高さの盛土に
加え、木造 3 階建相当の荷重(載荷盛土)を見込ん
だ盛土を加え、圧密沈下を促進し、残留沈下が目標
値に達した段階で載荷盛土を撤去します。
○軟弱地盤の対策の考え方と施工方法
本地区の宅地造成(宅地地盤)は、事前のボーリング調査により軟弱地盤層が分布していることが
判明しているため、軟弱地盤対策工として、原地盤の圧密沈下を促進する設計に基づいたプレロード
(載荷盛土)工法により、工事を実施しています。
プレロード(載荷盛土)工法の施工手順は、下図のとおりです。
・建物荷重同等の荷重
を見込む(載荷盛土)
プレロード工法の模式図
盛土=計画地盤高盛土+載荷盛土
盛土
建物荷重(木造 3 階建)
圧密沈下
載荷盛土撤去
盛土
現況地盤
・宅盤面まで盛土を
撤去し整地する
・載荷試験で地耐力
を確認する
圧密沈下が促進
された原地盤
載荷盛土荷重>建物荷重
●
盛土
圧密沈下が促進
された原地盤
「沈下」
に対して
安 心
圧密沈下が促進
された原地盤
強くなった地盤
■優良な宅地の提供
~軟弱地盤対策の設計基準・品質管理基準・施工~
本地区の宅地造成は、設計計画(設計基準等)に基づき、組合独自の品質管理基準を定め、施工し、
優良な宅地に仕上がっています。
■設計計画(設計基準)と品質管理基準(組合)
○載荷重 圧密沈下促進のために建物同等の載荷盛土を実施
・設計計画 建物荷重として 16kN/㎡(3 階建て荷重 12~16kN/㎡) 載荷盛土厚 H=1.0m
建物荷重の基準
・品質管理基準 建物荷重 16kN/㎡以上
出典:
「小規模建築物基礎設計指針」(2008 年
日本建築学会)
載荷盛土厚 H=1.0m
○圧密沈下の基準
・設計計画 圧密度※190%以上 圧密残留沈下※26.5cm 以下
<参考 建築の基礎における許容沈下量の参考値 「小規模建築物基礎設計指針」より>
沈下量の種類
基礎形状
標 準 値
最 大 値
・品質管理基準
布
圧
基 礎
10cm
20cm
密 沈
目標値 圧密度 90%以上
※1
※2
下
べた基礎
10~(15)cm
20~(30) cm
設計基準について
宅地造成の設計基準は、許容沈下量の参考値の
10cmであり、新築住宅建築に際しての基準範囲
内である。
圧密残留沈下 3.0cm 以下
圧密度:粘土質土壌(軟弱土壌)に荷重を加えたときの圧密の進行度合いを表す指数
圧密残留沈下:最終的な圧密沈下量と既に発生した沈下量との差であり、圧密完了時にゼロとなる。
○盛土材の基準
・設計計画
地耐力 30kN/㎡以上
・品質管理基準
地耐力 30kN/㎡以上
■施工方法と施工結果
○プレロード(載荷盛土)工法による先行荷重(盛土の管理)
建物荷重に相当する載荷盛土は、建物荷重 16kN/㎡に対し、平均的な盛土材の単位重量(18kN/㎥)を使
用し、載荷盛土厚 H=1.0mの施工によって載荷重 18kN/㎡以上となるように施工しています。
施工方法はブルドーザによる敷均しタイヤローラ転圧し、十分な締め固めを行って施工しています。
⇒施工結果・確認:本事業の造成宅地(盛土部)は、造成完了後、概ね1万㎡に 1 箇所で平板載荷試験を
行い、地耐力≧30kN/㎡であることを確認しています。
○残留沈下の確認方法と宅地の仕上げ
圧密沈下の測定は沈下板を設置し、随時測定して残留沈下量の確認を行い、残留沈下量が基準地内である
ことを確認後、載荷盛土を撤去し宅地を仕上げています。
⇒施工結果・確認:沈下板の測定結果により、残留圧密沈下は 3cm 以下となっています。
盛土 敷均し・転圧
載荷盛土完了
載荷盛土撤去
■優良な宅地の提供
~液状化に関する対策~
液状化に関する検討は、地区南側の砂質土層が地表面近くに比較的厚く存在する箇所が対象となります。
宅地の地表意面における液状化の影響については、UR 都市機構の「宅地耐震設計マニュアル(案)」の「液状化
層(砂質層)と非液状化層(粘性質土層)による判定方式」を用いて検討をしています。
○液状化層厚及び液状化層以浅の非液状化層に基づく判定
液状化上層部の非液状化層厚は、2.10~3.31mの範囲となり、中地震、大地震ともに液状化による地盤の変状
を生じる可能性がある箇所は、ないと判定されました。
○地表面変位量(Dcy)による判定
2 地点で Dcy=3.52cm、2.50cm となっており、顕著な被害の可能性が低いと判定されました。
■ 皆様へ
~建築をする際に留意する点について~
軟弱地盤は、造成後に生じる圧密沈下について許容値内となっており、対策・改善することができました。プ
レロード工法を選定した事は、宅地の価格の上昇を抑えるとともに、皆様に適正な価格で安心できる宅地の供給
を行うことでもあります。
今後、皆様は、本地区の宅地において、建築に入ることになりますが、
「建築する際に留意する点について」を
ふまえ対応をお願いいたします。
■建築をする際の地盤調査と結果への対応について
皆様が建築をする際は、依頼したハウスメーカー等により、建築する用地に対して地盤調査(サウンディング
試験等)を行います。この地盤調査は土層に対しての調査であり、本地区のように沖積地盤上の農地に造成した
場合、造成盛土下(宅盤の下)に粘性土層が分布している為、ハウスメーカー等の設計基準により、基礎杭・地
盤改良等の工法の選定結果となることがあり、皆様のご負担による措置費用が必要となることがありますので予
めご了承ください。
全 景
載荷盛り土
計画地盤 仕上げ
全 景
載荷盛り土
計画地盤 仕上げ
不明な点は、仙台市荒井西土地区画整理組合にお問合せ下さい
仙台市荒井西土地区画整理組合
住 所:仙台市若林区荒井字梅ノ木 101 番地
(連絡先)TEL:022(287)0850 FAX:022(287)0860