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会長メッセージ
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Sumitomo Forestry Annual Report 2015
ステークホルダーの皆様ヘ
「木」の可能性を追求し、未来に向けて成長し続ける
住友林業グループは創業以来、時代とともに進化を続け、変化する社会の中において
木の付加価値を高め、その可能性を追求してきました。現在、私たちの事業領域は、木を軸に
住生活に関するあらゆる分野に拡がっており、日本国内だけでなく、環太平洋を中心とした
世界各地においてビジネスを展開しています。
私たちの事業の原点は、1691年の別子銅山の開坑に伴う銅山備林の経営にさかのぼります。
それから 3 世紀以上にわたり、当社グループの事業領域は、時代のニーズに合わせて山林
事業、木材建材事業、海外事業、住宅事業へと裾野を拡大し、現在も成長し続けています。
これらの事業の根底にある考えが、
「 公正、信用を重視し、社会を利する事業を進める 」と
いう住友精神を根幹とする事業精神です。
地球温暖化をはじめ環境・エネルギーなど、地球環境を取り巻く問題がグローバルな課題
として顕在化している今日において、事業を通じて社会や地球環境に貢献していくことは、
企業にとって社会的責任であると同時に成長へ向けた重要な鍵となっています。
そのような中、私たちは木材資源を有効に活用するビジネスをさらに強化し、木を通じて
現代のニーズを満たしながら持続可能な事業を推進していくことが、当社グループの使命で
あると考えています。
木は、植え育て、伐って活用してまた植えることで再生できる貴重な自然素材です。強度
や耐久性、断熱性など、素材としての優れた性能を持つだけでなく、人々の生活に多くの安心
と安全をもたらします。また、大気中の二酸化炭素を吸収し炭素として固定するほか、生物
多様性の保全や水源涵養
(かんよう)
、土砂災害の防止など公共財としての役割も果たし、バイ
オマス燃料としての活用も大きく注目されています。さらに、近年では欧州を中心に中高
層建築物の木造化が進むなど、素材としての価値が見直され、その用途は拡がっています。
今後も、用途の拡大や新興国の経済成長などを背景に、ますます木材の需要は増大する
ことが予想されます。当社グループは、こうしたニーズに対応すべく積極的に海外へも進出し、
それぞれの地域や文化に合った事業モデルを展開していきたいと考えています。これから
も、
「 再生可能で人と地球にやさしい自然素材である『 木 』を活かし、
『 住生活 』に関する
あらゆるサービスを通じて、豊かな社会の実現に貢献する 」という経営理念にもとづき、
グローバルなフィールドで地域に根差したビジネスを提供できるよう、一層の努力を重ね
てまいります。
代表取締役 会長
Sumitomo Forestry Annual Report 2015
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