ステークホルダーの皆さまへ 会長メッセージ 持続的な成長への歩みを 確かなものとするために 新しい経営体制へ移行 取締役会長 小林 喜光 私は、2007年4月に社長に就任後、 中期経営計画APTSIS 10、APTSIS 15を中心に経営 の舵取りを行ってまいりました。 この間、 三菱ケミカルホールディングス (MCHC) グループ は、 事業所での火災事故、 独占禁止法違反、 C型肝炎訴訟や医薬品の品質管理問題、 リーマン ショック、 東日本大震災による工場操業停止など厳しい状況にも直面しました。 一方で、 不採 算事業からの撤退、三菱レイヨン株式会社や大陽日酸株式会社のM&Aによる新たな事業 の取り込みなど、 グループ事業のトランスフォーメーションを実行し、 未だ収益体質は十分 とは言えないまでも、 世界と伍して戦える規模を有する企業グループへと成長しました。 また、 「時を越え、世代を超え、人と社会、 そして地球の心地よさが続く状態」 を表した当 社独自のコンセプトである“KAITEKI”を策定し、 その実現に向けて、資本の効率性の追 求、革新的な技術の創出、 そして人・社会・地球の持続性の向上を経営の基軸とし、 これら 3つの経営軸に時間の要素を加味して企業価値を高めていく 「KAITEKI経営」 を実践して まいりました。 12 三菱ケミカルホールディングス KAITEKIレポート2015 経営計画は、構想段階から新しいリーダーのもとで推進することが望ましいと考え、越智 仁さんにバトンを渡すこととしました。 社長×社外取締役 対談 新社長の越智さんは、当社経営戦略室長を務めていた2008年から2010年に、現行 の中期経営計画APTSIS 15策定を主導するとともに、当社グループのコンセプトである KAITEKIの考え方を私とともに創り上げてきました。三菱レイヨン社長就任後も、世界 ナンバーワンであるMMA事業のグローバル運営体制強化や三菱樹脂株式会社との炭素 戦略 繊維・複合材料事業の統合など、着実に実績を上げてきました。越智さんであれば、今後ま ステークホルダーの皆さまへ 社長メッセージ ますが、同時にこの1年間は新たな経営計画を策定する年にも当たります。私は、次期中期 プロフィール 会長メッセージ APTSIS 15の5年目、 こうしたなかで、2015年度は、 すなわち最終の仕上げの年度になり すますグローバル規模で競争が激化するなかにおいても、 当社グループを率いて、次世代 を担う事業群の収益化の加速、企業活動全般のグローバル化への対応、資本効率の一層 の向上、 そしてサステナビリティへの貢献などの経営課題に取り組み、持続的成長への歩 みを確かなものにすることができると確信しています。 成果 また、 当社は、 中長期的な企業価値の向上に資するコーポレート・ガバナンスの一層の強 化を目的として、2015年6月をもって指名委員会等設置会社へ移行いたしました。ICT※の 普及によりヒト・モノ・資本・情報などが自由に境界を越え、企業を取りまく環境は、 かつて ないほど変化のスピードが速く、複雑で予測しがたいものとなっています。 このような環境 下において、 グローバルに拡大する事業機会を俊敏に取り込んで成長につなげていくため ガバナンス情報 には、 自らも進化していくことが不可欠です。新体制に移行することにより、経営の透明性・ 公正性の向上、経営監督機能の強化、 および意思決定の迅速化による経営の機動性の向 上を図りながら、 収益力の基盤を強固なものとし、 KAITEKIの実現をめざしてまいります。 これに伴い、私は取締役会長として監督に専念し、業務の執行については、越智代表執行 役社長を中心に舵をとっていくことになります。 ※ICT: 情報通信技術 財務情報 当社グループは、新しい経営体制のもと、経営諸課題にグループの総力をあげて対処す るとともに、人・社会・地球の豊かな未来に資する価値創造に努めていくことにより、 ステー クホルダーの皆さまのご期待に応えてまいりますので、今後とも倍旧のご支援を賜ります ようお願い申し上げます。 企業情報 取締役会長 三菱ケミカルホールディングス KAITEKIレポート2015 13
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