3.作業環境管理 このような囲い式フードは妨害気流の影響を受けにくく、ほぼ確実に有害 物質の影響を除去することができる。結果として周辺労働者にも有害物質の 影響が及ばない。 Q W Q L 図 3−7 囲い式フード ホルムアルデヒドの規制に関連して、厚生労働省のパンフレット 7)には図 3−8 のような側方吸引の局所換気装置の例が示されている。この場合の必要 吸引量は Q (m3/min) = 60×0.5×Vc×(10X2+L1W1) となる。このような机上作業では、作業性に問題がなければ囲いをつけると 周辺の妨害気流の影響が少なくなり、確実に暴露を防止できる。囲いをつけ た場合の必要吸引量は、 Q2(m3/min)= 60×L2W2・Vc となる。 表3−3で示したように、エチレンオキシドやホルムアルデヒドは「管理濃 度」で規制されているので上式から直接風量計算はできない。そこで、有機 3.作業環境管理 則16条による外付け式側方吸引フードの制御風速0.5m/secを当てはめて試 算してみよう。机上の吸引口の寸法をL1=30cm、W1=10cm、吸引口から発 散源の距離を30cmとすると、 Q (m3/min)=60×0.5×Vc×(10X2+L1W1) =60×0.5×0.5×(10×0.3×0.3+0.3×0.1) =14 1分 間 に 14m3 の 空 気 を 吸 引 す る と は 大 変 な 量 だ 。 一 方 、 L2=50cm、 W2=30cmの囲いで覆った場合は次のようになる。 Q2(m3/min)= 60×L2W2・Vc =60×0.5×0.3×0.5 =4.5 この計算例から、囲いの省エネ効果が一目瞭然である。作業性に問題が生 じなければ、作業時に脱着可能な囲いを机上に置けばよい。 Q1 または Q2 L1 L2 W2 W1 X Vc 囲い 図 3−8 机上作業
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