「食」の可能性を追求し、 世界中の人々を楽しみと喜びで

トップメッセージ
「食」
の可能性を追求し、
世界中の人々を楽しみと喜びで
健康、栄養の面からも新たなイノベーションへ
「インスタントラーメン」は、1958年に日清食品創業者・
安藤百福によって発明されました。
「おいしいこと」
「 長く
の研究を加速させ、健康・栄養という面からも、新たなイ
ノベーションを起こしたいと考えています。
保存できること」
「 簡単に調理できること」
「 値段を安くす
ること」
「 安全であること」
という開発にあたっての5原則
また、ブランドを最大の資産とする食品メーカーにとって、
を実現し、革新的な食品として世の中に受け入れられま
「食の安全性」
はまさに生命線です。日清食品グループに
した。日本で生まれた
「インスタントラーメン」は、今や世
おいては、創業以来、安全性の追求こそ経営の最重要課
界で年間1000億食以上も消費される
「世界食」
となり、
題と位置づけてきました。
「グローバル食品安全研究所」
今後10年間で1300億食まで市場が拡大するものと予想
では、食品の品質管理に医薬品レベルの安全基準を導入
されています。日清食品グループは、創業者・安藤百福が
し、高度な情報収集と科学的分析技術により安全管理体
残した
「食足世平」
「 食創為世」
「 美健賢食」
「 食為聖職」の
制を確立しています。今年1月からは、品質管理を国内の
4つの言葉を
「創業者精神」
として掲げ、変わることのな
みならず海外の現地法人にも拡大しました。この一元管
い創業の価値観として大切に継承しています。
理体制によって、原材料から製品まで、日清食品グループ
全体の品質管理と安全性の確保が可能になりました。
08
昨 年 3 月、日 清 食 品 グル ープ の 技 術・開 発・研 究 の 拠
しかしながら、
「 食の安全」
は、私ども1社だけで成し遂
点として新 研 究 所“ t h e W A V E ”を東 京 都 八 王 子 市
げられることではありません。人々の暮らしと健康を守る
に開設しました。
「グローバルイノベーション研究セン
ことは食品メーカー全体の公益的な使命なのです。そう
ター」
と
「グローバル食品安全研究所」
を統合した“the
した観点から、私は昨年11月、世界ラーメン協会(以下
WAVE”は、食の先端技術を切り開き、イノベーション
WINA)の食品安全会議において、
「 食の安全」への取り
の新しい波=WAVEを世界に広げたいと願って名づけ
組みは業界全体の「非競争分野」
とし、お互いに力を合
たものです。
「グローバルイノベーション研究センター」
わせて取り組むことを提唱しました。日清食品グループ
では、新技術を駆使し、お客さまのニーズに対応したユ
では、インスタントラーメンの創業メーカーの使命とし
ニークで付加価値の高い製品の開発に取り組んでいます。
て、この運動を主導し、
「 健康・栄養」への取り組みととも
本年4月、同研究センター内の基礎研究部を
「健康科学
に今後とも事業活動の基軸に据えてまいります。
研究部」
と改称し、従来の基礎研究にとどまらず、美しく
健康な体は賢い食生活から生まれるという
「美健賢食」
「インスタントラーメン」は、長期保存が可能で簡便であ
の考えに基づき、特定保健用食品や栄養素の代謝など
ることから、飢餓や災害時の緊急支援物資として、ます
満たしたい。
ますその重要性が高まっています。
「食足世平」
、すなわち、
「食が足りてこそ平和になる」という創業者精神のもと
に、WINAや国連WFPと連携し、大規模災害発生時には
被災地への食糧支援を継続して行っています。今年4月に
発生したネパール大地震の際にも、被災地に近いインド
日清から20万食のインスタントラーメンを提供しました。
CSR
(企業の社会的責任)
を全うするためには経済効率
の追求だけでなく、
「サスティナビリティ
(持続可能性)」の
視点と取り組みが必要なことは言うまでもありません。
地球環境や社会システムの将来的な持続可能性を考慮
しながら、企業として、世の中が求める付加価値や社会
的価値を創造していく。それが結果的に企業自身の持続
可能性につながるのだと信じます。CSR活動は、もはや
企業活動そのものなのです。
日清食品グループでは、今後とも、さまざまな食の可
能性を追求し、世界中の人々を食の楽しみと喜びで満た
すことによって地球に貢献するという“EARTH FOOD
CREATOR”の理念を実現したいと考えています。
2015年6月
日清食品ホールディングス株式会社
代表取締役社長・CEO
09