Feature article 学物質は我々の生活を便利にし 境負荷低減と環 ている一方で、使い方を誤れば、 境ビジネスへの 質過敏症が増えているという。印刷会 ただけでも、健康被害を及ぼす化学物 加している。微量の化学物質を摂取し こともある。化学物質の種類や量も増 環境保護印刷の 廃液を出さない VOC と排水・ 柱 と な る の が、 している。その 化 社も化学物質のリスク管理を行い、こ 採用だ。 取り組みを提案 れまで以上に分かりやすく情報を開示 健康や生態系に悪影響を及ぼす する必要がある。化学物質の少ない印 消費者の環境 意 識 が 向 上 し、 刷は、過敏症の人だけでなく、全ての ローヤル企画の取り組み 教育」が盛んに行われていることが影 る。その背景には、教育現場で「環境 ワードにも「環境」が上位に入ってい る訳ではない。環境報告書や企業案内 に、どの印刷物にもマークを付けてい き た。 と こ ろ が、 予 算 や 納 期 の た め 保護印刷マークを付けるまでになって い分けていた。このような状況のまま 響しているという。環境対策は企業経 ある。 では、本質的な環境付加低減にはつな には付けるが、セールスプロモーショ 同社でも環境保護印刷の普及を続 営の重要な要因であり、大手企業だけ %が環境 2 つの「e」:ecology&economy をテーマに印刷での環境負荷低減、 印刷での環境ビジネスに取り組んでいる ンツールには付けないなど、顧客が使 け、現在では顧客のおよそ 80 でなく、中小企業の生き残り戦略でも 生が就職活動の際に、企業を選ぶキー 務になった。学 の責任であり義 環境問題は企業 視 さ れ て い る。 がますます重要 人にとってのメディアユニバーサルデ 「 安 心 」 「安全」 ザインでもある。 VOC と排水・廃液を出さない 環境保護印刷を採用 ㈱ ロ ー ヤ ル 企 画( 本 社・ 東 京 都 板 橋 区、 松 浦 睦 桐 社 長 ) は 印 刷 で の 環 ITS 企画開発部 宮岡チーフアートディレクター 環境特集 特集 消費者に分かりやすく普及啓発 地球環境と社会に配慮した製品づくり ローヤル企画(東京・板橋区) 印刷界 2011.5 42 がらない。 分かってはいるが、正確に理解はして アートディレクターは「環境対策の担 当者でも、マークの意味をなんとなく 昨年、大手食品メーカーの担当者か ら「環境に配慮した印刷のマークはい 数量的に比較できる一目瞭然なものは い」と話している。 消費者の理解度はもっと低いに違いな く つ も あ る が、 違 い が 分 か り に く い。 いないのだと実感した。まして一般の ないのか」と指摘を受けたという。普 考えた。 B Bだけでなく、B Cも強化 消費者向けパンフレット制作へ そ こ で、 同 社 で は 印 刷 会 社 と し て、 B B だけでなく、B C にも踏 普及啓発をしていく。 その一環として、 環 境 保 護 印 刷 の さ ら な る 普 及 に は、 み切ることを決めた。印刷の専門家で 一般の消費者にも十分理解してもらえ はない一般の消費者にも分かりやすく るような活動をしなければならないと 「わかりやすいクリオネマークプリン ト」(仮称)と名付けて、新しいパン フ レ ッ ト の 制 作 を 進 め て い る。 パ ン フレットはこの秋の完成を目指して いる。 B さ ら に、 こ れ ま で 以 上 に B も 強 化。 顧 客 は ま ず 窓 口 で あ る 営 業 つの新し クにも時代に対応した変化が求められ い認証制度を提唱している。環境マー 印 刷 認 証 制 度 」( 仮 称 ) の 献度認証制度」 (仮称)と、 「デジタル 現在、同社が参画している環境保護 印 刷 推 進 協 議 会 で は、「CO 2削 減 貢 提案力を向上させた。 の 社 内 ツ ー ル の 一 新 を 図 り、 営 業 の ス タ ッ フ に 相 談 す る。 環 境 保 護 印 刷 to 及の足かせになっていたものは、やは to to 2 り分かりにくさであった。 to to ている。 43 印刷界 2011.5 宮 岡 豊 ITS 企 画 開 発 部 チ ー フ 一般の消費者にも分かりやすいように工夫さ れた環境保護印刷のパンフレットの試案。難 しい用語を極力使わず、環境保護印刷を料理 に例えて解説している。また、親しみやすい デザインを採用した 納品時に製品に貼るデリバリーシールでも、 同社の環境への取り組みを紹介している。発 注者の目に留まるものなので、普及が期待で きる(左上)。「わかりやすいクリオネマーク プリント」 (仮称)のホームページロゴ(左下)。 内容を一新した「環境保護印刷社内ツール」 の表紙(右) 特集 環境特集 消費者に分かりやすく普及啓発 地球環境と社会に配慮した製品づくり Feature article 宮岡チーフアートディレクターは 「 こ れ か ら も、 環 境 対 応 の マ ー ク を 通 じて、新しいアプローチをしなければ ならない。当社は率先して事例を作っ も電子書籍化への対応にいち早く注力 るのは、神奈川県内では初めての試み 自治体広報紙を電子書籍として配信す 電子版は紙刷りで配布される広報紙 と同等の内容を掲載。各所にリンクが だという。 してきた。 自治体広報紙を電子書籍化 スマートフォン、 タブレット端末に対応 タベース事業など新しい分野にも積極 同社は印刷技術をベースに、Web 構築、ソフト開発、システム開発、デー ブレット端末で、いつでもどこでも広 に協力している。スマートフォンやタ 今年 月からは、神奈川県平塚市の 広報紙『広報ひらつか』の電子書籍版 書籍版ならではのコンテンツも充実さ さらに、動画を埋め込むことで、電子 電 話 や メ ー ル で 直 接 問 合 せ が で き る。 られるほか、画面をタッチするだけで ていく考えだ」と話す。 的に進出。近年では生活情報サービス 報紙を読んでもらえるように、月 回 貼ってあるので関連情報を手軽に調べ 事業・地域活性型情報発信・環境サー 学スモッグ情報(光化学スモッグの発 火 災 情 報( 火 災 の 発 生、 鎮 火 ) 、光化 配信内容は、 防犯情報(空き巣、 ひっ たくり、振り込め詐欺、不審者など)、 いる。 「easy pocket」 を 提 供 し て どへ電子メールで配信するサービス リアルタイムで携帯電話・パソコンな ブルテレビ局が緊急情報や行政情報を また、緊急時や災害発生時は、情報 に即時性が求められる。同社では、 ケー 緊急情報をリアルタイムで配信 「easy pocket」 集めている。 発行の広報紙を ePub 形式で配信。 せた。広報紙の新しい形として注目を 3 ビス事業なども手がけている。なかで 電子書籍化は広報紙の新しい形として注目されている 2 電子書籍版『広報ひらつか』のトップページ(右) 動画コンテンツも埋め込まれている(左) 印刷界 2011.5 44 生、 解 除 )、 迷 子・ 行 方 不 明 者 情 報、 地震・風水害情報など。 ネスは今がチャンスでもある。そのた 心 」「 安 全 」 へ 向 い て い る。 環 境 ビ ジ うな時だからこそ、人々の関心は「安 ない「情報災害」ともいえる。このよ これは、必要な人に必要な情報が届か い。企業や自治体、関係機関と協力し つけなければメディアは生き残れな 「情報とは本来、 『最大多数の最大幸 福』をもたらすもの。消費者を味方に している。 宮岡チーフアートディレクターは情 報産業の在り方について次のように話 「最大多数の最大幸福」目指し 情報災害を防止へ めには、ステークホルダーである消費 て、情報災害を防止していきたい。こ p j . o c . l a y o l . w w w / / : p t t h 朝霞第 場 工 場、 北 見 事 業 所、 真 岡 工 広告欄 東京電力福島第1原発の事故を受 け、 情 報 へ の 不 信 感 が 広 が っ て い る。 者に適時・適切な情報を公開しなくて れこそが、長年にわたり情報コミュニ ノ 慮した製品づくりを目指す考えだ。 【㈱ローヤル企画】 ▽本社=東京都板橋区小茂根 ノ ▽電話= 4 5 1 0 0 ▽事業所=錦町事業所、朝霞事業所、 ▽ URL = ▽創業= 1971 年 ・ 5 9 8 6 10 同 社 は こ れ か ら も、 メ デ ィ ア の 多 様 化 に 対 応 し、 地 球 環 境 と 社 会 に 配 の社会貢献である」 ケーションをサポートしてきた当社 はならない。 ケーブルテレビ局が緊急情報や行政情報をリアルタ イムで配信する「easy pocket」のサイト 45 印刷界 2011.5 ・ 0 3 1 2
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