信頼される学校づくりを進めるための学校評価の在り方 − マイスクールプランの作成と活用を通して 概 − 川崎町立川崎小学校 北村 公一 涌谷町立涌谷第二小学校 髙橋 志野 花山村立花山小学校 遠藤麻由美 本吉町立津谷中学校 菅原 定志 宮城県泉館山高等学校 飛鳥 貴 要 これからの学校は,学校教育目標具現化のため,精選した重点目標とその達成のための 具体的な手だてを明らかにし,実践した結果を公表するとともに内外から評価を受け,改 善策を明確にしていく必要がある。本研究では,それらの方法をマイスクールプランの作 成と活用を通して具体的に示すことで,信頼される学校づくりを進めるための学校評価の 在り方を明らかにしていくものである。 1 主題設定の理由 文部科学省は,小・中学校設置基準の制定,高等学校設置基準及び幼稚園設置基準の一部を改正す る省令(平成 14 年3月)において, 「それぞれの学校や地域の状況に応じて,適切な方法により教育 活動その他の学校運営の状況について自ら点検及び評価を行い,その結果を公表すること」と示した。 これを受け,本県の各校では,よりよい学校をつくりあげるため,教育活動の実践を振り返り,自己 点検による内部評価のみならず保護者による外部評価を導入し,その評価結果を次年度への改善に生 かそうとする取組が多数見られるようになってきた。 この取組は,学校改善を図るための,PDCAサイクル Plan(計画),Do(実践),Check(評価), Action(改善)の活動である。Action(改善)にまで確実に結び付けるためには,自校の学校評価の 具体的な流れや方法を学校経営方針や教育計画に明確に位置付け,教職員全員がそれらを共通理解し 教育活動を行うことが必要である。また,学校経営の方向性,それに基づいた教育活動の実践の様子, 評価結果の情報をどのような形で公表すれば,保護者や地域の人々,学校評議員等から信頼され,児 童生徒の育成に反映させることができるのか,明確に把握することが大切であると考える。 児童生徒がよりよく育成されることで,そこに学校と保護者や地域の人々,学校評議員等との間に 信頼関係が生まれる。学校への信頼は,学校で行われている教育活動の内容や方法が基礎となって築 かれ,児童生徒のよりよく育成された姿を見ることによって確認される。したがって,学校は教育活 動の内容や方法を適切に伝え,どう取り組んでいるのか実践を公開し,その結果を責任をもって明確 にすることが大切になってくる。 そのためにこれからの学校評価の在り方は,学校教育目標を達成するため,精選した重点目標の設 定や達成のための具体的な手だてを内外に明確に示すとともに,実践する様子やその成果や課題を積 極的に公表し評価を受けることが重要である。そして,評価結果や改善策を明らかにし,学校と保護 者,地域の人々,学校評議員等との連携を一層深めながら,学校への信頼を高めていくことが大切で ある。特に学校教育活動の柱である授業については,校内研究を通じての授業評価や教職員個々によ る授業評価を中心に行ってきたが,学習の主体者である児童生徒,保護者,地域の人々,学校評議員 等からの評価は積極的には取り入れてこなかった面もあると思われる。これからは,授業評価を学校 評価の一部に,はっきりと位置付けることで,学校組織全体の取組として授業改善をしていく必要が あると思われる。さらには学校教育活動を支える各分掌部の評価も学校改善を果たしていく上で欠か せず,この二つを確実に実践していくことがこれからの学校には求められていると考える。 これらを解決するための一つの方法として,本研究では,学校が児童生徒をこのように成長させた 1 いと願う内容を具体的に重点目標で示し,それに対する学校の手だてを掲載したマイスクールプラン を作成し活用することを提案する。教職員,児童生徒,保護者,地域の人々,学校評議員等が,自校 のマイスクールプランで学校の重点目標やそれを解決するための手だてを共有し,学校評価を意識し た教育活動に取り組むことによってよりよい教育効果をあげることができると考える。 以上のことから,各学校でマイスクールプランを作成し活用することによって,学校改善を確実に 成し遂げることができ,信頼される学校づくりが進んでいくと考え本主題を設定した。 2
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