≪解説≫ 目覚めた It was early in April in the year ’83 that I woke one morning to 立 っ て い る find Sherlock Holmes standing, fully dressed, by the side of my 起きる人 決め事 bed. He was a late riser , as a rule , and as the clock on the マ ントル ピース mantelpiece showed me that it was only a quarter-past seven, I 目をパチパチする 驚 き b l i n k e d up at him in some surprise, and perhaps just a little 怒 り い つ も の 習 慣 resentment, for I was myself regular in my habits. 目覚めた 1. I woke one morning to find… ここにおける“to” の使い方です が、“ホームズを見つけるために目を覚ました”(理由を示す)のではな く、“目を覚ましたらホームズがいた”(結果を示す)という表現になって います。 どうなっていたら『理由』でどうなっていたら『結果』なのか、というと「前後 関係から」としか言えません。 ( Home で戻る) 2. Holmes standing 前後の部分も合わせて、少し省略して、引用しま すと、 “I find Holms standing, fully dressed, by myside” “by myside” は“私のそばで”で問題ないですね。 “I find Holms standing,” “私は気づく、ホームズが立っているのに”→“ホームズが立っているのに気 が付く” Holms を代名詞に置き換えると、 “I find him standing by myside.” “I find he standing by myside.” ではありませんので気を付けて。 “he”を使いたければ、 “I find that he stands by myside.” と間に”that”を入れれば文章 になりますが、あまりスマートな感じはしません。 ワトソンの気づいたことはもう一つあって、ホームズは立っているだけではな くて、“fully dressed”なのでした。 ( Home で戻る) 3. fully dressed “すっかり服を着て” そりゃあ裸で立ってたらもっと驚くでしょうけど、ここでは、“もう(パジャマ から)着替えて”。 「ちょっと待って。前項の説明で “I find Holms stand”ではなくて “standing” だ よ 、 っ て 言 っ て た で し ょ 。 だ っ た ら “Holms fully dressing”でしょ?」と思いませんか? その通りですよね。 ところが、“dress”という単語、“(服を)着る”という意味はなくて “(服を)着せる”という意味しかないのです。 “(服を)着る”という単語は“wear”。ですから、 “I find Holms wearing clothes.”と書けば、”ホームズは服を着てい た“。 “fully dressed”に戻って、それではどうして“dressed”なのか。 実はここには省略されている一語があって、それは“being”。本当は、 “being fully dressed”なのです。 ” I find Holms standing, being fully dressed, by myside.” ほ ら、ホームズが“standing” と “being” しています。それでは “being” とは何? 思い出して頂きたいのは受動態。Be+(過去分詞)で“~される”でした。 “dress”の意味は“(服を)着せる”ですので、受動態になると“服を 着せられる”ということになりますが、いい年をして誰かに服を着せてもら うわけもない。自分で着たに決まっているのですが英語ではこういう言い 方をするのです。 本筋と関係がありませんが、“裸で”だったら、“in naked”。面白い言 い方に “birthday dress”というのがあります。“誕生日の服”? いい え、“生まれた時の服”。誰もがみんな生まれた時は『裸』ですものね。 ( Home で戻る) 起きる人 4.a late riser “riser”は “rise” (起き上がる)する人。“late”は “遅い”。だから朝寝坊の人。ワトソンは朝寝坊っぽいですが、ホームズの 朝寝坊なのですね。ちょっと意外な発見でした。 ( Home で戻る) 決め事 5.rule もう日本語にもなっている『ルール』ですね。 『朝寝坊することにしよう』とわざわざ二人で約束していたわけでもないでし ょうから、ここでは、『二人ともいつもは寝坊助なんだけど』ということでしょう。 ( Home で戻る) マ ントル ピース 6.mantelpiece 暖炉の上の棚のようになっているところで良く家族写真 なんかが置いてあります(写真を参照してください)。 ( Home で戻る) 7.quarter “1/4”の意味ですが、“四つに割った内の一つ”ということから か、“特定の地域や区画”という意味を持つことがあります。 例えば “headquarter” というと、“本社”または“本部”です。 ( Home で戻る) 8. regular “いつもの” スポーツの世界で 『レギュラー』といいますが、 それは、『“いつも”試合に出る人』(regular member)だからです。 “regular habits”で、‟規則正しい習慣”。でも、早寝早起きの人だっ たら、7 時 15 分に起こされて文句は言わないと思います。 ワトソンは、朝寝坊です。これは『緋色の研究』のなかで自ら言っている こと。ですから、(朝寝坊の)いつもの習慣を邪魔されて、不機嫌だっ たのでしょう。 ( Home で戻る) ≪要約すると≫ 1883 年の四月のある朝、ふと目覚めるとホームズが私のベッドサイドに服を 着て立っているのに気が付いた。眠い目をこすって、マントルピースの上の時 計を見ると、まだ 7:15 だ。 朝寝坊の彼にしては珍しいことだ。 その時たぶん私は、早く起こされて機嫌が悪かったかもしれない。
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