第 5 学 年 家 庭 科 学 習 指 導 案 題 材 暖かい着方を工夫しよう 題 材

第 5 学 年 家 庭 科 学 習 指 導 案
5年1組
題
1
材
指導者
古庄
又
暖かい着方を工夫しよう
本題材について
本 学級 の 子 ど もた ち は 「 かた づ け よ う身 の 回 り 」 の学 習 で、 机の引 き出し の整理 ・整頓 に取
り 組 み、 自 分 な りの 整 理 ・ 整頓 の 工 夫 を見 出 す こ と がで き た。 その際 に、仲 間の取 り組み と比
較 し なが ら 、 自 分の 取 り 組 みを 見 つ め 直す 姿 が 見 ら れた 。 この ような 子ども たちが 、仲間 と共
に 暖 かい 着 方 の 工夫 に つ い て追 究 す る 。こ の こ と は 、こ れ まで の自分 の着方 を見つ め直し 、自
分の着方をより暖かくしていこうとすることにつながるであろう。
本 題材 は 、 寒 い季 節 を 快 適に 過 ご す ため に 、 暖 か い着 方 を工 夫して いく学 習であ る。子 ども
た ち は、 夏 休 み に学 校 に 集 まっ た 際 の 写真 を も と に 、寒 い 日に どのよ うな着 方をす ればよ いの
か を 考え 、 服 を 持ち 寄 る 。 そし て 、 仲 間が 考 え て い る着 方 と自 分の着 方とを 比較し ながら 、暖
か い 着 方 の 工 夫 に つ い て の 問 い を 生 み 出 し 、 追 究 し て い く の で あ る 。 そ の 追 究 の 中 で は 、「 服
の 形 」「重 ね 着 」「服 の 厚 さ」 と い った 工夫の 視点を もとに 実験的 活動に 取り組 み、そ の結果 をも
と に して 自 ら の 生活 に 合 っ た暖 か い 着 方の 工 夫 を 見 出し て いく のであ る。し かし、 子ども 一人
ひ と りが 、 思 い 浮か べ る 服 に違 い が あ った り 、 暖 か さの 感 じ方 が違っ たりす るため 、互い の考
えを理解し合うことに難しさがある。
そこで、以下の支援を行っていく。
○
実 践 的 ・ 体 験 的 活 動 ( 被 服 内 の 温 度 の 計 測 、「 服 の 形 」「重 ね 着 」「厚 さ 」 に つ い て の 実 験 的
活 動) と 交 流 の 場を 繰 り 返 し設 定 す る 。そ う す る こ とで 、 共 通 体験 を 手が かりと し、暖 かい
着方について、見通しをもって追究できるようにする。
○
第1 次 で 、 暖か い 着 方 につ い て 考 える 際 、 子 ど も一 人 ひと りが考 えた着 方に応 じた服 を持
ち 寄る 場 を 設 定 し、 仲 間 と 比較 す る よ う促 す 。 そ う する こ と で 、仲 間 の着 方との 共通点 や相
違点を見出しやすくする。
○
第 2 次 で 、「 服 の 形 」「重 ね 着 」 等 に つ い て 、 被 服 内 の 温 度 を 測 る 実 験 的 活 動 に 取 り 組 む 場
を 仕組 む 。 そ う する こ と で 、数 値 化 さ れた も の を も とに 、 互 い の感 じ 方の 違いを 表出で きる
ようにする。
○
「友達と学んで分かったこと」「これからの生活で生かせそうなこと」を観点として振り返る
場 を設 定 す る 。 そう す る こ とで 、 仲 間 と見 出 し た 工 夫の よ さ を 自覚 し 、こ れから の生活 で取
り組んでいくことができるようにする。
2
目
標
○
暖か い 着 方 の工 夫 に つ いて 調 べ た り、 分 か っ た こと や 考え たこと を交流 したり しなが ら、
寒い季節に応じた、暖かい着方の工夫を見出すことができるようにする。
○
仲間 と 共 に 暖か い 着 方 につ い て 交 流す る こ と に よさ を 感じ たり、 見出し た工夫 につい て家
庭や学校で実践しようとしたりすることができるようにする。
- 1 -
3
評価 規準
生活を創意工夫する能力(創)
家庭生活への関心・意欲・態度(関)
家庭生活への知識・理解(知)
○衣服の働きや日常着の着方に関 ○ 衣 服 の 暖 か さ を 調 節 す る 働 き や 生 ○ 衣 服 の 暖 か さ を 調 節 す る 働 き
心をもち、寒暖や生活場面に応
じた着方をしようとしている。
4
指導 計画
活活動上の働きをもとに、寒暖や
生活場面に応じた日常着の着方の
応じた着方について理解して
工夫について見出している。
いる。
21M( 7時間)
が本時
学 習活動
第1次
学習内容
が分かり、寒暖や生活場面に
子ども の意識
暖かい着方について交流し、学習の見通しをもつ
・日常着の着方への関心(関)
6M(2時間)
・暖かい着方の考え(創)
□ 暑 い 季 節 と 寒 い 季 節 ・ 夏休 みに学校 に集ま った とき の写 真だね。あの 日は 暑かった から、
の服装の違いについ
みんな半袖だね。ハーフパンツにTシャツの人が多いよ。もし冬
て交流 する
休みに、学校に集まるとしたら、どのような服装で集まるのか考
(3M)
えるのだね。寒いので夏と同じような服装では集まらないな。暖
かい服装をしてくるよ。絶対長袖で来るはずだ。夏のように1枚
では少ないから、たくさん着てくるだろうね。トレーナーやセー
ターなど、厚い服を着てくると思うよ。コートやジャンパーなど
も着るね。次の時間、冬に学校に集まるときのことを考えて、服
を選ん で持ってく るのだね 。どんな 服を持って こようか な。
□ 暖 か い 着 方 に つ い て ・ 持っ てきた服 を着た よ。みん などのよ うな服を 持っ てきたの かな。
交流し、学習の見通
僕は、Tシャツ、長袖Tシャツ、トレーナー、コートを持ってき
しを も つ
たよ。たくさん服を重ねると暖かくなるからね。○君は僕より服
(3M)
が少ないけれど、寒くはないのだって。夏は部屋の中も外も同じ
服装だけど、冬は外に出るときに着るものが増えるね。外で着る
ものは、コートなど厚いものが多いけど、薄いジャンパーを着る
人もいるよ。寒くはないのかな。みんな暖かく過ごせるように服
を選んできたのだけれど、袖・襟の形や枚数、厚さがばらばらだ
ね。本当に暖かいのかな。服の中の温度を測ってみよう。服の中
の 快 適 な 温 度 は 31℃ ~ 33℃ な の だ っ て 。 僕 の 体 温 は 36℃ く ら い だ
か ら 、 33℃ く ら い は あ る と 思 う よ 。 測 っ て み た ら 27℃ だ 。 思 っ た
よ り も 低 か っ た な 。 友 達 は 、 30℃ だ っ た ね 。 着 方 を 工 夫 す れ ば 、
もっと快適に過ごせるのかな。暖かい着方をするには、どのよう
にしたらよいのかな。部屋の中で過ごすときの着方と、外で過ご
すとき の着方につ いて、み んなで実 験をしなが ら考えて いこう。
第2次
学習内容
暖かい着方の工夫について考える
12M(4時間)
・ 活 動 へ の 取 り 組 み( 関 ) ・ 暖 か い 着 方 へ の 考 え や 工 夫( 創 ) ・ 寒 暖 に 応 じ た 着 方 の 理 解( 知 )
□室内で過ごすときを ・まず、部屋の中で過ごすときのことを考えて、暖かい着方につい
想定し、暖かい着方
て考えよう。服の形、重ね着、服の厚さで暖かさの違いを調べて
についての実験を行
みよう。手に布を着せて中の温度を比べてみるのだね。温度が高
い、 交 流 す る
いほうが、着たときに暖かいということだね。それでは実験を始
(6M)
めよう 。
- 2 -
( 以下 は そ れ ぞ れ の 実 験 の 意識 )
【服 の 形 の 実 験 】
【重ね着の実験】
【布の厚さの実験】
裾を 「閉 め る 」「閉 めな
同じ布を1枚巻いたとき
布の枚数をそろえ
い」で温度を比べてみ
と3枚巻いたときの温度
て、布の厚さを変え
よう。5分後に測った
を比べよう。5分後に測
て温度を比べてみる
ら、裾を閉めていると
っ た ら 、3 枚 巻 い た 方 が 、 よ 。 5 分 後 に 測 っ た
きの方が、温度が上が
温度が上がったよ。
った よ 。
ら、厚い布の方が、
温度が上がったよ。
3つの実験をして、裾を閉めたり、布を重ねたり、厚い布を選ん
だりすると、温度が上がることが分かったよ。結果で温度の違い
ははっきりしたけれど、手でも暖かさの違いを感じることができ
たよ。裾を開けた方が温度が上がらなかったのは、暖かい空気が
逃げていくからだろうな。同じように考えると、枚数を増やした
り、厚さを厚くしたりした方が暖かい空気が逃げにくいのだろう
な。
□屋外で過ごすときを ・外で過ごすときのことを考えて、暖かい着方について調べよう。
想定し、暖かい着方
ジャンパーやコートが暖かいのは分かるけれど、薄いジャンパー
についての実験を行
は、本当に暖かいのかな。厚い上着と比べてみよう。外に出て調
い、交流 する
べてみると厚い上着も薄い方も温度が下がらないね。部屋の外で
(3M)
過ごすときに、実験結果からはどちらでも効果があることはわか
ったよ 。それでも 薄い ジャン パーを着 るのは僕 は納 得できな いな。
このジャンパーは、風を通さない役目があるそうだよ。扇風機を
使って確かめてみよう。思ったよりも風をあまり感じないな。薄
くても上からこのようなジャンパーを着ると、風が入ってこなく
て暖か く過ごせそ うだね。
□ 暖か い 着 方 の 工 夫 に ・ こ れ ま で 調 べ て き て 、 裾 を 閉 じ た り 重 ね 着 を し た り 、 厚 い 服 を 選
ついて話し合う(3M
ついて話し合う(3 M )
んだりすることで暖かく着れることが分かったね。外に出るとき
は、風を通しにくい服を着るといいのだったね。これまでの学習
を生かして、もう一度家から服を選んで持ってきたよ。首元が寒
くないようにマフラーを巻いたよ。襟が付いている服も考えたけ
れど、室内にいるときは首元をすっきりさせたいからね。服の中
の 温 度 を 測 る と 32℃ だ っ た し 、 前 よ り 暖 か く 感 じ た よ 。 友 達 も 前
と比べて暖かく感じたようだよ。よく体を動かす友達は動きやす
さを考えて、重ね着の枚数を増やさず、風通しを防ぐ服を選んだ
のだね。暖かさと活動をつなげて服を選ぶとよいのだね。
第3次
学習内容
学習を振り返る
3M(1時間)
・ 活 動 へ の 取 り 組 み( 関 ) ・ 暖 か い 着 方 へ の 考 え や 工 夫( 創 ) ・ 寒 暖 に 応 じ た 着 方 の 理 解( 知 )
□見出した工夫を生か ・学んだことを生かして日曜日を過ごしてみたら、暖かく過ごすこ
して実践したことを
とができたよ。外で過ごした友達は、体を動かすことが多くて、
もとに、学習を振り
思ったより暑くなったのだって。重ね着をすると暖かく過ごせる
返る
ようになるよ。でも、活動のことを考えて、脱ぎ着しても快適に
(3M)
過ごせ るように、 服の重ね 方も工夫 して着るよ うにした いな。
- 3 -
5
本時案
(1)ねらい
【平成26年11月28日
8:50~9:35
家庭科室】
自分が取り組んだ暖かい着方を交流し、仲間の取り組みと比較することを
とおして、暖かい着方の工夫を見出すことができるようにする。
(2)学習過程
学習活動/子どもの意識
①
これまでの暖かい着方の工夫を振り返る
学 習内 容
支
援
(5 分 ) ○ 被 服 内 の 温 度 を 測 る
・暖かい着方への関心(関) ・寒暖に応じた着方の理解(知)
・ 裾が閉まっている服を選んだり、重ね着を工夫したり、厚い服
を選んだりすると暖かく着ることができたね。
活動の場を仕組む。
そうすることで、実
際の温度と暖かさの
・ 寒くないように工夫して、着てみたよ。
感じ方とを結び付け
・ 今の僕の着方だったら服の中は何℃くらいなのかな。
て考えることができ
②
るようにする。
被服内の温度を計測した結果をもとに、暖かい着方の工夫に
ついて話し合う
(30分 )
学 習内 容 ・ 暖 か い 着 方 の 工 夫 や 考 え( 創 ) ・ 寒 暖 や 生 活 場 面 に 応 じ た 着 方 の 理 解( 知 ) ○ 被 服 内 の 温 度 と 暖 か
・ 襟元から温度計を入れて、服の中の温度を測ってみよう。
さの感じ方につい
・ 僕は、今、暖かいから、快適な温度になっていると思うな。
て、全員分の結果を
・ 実 際 に 測 っ て み る と 、 32℃ だ っ た よ 。 確 か に 暖 か い よ 。
一枚の表にまとめ
・ 温度と暖かさの感じ方をワークシートの表にまとめてみよう。
る 。そ う す る こ と で 、
・ みんなの結果をまとめた黒板の表でみると、1回目と比べて、
1回目の実験的活動
温度が上がった人がたくさんいるし、暖かいと感じている人も
の結果と対比し、そ
増えているね。
1回目と2回目の温度がこんなに違うのはなぜかな。
の違いに気付きやす
くする。
・ 僕 は 1 回 目 の と き は 首 元 が 寒 く て 、 27℃ し か な か っ た よ 。 だ か
らハイネックを着て、暖かい空気が逃げないようにしたよ。そ ○暖かさだけでなく動
し た ら 31℃ に な っ て 、 前 よ り も 暖 か く 感 じ た よ 。
きやすさでも服を選
・ 私 は 、 重 ね 着 の 枚 数 を 増 や し た よ 。 前 は 30℃ だ っ た け れ ど 、 今
んでいる子どもを見
度 は 32℃ ま で 上 が っ た よ 。 た っ た 2℃ の 変 化 で も 、 暖 か い 気 が す
取り、意図的に指名
るな。
する。そうすること
・ 1 回 目 で は ど の よ う に 工 夫 し た ら よ い か わ か ら ず に 、 29℃ だ っ
で、自分に合った工
たよ。襟元をすっきりさせたいので、重ね着の枚数を増やした
夫を見出すことがで
よ 。 す る と 、 32℃ に な っ た よ 。 外 に 出 る と き は 、 マ フ ラ ー を 巻
きるようにする。
くことにしたよ。
A 暖かく着るための工夫はよく分かったよ。でも僕はサッカーを
○ 「友 達 と 学 ん で 分 か
するから、あまり重ね着をしなかったよ。
っ た こ と 」「生 活 で 生
A君が言いたいことは、どういうことかな。
かせそうなこと」を
・ サッカーをするときに、重ね着をしていると動きにくいから、
重ね着をせずに、風を通しにくい薄い服を選んだのだよ。
観点として振り返る
場を設定する。そう
B 暖かさだけでなく活動などのことを考えて選ぶとよさそうだね。
することで、仲間と
③
(10分 )
見出した工夫のよさ
学 習内 容 ・ 暖 か い 着 方 の 工 夫 や 考 え( 創 ) ・ 寒 暖 や 生 活 場 面 に 応 じ た 着 方 の 理 解( 知 )
を自覚し、これから
B Aくんの話を聞いて、暖かさと活動をつなげて考えて服を選ぶ
の生活で取り組んで
本時の学習を振り返る
と、さらに工夫ができそうだよ。
いくことができるよ
・ 今度の休日は、もう一度服装を考えて過ごしてみるのだね。
- 4 -
うにする。