基準認証政策の歩み2015 ∼戦略的な標準の推進に向けて∼ 経済産業省 日本工業標準調査会事務局 日本工業標準調査会 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 日本工業標準調査会会長からのメッセージ 日本工業標準調査会(JISC)は、1949年に、 工業標準化法に基づいて工業標準化に関する調 査・審議を行うことを任務とする、経済産業省 に設置された審議会であり、日本工業規格 (JIS) の制定・改正に係る審議やISO/IECなどの国際 標準化機関への日本代表としての参加などの国 際標準化活動を行うなど、数多くの関係者との 協力関係のもとで、日本の標準化活動の中核を 担ってきました。 前回の活動報告 (2013年公表) 以降、 JISCは、 津波避難誘導標識システム、繊維製品の洗濯表 示などの国民生活・消費者に関するJISや、光ディ スク媒体の新しい寿命推定試験、MEMS (微小 電気機械システム) 技術を用いた電子コンパスの 特性評価方法などの先端技術に関するJISをはじ めとして、国民生活の安全・安心や産業基盤を 日本工業標準調査会会長 友 野 宏 Hiroshi TOMONO 支えるJISの制定・改正に取り組み、2013年度、2014年度の2年間で、JIS制定352件、 改正696件の審議を精力的に行いました。これにより、2015年3月末現在で、10,599件 のJISが制定されています。また、樹脂と金属の異種材料接合技術や、家庭用エアコン及び 冷蔵庫の省エネ技術をはじめとして、 日本の優れた技術の国際標準提案を積極的に行いました。 さらに、ISO総会、IEC総会への日本代表としての参加に加え、欧州標準化委員会 (CEN) や欧州電気標準化委員会(CENELEC)との情報交換会の実施、太平洋地域標準会議(PASC) 総会、北東アジア標準協力フォーラム、日中標準化協力ダイアログ、日韓基準認証協議等へ 参加し意見交換を行うなど、積極的な国際標準化活動を行いました。 今後、JISCは、2014年5月に取りまとめられた、標準化官民戦略会議の「標準化官民戦 略」に基づき、戦略的な標準化の推進に取り組んでまいります。特に、中堅・中小企業等を 含む我が国企業の優れた技術や製品の迅速な国内標準化(JIS化)や国際標準 (ISO/IEC)提案 を可能にする「新市場創造型標準化制度」を活用し、新たな市場の創出につなげてまいります。 また、標準化人材の育成強化、世界に通用する認証基盤の強化、アジア諸国との連携強化等 にも積極的に取り組んでまいります。 近年の標準化・認証の重要性の高まりの中で、産業界のみならず、学界、消費者関係機関 など、多様な国民の皆様からのJISCへの期待はますます高まっていくものと思います。こ うした期待に応えていけるよう、JISCは、日本の標準化活動の中核機関としての役割を、 関係各位の御協力をいただきながら、しっかりと果たしていく所存です。本活動報告を通じ て、より多くの方にJISCの活動を知っていただき、標準化・認証に対する理解がさらに深 まることを期待しております。 1 日本工業標準調査会 目 次 2013∼ 14年度の日本工業標準調査会 (JISC)の活動のハイライト 3 Key figures 2015 6 −基準認証政策の主な動き− 標準化官民戦略 ∼我が国企業の競争力強化に貢献するアクションプランです∼ 7 新市場創造型標準化制度 ∼中堅・中小企業の標準化を支援します∼ 8 2014年IEC東京大会 9 1.日本工業標準調査会の概要 1−1 日本工業標準調査会の役割 1−2 日本工業標準調査会の組織 1−3 2013年∼ 2014年度に開催された主なJISCの会議 2.日本工業規格について 2−1 JISの策定手順 2−2 JISと国際標準との関係 2−3 JISと強制法規 2−4 2013年度∼ 2014年度に制定 (改正)された主なJISの紹介 3.適合性評価に関して 3−1 JISマーク表示制度 3−2 試験事業者登録制度(JNLA) 3−3 適合性評価手続の効率化の推進 3−4 マネジメントシステムの認証 4.国際標準化に対する取組 4−1 ISOへの参加状況 4−2 IECへの参加状況 4−3 2013年度∼ 2014年度における日本からの国際標準提案 4−4 国際標準化活動で活躍している人材 5.国際協力の取組 5−1 欧州地域との協力関係 5−2 中国・韓国との協力関係 5−3 アジア太平洋地域における協力関係 5−4 アジアの国々との協力 10 10 10 12 13 14 15 15 15 20 20 21 21 22 23 23 23 25 28 34 34 35 35 36 6.人材育成 37 7.消費者ニーズへの対応 39 8.知的基盤の整備及び利用促進 40 9.経済産業省の標準化関連予算 41 2 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 2013∼ 2014年度の日本工業標準調査会 (JISC) の活動のハイライト 2013年 5月 ◆第36回PASC (太平洋地域標準会議) 総会 (米国・ホノルル) 2013年 7月 第36回PASC総会 (米国・ホノルル) ◆第12回北東アジア標準協力フォーラム ◆日中標準化協力ダイアログ ◆日韓基準認証協議 (いずれも北九州市) 2013年 9月 ◆第36回ISO(国際標準化機構)総会(ロシア・ サンクトペテルブルグ) 第36回ISO総会の様子 (ロシア・サンクトペテルブルグ) 2013年10月 ◆ 第77回IEC (国 際 電 気 標 準 会 議 )総 会(イ ン ド・ニューデリー) ◆工業標準化推進月間 ◆工業標準化事業表彰 内閣総理大臣表彰 正田 英介氏 経済産業大臣表彰 20名、4組織 産業技術環境局長表彰 33名 第77回IEC総会の様子 (インド・ニューデリー) 2013年11月 ◆JISC−CEN (欧州標準化委員会)情報交換会 ◆JISC−CENELEC (欧州電気標準化委員会) 情報交換会 (いずれもベルギー・ブラッセル) 内閣総理大臣表彰受賞者の集合写真 (写真右から4人目が受賞者の正田氏) 3 日本工業標準調査会 2014年 5月 ◆第37回PASC (太平洋地域標準会議) 総会 (マレーシア・クアラルンプール) 第13回北東アジア標準協力フォーラム(韓国・慶州) 2014年 7月 ◆第13回北東アジア標準協力フォーラム (6/30∼ 7/3) ◆日中標準化協力ダイアログ ◆日韓基準認証協議 (いずれも韓国・慶州) 2014年 9月 第37回ISO総会の様子 (ブラジル・リオデジャネイロ) ◆ 第37回ISO (国 際 標 準 化 機 構 )総 会(ブ ラ ジ ル・リオデジャネイロ) 2014年10月 ◆工業標準化推進月間 ◆工業標準化事業表彰 内閣総理大臣表彰 藤澤 浩道氏 経済産業大臣表彰 20名、3組織 産業技術環境局長表彰 25名 内閣総理大臣表彰受賞者の集合写真 (写真右から5人目が受賞者の藤澤氏) 2014年11月 ◆2014IEC東京大会 第78回IEC (国際電気標準会議)総会(東京) ◆JISC−CEN (欧州標準化委員会)情報交換会 ◆JISC−CENELEC (欧州電気標準化委員会) 情報交換会 (いずれも東京) JISC-CEN/CENELEC情報交換会 (於:東京) 4 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 平成25年度工業標準化事業表彰受賞者 内閣総理大臣表彰 正田 英介 経済産業大臣表彰 今津 隼馬 岩本 威生 牛尾 誠夫 卜部 仁 大村 昭人 小倉 英夫 木 好明 熊澤 信雅 芝原 嘉彦 末松 征比古 竹内 浩士 竜田 敏男 田中 龍彦 豊田 充 八田 勲 林 央 藤田 俊弘 水原 清司 毛利 元也 山根 敏 一般財団法人自転車産業振興協会 一般社団法人電気学会 電気規格 調査会 UHV国際標準化委員会 一般社団法人日本鉄鋼連盟 一般社団法人日本ロボット工業会 産業技術環境局長表彰 国際標準化貢献者表彰 井上 博史 岩本 昌也 大井 裕司 苅谷 義治 酒井 宏隆 坂井 宏行 佐藤 秀隆 髙橋 弘 滝沢 佳郎 武部 達明 千葉 祐介 塚原 仁 野島 昭彦 野村 茂豊 平岡 達弘 松尾 健治 室中 健司 森井 健二 栁 秀一 横井 孝志 若井 伸之 国際標準化奨励者表彰 椛島 裕美枝 喜多井 剛志 佐藤 以久也 田島 京子 中山 雅央 Biggs Geoffrey 吉田 博隆 工業標準化功労者表彰 澤田 敏弘 鷲見 繁樹 立原 克法 浜田 和男 宮澤 以鋼 (敬称略) 平成26年度工業標準化事業表彰受賞者 内閣総理大臣表彰 藤澤 浩道 経済産業大臣表彰 阿部 隆 市原 裕 緒形 俊夫 菊池 哲 笹嶋 久 佐藤 政博 下川 英男 杉浦 博明 髙橋 義雄 竹本 正 田澤 壽 田中 充 長谷川 英重 星川 安之 保母 敏行 松田 三知子 松村 秀一 武者 良憲 村山 廣 森宮 康 一般社団法人産業環境管理協会 全国生コンクリート工業組合連合 会 ソニー株式会社 産業技術環境局長表彰 国際標準化貢献者表彰 松本 雅行 水谷 広 山田 淳 山野 芳昭 浅海 靖男 飯田 導平 池ノ谷 由紀子 国際標準化奨励者表彰 上原 伸一 奥津 良之 石川 孝明 小野 英明 川村 義憲 塩野 剛司 小林 吉之 芝池 成人 志水 信哉 関野 芳雄 蝶野 慶一 長野 研一 常松 弘嗣 馬場 厚次 工業標準化功労者表彰 藤沢 勝二 本 俊幸 佐藤 恭子 田近 秀子 (敬称略) 5 日本工業標準調査会 Key figures 2015 ☆ISO/IEC規格数 ☆J I S規格数 ※2015年3月末時点 ※2014年12月末時点 制定:1,955 (ISO:1,468) (IEC:487) 制定:+143 規格数:27,426 (ISO:20,493) (IEC:6,933) 改正 358 確認 1,562 廃止:-69 10,525規格 10,599規格 26,916規格 +74 27,426規格 +510 (規格数の増減) ☆ISO/IEC専門委員会数 ※2014年末時点 ☆J I Sマーク認証件数 日本の幹事数 (96) ※2014年10月末時点 国内 7,834 海外 876 (上位5位) 件数 国・地域など 韓国 468 中国 185 台湾 78 ベトナム 39 タイ 34 全体 947 ☆日本からの国際標準提案件数 145件 (2011年−2013年) ☆国際標準提案全件数 2,059件 (2014年) 国内:7,892 海外: 860 7,834 876 合計:8,752 8,710 ☆日本開催の国際会議 (2014年) I SO:TC/SC28件 (全世界:573件) I EC:TC/SC60件 (全世界:171件※) ※TC100のTA等は含まない 6 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 基準認証政策の主な動き 標準化官民戦略 ∼我が国企業の競争力強化に貢献するアクションプランです∼ 2014年5月、 経済産業省と主要産業界トップが参画する「標準化官民戦略会議」において、 新市場の創造や産業競争力の強化につながる戦略的な標準化を推進するために、官民が密接 に連携して取り組むべき具体策を 「標準化官民戦略」として策定しました。当該戦略に基づき、 官民の体制整備、認証基盤の強化、アジア諸国との連携強化等を推進しています。 標準化官民戦略の概要 「標準化官民戦略」のポイント 1. 官民の体制整備 (1)新市場創造型の標準化制度の構築 ∼政府の対応 (2)産業界における標準化戦略の強化 ∼産業界の対応 例) CSO (Chi efStanda r d i zat i on Of f i ce r)の設置 (3) 中小企業の標準化及び認証の活動に対する支援強化 (4) 標準化人材の育成強化 2. 世界に通用する認証基盤の強化 我が国企業の海外展開の観点から戦略的に重要な分野について、認証 又は試験の結果が国際的に認められる認証基盤を順次国内に整備。 3. アジア諸国との連携強化 各国の国家規格の開発、標準化人材の育成及び認証基盤の整備に対 する支援、 国際標準の共同開発などの分野でアジア諸国との協力関係 を強化。 標準化官民戦略会議 メンバー ・経済産業大臣、副大臣、大臣政務官 ・産業技術環境局長 ・製造産業局長 ・商務情報政策局長 ・中小企業庁経営支援部長 ・日本経済団体連合会 知的財産委員会 委員長 ・日本商工会議所 中小企業委員会 共同委員長 ・日本電機工業会 会長 ・電子情報技術産業協会 会長 ・日本化学工業協会 会長 7 ・日本鉄鋼連盟 会長 ・日本建材・住宅設備産業協会 会長 ・日本産業機械工業会 副会長 ・日本化学繊維協会 会長 ・日本自動車工業会 安全・環境技術委員会 委員長 ・日本工業標準調査会 会長 ・日本規格協会 理事長 ・国際標準化協議会 会長 (オブザーバー) I EC 会長 日本工業標準調査会 新市場創造型標準化制度 ∼中堅・中小企業の標準化を支援します∼ 2014年7月、標準化官民戦略に基づき、複数の関係団体にまたがる融合技術や中堅・中 小企業等を含む特定の企業が保有する先端技術に関する標準化を迅速に進める「新市場創造 型標準化制度」を創設しました。 新市場創造型標準化制度の概要 中堅・中小企業等が開発した製品を国内外に売り込む際の市場での信頼性向上 や差別化などの有力な手段となる、性能の評価方法などの標準化を支援します。 ①「新市場創造型標準化制度」の創設 l①企業1社では業界内の調整が困難、②中堅・中小企業等で、標準の原案を作成すること が困難、③複数の産業界にまたがる等の場合に「新市場創造型標準化制度」を活用するこ とで、迅速な国内標準化(J IS化)や国際標準提案を可能にします。 ②中堅・中小企業等の標準化支援 l中堅・中小企業等の優れた技術・製品の標準化に向けた実証データの収集を支援します。 l中堅・中小企業等に代わり、日本規格協会(JSA)が、国内標準(JIS)や国際標準(ISO、 I EC)の原案作成から標準提案を行います。 lJSAの相談窓口(総合標準化相談室)で、中堅・中小企業等からの標準化に関する様々 な相談に応じます。 新市場創造型標準化制度の流れ (イメージ図) 国内業界団体等 国内コンセンサス形成 2∼3年 2∼3ヶ月 企業/グループ 日本規格協会 (JSA) (原案作成) 国際コンセンサス形成 ISO(国際標準化機構) IEC(国際電気標準会議) 国際標準化 ﹁新市場創造型 標準化制度﹂ 企業/ グループ ︵I IS SO O/ /I IE EC C︶ ︶ ︵ 国際標準の場合 3∼5年 2ヶ月∼1年 国内標準の場合 ﹁新市場創造型 標準化制度﹂ 企業/グループ ※原案作成に 時間がかかる 日本規格協会 (JSA) (原案作成) ︵J JI IS S︶ ︶ ︵ 国内業界団体等 ※原案作成開始までに 時間がかかる 国内標準化 企業/グループ 8 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 2014年IEC東京大会 2014年11月、国際電気標準会議(IEC)の年次大会である「IEC東京大会」を開催しまし た。世界各国から約2,600人の専門家が参加し、総会、評議会等の会議の他、53分野の規 格開発を行う専門委員会が行われました。また、主催国である日本が大会テーマ “Integration toward a Smarter World”を設定し、企業等によるテクニカルビジットや技術展示会、シ ンポジウム、実証実験等の併催イベントを開催しました。スマート分野における我が国の最 先端技術についての認識を深めてもらうとともに、国際標準化における我が国の貢献を示し ました。 IEC東京大会の開催概要 【2014年IEC東京大会に関する参考URL】 http://www.meti.go.jp/press/2014/11/20141114003/20141114003.html 9 日本工業標準調査会 1 日本工業標準調査会の概要 1−1 日本工業標準調査会の役割 日本工業標準調査会(JISC:Japanese Industrial Standards Committee) は、経済産 業省に設置された審議会で、工業標準化法に基づいて工業標準化に関する調査審議を行って います。具体的には、JIS(日本工業規格)の制定、改正等に関する審議を行い、工業標準、 JISマーク表示制度、試験所登録制度など工業標準化の促進に関して関係各大臣への建議や 諮問に応じて答申を行うなどの機能を持っています。また、国際標準化機構 (ISO)及び国際 電気標準会議(IEC)に対する日本の代表として、国際標準化活動に参加しています。 1−2 日本工業標準調査会の組織 JISCは、JISCの業務運営の基本的事項の企画等を行う「総会」 、総会の下に「基本政策 部会」・「標準第一部会」・「標準第二部会」を設置するとともに、各部会の下にJISの審議な どを行う専門委員会を設置しています。 (1)総会 総会は、委員30名以内(2014年度末時点で19名) で構成され、JISC最高議決機関として、 産業政策、技術政策、通商政策等を踏まえた標準化政策のあり方について広く議論し、総合 的なビジョンなどを決定します。 (2)基本政策部会 基本政策部会は、委員、臨時委員及び専門委員から成り、標準化及び適合性評価に関する 基本政策及び制度運営の基本方針並びに標準第一部会又は標準第二部会の所掌に属さない事 項を審議します。 (3)標準第一部会、標準第二部会 標準第一部会(主にISO関連分野を所掌)及び標準第二部会(主にIEC及びJTC1関連分野を 所掌)は、我が国産業競争力強化のツールとして標準化や適合性評価の重要性が増大する中、 新市場の創造やグローバル市場における戦略的な国際標準化の推進、安全・安心に配慮した 標準化の推進、JISマーク表示制度、認定・認証制度、国際相互承認等の適合性評価の推進 を図るべく、具体的な活動に結びつけていくための検討を行っています。具体的な活動につ いては、それぞれの部会の下に設置されている「分野別専門委員会」及び「横断的専門委員会」 で実施されています。 10 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 平成 26 年 7 月 1 日 総 会 基本政策部会 ・基本政策 ・制度運営の基本方針 ・標準第一部会又は標準第二部会 の所掌に属さない事項 標準第一部会 標準第二部会 ・ISO関連分野の標準及び認証 ・IEC関連分野の標準及び認証 (JTC1・JTC2分野を除く) ・関係する部会・専門委員会は相互に連携。 関係に応じ、合同部会を開催。 ※1 ○知的基盤整備 ○JISマーク制度 [横断的専門委員会] ○ 消費者政策 ※2 [横断的専門委員会] ○ スマートグリッド戦略 [分野別専門委員会] ○ 土木技術 ○ 建築技術 ○ 金属・無機材料技術 ○ 基盤技術 ○ 化学・環境技術 ○ 機械要素技術 ○ 産業機械技術 ○ 自動車技術 ○ 鉄道技術 ○ 船舶・物流技術 ○ 消費生活技術 ○ 医療機器技術 ○ 高齢者・障害者支援 ○ 保安技術 ○ 適合性評価・管理シス テム規格 [分野別専門委員会] ○ 電気技術 ○ 電子技術 ○ 情報技術 ※2 〔専門委員会〕 ※1 部会・専門委員会は、審議内容に応じて関係する部会・ 専門委員会と連携を図る。また、必要に応じて、関係各部会 の委員等で構成する合同部会を開催する。 ※2 消費者政策やスマートグリッド戦略などの横断的審議 内容が他の専門委員会の審議内容に関わる場合には、他の 専門委員会に提言等を行うことができる。 日本工業標準調査会組織図 11 日本工業標準調査会 1−3 2013年∼ 2014年度に開催された主なJISCの会議 2013年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2014年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2015年1月 2月 3月 第103回標準部会 第24回総会、第104回標準部会 第105回標準部会 第106回標準部会 第107回標準部会 第108回標準部会 第109回標準部会 第110回標準部会 第111回標準部会 第112回標準部会 第113回標準部会 第114回標準部会、第37回適合性評価部会 第115回標準部会 第116回標準部会 第25回総会、第117回標準部会 第118回標準部会 第119回標準部会、第38回適合性評価部会 第26回総会、第120回標準部会 − − 第1回標準第一部会、第1回標準第二部会 − 第2回標準第一部会 第27回総会 第3回標準第一部会 第28回総会、第2回標準第二部会 第4回標準第一部会 専門委員会の活動状況に関しては、JISCのホームページ内の「JISC資料・議事要旨・議事録」 から御覧いただけます。 URL http://www.jisc.go.jp/ 12 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 2 日本工業規格について 日本工業規格 (Japanese Industrial Standards:JIS)とは、我が国の工業標準化の促 進を目的とする工業標準化法 (昭和24年)に基づき制定される国家規格です。 JISには、それぞれに番号が付いています。このJIS番号は、分野を表すアルファベット 一文字と原則として4桁の数字との組合せからなります。 例:JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材(※アルファベットのGは鉄鋼分野を表す) 2014年度は、制定143件、改正358件、廃止69件、確認1,562件のJISが公示され、 2015年3月末現在で、10,599件のJISが存在しています。 2014年度のJISの改廃件数 公示の種類 規格の増減 制定 改正 確認 廃止 A.土木及び建築 10 76 57 5 5 B.一般機械 26 48 322 13 13 C.電子機器及び電気機械 45 78 300 7 38 D.自動車 5 0 36 1 4 E.鉄道 4 11 33 0 4 F.船舶 0 3 0 5 -5 G.鉄鋼 0 19 71 7 -7 H.非鉄金属 0 4 92 0 0 K.化学 13 44 53 28 -15 L.繊維 8 3 15 0 8 M.鉱山 1 5 24 0 1 P.パルプ及び紙 0 1 0 0 0 Q.管理システム 2 1 1 1 1 R.窯業 2 27 28 0 2 S.日用品 1 8 26 0 1 T.医療安全用具 5 7 156 0 5 W.航空 0 0 1 0 0 X.情報処理 10 11 180 0 10 Z.その他 11 12 167 2 9 143 358 1,562 69 74 JIS部門 合 計 13 日本工業標準調査会 581 A. 土木及び建築 1685 B. 一般機械 1677 C. 電子機器及び電気機械 372 D. 自動車 152 E. 鉄道 390 F. 船舶 448 G. 鉄鋼 411 H. 非鉄金属 1737 K. 化学 226 L. 繊維 167 M. 鉱山 77 P. パルプ及び紙 87 Q. 管理システム 375 R. 窯業 191 S. 日用品 541 T. 医療安全用具 97 W. 航空 532 X. 情報処理 853 Z. その他 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2015 年 3 月末現在 分野ごとのJIS件数 2−1 JISの策定手順 社会的ニーズ等によって、国や産業界等で標準化すべき課題が選定されると、JIS原案を 検討する委員会 (その課題に関する利害関係人によって編成されたもの)でJIS原案がまとめ られます。それらのJIS原案は、工業標準化法に基づいて設置されたJISCで審議され、担当 大臣によって制定又は改正されます。 工業標準化法11条手続 主務大臣※1 作成 日本工業標準調査会 主務 大臣 ※1 主務 大臣 ※1 (JISC)※2 総会 (必要に応じて関係 民間団体へ委託) 委員会形式で立案※2 JIS 原案 付 議 基本政策部会 標準第一部会 標準第二部会 答 申 制 定 官 報 公 示 工業標準化法12条手続 専門委員会 (約20の分野別 委員会) 関係団体 自主作成 JIS案の審議 ※1 7省庁:経済産業省、国土交通省、厚生労働省、 農林水産省、総務省、文部科学省、環境省 ※2 生産者・使用者・消費者などの全ての利害関係者で構成。 JIS制定手順 14 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 2−2 JISと国際標準との関係 世界経済のボーダレス化が進む中、物・サービスの国際取引が増大し、ISOやIECなどの 国際規格の重要性が増しています。国際規格と各国規格との整合化を図ることにより、製品 や技術が国を越えて世界共通で使えるようになり、国際的な貿易の円滑化に寄与できること が期待されます。 我が国の国家規格であるJISについても、1995年1月のWTO (世界貿易機関)/TBT協 定(貿易の技術的障害に関する協定)の発効に伴い、国際規格との整合化が行われてきました。 JISと国際規格(ISO・IEC規格) との整合状況 JISの規格総数 対応国際規格があるJISの規格数 国際規格と一致しているもの(IDT) 国際規格を修正しているもの(MOD) 国際規格と同等でないもの(NEQ) 10,599規格 5,850規格 40% 57% 3% (注1)国際規格との対応の程度はISO/IEC Guide21−1の定義に基づいています。 (注2)整合状況の割合は「対応国際規格があるJISの規格数」を母数とした割合です。 (参考)2015年3月末時点 2−3 JISと強制法規 2015年3月末現在、195の法律でJISが技術基準等として引用されており(工業標準化法 を除く。)、法令でJISを引用する回数(合計延べ数)は6,579回となっています。 JISを引用する主要な法律 引用法律 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関す る法律 (旧薬事法) 消防法 建築基準法 労働安全衛生法 計量法 揮発油等の品質の確保等に関する法律 JIS引用回数 1,219 652 589 446 306 271 2−4 2013年度∼ 2014年度に制定 (改正)された主なJISの紹介 (1)長期データ保存用光ディスク媒体の寿命推定のための試験方法のJIS (JIS X 6256) 爆発的に増加するデジタル情報は、現在、永続的かつ安全に保存・蓄積する方法がないこ とが課題になっていますが、日本発の技術である光ディスク媒体は、安価で互換性に優れ、 かつ、電力を使わず保存できるため、保存媒体としての活用の期待が高まっています。デー 15 日本工業標準調査会 タを長期にわたって復元可能とするためには、媒体自体の長期保存性を確認する必要があり ます。このため、光ディスク媒体のデータの保存寿命を推定する試験に関する国際規格(ISO/ IEC)が日本提案により2011年に制定されました。国内においても利用環境の整備を図る観 点から、2014年5月、JISを制定しました。 文書の電子化/デジタル情報の管理 保存データ 管理台帳 使用頻度 作成 利用 保管 保 存 半導体メモリ 保存年限 3年̶5年̶10年̶30年 磁気メモリ 光ディスク 使用頻度1%以下 6ヶ月 1年 5年 10年 デジタル情報のライフサイクル (2)MEMS (微 小 電 気 機 械 シ ス テ ム )技 術 を 用 い た 電 子 コ ン パ ス に 関 す るJIS(JIS C 5630-19) 2014年12月に、携帯電話等に内蔵され方位角の測定等に広く用いられている、先端技 術であるMEMS(微小電気機械システム)を用いた電子コンパスについて、特性や性能を評 価するためのJISを制定しました。MEMS技術を用いた電子コンパスの性能や特性評価方法 が国内外で共通化されることで、電気機器等を設計・開発する企業等による評価がしやすく なり、今後の用途や市場拡大が期待されます。 電子コンパスの定格、 動作条件、特性(性能) の表示とその測定法を 標準化 センサ 2軸、3軸磁気センサ 信号処理 方位 3軸加速度センサ オフセット校正方位計算 傾斜補正 電子コンパスシステム構成 16 Japanese Industrial Standards Committee Japanes (3)津波避難誘導標識システムのJIS(JIS Z9097) 東日本大震災では、津波による被害で多くの方が犠牲になりました。地震直後の緊急時に、 安全な場所への素早い避難を誘導するため、地域住民のみならず観光客等にもわかりやすい 避難場所に関する情報提供が必要です。 従来、津波避難の図記号は下図に示すように、単独の標識での利用が想定されていました が、現在地の海抜、避難場所までの道順や距離についての情報を含んだ標識を、避難場所に 至る道のりに一連のものとして設置することにより、緊急時の素早く安全な避難を支援する 「津波避難誘導標識システム」のJISを2014年9月に制定しました。 従来の津波に関する図記号 【津波注意】 【津波避難場所】 【津波避難ビル】 具体的には、①津波注意標識、②津波避難情報標識、③津波避難誘導標識、④津波避難場 所標識及び津波避難ビル標識といった、標識に含まれるべき情報についての規定に加え、こ れらを途切れることなく提供することについて規定しています。 ①津波注意 標識 ②津波避難情報標識 ③津波避難誘導標識 ④津波避難場所 標識 ④津波避難ビル 標識 17 日本工業標準調査会 (4)繊維製品の洗濯表示のJIS(JIS L0001他) 洗濯表示に関する国際規格が制定された1991年以来、国際規格と国内規格であるJIS L0217(繊維製品の取扱に関する表示記号及びその表示方法)の整合化が検討されてきまし た。以前の国際規格では、我が国の洗濯習慣上必要な記号(自然乾燥表示)や、我が国で用い られている洗濯機 (パルセータ型 (縦型)洗濯機)に関する試験方法が規定されておらず、JIS の国際規格との整合化の支障となっていました。この状況を解消するために我が国から提案 を行い、2012年に我が国の意見がほぼ反映された国際規格が発行されました。これにより、 JISの国際規格との整合化への環境が整備されたため、繊維製品の取扱いに関する表示記号 及びその表示方法及び関連試験方法の合計6件のJISを2014年10月に制定しました。 なお、本JISを引用する家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程が、2015年 3月31日に改正され、2016年12月1日から施行される予定であり、国際整合化した表示 が国内で使用されることとなります。 新しく制定した洗濯表示記号の内容について ① 基本記号と、付加記号や数字の組み合わせから構成されています。 ● 5つの基本記号 家庭洗濯 漂 白 乾 燥 アイロン クリーニング ● 付加記号と数字と文字ではなく、記号と数字で強さや温度、禁止を表します。 強さ 線なし 通常の強さ 弱い 非常に弱い 「線(−) 」が増えるご とに作用は弱くなりま す。 温度 <記号によるもの> 高 タンブル乾燥やアイロンの 温度は「ドット(・)」で表 します。数が増えるごとに 温度は高くなります。 禁止 <数字によるもの> 【例】 数字は家庭洗濯 での洗濯液の上 限温度を表しま す。 基本記号と 組み合わせ て、禁止を 表します。 ② 記号の種類が22種類から41種類となり、酸素系漂白、タンブル乾燥、ウエットクリーニ ング等に関する記号も追加されるなど、きめ細かく適切な情報になります。 ③ 家庭洗濯、漂白、乾燥、アイロン、商業クリーニングの順に表示されます。 18 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 新しく制定した洗濯表示記号の意味について 記号(付加記号を含む) JIS L 0001より抜粋 家庭洗濯の記号 意 味 家庭洗濯(洗濯機洗い、手洗い)ができます。 「数字」は洗濯液の上限温度です。 「 」は「線なし」よりも、洗濯機による弱い洗い方 」はさらに弱い洗い方です。 です。「 「手洗い」をすることです。 その際の洗濯液の上限温度は40℃です。 *「手洗い」は押し洗いなどの、手でやさしく洗う方 法です。 家庭での洗濯はできません。 漂白の記号 塩素系漂白剤や酸素系漂白剤で漂白ができます。 酸素系漂白剤のみが使えます。 漂白剤は使えません。 乾燥の記号 ●タンブル乾燥に関する記号 ル乾燥に関する記号 家庭でのタンブル乾燥ができます。 「ドット( )」は排気温度の上限を表します。 「‥」は上限温度80℃です。 「 」は上限温度60℃です。 タンブル乾燥はできません。 つり干しします。 ひら干しします。 「 」は脱水後、 「 」は脱水せず(絞らず)に干します。 「斜線」は陰干しをします。 ●自然乾 ●自然乾燥に関する記号 乾燥に関 号 アイロン仕上げの記号 アイロンをかけることができます。 「ドット ( ) 」 はアイロンの底面温度の上限を表します。 「…」は200℃、 「‥」は150℃、 「・」は110℃です。 では、スチームなしでかけます。 * アイロンはかけられません。 クリーニングの記号 19 クリーニング店で洗い方を決める記号です。 パークロロエチレンなどの溶剤によるドライクリーニ ングができます。 石油系溶剤によるドライクリーニングができます。 ドライクリーニングはできません。 ウエットクリーニングができます。 ウエットクリーニングはできません。 *「 」は弱い、「 」はさらに弱い処理です。 日本工業標準調査会 3 適合性評価に関して 製品・サービスや組織の体制等が、ある規格を満たしていることを実証することを適合性 評価といいます。適合性評価は、安全規制や公共調達、企業間取引、消費者の商品選択など、 様々な場面で重要な役割を担っています。 経済産業省では、工業標準化法に基づくJISマーク制度等の運用や、貿易の円滑化の観点 から外国との相互承認に取り組む他、 民間の認証制度についても様々な施策を展開しています。 適合性評価 (JIS マーク、JNLA)について 整合性の確保 日本工業規格 (JIS) (約1万規格) 基本規格 認証に適した製品規格 製品規格 方法規格 製品認証の対象となり難い規格 (約2,100規格) (自己適合宣言) 登録認証機関 (24機関) 事業者による 自己適合宣言 事業者によるJISマーク表示 鉱工業品に係る試験 (JNLA制度) (JISマーク表示制度) 登録認証機関による 認証件数 (8,783 件) 国際規格 ISO/IEC Japan National Laboratory Accreditation System JNLA試験事業者 (223 事業者) 試験事業者によるJNLAマーク 付き試験証明書の交付 (20万枚弱/年間) ※2014年3月末現在(JNLA試験事業者数は2015年3月末現在) 3−1 JISマーク表示制度 工業標準化法の改正によって2005年10月にスタートした新しいJISマーク表示制度は、 国に登録された民間の機関 (登録認証機関)が認証を行う、国際整合化された第三者認証制度 です。経済産業省では、違反工場への厳格な対応、認証取得事業者に対する立入検査、試買 検査の実施、JISマーク表示制度に関するブロックセミナー等を実施することで、制度の信 頼性確保に努めているところです。 2014年3月末時点で、認証件数は約8,800件となっています。経済産業省では、引き続 き登録認証機関に対するサーベイランスや認証工場への立入検査等を行い、今後ともさらな る信頼性確保に取り組んでいきます。 20 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 登録認証機関別認証件数(国内外) 機関名 部門 日本塗料検査協会 建材試験センター 日本建築総合試験所 日本ガス機器検査協会 電気安全環境研究所 日本繊維製品品質技術センター 日本エルピーガス機器検査協会 日本文化用品安全試験所 化学物質評価研究機構 日本車両検査協会 日本品質保証機構 日本水道協会 日本検査キューエイ株式会社 日本燃焼機器検査協会 電線総合技術センター マネジメントシステム評価センター ビューローベリタスジャパン ベターリビング インターテック・サーティ フィケーション株式会社 全国タイル検査・技術協会 韓國標準協会 韓国化学融合試験研究院 AWPA試験センター協会法人 日本舶用品検定協会 部門別計 登録区分 A,K A,B,G,H,K,R,S,Z A,K,R,S S B,C,G,H,K,T A,B,L,S,Z S R,S,T A,B,D,K,R,S,T,Z D,T A,B,C,D,E,G,H,K,M,P,R,S,T,Z B,G,H,K A,B,E,G,H,R,Z S C A A,B,H,K,Z A,R A A A,B,C,D,E,G,H,K,R,S,T,Z A,B,C,D,G,H,K,M,P,R,S,T,Z A F A B C D 土木建築 一般機械 電気電子 自動車 35 2,059 15 2,626 4 10 70 5 143 340 39 21 52 E F G H 鉄道 船舶 鉄鋼 非鉄金属 71 153 K 69 1 化学 161 8 L P R 繊維 パルプ及び紙 窯業 76 40 18 24 2 7 3 63 2 6 53 17 4 252 16 369 165 3 35 116 124 12 66 16 109 205 1 28 1 6 18 機関別 S T Z 日用品 医療安全 その他 (累計) 196 9 13 2,320 4 2,670 13 13 13 189 34 5 5 13 11 26 6 27 17 186 3 10 63 43 84 1,367 182 25 522 1 1 109 205 6 14 46 79 79 22 40 18 11 61 7 12 2 2 2 5,389 503 339 14 23 235 90 16 4 12 8 27 27 1,034 298 500 24 12 4 4 3 1 228 118 101 22 393 156 11 27 173 8,783 2 26 注) 1認証契約で複数の部門の認証を取得した場合は、重複してカウントしている。 (2014年3 月末現在) 3−2 試験事業者登録制度(JNLA) JISへの規格適合性を評価し、表明する手段として、JISの試験方法に基づき、信頼性 のある試験証明書を発行できる試験事業者の能力を評価して認定する試験事業者登録制度 (JNLA:Japan National Laboratory Accreditation System) があります。 JNLAに登録されている試験事業者は2015年3月末時点で223事業所あり、土木・建築、 鉄鋼、繊維など様々な分野にわたって年間20万枚弱のJNLA標章付きの試験証明書が発行 されています。 3−3 適合性評価手続の効率化の推進 貿易の円滑化のため、輸出国側で行われた適合性評価手続を輸入国側で活用する制度の一 つとして、政府間の相互承認協定(MRA:Mutual Recognition Agreement) があります。 輸入国側の政府は、輸出国側の適合性評価手続を受け入れますので、輸出事業者は適合性評 価手続を自国内で終了させることができ、時間とコストの削減が見込まれ、輸出の促進につ ながります。我が国はこれまでに、シンガポール、欧州共同体 (EU)、タイ、フィリピンと の間で電気製品のMRAを実現しています。また、2012年11月に台湾との間で、日本側 (交 流協会)と台湾側(亜東関係協会)が電気製品の相互承認の取決めを結びました。 国際電気標準会議 (IEC)では、加盟各国の認証機関が他国の試験所の試験結果をお互いに 認め合う制度をいくつか運用しており、その中でもIECEE (IEC電気機器・部品適合性試験 認証制度)は、我が国でも多くの試験レポートが発行されています。この制度を活用すれば、 輸出事業者は輸出先で必要とされる適合性評価手続に、自国内で取得した試験レポートを活 用することができます。実際には、各国の認証機関同士が個別に取決めを結び、輸出事業者 に対する更なるサービス向上に努めています。 経済産業省では、これらの仕組みを含め、適合性評価手続の効率化に貢献する様々な方法 を有効に活用し、貿易の円滑化に取り組んでいます。 21 日本工業標準調査会 3−4 マネジメントシステムの認証 マネジメントシステム (MS)認証は、企業等の組織の管理体制に関するISO規格への適合 性を認証する民間主体の制度です。現在、約50の認証機関が認定機関 (公益財団法人日本適 合性認定協会 等) の監督の下に活動しており、2013年末時点で、全国でISO9001(品質) については約46,000、ISO14001(環境)について約24,000の組織が認証を取得してい ます。 現在、認証に利用される規格であるISO9001とISO14001の改正作業が進められてお り、組織が自らの置かれた状況を理解した上での適用範囲の決定や、リーダーシップに関す る責任、組織の活動におけるリスク及び機会の明確化といった観点の追加について議論され ています。これらの規格については、2015年秋に発行予定とされています。 主なMS規格に基づく第三者認証件数※1 国際規格 ISO9001:2008(品質マネジメントシステム) ISO14001:2004(環境マネジメントシステム) ISO/IEC27001:2005(情報セキュリティマネジメントシステム) 世界 日本 1,129,446 45,990 301,647 23,723 22,293 7,084 (※1)ISO Survey ─ 2013 22 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 4 国際標準化に対する取組 JISCは、代表的な国際標準策定団体であるISO(国際標準化機構)及びIEC (国際電気標準 会議)に日本の代表団体として参加しています。 4−1 ISOへの参加状況 JISCは、1952年からISOに加盟しており、ISOにおいて規格作りを担う技術専門委員会 及び分科会に数多く参加し、国際標準化活動に積極的に参加しています。 また、JISCは1969年から連続してISOの理事国であり、1979年9月のISO総会から常 任理事国となりました。また、2010年から日本が技術管理評議会(TMB)常任メンバーと なるなど、ISOでの重要な意思決定を行う機関である理事会及びTMBに、継続的に日本代表 委員を輩出しています。 ISOへの参加状況(各年末時点) 2014年 2013年 2012年 ISOのメンバー数 165 164 164 ISOの専門委員会数 759 744 737 38,909 38,847 38,785 1,532 1,532 1,531 626 609 606 日本が幹事国を引き受けている専門委員会数 72 70 67 日本が議長を引き受けている専門委員会数 66 62 61 ISOの予算(千CHF) 日本が負担している分担金(千CHF) 日本が参加している専門委員会数 (※)CHF:スイスフラン 4−2 IECへの参加状況 JISCは、1953年からIECに加盟しており、IECにおいて規格作りを担う技術専門委員会 及び分科会に数多く参加し、国際標準化活動に積極的に参加しています。また、IECでの重 要な意思決定を行う機関である評議会 (CB)、標準管理評議会 (SMB)、適合性評価評議会 (CAB)及び2008年に新設された市場戦略評議会(MSB)に日本代表のメンバーを輩出して います。 日本は、CB及びSMBの制度が生まれた1998年から、CB及びSMBの常任メンバーと して、また、CABが常任メンバー制を開始した2015年から、CABの常任メンバーとし て活動しております。現在、IEC会長にはパナソニック (株)の野村淳二氏 (任期:2014∼ 2016年)が就任され、昨年までは、(株)日立製作所の藤澤浩道氏が副会長を務められてい ました(任期:2009∼ 2011年、再任:2012∼ 2014年) 。 23 日本工業標準調査会 IECへの参加状況(各年末時点) 2014年 2013年 2012年 83 82 82 188 189 184 21,900 20,400 20,400 日本が負担している分担金(千CHF) 844 819 780 日本が参加している委員会数 187 188 183 日本が幹事国を引き受けている専門委員会数 24 25 24 日本が議長を引き受けている専門委員会数 15 15 15 IECのメンバー数 IECの専門委員会数 IECの予算(千CHF) (※)CHF:スイスフラン 日本からの国際標準提案件数推移(ISOとIECの合計) 各国のISO/IEC国際幹事引受数の推移 24 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 4−3 2013年度∼ 2014年度における日本からの国際標準提案 JISCは、日本の優れた技術を国際標準として積極的に提案しています。 (1)樹脂-金属 異種材料複合体の特性評価方法に関する国際標準化 高い接合強度で樹脂と金属とを一体成形できる革新的な技術を有する大成プラス株式会社 から、トップスタンダード制度の申請を受けて、2013年4月に、日本からISO/TC61(プ ラスチック)/SC11(プラスチック製品)に対して、樹脂-金属複合体の接合界面特性の評 価方法について4件の新規提案(NWIP)を行い、2015年2月からは、最終国際規格案 (FDIS) に対する国際投票が行われています。こうした技術は、すでにスマートフォン等の電子機器 の部品に採用されていますが、高い安全性が求められる自動車用途へ新たに市場を開拓する ためには、樹脂-金属複合体の優れた接合特性を正しく評価できる、客観的な手法が必要で あることから、ISO提案を行いました。欧州等の加盟国からは多くの反対意見やコメントが 寄せられましたが、日本の主張は貫きつつ、相手国の意見も最大限に取り入れ、国際標準化 を迅速に進めています。 【経緯及び進捗状況】 2012年7月 トップスタンダード制度の申請受領 2012年9月 国際会議で予備提案 2013年4月 NP投票開始 (⇒7月承認) 2013年9月 国際会議でCDスキップ承認 2014年2月 DIS投票開始 (⇒5月承認) 2015年2月 FDIS投票開始 写真:ソニー製プロジェクター筐体に実装された樹脂-金属複合体 (2)家庭用エアコン及び冷蔵庫に関する国際標準化 省エネ性能に優れた我が国の家庭用エアコンや冷蔵庫が正当に評価されるよう、使用実態 に即した消費電力量の測定方法に関する新たな国際規格を制定しました。 家庭用エアコンについては、エアコンの圧縮機の能力を可変し、負荷に応じて高効率状態 で運転できる我が国のインバータエアコンの性能 実使用に則した省エネ技術 を正しく評価できる評価方法が国際標準 (ISO)と なっていなかったため、アジア諸国と連携し、日 【冷蔵庫】 ①間接冷却方式(インバータ方式) 本製インバータエアコンが適正に評価される評価 ②多様な食品収納スペース (温度制御) IEC62552−1(一般要求事項) 方法をISO提案し、ISO16358が2013年4月に IEC62552−2(性能要求事項) 制定されました。 IEC62552−3(消費電力量及び内容積の算出) IEC62552シリーズ IS発行済(H27年2月) 冷蔵庫については、従来、消費電力試験方法(IEC 規格)がヨーロッパの基準を基にしており、消費 電力試験時の周辺温度が低くかつドアの開閉試験 【エアコン】 ①インバータ方式 がないため、アジア諸国の環境や使用実態が反映 (普及率:国内100%、 アジア約10%) されていないものであったことから、アジア諸国 ISO16358 IS発行済(H25年4月) と連携し、IEC規格(IEC62552-1(一般要求事 25 日本工業標準調査会 項)、IEC62552-2(性能要求事項) 、IEC62552-3(消費電力量及び内容積の算出) )の改 正を提案し、2015年2月に規格が制定されました。 (3)LEDランプに関する国際標準化 白熱電球の口金等の形状は、IECで規格化されていたが、LEDランプの開発・普及に伴い、 当該規格にLEDランプの口金等を日本から追加の国際提案を行い、2014年にIEC60061 シリーズ (IEC60061-1:電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性 第1部 口金、IEC60061-2:電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安 全性 第2部 受金、IEC60061-3:電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・ 安全性 第3部 ゲージ)として発行されました。 また、直管型LEDランプの既存の蛍光ランプへの誤装着防止のため、口金及び受金の安全 仕様を日本から国際提案を行い、国際規格の発行に向けた取組を進めています。 これらの規格開発の取組により、白熱電球からLEDランプへの置き換えが促進されること が期待されます。 白熱電球の口金の国際標準に LED ランプを追加 白熱電球 直管 LED ランプの安全仕様を 日本から国際提案 LED ランプ AC100∼242V 既存の蛍光ランプ用照明器具への誤装着防止 同じだから、 カンタンに 取り替えられるんだね! IEC60061-1電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性 第1部 口金 IEC60061-2電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性 第2部 受金 IEC60061-2電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性 第3部 ゲージ 新たな口金及び受金について規格を開発中 (委員会原案(CD) 段階) IEC62931 一般照明用Gx16t-5口金付直管LEDランプ −安全仕様 (4)光線力学療法(PDT)に関する国際標準化 光線力学療法 (Photodynamic Therapy:PDT)は、腫瘍に集まる光感受性の薬剤を事前 に体内に投与し、腫瘍に薬剤が集積したタイミングでレーザー光などの光を照射し、活性酸 素を発生させ腫瘍を変性・壊死させる治療法です。PDTは我が国が他国に先駆けて開発した 治療法で、脳腫瘍などの一部のがんに適用例があります。海外においても様々な疾患への応 用が検討されるなど「薬剤を併用する医療機器」として今後の発展が見込まれます。 一方、開発途上にある治療法のため、国際的にもPDT機器に関する基礎安全や基本性能 についての要求事項が明確ではありません。そのため、2014年10月、我が国からIEC/ SC62D (医用電子機器)に新規提案を行いました。その後、国際会議でのプレゼンテーショ ンなどにより各国の理解・賛同を得て、2015年1月、新規提案(IEC 60101−2−77)が 成立し、WG33(PDT) を新設し審議が開始されることになりました。 医療機器分野の国際標準化の特徴は、「デジュール・ボランタリー」基準であるISO・IEC 国際規格が各国の強制法規に引用され「デファクト・マンダトリー」化することにあります。 本新規提案もIEC規格制定後は日米欧における医療機器の基準として広く利用されることが 期待されます。 26 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 光源 薬剤分布 光感受性薬剤 投与 薬剤が集積 した腫瘍 光照射 腫瘍 活性酸素発生 により腫瘍が 変性・壊死 経緯と今後の予定 平成25年 4月 東京女子医大とパナソニックヘルスケアによる国際標準共同開発事業に よりPDTの国際標準化を開始。 平成26年10月 IEC/SC62Dにおける事前プレゼンテーション、シンポジウム開催等に よる環境整備後、新規提案を提出。 平成27年 1月 新規提案が成立し、WG33(PDT)が設置され、IEC60601−2−77(予 定)として審議を開始。 平成27年 7月 第1回WG33を開催し、作業文書を作成 (予定)。 平成28年 1月 第2回WG33を開催し、委員会原案を決定 (予定)。 平成28年 9月 投票用委員会原案の投票を実施し、年度内にIEC規格の発行 (予定)。 27 日本工業標準調査会 4−4 国際標準化活動で活躍している人材 ISO及びIECで国際幹事及び議長として活躍している方は、以下のとおりです (2015年3 月現在)。 ISO国際幹事・議長リスト TC SC 4 12 8 8 名 称 国際幹事引受団体/国際幹事 玉軸受 (一 社 )日 本 ベ ア リ ン グ 工業会 2 海洋環境保護 (米国) 6 航海及び操船 (一 財 )日 本 船 舶 技 術 研 究協会 鋼 (一社)日本鉄鋼連盟 17 国際幹事引受団体/議長 (一 社 )日 本 ベ ア リ ン グ 工業会 伊藤 正夫 (一 財 )日 本 船 舶 技 術 研 究協会 吉田 公一 (一 財 )日 本 船 舶 技 術 研 究協会 今津 隼馬 八木 隆義 (一社) 日本鉄鋼連盟 前原 郷治 白木 高志 長谷川 幸生 17 1 化学成分の定量方法 (一社)日本鉄鋼連盟 中峠 宏 (一社) 日本鉄鋼連盟 滝沢 佳郎 17 9 ぶりき及びぶりき原板 (一社)日本鉄鋼連盟 中村 一 (一社) 日本鉄鋼連盟 伊勢 典浩 22 32 電気・電子部品 (公社) 自動車技術会 池田 あゆみ (公社) 自動車技術会 秋山 進 22 38 モーターサイクル及びモペッ (イタリア) ト (公社) 自動車技術会 田辺 博之 24 4 粒子特性評価 (一 社 )日 本 粉 体 工 業 技 術協会 遠藤 茂寿 (米国) 28 5 軽質炭化水素流体及び非石油 (一 社 )日 本 海 事 検 定 協 由来液化ガス燃料の測定 会 土居 通夫 (一 社 )日 本 海 事 検 定 協 会 後藤 新一 繊維 (一 社 )繊 維 評 価 技 術 協 議会 ※中国とのツイニング 田中 康信 (一 社 )繊 維 評 価 技 術 協 議会 樋口 能士 (一 社 )繊 維 評 価 技 術 協 議会 ※中国とのツイニング 田中 康信 (米国) 日本ベルト工業会 ※中国とのツイニング 田中 滋泰 (オランダ) 38 38 2 洗濯、仕上げ及び防水試験方 法 41 3 コンベヤベルト 42 45 2 47 写真 (米国) 写真感光材料工業会 永田 徹 試験及び分析 (一社)日本ゴム工業会 青木 正己 (一社)日本ゴム工業会 奥山 通夫 化学 (一 社 )日 本 化 学 工 業 協 会 野中 玲子 (一 社 )日 本 化 学 工 業 協 会 吉清 元造 建築における機能・使用者要 (一 社 )建 築・ 住 宅 国 際 求並びに性能 機構 乾 英和 (一 社 )建 築・ 住 宅 国 際 機構 古瀬 敏 59 3 61 11 製品 日本プラスチック工業 連盟 伊達 眞二 日本プラスチック工業 連盟 末松 征比古 61 12 熱硬化性樹脂材料 日本プラスチック工業 連盟 栢 英則 日本プラスチック工業 連盟 末松 征比古 61 13 複合材料及び強化用繊維 日本プラスチック工業 連盟 斉藤 良 日本プラスチック工業 連盟 石川 隆司 28 Japanese Industrial Standards Committee Japanes TC SC 67 5 油井管 (一社)日本鉄鋼連盟 伊勢 典浩 (一社) 日本鉄鋼連盟 村瀬 恒夫 69 6 測定方法及び測定結果 (一財)日本規格協会 馬場 厚次 (一財) 日本規格協会 尾島 善一 69 8 新技術と製品開発のための統 (一財)日本規格協会 計的手法の応用 馬場 厚次 (一財) 日本規格協会 椿 広計 71 6 コンクリートの新しい補強材 (公 社 )日 本 コ ン ク リ ー 料 ト工学会 (公 社 )日 本 コ ン ク リ ー ト工学会 魚本 健人 71 7 コンクリート構造物の維持及 (韓国) び補修 (公 社 )日 本 コ ン ク リ ー ト工学会 上田 多門 71 8 コンクリートの環境マネジメ (公 社 )日 本 コ ン ク リ ー ント ト工学会 (公 社 )日 本 コ ン ク リ ー ト工学会 堺 孝司 79 2 アルミニウムの陽極酸化皮膜、 (一社)軽金属製品協会 有機塗料被膜及び複合被膜 日野田 悠二 (一社) 軽金属製品協会 菊池 哲 79 4 アルミニウム地金 (一 社 )日 本 ア ル ミ ニ ウ ム協会 難波江 元広 (一 社 )日 本 ア ル ミ ニ ウ ム協会 里 達雄 79 11 チタン (一社) 日本チタン協会 (一社) 日本チタン協会 萩原 益夫 91 界面活性剤 (イラン) 日本石鹸洗剤工業会 大島 広行 94 個人安全−保護衣及び保護具 (オーストラリア) (一 社 )日 本 ク レ ー ン 協 会 96 5 使用、操作及び保守 98 3 荷重・外力及びその他の作用 102 国際幹事引受団体/国際幹事 金久保 利之 野口 貴文 正木 基身 上田 春生 国際幹事引受団体/議長 (公 社 )日 本 保 安 用 品 協 会 指宿 堯嗣 (一 社 )日 本 ク レ ー ン 協 会 小林 信之 建築・住宅国際機構 加藤 秀弥 建築・住宅国際機構 神田 順 鉄鉱石及び還元鉄 (一社)日本鉄鋼連盟 坂橋 信俊 (一社) 日本鉄鋼連盟 大橋 守 (一社)日本鉄鋼連盟 阿部 隆 (オーストラリア) 102 1 サンプリング方法 106 7 オーラルケア用品 日本歯科材料器械研究 協議会 板野 守秀 日本歯科材料器械研究 協議会 中嶌 裕 106 9 歯科用CAD/CAMシステム 日本歯科材料器械研究 協議会 武者 良憲 日本歯科材料器械研究 協議会 高橋 英和 丸鋼製リンクチェーン、チェー (一 社 )日 本 産 業 機 械 工 ンスリング、構成要素部品及 業会 び付属品 郡司 裕次 (イギリス) 構成要素部品及び付属品 (一 社 )日 本 産 業 機 械 工 業会 郡司 裕次 (イギリス) 111 29 名 称 111 3 114 11 時計の精度表示 (一社) 日本時計協会 小水内 正勝 (一社) 日本時計協会 岩垂 善幸 114 12 耐磁 (一社) 日本時計協会 小水内 正勝 (一社) 日本時計協会 岩垂 善幸 122 包装 (公 社 )日 本 包 装 技 術 協 会 (一 社 )日 本 自 動 認 識 シ ステム協会 ※イランとのツイニン グ 白倉 昌 (公 社 )日 本 包 装 技 術 協 会 (一 社 )日 本 自 動 認 識 シ ステム協会 椎名 武夫 123 平軸受 (一社)日本機械学会 岡本 裕 (一社)日本機械学会 染谷 常雄 123 6 用語及び共通項目 (一社)日本機械学会 畑中 雅憲 (一社)日本機械学会 笠原 又一 123 7 特殊軸受 (一社)日本機械学会 岡本 裕 (一社)日本機械学会 田中 正 日本工業標準調査会 TC SC 名 称 127 3 機械特性・電気及び電子系・ 運用及び保全 (一 社 )日 本 建 設 機 械 施 工協会 西脇 徹郎 (一 社 )日 本 建 設 機 械 施 工協会 出浦 淑枝 131 7 密封装置 (一 社 )日 本 フ ル ー ド パ ワー工業会 千葉 誠 (一 社 )日 本 フ ル ー ド パ ワー工業会 小畑 博美 非破壊試験 (一 社 )日 本 非 破 壊 検 査 協会 荻野 裕治 (一 社 )日 本 非 破 壊 検 査 協会 羽田野 甫 漏れ試験法 (一 社 )日 本 非 破 壊 検 査 協会 土屋 武雄 (一 社 )日 本 非 破 壊 検 査 協会 大岡 紀一 流体輸送用プラスチック管、 継手及びバルブ類 日本プラスチック工業 連盟 中上 明 日本プラスチック工業 連盟 藤井 重樹 日本プラスチック工業 連盟 山内 頼高 135 135 6 138 138 8 配管系の更生 146 6 室内空気 149 1 自転車及び主要アセンブリ 150 7 再生医療機器 159 3 人体計測及び生体力学 162 164 国際幹事引受団体/国際幹事 (イギリス) (一 財 )建 材 試 験 セ ン ター (ドイツ) (一 財 )自 転 車 産 業 振 興 国際幹事引受団体/議長 田辺 新一 山田 玄一 (フランス) 中岡 竜介 (米国) (一社)日本人間工学会 小林 吉之 (一社) 日本人間工学会 持丸 正明 ドア及び窓 (一社)日本サッシ協会 伊東 勉 (一社) 日本サッシ協会 勝野 奉幸 金属の機械試験 (一財)日本規格協会 吉田 均 (一財) 日本規格協会 緒形 俊夫 高橋 進 協会 ファインセラミックス 国際標準化推進協議会 164 2 延性試験 (一財)日本規格協会 吉田 均 (一財) 日本規格協会 172 3 光学材料及び構成物 (一 社 )日 本 光 学 硝 子 工 業会 松本 宏一 (一 社 )日 本 光 学 硝 子 工 業会 173 2 用語と分類 (公 財 )テ ク ノ エ イ ド 協 会 中山 剛 173 7 アクセシブルデザイン (公財)共用品推進機構 松岡 光一 (公財) 共用品推進機構 山内 繁 195 1 コンクリート施工用機械及び (一 社 )日 本 建 設 機 械 施 装置 工協会 小倉 公彦 (一 社 )日 本 建 設 機 械 施 工協会 大村 高慶 表面化学分析 表面化学分析技術国際 標準化委員会 権太 聡 表面化学分析技術国際 標準化委員会 野中 秀彦 表面化学分析技術国際 標準化委員会 永富 隆清 201 大瀧 達朗 − 201 4 深さ方向の分析 表面化学分析技術国際 標準化委員会 高橋 和弘 201 6 二次イオン質量分析法 表面化学分析技術国際 標準化委員会 岩井 秀夫 (イギリス) 201 8 グロー放電分光法 表面化学分析技術国際 標準化委員会 柿田 和俊 (スウェーデン) 202 3 分析電子顕微法 (AEM) 表面化学分析技術国際 標準化委員会 鍛示 和利 表面化学分析技術国際 標準化委員会 亀井 一人 202 4 走査型電子顕微鏡 (SEM) 表面化学分析技術国際 標準化委員会 三田村 茂宏 表面化学分析技術国際 標準化委員会 佐藤 貢 206 ファインセラミックス ファインセラミックス 国際標準化推進協議会 阪口 修司 (韓国) 227 ばね 相羽 繁生 (ドイツ) (一社) 日本ばね工業会 30 Japanese Industrial Standards Committee Japanes TC SC 244 268 31 名 称 工業炉及び関連装置 1 スマート都市インフラ 国際幹事引受団体/国際幹事 (一社)日本工業炉協会 基準・認証イノベーショ ン技術研究組合 鈴木 豊 遠藤 功 国際幹事引受団体/議長 (一社) 日本工業炉協会 岡戸 修 基準・認証イノベーショ ン技術研究組合 市川 芳明 (公 財 )鉄 道 総 合 技 術 研 究所 西江 勇二 269 鉄道分野 (ドイツ) 281 ファインバブル技術 (一 社 )フ ァ イ ン バ ブ ル 産業会 綾 信博 (イギリス) 282 水の再利用 (一財)日本規格協会 山﨑 朋子 (イスラエル) 山﨑 朋子 (一財) 日本規格協会 鈴木 穣 長澤 有由子 (一社) 情報処理学会 三上 喜貴 木村 敏子 (一社)情報処理学会 山下 経 282 3 再生水利用システムにおける (一財)日本規格協会 リスクと性能の評価 JTC1 2 符号化文字集合 JTC1 23 情報交換及び保存用ディジタ (一社)情報処理学会 ル記録再生媒体 JTC1 28 オフィス機器 JTC1 29 音声、画像、マルチメディア、 ハイパーメディア情報符号化 (一社)情報処理学会 渡辺 真史 (一社)情報処理学会 JTC1 34 文書の記述と処理の言語 (一社) 情報処理学会 木村 敏子 (韓国) (一社)情報処理学会 (一 社 )ビ ジ ネ ス 機 械・ 情報システム産業協会 伊藤 丘 (一 社 )ビ ジ ネ ス 機 械・ 情報システム産業協会 斎藤 輝 浅井 光太郎 日本工業標準調査会 IEC国際幹事・議長リスト TC SC/TA 名 称 国際幹事引受団体/国際幹事 ACTAD (電力送配電諮問委員 会) 国際幹事引受団体/議長 IEC活動推進会議事務局 (APC) − 3 C 機器・装置用図記号 (一財)日本規格協会 3 D 電気・電子技術分野のメタデー タライブラリ (ドイツ) (一 社 )電 子 情 報 通 信 学 会 村山 廣 34 B ランプ類口金・受金・ゲージ 及びソケット (ドイツ) (一社) 日本照明工業会 杉山 謙二 一次電池 (一社)電池工業会 石田 努 (米国) 35 関 喜一 池田 久利 (フィンランド) 47 A 集積回路 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 福場 義憲 (イギリス) 47 D 半導体パッケージ (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 吉田 浩芳 (米国) 47 E 個別半導体デバイス (韓国) 47 F MEMS(微小電気機械システ ム) (一 財 )マ イ ク ロ マ シ ン センター 48 D 機械的構造 (ドイツ) 49 周波数制御・選択・検出デバ イス (一 社 )電 子 情 報 通 信 学 会 岡崎 正喜 (米国) 51 磁性部品及びフェライト材料 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 只野 時夫 (米国) (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 竹内 南 大和田 邦樹 (韓国) (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 杉浦 伸明 61 B 電子レンジの安全性 (スイス) (一社)日本電機工業会 佐々木 宏 61 C 電気冷蔵庫の安全性 (ドイツ) (一社)日本電機工業会 佐々木 宏 電磁両立性 (ドイツ) (一社)電気学会 大崎 博之 77 86 B 光ファイバ接続デバイス及び (一 社 )電 子 情 報 通 信 学 光受動部品 会 冨田 茂 (ベルギー) 90 超電導 (公 財 )国 際 超 電 導 産 業 技術研究センター 藤上 純 (フランス) 91 電子実装技術 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 岡本 正英 (イギリス) オーディオ・ビデオ・マルチ メディアシステム及び機器 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 江崎 正 (米国) TA1 放送用エンドユーザー機器 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 長谷部 浩一 TA2 色彩計測及び管理 (米国) TA6 ストレージ媒体・データ構造・ 機器・システム (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 TA8 マ ル チ メ デ ィ ア ホ ー ム サ ー (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 バーシステム 業協会 100 (フィンランド) (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 杉浦 博明 塚田 幸司 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 大高 秀樹 榊原 宏紀 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 松村 秀一 32 Japanese Industrial Standards Committee Japanes TC 33 SC/TA 名 称 国際幹事引受団体/国際幹事 国際幹事引受団体/議長 TA9 エンドユーザーネットワーク (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 用AVマ ル チ メ デ ィ ア ア プ リ 業協会 ケーション 中 勝義 (米国) TA10 マルチメディア電子出版及び (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 電子書籍 業協会 成井 良久 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 植村 八潮 TA11 AVマルチメディアシステム のクオリティ (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 由雄 淳一 TA12 エネルギー効率及びスマート (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 グリッド応用 業協会 井口 敏祐 TA13 AV、ICT機器の環境 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 成岡 剛 − TA14 PCインターフェイスと測定 方法 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 榊原 宏紀 (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 松村 秀一 105 燃料電池 (ドイツ) (一社) 日本電機工業会 上野 文雄 110 フラットパネルディスプレイ 111 電気・電子機器、システムの 環境規格 (イタリア) 120 電気エネルギー貯蔵システム (一社)電気学会 林 秀樹 (ドイツ) 122 UHV交流送電システム (一社)電気学会 財満 英一 (中国) (イギリス) (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 芝原 嘉彦 (米国) (中国) (一 社 )電 子 情 報 技 術 産 業協会 CIS PR B 工業用、科学用および医療用 高周波利用設備並びに架空送 電線、高電圧機器および電気 鉄道からの妨害 総務省電波環境課 林 亮司 (ドイツ) CIS PR I 情報技術装置、マルチメディ ア機器および放送用受信機に 関するEMC 総務省電波環境課 堀 和行 (イギリス) 市川 芳明 日本工業標準調査会 5 国際協力の取組 JISC及び経済産業省基準認証ユニットでは、欧州・アジア等各国との間で、二国間の定 期協議等をはじめ国際標準化活動等における協力関係の醸成等を目的とした様々な取組を 行っております。 5−1 欧州地域との協力関係 ●CEN (欧州標準化委員会)/CENELEC (欧州電気標準化委員会)/JISC協力協定 欧州の電気電子分野における地域標準化機関である欧州電気標準化委員会 (CENELEC)と の間では、1996年から定期的 (年1回)に情報交換会を実施し、さらに2005年10月には、 両機関による協力関係の更なる強化を目的とした覚書(MOU)を締結し、CENELECの規格 作成状況に関する情報の交換など、包括的な協力関係を構築してきました。 一方、ISOに対応する分野の欧州地域での標準化を推進する欧州標準化委員会(CEN)との 間では、2008年6月に両機関の協力関係構築を目的とした覚書(MOU)を締結し、CENの 規格作成状況に関する情報の交換など、包括的な協力関係を構築してきました。 2013年11月、第18回JISC−CENELEC事務局間会合・第6回JISC−CEN事務局間会 合の際、欧州側より、2010年にCENとCENELECの事務局部門が共通化されたこと、また CENELECとの覚書締結から10年が経過することによる協力内容の見直しの必要性を背景 に、両地域の標準化機関間のより一層の協力関係を構築することを目的に、両協力文書の一 本化の要望がありました。これを受け、2014年11月にこれまで不明確であった手続関係 を明確化すること等によりこれまでの協力関係をより強固なものとするCEN/CENELEC/ JISC協力協定を締結しました。 2014年は、数次にわたり事務局間会合を開催し、新たな協力協定の締結に向けた調整や 今後の協力関係の方向性について意見交換を行った他、個別分野では、鉄道システム、スマー トグリッド、ICT(情報通信技術)、アクセシビリティに関して、それぞれ欧州側専門家との 間で情報交換のためのワーキンググループが開催されました。 ◆日EU基準認証ワーキンググループ<政府間協議> 経済産業審議官及び欧州委員会成長総局長を両国議長とする日EU産業政策対話の下、 両国の基準認証政策等に係る意見交換を行うべく日EU基準認証WGが設置され、以来こ れまで計17回の会合を開催しております。 直近の第17回会合は2015年2月に開催され、双方の近年の基準認証政策、AAL、 CO2排出量測定方法の規格等に係る情報交換を行いました。 34 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 5−2 中国・韓国との協力関係 (1)日中韓3カ国での協力 北東アジア(日中韓)標準協力フォーラムは、日中韓3カ国の標準化活動における連携強化 及び個別分野での協力の推進を目的に、各国標準化機関等の出席の下(我が国からはJISC及 びJSA)、2002年以降毎年開催しており、2013年7月には、第12回会合を日本/北九州 にて、2014年6月には第13回会合を韓国にて開催しました。 また、産業界による取り組みとして、電子・情報・通信の各産業分野等における国際標準 化の必要性の高まりを受け、日中韓の各国における国際標準化活動の協調を図るべく、各国 の関連工業会、民間企業などが一体となり、2007年11月にCJK−SITE (日中韓情報電子 国際標準化フォーラム)を設立しました。同フォーラムは各国の産学関係者により構成され、 各国共通に関心を有する個別分野毎の議論や新たな協力分野に関する議論を行い、その後の 連携活動に繋げています。2010年11月の中国深圳の第4回総会では、北東アジア標準協 力フォーラムとの連携強化のあり方も議論し、試験的に2011年総会からは、北東アジア標 準協力フォーラムとの同時期、同場所での開催を合意しました。日本でも2013年7月の第 7回総会 (北九州)では同時開催とすることで、協調関係を更に深めてきています。 (2)日韓基準認証定期協議 韓国との間では、1979年より両国の基準認証政策に関する情報交換、ISO/IEC等国際標 準化活動に係る課題及び個別分野の標準化活動における協力・連携等を目的に毎年定期協議 を実施しており、協議には政府関係者のほか、両国の民間団体・産業界を中心としたISO/ IEC関係者が参加しています。 北東アジア標準協力フォーラムにあわせて、2013年7月には第32回会合を日本/北九 州にて、2014年7月には第33回を韓国/慶州にて開催し、両国の基準認証分野における 関連政策・活動及びISO/IEC等国際標準化活動における個別分野の協力に関する意見交換を 行いました。 (3)日中標準化協力ダイアログ 経済産業省と国家質量監督検験検疫総局 (AQSIQ)の間で2007年4月に締結されたMOU を踏まえ、ISO/IEC等国際標準化活動における協力等につき意見交換を実施しています。 北東アジア標準協力フォーラムにあわせて、2013年7月には第6回会合を日本/北九州 にて、2014年7月には第7回を韓国/慶州にて開催し、両国の基準認証分野における関連 政策・活動及びISO/IEC等国際標準化活動における個別分野の協力に関する意見交換を行い ました。 5−3 アジア太平洋地域における協力関係 (1)PASC (太平洋地域標準会議) アジア太平洋地域等、非欧州の23カ国の国家標準化機関から構成されるPASCは、ISO/ IEC等の国際標準化活動における環太平洋地域の連携強化、参加促進を目的とし、1972 年に米国の提唱により発足しました。JISCは、2008年から2期6年間(1期目:2008∼ 35 日本工業標準調査会 2011年、2期目:2011∼ 2013年) にわたりPASC事務局を務めました。2013年は第36 回総会がハワイ・ホノルルにて、2014年は第37回総会がマレーシア・クアラルンプール で開催されました。両総会では、各メンバーの代表が国際標準化機関等の代表を交え、ISO/ IEC等の最近の国際標準化活動の動向及び個別重点分野について情報交換等を行いました。 (2)JISC/IEC/APSG人材育成セミナー (APSGセミナー) APSGセミナーは、アジア太平洋地域におけるIEC国際標準化活動の活性化、アジア地域 発のIEC国際標準提案、IECの国際会議に出席して議論することのできるエキスパートの養 成及びエキスパートを支援する各国国内関係者育成等を目的として、2002年より毎年1回 開催しています。セミナーは、日本のIEC国際標準エキスパートが講師となり、IEC国際標 準の審議状況やIEC国際標準化活動のメリットなどを説明しています。直近では2015年1 月に「標準と適合性評価」をセミナーのテーマとし、ジャカルタにて開催しています。 (3)APEC/SCSC (基準・適合性小委員会) APEC/SCSCは、1994年より発足し、毎年2回の頻度で開催しています。SCSCは、 国際規格への整合化、適合性評価の相互承認、透明性、技術インフラ整備を主要なテーマと して、それぞれ個別分野のプロジェクトにて議論及び活動を進めています。2013年はイン ドネシアが議長国として、6月にメダンにてSCSC総会が開催され、スマートグリッド、太 陽光発電、グリーンビルディング、ワイン規制などのプロジェクトについて報告されました。 2014年は中国が議長国として、2月に寧波及び8月に北京にてSCSC総会が開催され、良 き規制慣行(GRP)や食品安全協力フォーラムなどについて報告されました。2015年はフィ リピンが議長国として、2月にクラークにてSCSC総会が開催されました。 5−4 アジアの国々との協力 これまでJISCは、アジア諸国の国際標準化活動への積極的な参加を促進することを目的 とした技術協力や日本と連携した国際標準開発などを実行してきました。 特に2013年は日アセアン友好協力40周年であることなどを踏まえ、今後のマルチの基 になる二国間協力のあり方を見直し、アセアン各国と二国間協議を開始し、アジア諸国との 一層の連携強化として、二国間での標準協力関係を強化するため、2013年8月にベトナム、 2014年1月にインド、9月にインドネシアと、標準化・認証政策に関する情報交換、ISO/ IECにおける協力、国際標準の共同開発、人材育成等を内容とする標準化・認証協力文書へ の署名を行い協力関係の深化を図りました。 写真左:ベトナムの標準化機関STAMEQとの協力文書署名時 写真中:インドの標準化機関BISとの協力文書署名時 写真右:インドネシアの標準化機関BSNとの協力文書署名時 36 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 6 人材育成 標準化活動においても、その活動を担う人材を育成することが重要であることは言うまで もありません。経済産業省では、以下のような人材育成メニューを実施しています。 (1)企業人材向け 経済産業省は、国際標準化活動を推進する上で、 日本から提案する標準化案を各国に賛同させるよう な交渉力及びマネージメント力を兼ね備えた次世代 の人材育成を目的に、2012年からIEC分野のヤン グプロフェッショナル・ジャパン講座を計4期実施 し、68名が修了しています。また2014年から、 ISO分野の人材育成を目的として、ISO国際標準化 人 材 育 成 講 座 を 実 施 し、 第1期(2014年12月 ∼ 2015年2月) では16名が修了しています。 ヤングプロフェッショナル・ジャパン講座風景 ヤングプロフェッショナル・ジャパン第4期講座風景 ◆ヤングプロフェッショナル・ジャパン講座とは 国際標準化戦略に関する内容のみならず、交渉術 (人や組織の動かし方等) 、ビジネス ツールとしての英語についても講義を実施する若手標準化人材養成講座です。 元IEC/SMB (国際電気標準会議/標準管理評議会)委員の原田節雄氏が講師を務め、 IEC分野ではこれまでに関係企業の若手社員を対象に、国際標準化の概要や規格開発等の 技術的事業の講義、英語力・国際交渉力のトレーニング等を実施しました。2014年11 月に開催された「IEC東京大会」では、修了生を含む、国内外30カ国以上、約100名の IEC関係企業又は団体の若手職員によるワークショップ等も行われました。 37 日本工業標準調査会 (2)大学生、大学院生等向け 経済産業省は、将来、企業人材、国際標準化専門家、研究 者になりうる人材を育成すべく、大学における標準化教育導 入・実施の支援をしました。2013年度には、東京理科大 学、電気通信大学、日本大学、同志社大学、名古屋工業大学、 九州大学総合理工学研究院博士課程教育リーディング大学院 (計6校) 、さらに2014年度には、慶應義塾大学、東京理科 大学、電気通信大学、日本大学、同志社大学(計5校)にて、 標準化に関する講座の実施の支援をしました。 このほか、経済産業省の職員を講師として派遣し、早稲田 大学等で標準化に関する講座を実施しています。 2015年度以降も、経済産業省は、これまでに作成した教 材の更なる活用、大学・大学院での標準化教育の拡大を目指 していきます。 (3)小・中・高・高専生向け 小・中・高・高専生向けには、経済産業省及び一般財団法 人日本規格協会は、学校に講師を派遣して、身の回りにある 標準化や社会に役立つ標準化について学び、理解することが できる標準化教室を開催しています。 2013年度には、国立和歌山工業高等専門学校、国立鹿児 島工業高等専門学校、国立沖縄工業高等専門学校、神奈川県 立横須賀大津高等学校、大分県立森高等学校、淑徳巣鴨高等 学校・中学校、豊島区立千川中学校、神奈川県横浜市立新井 中学校、埼玉県神川町立青柳小学校 (計10校)にて実施しま した。 2014年度には、国立鹿児島工業高等専門学校、国立沖縄 工業高等専門学校、愛知県半田市立成岩中学校、岡山県倉敷 市立南中学校、埼玉県川口市立戸塚東小学校(計5校)にて実 施しました。 2015年度以降も、小・中・高・高専生の標準化について の学びや理解を促進するため、標準化教室を開催していきます。 大学における講義風景 標準化教室の風景 38 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 7 消費者ニーズへの対応 標準化は産業界のみならず、ユーザーや中立的な 学識経験者によるコンセンサスにより形成され、特 に消費財といった分野にあっては、標準化のステー クホルダーとして消費者の声は欠かせません。 ISOにおいては、理事会の下にISO/COPOLCO (消費者政策委員会)を設置し、消費者が標準化活動 に参加する意義・メリットを伝えるとともに、消費 者ニーズから派生した規格開発の提案を行っていま す。 日本においても、ISOと同様に消費者の標準化へ の参画を促すための施策等を審議する目的で、JISC の中に消費者政策委員会を設置しています。また、 消費者の標準化への参画を促すための施策として、 消費者に対する標準化知識の普及を図るべく、消費 者団体等と協力し、標準化セミナーを行いました。 2013年度は、全国15カ所で開催(延べ約1,000名 が参加) 、2014年度は、全国17カ所で開催 (延べ 約1,300名が参加)し、「標準化/規格とは何か」、 消費者セミナーの様子 「JISの概要」 、消費者の要望を受けてJIS開発を行っ た「子ども服に附属するひもの安全性JIS」及び消費生活上で関連の深い「繊維製品の洗濯 表示記号JIS」について説明を行いました。更に、JISの普及・啓発のための適切なツール のあり方や内容等についても、 消費者から多くの意見、 アドバイスを伺い活動に反映しました。 なお、現在、消費者からの標準化 (JIS化)ニーズが特に強かった以下3テーマについて、 JIS化に向けて鋭意取り組んでいます。 子ども用衣料の安全性−子ども用衣料に附属するひもの要求事項 (JIS L4129(ヨイフク) ) ブラインドひも等の安全性(子どもの安全)に関するJIS化 ISO/IECガイド50(子どもの安全の指針) に関するJIS化 ◆ISO/IECガイド50とは 子供が使用又は接触することのある製品、プロセス又はサービスによる、子供にとっ て意図しない身体的危害 (危険源)の潜在的根源に対応するための枠組みを提供するもの で、規格開発の際に考慮すべき点が記載されております。 特に、 「子供の安全に関する一般的アプローチ」は、ISO/IECガイド51のリスクアセ スメント等を基礎に、さらに子供特有の要因を考慮したものでなければならないことを 記載しています。 39 日本工業標準調査会 8 知的基盤の整備及び利用促進 我が国の国際競争力の維持・強化、イノベーション促進、企業活動の信頼性向上、中堅・ 中小企業のものづくり基盤、国民生活の安全・安心の確保等を図るため、計量標準、微生物 遺伝資源、地質情報等の「知的基盤」は、国の公共財として、国民生活や社会経済活動を幅 広く支えています。 知的基盤の整備は、道路や橋といった社会資本(ハードインフラ)と同様、国の責務として 整備すべきソフトインフラですが、その成果の利用や便益を多くの国民や企業等が直接意識 する機会が少ないことから、知名度は低く、重要性及び必要性が広く理解されていない面が ありました。 我が国の知的基盤は、これまで、第2期科学技術基本計画 (平成13年3月30日閣議決定) に基づき策定した第1期知的基盤整備計画 (平成13年∼平成22年)によって、世界最高の水 準の整備目標を達成することができました。 さらに、第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定)に基づく第2期知的基盤 整備計画(平成23年∼平成32年)においては、量だけでなく質の充実を重視し、多様な利用 者ニーズに応えるための新たな知的基盤整備を推進しています。 この第2期知的基盤整備計画は、JISCと産業構造審議会の合同会議である知的基盤整備専 門委員会(前委員長:北澤 宏一 独立行政法人科学技術振興機構顧問、現委員長:日髙 邦彦 東京大学大学院 教授)において、審議、策定され、 「ユーザーの視点に立った、わかりやす く使いやすい、新たな知的基盤の利用のあり方」として、「新たな知的基盤の整備及び具体 的な利用促進方策」を実施するとともに、PDCAサイクルを稼働させながら活動を行ってい るところです。 40 Japanese Industrial Standards Committee Japanes 9 経済産業省の標準化関連予算 経済産業省では、経済のグローバル化の進展に伴う国際標準獲得の重要性の拡大、国民ニー ズの多様化や技術進歩への的確な対応の必要性等を踏まえ、我が国産業の競争力の強化につ ながる国際標準化を戦略的に推進するための予算措置を実施しています。 平成26年度及び平成27年度の経済産業省の主な標準化関連予算は以下のとおりです。 1.戦略的な国際標準化の推進 42.3億円 (38.4億円) ( )内の金額は平成26年度予算 (1)戦略的な国際標準化への対応と認証基盤の強化 戦略的国際標準化加速事業 14.9億円(14.8億円) 省エネルギー等国際標準化・普及基盤事業(エネ特) 20.0億円(20.0億円) 新エネルギー等国際標準化・普及基盤事業(エネ特) 3.5億円 ( 新 規 ) 国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議 (IEC)分担金等 2.9億円 ( 2.5億円) (2)アジア新興国等との連携強化 アジア基準認証推進事業 1.0億円( 1.0億円) 2.産業競争力強化に資する国内標準の整備 5.0億円 (3.0億円) ( )内の金額は平成26年度予算 高機能JIS等整備事業 5.0億円 ( 3.0億円) 本活動報告は、2015年3月末時点の情報 (同時点以降の情報について記載し得るものを含む)により取りまとめています。 41 日本工業標準調査会 基準認証政策の歩み2015 ∼戦略的な標準の推進に向けて∼ 日本工業標準調査会(JISC)事務局 経済産業省産業技術環境局基準認証政策課 〒100−8901 東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 TEL 03−3501−9232 FAX 03−3580−1418 URL http://www.jisc.go.jp 42 日本工業標準調査会
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