「あったか言葉で心をつなごう」と設定しました。

富士 市立吉原小 学 校
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平成27年度重点目標に関して
子どもたちが様々な学習や行事などを通して学校生活を真に楽しみ、個々のもてる力を
伸長していくためには、教師・保護者が子どもたちの良さに気付き、肯定的に子ども理解
し、温かいまなざしで子どもたちを支援していくことが大切であると考えました。子ども
たちはあたたかな言葉が交わされる環境の中で、自他の良さを認め合い、励まし合い、支
え合い、切磋琢磨し合いながら成長していくと考えたのです。
そこで平成26年度は、教育目標「いい顔 いい動き」の具現化にあたり、重点目標を「あ
ったか言葉で語り合おう」と設定し、「心づくり」、「学びづくり」、「体づくり」の三つの
場で様々な具体策を講じ、取り組んできました。
その結果、授業や行事中の「あったか言葉」は大変目立つようになり、一定の成果が確
認できたのですが、休み時間や家庭・地域の様子を見ていると、まだまだ言動の荒さが気
になるという意見が多く寄せられました。学習や学校生活のルールとして丁寧な言葉遣い
ができていても、仲間を大切にしようという心が育っていないために、家庭や地域への広
がりが見られないというのが、昨年度から引き続いて大きな課題として残ったのです。
そこで、平成27年度の重点目標を
「あったか言葉で心をつなごう」と設定しました。
「徳」(心づくり)、「知」(学びづくり、主となるのは授業)、「体」(体づくり)の三つ
の場で、「仲間づくり」をテーマに粘り強く工夫した手立てを講じ、あたたかな心を育て
ていきましょう。また、家庭との連携も更に強め、学校のルールとしてのあったか言葉で
はなく、真に相手のことを思いやっての温かな言葉が言えたり、行動ができる子どもを育
てていきましょう。
徳(心づくり)
教室内で行われる「あったか言葉」のキャッチボールの中で、自他を認め合い、支
え合い、高め合える人間関係が築かれていきます。すると子どもたちは、教室に自分
の居場所を見つけ、一人一人がもっている能力や資質、感性等を学校生活の様々な場
面で伸び伸びと発揮し始めます。そんな一人一人がもつその子らしさを、みんなが温
かく認め合う関係ができれば、子どもたちは目標や目的に向けて自信をもって物事に
取り組むようになるし、毎日の学校生活が楽しく充実したものになるはずです。そし
て、その過程の中で、自らを律し、相手の立場を思いやり、他人と協調できる心情や
態度も育っていくはずです。自分の良さを自覚しつつ、相手の良さも思いやれるあた
たかな心づくりが全ての教育活動の基本になるのです。あたたかな心でつながる仲間
づくりを目指して粘り強く取り組んでいきましょう。
◎仲間と楽しく生活できる。 ………………………………【数値目標A60%、B30%】
◇自分の心の中を見つめる道徳の授業を実践する。
◇相手意識を育てる人権教育に積極的に取り組む。
◇心を磨く清掃活動で「がまん玉・しんせつ玉・みつけ玉」を磨く。
◇心をつなぐあいさつ運動を継続する。
◇正しい「廊下の歩行」の指導を通して、自分の命を大切にする心を育てる。
◇係活動・委員会活動を通してみんなのために働く喜びを実感させる。
◇縦割り活動を通して仲間の輪を広げる。
◇学級会活動等を通して、自治的な意識を高める。
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知(学びづくり)
分からないことをそのままにしない
「あったか言葉で心をつなぐ」ための第一歩は、人の話をしっかり聴くことから始
まります。その際大切なのは、『分からないことをそのままにしない』という聴き方
です。「分からない。」というのは、しっかり聴いているから出てくる言葉でありま
す。その人の考えを理解したい、大切にしたいという思いから出てくる言葉なのです。
また、「分からない。」という意思表示をみんなの前ですることは、大変勇気がい
ることです。だから、だれもがみんなの前で「分からない」と言える学級には、いじ
めは存在しないはずです。一人の分からないことにみんなで寄り添える学級には、
「あ
りがとう」の気持ちがたくさん溢れているはずです。だから、分からないことをその
ままにしない子どもを育てていきましょう。分からないことを大切にする学級づくり
をしていきましょう。
友達と想いや考えをつなげる授業
学校生活の中で自分の思いを上手く伝えることができず、つい暴言を吐いてしまっ
たり暴力に訴えてしまったりする子どもが見受けられます。こうした子どもたちに、
授業での話し合い活動はとても大切な意味をもっています。話し合いの中で自分の想
いと友達と想いや考えをつなげて考えていく訓練をすることで、コミュニケーション
能力を向上させるのです。そこで本年度も、研修主題を「つなぎ深まる授業の創造」
と設定し、それぞれの子どもの考えが「つがなる」ことに重点を置いた授業づくりに
取り組んでいきます。平野朝久先生をお招きしての校内研修も引き続き実施し、子ど
もをより深く理解する力を付けていきます。
ダイナミックな単元構想や子どもの思いを上手に引き出した学習問題の設定、追求
を深めるための教師のかかわり等について研修を深め、あったか言葉で想いがつなが
る授業の具現化を図っていきましょう。
確かな学力の育成
本校の児童は複雑な家庭事情を抱えており、それが学力定着の二極化を生み出す一
つの要因となっています。こうした学習環境に恵まれない子どもたちに習熟度別学習
やT・Tによる学習の場を提供したり、指導方法の工夫改善をしたりすることで「で
きる喜び」を実感させ、学びへの意欲付けを図っていきましょう。更に「家庭学習の
手引き」を活用して、家庭学習の習慣化を図り、意欲の高まりを確かな学習の伸びに
つなげ、子どもたちの自信を大きく膨らませていきましょう。また、4月と1月に実
施する定着度調査の結果をしっかり分析し、子どもの実態を把握すると同時に、自ら
の指導方法の見直しを行い、一人一人の確実な基礎学力の定着に結び付けていきまし
ょう。
◎仲間と楽しく学び合うことができる。 …………………【数値目標A30%、B50%】
つなぎ深まる授業の創造
◇確かな見取りと適切なかかわり方で「つなぎ深まる授業」を具現化する。
◇つぶやき、発言、表情、行動、ノート等から子どもの「分からない」を理解する。
◇体験学習や話し合いの場面を効果的に取り入れた単元構想で問題解決学習に取
り組む。
確かな学力の育成
◇「付けたい力の明確化」と「付けたい力の見届け」を意識した授業を実践する。
◇子どもの実態に応じた習熟度別学習を積極的に実施する。
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◇全学年による年2回の「定着度調査」の実施し、授業改善に生かす。
◇家庭学習の手引きを活用し、家庭学習の習慣化を図る。
特色ある教育の推進
◇特別支援教育の理念を生かし、一人一人の子どもに応じた支援を行う。
◇地域学習に積極的に取り組む。
体(体づくり)
前学年の記録を参考に、自ら目標を立て、目標達成のために主体的に運動に取り組
むよう働きかけていきましょう。また、毎日のトレーニングが記録の伸びにつながる
ことを実感させ、継続して取り組むよう支援していきましょう。更に、仲間の一緒に
なって取り組む楽しさを実感させ、
「あったか言葉」で支え合いがんばれるような「仲
間づくり」を利用した支援をしていきましょう。
また、「運動量の確保」と「仲間づくり」の観点から体育の授業を見直し、改善を
図り、バランスの取れた体づくりをしていきましょう。
更に、体づくりの基本として基本的な生活習慣(食事・着衣・清潔・排泄・睡眠)
の確立が大変重要であることを理解させましょう。保護者に粘り強く働きかけ家庭に
おける生活時間の見直し(テレビの視聴やゲームの時間等)や食育の指導なども併せ
て行っていきましょう。
◎仲間と楽しく運動ができる。 ……………………………【数値目標A30%、B50%】
◇朝運動の習慣化を図る。(新体力テストに向け、目標を意識し毎日運動する)
◇運動量と仲間づくりを意識した体育の授業を実践する。
◇学級の体力アップコンテストへの挑戦を支援する。
◇ノーテレビ・ノーゲームデーを実施する。
◇基本的な生活プランを作成する。
(就寝・起床時刻の見直し、睡眠時間を十分に確保。登校時間を守る。
食事の時刻や仕方を見直す。)