2015年度・講義スケジュール 2015年度 神経行動学 第1回 イントロダクション 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 講義資料 第7回 http://www.brain.rcast.u-tokyo.ac.jp 第8回 Password: ne15 第9回 神崎 亮平 東京大学 先端科学技術研究センター Research Center for Advanced Science and Technology 講義内容 第10回 第11回 4月10日(金)イントロダクション 4月17日(金)動物の行動のしくみ1 4月24日(金)動物の行動のしくみ2 5月 1日(金)ニューロンの構造と機能1 5月 8日(金)ニューロンの構造と機能2 5月15日(金)休講(五月祭準備) 5月22日(金)神経行動学研究の実際1 安藤規泰「楽しい行動実験」 5月29日(金)神経行動学研究の実際2 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理機構の分析」 6月 5日(金)神経行動学研究の実際3 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 6月12日(金)神経行動学研究の実際4 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 6月19日(金)休講 6月26日(金)休講 7月 3日(金)休講 7月10日(金)神経行動学のまとめ 7月19日(金)試験 講義内容 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 動物の行動 動物の環境適応 環境に応じて適切に行動する能力をもつ 時々刻々と変化する環境に 適応する能力は動物の もっとも重要な機能 出典:放送大学,移動知,nerve,神崎研究室 (出展:移動知,放送大学) 神経行動学 システム Neuroethology システム工学からの定義 動物行動学 + 神経生理学 → 神経行動学 Ethology Neurophysiology Neuroethology 神経生理学と行動学の融合 神経行動学は,動物の自然状態での行動 を中枢神経系がどのように制御しているか をシステマティックに理解しようとするもの. 生物学 神経行動学 工学 ロボティクス 1. 二つ以上の要素から成り立っている 2. 各要素は互いに定められた機能を果たす 3. 全体として目的をもっている 4. 単 に 状 態 と し て 存 在 す る だ け で な く , 時間的な流れを持っている 複数の要素が有機的に関係し合って, 相互作用を通して全体としてまとまった 機能を発現している要素の集まり これまでのシステム 新しいシステム 1990年ごろから,インターネットやロボットなど の新しいシステムの登場 『サイバネティックス-動物と機械 における制御と通信』(1948)(ノー バート・ウィナー):システムをサイ エンスの対象として本格的に取り 上げた最初. 周りの環境に対して適応性をもつことが重要. 変化に対して柔軟に対処できることが重要. 安定と効率ではなく,変化と適応.(普遍性を求めると,多 Norbert Wiener (1894-1964) 様性,多義性,個性,文脈依存性が無視される.) フィードバック機構により,安定に動作し,最適な特 性,効率のよいシステムを求めた.同じ環境に置か れれば常に同じ応答を示すことが重要 環境との相互作用.状況や場所的な経過の流れ, システムの時間的・空間的な依存性(文脈依存性) を重視. 環境の変動を外乱とみなし,システムへの影響を最 小限に抑え,長期間同じ特性を維持することが重要. 神経系(神経と脳)に対する関心. システムとしての脳 感覚・脳・行動から生まれる環境適応(知能) 並列分散性:並列に働く多くの神経回路を構成. 素子(ニューロン)の処理速度は遅いが,全体と してリアルタイム性をもつ. 非プログラム性:内的表象(内部モデル)に基づ いた行動の発現(フィードフォワード制御、アルゴ リズムの獲得) 開放性:開かれたシステム.環境・身体との相互 作用によって機能が創発される. 知能(適応能)を獲得 認知過程 感覚器 脳 反射 プログラム行動 情動過程 記憶過程 情動行動 反射過程 本能過程 認知行動 P.D.マクリーン (Paul D. MacLean) の「内臓脳」/ 「辺縁系」と「三型階層性脳」説 身 体 (行 動) 感覚・脳と身体と環境との相互作用 環 境 (相互作用) 工学における“知能(環境適応)”の考え方 工学における“知能(環境適応)”の考え方 「知能」(広辞苑):環境に対する適応能力(環境に 適応して新しい問題・状況に対処する知的機能) 「知能」(広辞苑):環境に対する適応能力(環境に 適応して新しい問題・状況に対処する知的機能) 知能は機能であり,働きや作用を意味する. 知能は「知識(データベース)」とは異なる. 知能は,経験を通して形成される. 知能の実現:知能ロボットの動作計画 知能ロボット アクション プランニング モデリング センシング 機能分散型 直列型 逐次型 知能は機能であり,働きや作用を意味する. 知能は「知識(データベース)」とは異なる. 知能は,経験を通して形成される. 知能 知覚 行動 環境 知能(環境適応)研究の難しさ 記号着地問題 symbol grounding problem 記号着地問題 symbol grounding problem 論理的に考えるには事物を記号で表さなく てはならないが,実世界の実体を記号で表す ことは困難 枠問題 frame-of-reference problem 実世界では,検索すべきデータが無限にある 論理的に考えるには事物を記号で表さなくてはならない が,実世界の実体を記号で表すことは困難 過去100年の主要な神経科学研究の年表 枠問題 frame-of-reference problem 構造 現象 機能 実世界では,検索すべきデータが無限にある 神経科学のサイエンスとしての難しさ 理論 予測 理論 観測 データ これまでの科学 (Normal Science) 知能(環境適応)の記述の問題 理論 シミュレーション 実験 分子 機能 刺激 生理学データ 組織学データ 行動学データ ・ ・ ・ 神経科学 Jeff Hawkins. 2003 TED 生物 (脳) 行動 ブラックボックスとして生物(脳)を扱い.入出力の関係か ら生物(脳)のモデルを作り,内部を推定しても,その正しさ を検証できないと,知能(環境適応)は記述できない. 適応行動の発現機構の解明の方策 1.動物の行動(運動)は全て 筋肉の収縮と弛緩の組み合わせ 適応行動の発現機構の解明の方策 行動は単一神経の活動の統合された 結果として生じる 2.筋肉は運動神経によって支配され コントロールされる ボトムアップ(構成論)は有効か? 3.運動神経は中枢神経系の情報処理の 結果として司令される 感覚・脳・行動のしくみが理解できるか? 4.中枢神経系は神経回路によって構成される 神経行動学(Neuroethology) 行動学(Ethology)+神経生理学(Neurophysiology) 5.神経回路は単一のニューロンの組み合わせ からなる モデル系生物の利用と比較神経科学 モデル系:動物の系統と脳の進化 モデル系:動物の系統と脳の進化 刺胞動物 オワンクラゲ 出典:放送大学,移動知,nerve,神崎研究室 時々刻々と変化する環境に適応する能力は動物のもっとも重要な機能 脳をつくるニューロンの形やはたらきは昆虫・哺乳類をとおして共通. さまざまな動物の脳 大脳(1) 小脳(4) 脳幹(2,3,5) (延髄・橋・中脳・間脳) 脳の階層的な構成 新哺乳類脳:新皮質 認知過程 認知過程 旧哺乳類脳:辺縁系 情動過程・記憶過程 情動過程 記憶過程 反射過程 本能過程 原始爬虫類脳:脳幹 反射的過程・本能過程 P.D.マクリーン (Paul D. MacLean) の 「内臓脳」/「辺縁系」と 「三型階層性脳」説 脳の階層的な構成 モデル系 モデル系を用いる理由 その生物自体の行動の神経基盤を明らかにするというの ではなく,多数の種で当てはまる原則を解明するのが,モ デル系を用いる意義. 動物が直面する問題に対する解決策は進化の早い段階で 編み出せれているので,その神経機構は種が違っても相同 であることが多い(例:神経興奮の基盤:ヤリイカ,記憶学習 の基盤:アメフラシ). ヤリイカ 出典:脳神経生物学 岩波書店 アメフラシ 出展:BBC 出展:HHMI モデル系 ナショナルバイオリソースプロジェクト http://www.nbrp.jp/ ナショナルバイオリソースプロジェクト ライフサイエンスの研究に広く用いられる 実験材料としてのバイオリソース(実験動 植物,細胞,DNAなどの遺伝子材料(生物遺 伝資源))のうち,国が特に重要と認めたも のについて,体系的な収集,保存,提供体制 を整備することを目的とした国家プロジェ クト. モデル系を使用するメリット 脳への入力と出力信号が明瞭なモデル脳 1.脳に対する入力と出力の対応が明瞭 脳への嗅覚情報の入力と行動出力信号 カイコガ ♂ ♀ 感覚入力 脳 • • • • 反射 定型的行動パターン 学習行動 情動行動 運動出力 20 m 2. さまざまなレベルからの分析・アプローチが可能 GFPを発現させた嗅覚受容細胞.受容細 胞の活動はスパイクレベルで制御できる GFPmarked Neuron 遺伝子 嗅覚受容細胞の脳内投射部位 脳から行動指令情報を 伝達する同定ニューロン 脳で生成された行動指令信号により制御される移動ロボット ニューロン 複数のニューロン 行動 同定ニューロン 神経回路の再構築 Membrane potential(mV) 3. 同定ニューロンから神経回路の再構築,シミュレーション・ロボットによる評価・検証 神経回路モデルの シミュレーション ロボット 脳で生成された行動指令信号 により制御される移動ロボット 脳で生成された行動指令信号 風洞内を匂い源に向かって進むロボット 生物機能を理解し活用する 比較研究の重要性 モデル生物: センチュウ(Caenorhabitis elegans),ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster), ゼブラフィッシュ(Danio rerio),ハツカネズミ(Mus musculus) 生物医学への目的への偏重(警鐘) 目的に合わせ, これまでの工学 の知識を利用し ロボット化 た機能の作り込 みによるセンサ・ 知能の構築 非モデル生物(比較研究の重要性) 「進化的な見方を排した生物学は生物学ではない」 (Theodosius Dobzhansky; 進化集団遺伝学者) 「生理学の諸問題を解決するためには問題解決に 最も適した動物を厳選することが重要だ」 (August Krohg(1920年のノーベル生理学・医学賞) ロボットの進化 生物機能の分析 により,原理から 生物機能を再現 する 匂いセンサ 脳型情報処理 センサ 出典:②より 脳 自然環境下でおこるさまざま な問題を解決する手立て(セ ンサ・脳・行動)を進化を通して 獲得してきた. 動物の感覚,脳,行動の比較の重要性 →神経行動学 センサ・知能化 生物制御 生物機能の利用と改変 •センサ技術(ヒト,特定の匂い (ガン,爆発物,麻薬など) •匂い源探索アルゴリズム •生物自体の制御(センサ昆虫) 随伴発射と視運動反射 行動発現のブロック図 corollary discharge & Optomotor Reflex 感覚入力または環境からのフィードバック 記憶 刺激 (異種感覚) 受容機構 環境 鍵刺激 検出機構 中枢性フィードバック 随伴発射 司令 ニューロン (Command) 中枢パターン 発生機構 (CPG) 運動 ニューロン Moto Neuron 筋肉 Muscle 脳 内的環境 (情動・動因) 行 動 身体 感覚入力または環境からのフィードバック エーリッヒ・フォン・ホルスト 1. プラットホームを時計回りに回す:ハエは反時計回りに回る 2. シリンダーパターンを反時計回りに回す:ハエは反時計回りに回 り,シリンダーの動きを追跡する. Open-Loop Response. 3. シリンダーを反時計回りに回し,同時に胸部を固定されたハエに カードを持たせる.ハエは,カードを時計回りに回す. 安全安心・快適社会 生物機能の理解 (センサ・知能) 出典:①より クルマ 原子力発電所内探査 ロボットRosemary 随伴発射による反射の抑制 リアファレンス 下位 運動 中枢 下位 感覚 中枢 反 射 効果器 外部フィードバック 感覚 器官 随伴発射による反射の抑制 随伴発射による反射の抑制 上位 中枢 上位 中枢 中枢フィードバック 運動司令 運動司令 下位 運動 中枢 下位 感覚 中枢 下位 運動 中枢 反 射 効果器 外部フィードバック 随伴発射 中枢フィードバック 下位 感覚 中枢 反 射 感覚 器官 効果器 外部フィードバック 感覚 器官 随伴発射 随伴発射による反射の抑制 corollary discharge 随意運動のさい,上位中枢から下位運動中 枢へ司令信号が送られると同時に感覚系 へも随伴する信号が発射(随伴発射)され, 運動の結果生じた感覚信号によって無用の 反射は起こらない. 例)外力によって目を動かすと,外界は動い て見えるが,自分の意志によって目を動か すと,外界は動いて見えない. 昆虫の適応能のテスト(匂い源探索) 昆虫の適応能のテスト(匂い源探索) 昆虫-操縦型ロボット 昆虫-操縦型ロボット カイコガ(パイロット) 透明シート 白い紙 昆虫-操縦型ロボット 風 (70cm/s) 前方が見える状態で運転 Gain x1 フェロモンの匂い源に定位する カイコガ(左)と昆虫-操縦型ロボット(右) Emoto et al. (2007) Journal of Robotics and Mechatronics 19: 436 Ando et al. (2013) Bioinspiration & Biomimetics 8: 016008 (14pp) 昆虫-操縦型ロボットは,匂い源探索を適切に再現できる. Gain x4 gain x1 gain x4 バイアス 前方が見えない状態で運転 gain x1 gain x4 バイアス バイアス 左右のモータのゲインを操 作することにより,カイコガ はまっすぐ進もうとしてもロ ボットは回転する カイコガは視覚情報により,瞬時に(<1秒)匂い源探索行動を補正する. X1.5 講義内容 行動 (behavior)とは? 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 動物の個体が外界に対して能動的に示す(運動), その個体の生活になんらかの意味が裏付けられ ているような動き(適応的,合目的的) 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 適応: 生物がその環境中で上手く生活し ていけるような特徴(表現型)を 持っていること(環境下の新しい問 題・状況に対処する知的機能) 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 行動の単位は? 行動の単位:反射 ウミウシの逃避行動 条件反射(conditioned reflex) 餌 反射 ベルの音 軟体動物門マキガイ綱ウミウシ目 出典:BBC Nerve 唾液分泌 条件反射・古典的条件付け イワン パブロフ (1849~1936) 行動の単位:反射 行動の単位:プログラム行動 動物行動学を築いた3人の研究者 1930-50年代 膝蓋腱反射の神経回路 Charles Sherrington (1857~1952) ティンバーゲン ローレンツ フリッシュ (1907-1988) 『本能の研究』 (1903-1989) ガチョウの刷り込み (1886 - 1982) ミツバチの ダンス言語 プログラム行動=定型的行動パターン 出典:放送大学 行動の単位:反射とプログラム行動 (1) 獲物の動きを検出 (2) 獲物に向き直り,両眼の視 野に獲物を固定 (3) 舌を伸ばしてからめ獲る (4) 飲み込む (5) 前足で口をぬぐう (1)から(5)へと行動が連鎖的 におこる.しかし,獲物を捕獲す る直前に獲物を取り除いても (3),捕獲から口をぬぐう行動 が起こる ヒキガエルの捕獲行動 1)2)は,反射行動 3)から5)はプログラム行動 (生得的行動パターン:反射,プログラム行動(定型的行動パターン)を含む) 行動の単位 反射 プログラム行動 (定型的行動パターン) 感覚入力 中枢内での 中継 連鎖 中枢性または感覚入力 中枢 パターン 発生器 (CPG) 連鎖 運動出力 協調の取れた運動出力 (生得的行動パターン:反射,プログラム行動(定型的行動パターン)を含む) 行動を解発する3つの柱 感覚器 中枢神経系 効果器 解発因 (鍵刺激) 解発機構 生得的行動パターン イトヨの雄の闘争行動 1. 感覚器(解発因(リリーサ),鍵刺激) 2. 中枢神経系(解発機構) 3. 効果器(生得的行動パターン) 環境にはどのように動けばよいかの情報がある. 一部の環境情報(鍵刺激)で動き方がきまる. 出典:放送大学 鍵刺激 感覚の世界 イトヨの雄の闘争行動 トゲウオでは,赤い腹部がすべ て必要なのではなく,本質的に は,赤い色が鍵刺激となる.ラ イバル雄の赤い腹が背側にあ ると意味がない. 嗅覚 視覚 触覚 聴覚 その他 味覚 感 覚 環境世界 動物が体の各受容器(感覚器)で 受け取った刺激が感覚神経により 脳に伝えられるとき,そこに生じた 反応 岩波生物学辞典第4版 感覚<知覚<認知 • 感覚の世界 • 時間の世界 • サイズの世界 (性質・要素)<(全体)<(関係・意義) 例:リンゴ 赤い,冷たい,丸い<全体<食べ物,くちびる 神崎亮平著,茂利勝彦絵 「昆虫ロボットの夢」より 環境世界 • 感覚の世界 動物によって異なる感覚能力 1. 紫外線,偏光を感知するミツバチの複眼 2. 1Hzの音を感知するゾウ • 時間の世界 3. 8万Hzの音を感知するネズミ • サイズの世界 4. ヒトの100万倍の匂い(汗に含まれる酒石酸 など)感知能力をもつイヌ 5. 100個の目をもつホタテガイ 6. 360度の視野を持つヤマシギ(ヒトは260度) 神崎亮平著,茂利勝彦絵 「昆虫ロボットの夢」より 講義内容 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 神経細胞の5つの基本構造 ・細胞体 (soma, cell body) ・樹状突起 (dendrite) ・軸索 (axon) ・終末部 (terminal) ・シナプス (synapse) 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 シナプス 生物に共通の神経信号 神経情報:活動電位 水管 ヤリイカの巨大神経軸索 Eccles, J.C. 1977 2nd Ed. 出典:nerve 神経興奮現象の定量的記述 感覚の情報表現 Hodgkin & Huxley, 1952 脳内の視覚情報処理: 感覚情報はいったん要素に分解 視覚刺激の持つさまざまな特徴(形,色, 傾き,運動の方向,様相(縞模様)など) がいったん要素ごとにバラバラに分解さ れて処理される 膜を流れる電流 1)イオン電流 と 容量性電流 2)イオン電流:Na, K, Cl 3)イオン電流:駆動力と膜コンダクタンスによって決まる コンダクタンスは,膜電位と時間によって変化する. 並列分散処理 講義内容 ヘブ型学習 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 一緒に発火(ペアリング) するものは結び付けられ る ドナルド・ヘッブ (1904-1985) 櫻井芳雄:考える細 胞ニューロンより 脳神経系の特徴 入力に応じてその構造・機能を変えること. 入力に応じて生じ変化が維持されること:可塑性 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 講義内容 行動実験からわかること サバクアリのナビゲーション 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 安藤規泰 野外実験 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 Cataglyphis fortis Prof. Dr. Rüdiger Wehner Institute of Molecular Life Sciences University of Zurich http://bio.mq.edu.au/cheng_lab/kcheng/ants.html 歩数で距離を知る バーチャルリアリティの利用 • 視覚フィードバックにより環境との相互作用が実現 • 脚の長さを操作すると距離の推定を誤る エサ(F) (Wehner 2003) 巣(N) 10 m 背中を固定されたコオロギ(メス)がボール上 を歩行する.ボールの回転からコオロギの移 動方向を算出し,その動きに伴い背景が変化 するVR-閉ループ環境. (Wittlinger et al. 2006) 対象のどのような特徴を鍵刺 激として行動が解発されるか? 障害物: 半径 50 mm 速度200 mm/s 講義内容 ロボットを利用した行動実験 昆虫の適応能力のテスト(匂い源探索) 昆虫-操縦型ロボット カイコガ(パイロット) 昆虫-操縦型ロボット 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 風 (70cm/s) 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 フェロモンの匂い源に定位する カイコガ(左)と昆虫-操縦型ロボット(右) 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 Emoto et al. (2007) Journal of Robotics and Mechatronics Ando et al. (2013) Bioinspiration & Biomimetics 昆虫-操縦型ロボットは,匂い源探索を適切に再現できる. 脳をつくる神経回路の調べ方 脳をつくる神経回路の調べ方 櫻井健志 脳 1 mm 1 mm 昆虫脳 近赤外微分干渉顕微鏡ビデオ映像 神経細胞(ニューロン) IR-CCD(C2741) 電気生理学 イメージング HiSCA&EMCCD(C9100) 連続画像 37 % DF/F 触角葉(匂い識別) キノコ体(記憶学習) 10 % 神経叢(ニューロピル) 主要神経叢の三次元再構築 100m 単一ニューロンの分析 複数ニューロンの分析 100m 100m 局所領域の分析 嗅覚系の光による制御 嗅覚系の光による制御 Channelrhodopsin-2(ChR2) Expression 電流 Light stimulation triggers pheromone orientation behavior in ChR2 expressing transgenic silkmoths Cell Activated by Light Pulses Light (470nm) フェロモン Ca++, Na+ Control activation of the target cells out フェロモン 受容体 50 μm in light-activated non-specific cation channel Manipulation of Pheromone Receptor Neuron dendrite Expression of ChR2 in the antennae of male moths bearing both BmOR1-GAL4 and UAS-ChR2 フェロモンに反応する 嗅覚センサ 光 遺伝子操作 (470nm) MGC 脳 行動 Transgenic Silkmoth 電流 toroid Bombykol Receptor Neuron チャネル ロドプシン2 Gs Bombykal Receptor Neuron 脳 行動 to Brain 100 μm Switching on and off the activity of the pheromone receptor cell with high time resolution, at the level of individual spikes Axon terminal of ChR2 expressing bombykol receptor neurons in the antennal lobe Tabuchi et al. (2013) PNAS チャネルロドプシンを発現させたフェロモン受容細胞の応答 スパイクの数 行動する個体の割合(%) 光刺激 (1.19 mW/mm2 , 100 ms) 光刺激の強度(mW/mm2) 光刺激の強度に応じてスパイクの数が 増加する (n=18) フェロモンに反応する 嗅覚センサ Single Pulse of Light stimulation: 470nm, 1.19 mW/mm2, duration: 5msec Sakurai et al. (2011) PLoS Genetics Tabuchi et al. (2013) PNAS 講義内容 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 光刺激の強度 (mW/mm2) 光刺激の強度に応じて行動する 個体の割合が増加する (n=20) Tabuchi et al. (2013) PNAS 光により,嗅覚受容細胞の活動をスパイクレベルで 正確にコントロールできる(嗅覚研究のパラダイムシフト) 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 「京コンピュータ」に昆虫の脳をつくる 「京コンピュータ」に昆虫の脳をつくる 加沢知毅 ニューロンの3次元構造 (匂いの識別に関与するニューロン) 脳のシミュレーションに必要な計算量 項目 ヒトの全脳 10 細胞数 必要計算量 (FLOP/1秒) 10 1021 Single Cell (4,000 compartments) カイコガ 嗅覚・運動系 カイコガ全脳 11 京を用いた神経回路大規模シミュレーション 5 10 1016 300FLOP x 4,000comp÷0.025msec≒50GFLOPS Calculation cost of each compartment 4 1015 Number of compartments in each cell Time step ニューロンシミュレーション 計算科学研究ロードマップ白書 キロ メガ ギガ テラ ペタ エクサ ゼ タ http://open-supercomputer.org/wp-content/uploads/2012/03/science-roadmap.pdf 1021 = 1,000,000,000,000,000,000,000 1016 = 1,0000,0000,0000,0000 京 兆 億 万 環境適応のためのリアルタム処理の重要性 一 FLOPS(フロップス,Floating-point Operations Per Second) コンピュータの性能をあらわす.1秒間に浮動小数点数演算が何回できるかを 表す値. Total number of neurons in odor-processing pathways of the silkmoth brain (10,000 cells) 50GFLOPS/cell x 10,000cells = 500TFLOPS 脳内での匂い情報の経路 Namiki et al. (2014) Nature Commu. ニューロン活動のシミュレーション ニューロンから神経回路(脳)の作り方 昆虫嗅覚系全脳シミュレーター(Insect Olfactory System SIMulator) 膜特性の計測 ニューロン構造をシリンダーとして記述 (multi-compartment model) 神経細胞データベース の構築と整備 K+ currents Na+ currents Position Diam BoND / IVBPF Ca2+ currents 細胞形態抽出 Extracted Neuron 標準脳・マッピング Brain Composer KNEWRiTE Cylinder approximation ニューロン活動のシミュレーション Multi-compartment Hodgkin-Huxley type model 細胞膜情報推定・結合強度推定 大規模シミュレータ NEURON_K+ V : Membrane potential, Cm : Membrane capacitance gNa, gK, gL : Na, K, leak conductance, ENa, EK, EL : Na, K, leak equilibrium potential m, h : activation/inactivation gate probability of Na channel n : activation gate probability of K channel, α, β : transition speed of gate 次世代生命体統合シミュレーションソフトウェア研究開発 京を用いた神経回路大規模シミュレーション ベンチマーク用回路の構築 Conditions BN #1056 3889 comps. SIMD化による単体性能の高速 化 Watts and Strogatz model 細胞分割によるリアルタイムシミュレーション 神経細胞シミュレータ「NEURON」 (www.neuron.yale.edu)をベースに,SIMD化や MPI/OpenMP Hybrid化対応など京向けの高速化を施した「NEURON_K+」を構築した. 京を用いた神経回路大規模シミュレーション ベンチマーク用回路の構築 Conditions BN #1056 3889 comps. SIMD化による単体性能の高速 化 Watts and Strogatz model 細胞分割によるリアルタイムシミュレーション チューニングの結果,単体性能では,1,660 MFLOPS (実効効率約10%), 並列性能では,663,552CPUコア使用時に 286 TFLOPS(並列化率 p = 0.9999989)を達成した. カイコガの脳のシミュレーション ニューロンから神経回路(脳)の作り方 行動指令中枢の神経活動の「京」によるシミュレーション 行動指令中枢を構成するニューロン 行動指令ニューロン No. of Mapped Neurons 2 Group I DNs 6 Group II DNs 20 Bilateral Neurons 10 Local Interneurons Total: 40 neurons 前運動中枢 匂い検出が必要とされる場面 講義内容 1.イントロダクション 神経行動学がめざすところ 生物の賢さとモデル生物,非モデル生物 光野秀文 アロマセラピー 香料・商品への 付加価値 2,3 動物の行動のしくみ(動物行動学) 鍵刺激・解発機構・定型的行動,感覚の世界 4,5.ニューロン(神経生理学) ニューロンの構造と機能 6-9.神経行動学研究の実際 安藤規泰「楽しい行動実験」 櫻井健志「遺伝子工学技術による匂い情報処理」 加沢知毅「昆虫大規模神経回路シミュレーションの構築」 光野秀文「脳に学ぶ匂いバイオセンサの開発」 「京」シミュレーション 神経回路モデル Miyamoto et al. unpublished data Ikeno et al. (2012) Computational Intelligence and Neuroscience 12ニューロンx2を 192ニューロンに拡張 1step=0.05ms Simulation time: 1000setp(50msec) 86nodesで実行 加齢臭 香道(芸術) バーチャルリアリティ わたしたちは 匂いの世界で 暮らしている 環境独特のにおい 安全・安心・快適な社会をみすえた生物機能を利用した匂い検出・探索 健康情報 医療情報(嗅診) 福祉・介護 環境 安全・安心な 食料・飲料 安全・安心・危機管理 爆発物・麻薬・火災 税関検査,人命救助など 匂いを切り口とした安全・安心・快適社会の構築 生存者の捜索 災害救助犬 (ウィキペディア) 従来技術に基づくセンサとの性能比較 提案センサの機能と既存の匂いセンサとの性能比較 麻薬探知犬 地雷探知犬 爆発物探知犬 麻薬探知犬 銃器探知犬 検疫探知犬 DVD探知犬 がん探知犬 シロアリ探知犬 トコジラミ探知犬 災害救助犬 警察犬 警備犬 計測部位 感度 応答時間 匂い選択性 定量性 半導体 センサ 金属酸化物半 導体 ppb~ppm 10min 低 有 水晶振動子 センサ 水晶振動子 (QCM) 10ppm 4min 低 有 官能評価 ヒトの嗅覚 ppt~ppm 嗅覚疲労 - 個人差大 バラツキ大 数値化 困難 提案 センサ 昆虫の 嗅覚受容体 <ppb Sec オーダー 高 有 (Arshak et al., 2004, Sensor Revew ,藤田博之, 2005, センサ・マイクロマシン工学, 日本食品分析センターニュース, 2012 , 聞き取り調査によるデータを改編) 昆虫の嗅覚受容体の利点 高感度(ppb),リアルタイム(秒レベル),定量的応答が可能 匂いの選択性が高い,多くの種類の受容体がある 嗅覚情報の変換機構の再現が哺乳類に比べ簡単 犬に並ぶ昆虫の嗅覚能力 ハマダラカ ヒトの汗,糞臭等 オオタバコガコマユバチ インドール,2-メチルフェ ノール,3-メチルフェノー ル 腐敗臭,爆発物, 麻薬,カビ臭等 ミツバチ 腐敗臭等 タバコスズメガ メタンチオール, メチルチ オアセテート, ジメチルス ルフィド, ジメチルトリス ルフィド(癌の匂い) 爆発物等 爆発物等 シクロヘキサノン, 2-ヘキサノン 比較的単純なメカニズムによる匂い検出 哺乳類 昆虫 (Photo by Shawn Hanrahan CC-BY-SA, Wikipedia) (Photo by E van Herk CC-BY-SA, Wikipedia) 腐敗臭,糞臭等 ナガヒラタタマムシ アンモニア,インドール, ジメチルトリスルフィド (癌の匂い) (Photo by Jiri Humpolicek CC-BY-SA, Wikipedia) 昆虫の匂い検出の分子メカニズム (Photo from Wikipedia) (Photo by Andre Karwath CC-BY-SA, Wikipedia) トコジラミ 嗅感覚子 2,4-ジニトロトルエン (50-80ppt) アンモニア,アミン, シクロヘキサノン, 無水酢酸 モンシデムシ 爆発物等 2,4-ジニトロトルエン, 3,4-ジニトロトルエン,シ クロヘキサノン,メチルベ ンゾエート,プトレッシン (Photo by Joseph LaForest, University of Georgia, Bugwood.org) (Photo by Wikipedia) ショウジョウバエ 背景:昆虫の匂い受容の分子メカニズム 火災等 2-メトキシフェノール (サブppb) (Photo by Stephen Luk; http://bugguide.net/node/view/457912/bgpage) 複雑 単純 (Wang et al., 2010 PNAS) 匂い源探索は超難問 昆虫脳モデル-操縦型ロボット フェロモンの匂い源に定位する移動ロボット 匂いの空間分布 フェロモン 10 cm プルーム:匂いがある空間 (Modified: Wyatt TD. Nature (1994) 369:98) 生存者の捜索を行う災害救助犬 (ウィキペディア) 匂い源からでた匂いは,絶え間なく複雑に分布する. 匂いを探すようなロボットはない.匂いセンサもないのが現状. 研究アプローチ:脳を創り,理解し,活用する in vivo 脳 (昆虫) ニューロンデータベース in silico 脳 脳 統合 生物が進化により獲得した感覚・脳・行動の機構を, 分子生物学,神経科学,情報科学,ロボティクスなどさ 比較 まざまな階層に渡るアプローチの融合により,精密に 再現・評価することで解明し,活用できるようになった. 生物-機械融合アプローチ 分析-統合アプローチ 生物機能の理解 (センサ・知能) ロボットの進化 生物機能の分析 により,原理から 生物機能を再現 する 匂いセンサ 脳型情報処理 センサ 脳 自然環境下でおこるさまざま な問題を解決する手立て(セ ンサ・脳・行動)を進化を通して 獲得してきた. センサ・知能化 生物制御 生物機能の利用と改変 •センサ技術(ヒト,特定の匂い (ガン,爆発物,麻薬など) •匂い源探索アルゴリズム •生物自体の制御(センサ昆虫) 安全安心・快適社会 京による精緻な神経回路の 再構築とシミュレーション 昆虫脳モデル-操縦型ロボット クルマ 原子力発電所内探査 ロボットRosemary 神経回路モデル シミュレーション 評価・検証 評価・検証 オプトジェネティクスによる 昆虫-操縦型ロボット センサや神経回路の操作 昆虫脳-操縦型ロボット 生物機能を理解し活用する 目的に合わせ, これまでの工学 の知識を利用し ロボット化 た機能の作り込 みによるセンサ・ 知能の構築 行動 分析 触角 触角 昆虫の匂い源探索の指令信号をつくる神経回路により,環境下の 匂い分布と相互作用させることで,ロボットは匂い源を探索した. Kanzaki, Nagasawa, Shimoyama (2004) In “Bio-mechanisms of Animals in Swimming and Flying” 2014年2月10日 日経産業新聞,日刊工業新聞 2014年7月21日 読売新聞 第2刷 好評発売中! https://www.iwanami.co.jp/ 日経エレクトロニクス 2014年4月14日号 特集 生物エレクトロニクスの誕生.昆虫の脳を人 工的に造る,京で昆虫脳の再現も,コオロギの回避能力に注目,におい検知に昆虫を活用 7月29日(火)刊行
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