北海道の交通事故概 北海道の交通事故概要

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北海道の交通事故概要
( 平 成 2 7 年 上 半 期)
(公社)北海道トラック協会
北海道警察交通部交通企画課からデータをいただき、北海道内の平成27年の上半期
の交通死亡事故概要についてまとめたものである。
各会員事業所等において交通事故防止の参考にしてください。
1 はじめに
北海道内の交通死亡事故は76人、平成26年上半期対比で同数という状況で推
移しております。
参考まで、平成25年の年間交通事故死者数は、昭和54年以降、最も少ない1
84人でしたが、平成26年は更に減少して169人となっております。
事業用貨物自動車が第一当事者となる交通死亡事故は5人、平成26年上半期対
比で2人多い状況で推移しており、下半期の多発が懸念されます。
(平成26年は下半期9人)
2 平成2
平成27
7年上半期の交通死亡事故の主な特徴
平成27年上半期の北海道内の交通事故死者数71件76人の事故の特徴につ
いては、次のとおりであります。
○ 前方不注意、最高速度違反、車両単独、歩行者事故が多い
○ 国道、道道での事故が多い
○ 高齢者の事故が多い
○ 自動車乗車中の死者44人中、シートベルト非着用者19人のうち、捜査
の結果13人は生存の可能性が高い
3 全道の交通死亡事故の特徴
全道の交通死亡事故の特徴
(1) 月別
月別では、1月・2月は8人であったが、3月から6月まで10人以上発生し
ており、4月・5月は17人、6月16人と増加傾向で推移しています。
トラックは、2月・4月に2件、5月に1件発生しています。
(2) 曜日別
月曜日14人、土曜日14人、木曜日13人の順に多い。
トラックは、木曜日に2件、火・水・金曜日に1件発生しています。
(3) 第一当事者の用務・目的別
業務中が18人、通勤途中が13人、観光・娯楽が6人、ドライブが5人、買
物・訪問が11人、通院が3人、その他不明が20人となっています。
(4) 第一当事者の職業別
職業運転者が10人、公務員が1人、農林・漁業が6人、建設業が18人、製
造・卸小売業が12人、サービス業が15人、主婦が2人、無職が11人、そ
の他が1人となっている。
(5) 発生時間帯別
午前10時から午前12時までが12人と最も多く、午前8時から午前10時
が8人、午前6時から午前8時・午後6時から午後8時・午後10時から午前
0時までが、それぞれ7人と多く発生している。
昼間帯が45人、夜間帯が31人発生している。
(6) 地形・道路形状別
地形・形状別では、市街地交差点が24人、非市街地直線が21人の順に多い。
(7) 第一当事者の違反別
前方不注意が原因での死亡が19人、ハンドル・ブレーキの操作不適が16人、
最高速度違反が7人、その他不明が10人の順に多い。
酒酔い運転は1件と昨年の5分の一となっています。
(8) 事故類型別
車両単独が28人、人対車両が21人の順に多いが、正面衝突10人、自転車
対車が3人である。
(9) 第一当事者の年齢別
30歳代から50歳代が30人、60歳以上・高齢者が29人の順に多い。
高齢運転者のうち75歳以上が8人と昨年より3人少なくなっています。
(10) 道路別
道路別では、国道が35人、市町村道が18人、道道が17人の順に多く、高
速道路は3人である。
人身交通事故の発生については、市町村道が2,629件3,062人と最も多い。
(11) シートベルトに関して
四輪乗車中の死者40人中、シートベルト非着用は19人であり、その内13
人は、車両の損傷状況等から、シートベルトを着用していれば生存していた可能
性が高い。
4 平成2
平成27
7年上半期の事業用トラック交通事故概要
(1)
6月30日現在、死者数は5人で平成26年対比2人の増加となっています。
人身交通事故は、185件(-58件)発生しています。
5件の交通死亡事故でありますが、
①
2月12日(木)午前3時06分頃、江別市篠津623番地先、国道275号
上、歩行者が道路上で車両を停止させたことから、一旦停止した後、再度発進
した際、運転席側の道路上に佇立していた歩行者を車両右側の後輪で頭部を礫
過し、24歳の女性が死亡した事案です。
②
2月27日(金)午前0時55分頃、寿都郡黒松内町字東川509番地先、高
速道路上(道央自動車道)において、単独横転事故を起こしていた軽四輪貨物車
に衝突し、軽四輪貨物車の運転者63歳男性が死亡した事案です。
③
4月1日(水)午前10時35分頃、札幌市白石区北郷8条4丁目8番先の信
号機が無く、一時停止のある市道丁字路交差点において、一時停止側の市道か
ら左折して市道北郷通りに出た際、車両の右側から市道北郷通りを走行してい
た自転車に衝突して、自転車の61歳の女性が死亡した事案です。
④
4月30日(木)午後1時15分頃、月形町字厚軽臼内(あらかすない)先、片
側一車線の国道275号上を札幌市内方向に走行中、前方を走行していた農耕
用トラクターが左折しようとしていたところ、タバコを取ろうと前方を良く見
てなかったタンクローリー車が追突して、トラクターの73歳の男性が死亡し
た事案である。
⑤
5月12日(火)午前7時35分頃、釧路市鳥取大通り2丁目先、国道38号
上の信号機のある交差点を国道から市道方向に左折した際、国道の歩道上を同
一方向に走行中の自転車を車両左側で巻き込み、自転車の16歳男子高校生が
死亡した事案です。(トラックの助手席窓にカーテン)
(2) 道路・月別の人身事故件数
国道が96件、市町村道が54件、道道が26件、高速道路が2件、その他の
道路が7件の順に多く、2月40件、1月39件、3月32件、4月30件、
6月24件、5月20件と発生している。
(3) 曜日・時間帯別
木曜日34件、月曜日33件、火曜日・水曜日が30件と多い。
時間帯は、午前8時から午前10時までの発生が37件と最も多く、午前6時
から午後4時までの発生が130件と全体の約70%を占めている。
(4) 地形・事故類型・違反別
市街地交差点での98件の事故が全体の約48%を占めている。非市街地の交
差点での18件の事故を加えると全体の約63%を占めている。
追突事故にあっては、82件であり、全体の約44%を占めている。
前方不注意、ブレーキ・ハンドル操作不適、動静不注視、安全不確認が126
件であり、全体の約68%を占めている。
続いて多いのが、信号無視12件、一時不停止11件である。
5 平成2
平成27年の事業用貨物の第一当事者の交通死亡事故
7年の事業用貨物の第一当事者の交通死亡事故
8月6日現在、札幌地区3件、函館地区1件、旭川地区1件、釧根地区1件の6
件発生しています。(前年同期比1名の増加)
①から⑤の他に、7月17日に発生しております。
7月17日(金)午後11時10分頃、札幌市西区発寒5条4丁目先、信号機のあ
る交差点を右折した際、同一方向に横断歩道上を歩行していた歩行者に衝突し、3
0歳の女性が死亡した事案であります。
今年に入り、交通弱者の被害は、歩行者が2人、自転車が2人であります。
年末まで特に交差点の右左折時に、歩行者・自転車の巻き込み等に十分注意して
確認運転を徹底してください。
運転中の考え事、携帯電話使用、脇見運転は絶対にしないという気持ちが重要で
あります。
飲酒運転の根絶
6 飲酒運転の
根絶
平成26年7月13日(日)に小樽市銭函3の市道で、ドリームビーチで飲酒した
男の運転するRV車で、海水浴帰りの女性4人がひき逃げされ3人が死亡、一人が
首の骨を骨折するという重傷を負った悪質な事件が発生した。
今年に入り、砂川市内の国道で飲酒運転・暴走行為の結果、ひき逃げ事案を発生
させて、一家4人を死亡させるという悪質極まりない事件が発生しました。
更にその後に、砂川市議会の議員が飲酒運転の結果、電柱に衝突し、現場から立
ち去る事案が発生して警察に逮捕されております。
小樽での飲酒事故、砂川での悪質な事件を決して他人事としないで絶無を期しま
しょう。
7 デイ・ライト運動の推進強化について
平成14年に北海道、北海道運輸局、北海道警察が合同で取り組むこととした交
通死亡事故抑止対策であります。
釧根地区を除き、トラック関係の点灯率は20パーセント前後で毎年推移してお
ります。
運転者の安全意識の高揚、自身の車の存在を歩行者や他の車に近く見せる効果が
あり、交通事故抑止に効果があるのですから、やると決めた以上は積極的に推進し
ましょう。
8 ドライブレコーダーの積極的装着推進
運転者を管理するのではなく、運転者を守るために積極的に導入してください。
昨年の5月に北海道警察と北海道トラック協会がドライブレコーダーの情報提供
等の協定を締結しております。
ドライブレコーダーの画像提供のみならず、あらゆる交通事故、犯罪等の情報を
今まで以上に提供をお願いします。
9 「危険ドラッグ」の禁止に関して
平成26年7月16日付で、国土交通省自動車局安全政策課長から公益社団法人
全日本トラック協会会長宛に「事業用自動車の運転者等による薬物の使用禁止の徹
底について」通知されている。
いわゆる、「脱法ドラッグ (新名称は危険ドラッグ) 」は、絶対使用禁止です。
平成26年7月23日付で、公益社団法人全日本トラック協会会長から各都道府
県トラック協会会長宛に同様の趣旨の通知がなされている。
今後、各種交通安全啓発等で飲酒運転の根絶は勿論、危険ドラッグの使用禁止、
危険ドラッグ使用運転の悪質性・危険性に関する広報啓発活動を重点事項として推
進し、交通事故防止に取り組むので宜しくお願いします。