思いつくままに

思いつくままに
「学びがいのある授業」
第11号
平成27年6月29日
青梅市立第一中学校 校長
―要件
儘田 文雄
その2―
学び方が分かる
「学びがいのある授業」の第2の条件は、「学び
方が分かる」ことです。学び方が分からなければ、
主体的な学習を進めることはできません。
例えば、学び方には、次のようなものがありま
す。課題の見付け方や設定の仕方、目的や意図に
応じた情報の集め方や調べ方、整理・分析の仕方、
まとめ方や表現の仕方、報告や発表・討論の仕方
などです。また、観察や実験の仕方、見通しや計
画の立て方、記録のとり方や活用の仕方、振り返
りや自己評価の仕方等が挙げられます。
こうした学び方は、生徒一人一人が各教科等の授業を通して身に付け、それらを状況に応じて
活用していくことで、より確かなものになっていきます。
学び方の中でも、ノートのとり方は、生涯にわたる自学自習を促進する点で重要です。
現在、多くの授業でワークシートが使われています。その内容を見ると、いわゆる穴埋め形式
のものがあります。こうした教材のみを使って授業を進める限り、生徒の論理的な思考力や表現
力を十分に育むことは不可能です。
私は、兼ねてから授業改善の重要な視点の一つとして、「単なる穴埋め形式のワークシートか
ら、思考を促すシンキングシート、そして、ノート指導へ」ということを提唱しています。この
ことは、生徒の自学自習の促進にもつながります。
「ノートは思考の足跡」。これは、ある学校の教室に貼ってあった掲示物です。
せっかく自分の考えを書いても、友達の優れた意見を聞いたり、教師が示す模範解答を見たりし
たとたん、自らの記載内容を消してしまうのは、実に惜しいことです。
ノート指導で私たち教師が最も重視すべきは、
「自分の考え」です。毎時間の授業を、生徒の
知的創造の場と捉え、各人がより高次な知的創造を目指して、自らの思考の足跡を夢中になって
残していく、まさに「学びがいのある授業」です。