のみを選択可能な遠距離相関測定 - JEOL RESONANCE

JEOL アプリケーションノート
Application Note NM-140019
JCHのみを選択可能な遠距離相関測定
2
NMRの構造解析では、1H,13Cの相関測定が非常に重要で、1JCH相関は
HMQCまたはHSQCを、2,3,4JCH相関はHMBCを測定して観測します。しかし構造
によっては2JCHと3JCHを区別するのが非常に困難な場合があります。そうい
った場合には、H2BCを測定し、HMBCと比較することで解決できます。また
本資料では特に、DEPT135°のようにCH3,CHとCH2の区別ができるH2BC editの測定法を紹介します。
【H2BC_editのパルスシーケンス】
1
delta上でのシーケンス名:h2bc_edit.jxp
H
CPD
CPD
C
Gz
13
CPD
=
【測定試料 CAHE(硅皮酸-cis-3-ヘキセニルエステル)】
O
CH3-CH2-CH=CH-CH2-CH2-O-C-CH=CH-Ph
【H2BC editの測定結果】
8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0
Proton:[ppm]
80.0
40.0
4級炭素
120.0
Carbon:[ppm]
120.0
160.0
Carbon:[ppm]
80.0
CH2基
160.0
40.0
0
0
【HMBCの測定結果】
8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0
Proton:[ppm]
0
H2BC editと、HMBCを比べると3J以上の遠距離相関が観測されないので
HMBCに比べて相関の数が少なくなり、解析が容易になっています。また
CH2の13Cとの相関信号はそれ以外の13Cと比べて逆の位相で検出されるので
区別できるようになっています。
注意点
・H2BC法は2JCHであっても4級炭素との相関信号は検出できません。
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