はじめに 世界の経済情勢は、昨年後半からの急激な原油安による不安定要因が増し依 然として先行きが不透明な状況となっており、我が国においては、政府の経済 財政政策によって円安が進行している割に輸出量は思うほど伸びず、消費増税 による経済回復への影響も出ております。このような中、業界を取り巻く環境 は一段と厳しく、いわゆるアベノミクス効果が実感されていない現状となって います。 平成26年における神戸港の貿易については、神戸税関貿易概況によると貿 易額は円安の効果もあって対前年同期比で+5.6%(平成26年1月~12 月速報値)に対して、外貿コンテナ貨物取扱量では兵庫県港運協会によれば対 前年同期比で+0.4%(同上)となりました。阪神港において、昨年10月 に阪神国際港湾株式会社が発足したこともあり、今後、国際コンテナ戦略港湾 施策の進展による港勢拡大が大いに期待されるところであります。 当協会における平成26年度の運営状況については、食堂売上では、消費増 税のもとで食堂価格を据え置きましたが、対前年同期比+0.5%(平成26 年4月~平成26年12月)となっています。また、コンビニエンスストア売 上では対前年同期比△6.3%(同上)と厳しい状況となっています。 このように厳しい財政環境を改善すべく、平成27年3月末において、さら なる食堂の統廃合及び収益改善の見込みのないコンビニエンスストアの廃止・ 転用を行っております。 また、港湾福利分担金におきましては、関係各位の並々ならぬご尽力を賜り、 これまでの一部凍結が解除となりましたことに心よりお礼申し上げる次第であ ります。 平成27年度におきましては、施設の利用効率を最大限に発揮することによ り財政の健全化に向けた取り組みを一段と進め、引き続き、サービス水準を維 持しつつ食堂価格を据え置きます。また、一般社団法人日本港湾福利厚生協会 の助成等によるより安全安心で快適な施設整備を目指します。 今後とも職員が一丸となって利用者サービスの向上に努め、なお一層の財政 改善を進めて参りますので、関係各位の引き続きのご指導、ご支援を賜ります ようお願い申し上げます。 Ⅰ 平成27年度事業計画 1. 施設管理運営事業 (1) 総合厚生(福祉センター)施設の管理運営 中央福祉センター(食堂・売店・喫茶・会議室・テニスコート)及び第一福祉 センター(食堂・売店・喫茶・会議室・浴場)について、それぞれの業務内容を 活かした運営に努めるとともに、より一層の利用促進を図ってまいります。 (2) 港湾労働者休憩所(ピアハウス)の管理運営 兵庫ふ頭から六甲アイランドまでの地域に設置するピアハウス8ヶ所(福祉セ ンター内2ヶ所を含めピアハウスは10ヶ所)において運営する食堂等について は、協会における中核的事業であり、安定的運営の確保に向けて、なお一層努力 するとともに、美化・清掃などの環境の保全・整備にも努めるなど、社会や利用 者のニーズに対応したきめ細かなサービスを通じ、より一層の利用促進を図り、 経営の安定に努めてまいります。 また、緊急時の対応として、一部のピアハウスにおいて災害対応自動販売機等 を設置しておりますが、今後、順次進めてまいります。 (3) コンビニエンスストア(ピア)の管理運営 港湾の364日24時間荷役に対応するため、神戸港の西部・東部地区に拠点 設置している2ヶ所のコンビニエンスストアについて、今後とも安定的運営に努 力するとともに、美化・清掃など環境の保全・整備にも努めるなど、きめ細かな サービスを通じ、より一層の利用促進を図り、経営の安定に努めてまいります。 なお、中央部については、ピアポートの廃止に伴い、軽食や飲み物を提供する 24時間対応の自動販売機コーナーを設置することとしています。 (4) 住宅(世帯者)施設の管理運営 鈴蘭台一ッ鍬山共同住宅(196戸)、国産波止場共同住宅(165戸)及び コーポ西町共同住宅(40戸)の世帯者用共同住宅について、より快適な生活・ 住環境を提供するため、維持・補修等について万全を期するとともに、より一層 の利用促進を図ってまいります。 なお、利便性等の立地環境が良好な国産波止場共同住宅については、さらなる 需要が見込まれることから入居要件緩和を行い収益の向上を図ります。 (5) 住宅(単身者)施設の管理運営 神戸港湾寮(57室)・神戸みなと寮(12室)及び第一福祉センター(35 室)の単身者用住宅(宿舎)の管理運営を行います。 -1- (6) 港湾労働者休憩所の管理運営 本年度も神戸市からの業務委託を受けて、港湾労働者休憩所18ヶ所(兵庫、 新港、摩耶、ポートアイランド及び六甲アイランドの各地区に設置)の清掃、冷 暖房設備の運転・維持管理及び湯茶の提供等の管理運営を行うことにより、港湾 関係労働者の福利厚生の推進に努めてまいります。 2. 施設整備事業 (1) 港湾厚生施設整備補助事業 既存厚生施設について、本年度も神戸市からの補助を受けて、施設の整備・改 修及び維持保全に努めてまいります。 (2) 日港福助成施設整備事業 施設整備事業として、一般社団法人日本港湾福利厚生協会からの助成を受けて、 本年度は次の整備事業を実施し、港湾関係労働者の生活・住環境の改善を図って まいります。 <施設整備名> ・鈴蘭台西町共同住宅(コーポ西町)外壁及び屋根防水改修他工事 ・ピアポート店舗内装改修工事 ・神戸中央港湾労働者福祉センター自家発電設備改修工事 3. 助成・補助等事業 (1) 契約保養施設利用助成 福利厚生の一環として、契約保養施設(全国69ヶ所)の利用に対して助成を 行うことにより、神戸港で働く方やそのご家族の余暇の活用の促進を図り、港湾 関係労働者の福利厚生の推進に努めてまいります。 (2) 各種技能訓練への補助 公益社団法人神戸港湾教育訓練協会及び港湾労災防止協会兵庫県総支部が実施 する各種技能訓練への補助を行うことを通じて、港湾関係労働者の技能の向上を 側面的に支援し、神戸港における港湾運送事業の発展に努めてまいります。 (3) 港湾殉職者慰霊祭の実施 第37回港湾殉職者慰霊祭を本年度も港湾殉職者顕彰碑運営委員会と共催の上、 例年どおり実施し、殉職者の慰霊とともに、広く労働災害防止意識の高揚に努め てまいります。 -2-
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