P14:躍進を遂げる八戸港

躍進を遂げる八戸港
八戸 LNG ターミナルが総合運転開始
八戸 LNG ターミナル全景(左)と、フレ
アスタック(右)
八戸港が貿易港として開港して今
年で 75 年目の節目を迎える。これ
は奇しくも当所創立と重なる。加え
て、当所外郭団体である八戸港振興
協会(大矢卓会長)は設立 25 周年、
八戸港国際物流拠点化推進協議会
(小林眞会長)は設立 20 周年を迎え
る等、
港湾 ・ 貿易関係団体の多くは、
節目の年を迎える。
▼タコマ港との貿易協定更新▼
今年は、米国タコマ港との経済貿
易協定締結 20 年目で、協定更新の
年に該当する。平成7年に初めて協
定を交わし、以後、5年毎に更新し
てきている同協定では、八戸・タコ
マ両地域間で積極的に経済交流を図
ること等が盛り込まれてきており、
今年は八戸から訪問団が現地に渡航
して締結に臨む。
(仮称)
八戸港 ・ 北米交流ミッショ
ン 2015(6 月 27 日~ 7 月 4 日)は、
県 ・ 市 ・ 八戸港国際物流拠点化推進
協議会の主催で開催。米国のタコマ
港湾局やシアトル市視察等の他、米
国北西部最大の日系スーパー ・ 宇和
島屋が主催する「青森フェア」に参
加し、県産品の販路拡大 PR も行う
予定。
▼コンテナ取扱量が増加▼
八戸港は、平成 6 年の外貿コンテ
ナ定期航路(東南アジア航路)開設
を皮切りに、コンテナ貨物の取扱い
数量が、増加の一途を辿っている。
東日本大震災で一時的に使用不可
となった 2011 年も、すぐに復旧し
たため、2005 年と同様の水準で止
めることができた。
大 震 災 に よ る 影 響 が 強 く 残 る、
特集・4
翌 年 に は、 コ ン テ ナ
貨物取扱量は大幅に
増 加 し、2013 年 は、
45,636TEU(20 フィー
トコンテナ1個=
1TEU) を 記 録 し た。
2014 年(集計中)は、
更に前年を上回るも
の と 想 定 さ れ、 八 戸
港の新たなコンテナ
定期航路開設等を含
め た 発 展 に、 大 い に
期待が持たれている。
1 月上旬には LNG 外航船が入港
JX日鉱日石エネルギー㈱は、八
戸港ポートアイランド内に「八戸
LNG(液化天然ガス)ターミナル」
を建設中で、今年 4 月に操業開始の
予定。
同社は元々、石油元売会社である
が、石油以外のエネルギーを求める
顧客要望に応えるため、エネルギー
全般に取扱い品目を拡大してきた。
八戸には、元々、内航船で輸送さ
れてくるサテライト基地が設置され
ていたが、直接、産ガス国から輸入
し、八戸を拠点に東北一円、並びに
道東地区の需要を満たすとの同社事
業戦略に基づき、広範囲をカバーす
る輸入基地建設決定に至った。
八戸 LNG ターミナルは、14 万 kl
の LNG タンクを 2 基設置。タンク
1 基で 20 万世帯のガス消費料 1 年
分を賄うことが可能だ。その他の
設 備 と し て、 全 長 300m を 超 え る
LNG 外航船用と、 LNG 内航船用の
桟橋をそれぞれ 1 基ずつ備える。1
月上旬(予定は 7 日)の LNG 外航
船初入港を皮切りに総合試運転を開
始する計画である。
東北一円に、
ロー
リー配送を行う予定で、ローリー出
荷設備は 12 レーン設置される。ま
たその他、桔梗野工業団地や八戸水
産加工団地までガス導管が敷設され
ている。
基地駐在社員は約 40 名で、八戸
出身者は半数以上を占める。
同ターミナルの操業開始により、
地域企業のエネルギーシステム転換
設備投資や、メンテナンス需要の発
生等の経済波及効果が見込まれてい
る。
※今年 1 月からの総合試運転に合わせ、
八戸工場大学では、「- 162°の炎を見よう」
企画を 1 月 8 日から 12 日まで、 八戸港貿
易センターにて開催。詳細は、八戸市ま
八戸港国際物流ターミナル
ちづくり文化推進室(TEL:43-9156)まで。
HCCI
2015. 01. 05
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