第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 第1節 町民と行政による協働のために 【施策の基本体系】 1-1 町民の参画と協働 1 現状と課題 町民の価値観・生活様式の多様化や都市化の進展によって、地域連帯感意識の希薄化や核 家族化が進み、コミュニティ活動などが低下しています。 一方でボランティア団体や NPO 法人など、まちづくりに積極的に取り組む団体や町民も 増えています。 このため、地域コミュニティに係る町民意識の高揚を図り、町民の参加する機会の拡充を 図るとともに、町民、自治会、企業、行政が協力・協働のもと、まちづくりを進めていく必 要があります。 2 基本方針 町民と行政の協働による まちづくり あらゆる面で町民、自治会、ボランティア団体、NPO 法人、企業と行政がともに考え、 ともに取り組み、協働によるよりよいまちづくりを推進します。 3 施策の基本方向 (1)町民参画の行動への支援 ○自治会、ボランティア団体、NPO 法人などのまちづくり団体に対して、組織・人材の育 成など積極的に支援を推進します。 (2)町民との協働によるまちづくり ○町民、企業、行政が、協力・協働のもと様々な分野のまちづくりに参加することのできる 機会の充実に努めます。 84 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 4 主要事業 ●自治会、NPO 法人、ボランティア団体への支援 ●将来まちづくりへの提言をするまちづくりブロック懇談会の開催 ●町の主要施策について意見を伺うパブリックコメント※ 44 の実施 ●まちづくりの知識を醸成するためのセミナーの開催 まちづくりセミナー 町民と行政の協働による まちづくり ※ 44 パブリックコメント 公的な機関が規則あるいは命令などの類のものを制定しようとするときに、広く公に(= パブリック)に、 意見・情報・改善案などを求める手続き。 85 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 1-2 広報・広聴活動 1 現状と課題 インターネットの普及など情報化の進展により、家庭で得ることのできる情報は著しく進 歩しています。これに伴い、町民の生活様式や価値観なども変化し、行政に対するニーズは 更に多様化してきています。 このため、町政に関する行政情報の積極的な公開に努めるとともに、まちづくりブロック 懇談会や区長会・各種の意見広聴会を通して町民との対話を続け、地域住民が町政に直接参 加できる広聴活動を充実させる必要があります。 また、当町で行われる各種イベントについても、FM コミュニティ放送や町のホームペー ジ・広報紙などを利用して PR をし、参加促進を図るなど広報活動に努める必要があります。 2 基本方針 FM コミュニティ放送や町のホームページ・広報紙などによる行政情報の積極的な提供に 努めます。また、まちづくりブロック懇談会や区長会・各種の意見広聴会などを通して、町 民との対話を続け、地域住民が町政に参加できる広聴活動に努めます。 3 施策の基本方向 (1)情報公開の推進 ○町政に関する情報公開については、町のホームページなど利用し、個人情報の保護を図り 積極的な情報提供に努めるとともに、庁舎内に情報公開コーナー等を設け情報公開の充実 に努めます。 ○保護すべき個人情報と公開すべき情報を明確にし、個人情報保護などの適切な運用に努め ます。 (2)広報・広聴活動の推進 ○既存の広報紙、町のホームページや FM コミュニティ放送「ボイスQ」などの情報メディ 町民と行政の協働による まちづくり アを利用して、町政に関する広報活動の充実に努めるとともに、まちづくりブロック懇談 会や行政モニター制度などの充実に努め広聴活動の推進をします。また、町の施設がどの ように利用されているのか知ってもらうための施設見学を実施します。 4 主要事業 ●情報公開の推進 ●町の施設を知ってもらうタウンウォッチングの実施 ● FM 三島函南の活用と支援 ●町のホームページの充実 ●まちづくりブロック懇談会や行政モニター制度の推進 86 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 5 めざす目標(平成 28 年) 指 標 名 まちづくりブロック懇談会の 参加地区数 現状数値 目標数値 15 地区(旧地区懇談会) 35 地区 6 めざす協働の指針 ◎まちづくりブロック懇談会に積極的に参加しよう。 タウンウォッチング 町民と行政の協働による まちづくり まちづくりブロック懇談会 87 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 第2節 健全で効率的・効果的な行財政運営のために 【施策の基本体系】 2-1 効率的・効果的な行政の推進 1 現状と課題 地方分権の進展や少子高齢社会の到来に伴い、多様化、高度化する行政課題や地域に応じ た施策を展開するため、行財政改革大綱に基づき、行政改革を一層推進していくことが求め 町民と行政の協働による まちづくり られています。 このため、簡素で効率的・効果的な行政組織の確立、適正な人事配置、事務の合理化や新 たな行政手法の導入に向けた検討が必要となります。 2 基本方針 多様化する町民のニーズに適切に対応し、行政サービスの向上を図るため適正な人事配置 をし、職員資質の向上に努めるとともに、事務事業の合理化を進め、簡素で効率的・効果的 な行政組織の確立をめざします。 3 施策の基本方向 (1)行政サービスの向上 ○インターネットなどの情報通信技術を利用して、迅速かつ適切な行政サービスの推進に努 めるとともに、行政評価システムを導入し、施策や事務事業の成果についての説明責任に 努めます。 88 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり (2)事務事業の見直しと合理化 ○最小の経費で最大の行政効果を得るため、事業の効率化・重点化・合理化に努めるととも に、職員からの業務等改善提案等により事業の分析、見直しを行い総合的・計画的な行政 の推進を図ります。 ○今後実施される権限移譲の動きに対応し、サービスの向上に努めるために、効率性を重視 する民間手法を、行政運営に導入するための検討を進めます。 ○電子入札の対象の拡大及び総合評価方式競争入札の本格的導入により、行政サービスの向 上を進め、入札の公正性、合理化を図ります。 (3)職員資質向上の推進 ○時代の要請に応じた執行体制を確立するとともに、職員の仕事に対する意欲を引き出し、 個々の能力が最大限に発揮できる人事制度の構築をめざします。 ○新たな行政課題に挑戦する意欲を持った職員を育成するため、研修制度を再構築し政策形 成能力や企画立案能力等の高い職員の育成に努めます。 4 主要事業 ●事務事業の合理化と分析、見直しの推進〔函南町行財政改革大綱〕 ●組織機構の見直し〔函南町行財政改革大綱〕 ●職員能力開発〔函南町行財政改革大綱〕 ●人事考課による人材育成 ●定員管理・給与の適正化の推進 ●入札制度のあり方について検討 ●公共事業の事業評価の推進 5 めざす目標(平成 28 年) 指 標 名 現状数値 目標数値 町職員の削減数 265 人 260 人(5人削減) 町民と行政の協働による まちづくり 6 めざす協働の指針 ◎や る気のある職員を育てよ う。 ◎効 率的な事業、必要な事業 について提案しよう。 ◎無 駄な事業、必要な事業に ついて意見を言おう。 函南町役場総合受付 89 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 2-2 効率的・効果的な財政運営 1 現状と課題 町の財政は、三位一体の改革※ 45 に伴う補助金の一般財源化による地方交付税の減少、国 庫補助金の減額や景気悪化による住民税などの落ち込みにより厳しい状況が続いています。 このため、町税を中心とした自主財源の確保を図るとともに、費用対効果を考慮し効率的・ 効果的、健全的な財政運営を進める必要があります。 また、自主財源確保のため収納率の向上に努めるとともに、未利用保有資産の有効活用や 受益者負担の観点から使用料などの見直しのほか、経常経費の更なる抑制や各種補助金など の事業仕分けなどを検討する必要もあります。 2 基本方針 経常的・投資的経費の適性かつ計画的な財政運営を進め、多様化する町民のニーズに応え ます。また、自主財源の確保を図るとともに、経済性、効率性、有効性を重視し未利用資産 の有効活用、売却等を図ります。 3 施策の基本方向 (1)財政運営の健全化 ○行政改革大綱に基づく行財政改革推進実施計画との整合を図りながら、費用対効果を鑑み 適正な財源配分に努めます。 ○自主財源確保のため、収納率の向上に努めるとともに、各種の使用料・手数料の見直しな どの検討をします。 ○国・県補助制度の積極的活用を図るとともに、経常経費の抑制や公共工事のコスト削減、 町が補助する各種補助金の事業仕分けなどを検討し見直しに努めます。 ○基金の運用については、社会情勢や国の金融政策を研究し、積極的な活用に努めるととも に、将来を見通した起債計画により健全な財政運営を図ります。 町民と行政の協働による まちづくり (2)保有資産の有効活用 ○町 の遊休保有資産については、 財政指標等の状況 適正な有効活用に努めるととも に、将来とも利活用が想定され ない未利用地については、民間 などへの売払等利活用の推進に 努めます。 (3)実施計画の策定と検証 ○基 本計画を基に実施計画を策定 し、年度ごとに事業の見直しを 加え計画的な事業執行による財 政の運用と検証の実施を推進し ます。 ■財政力指数 ■公債比率(%) 14 12 11.5 11.9 11.5 0.77 0.79 平成18 年 平成19 年 10.9 10.8 0.81 0.81 0.8 平成 20 年 平成 21 年 平成 22 年 10 8 6 4 2 0 ※ 45 三位一体の改革 国税から地方税への税源移譲、補助金の廃止・削減、地方交付税の見直しを一体として改革し、国と地方の 財政関係を分権的に改めること。 90 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 4 主要事業 ●固定資産税市街地宅地評価事業の推進 ●補助金、使用料、手数料の見直し ●実施計画策定事業(毎年ローリング) ●外部監査制度の導入検討 ●公会計制度※ 46 の導入 ●町の資産への広告掲載の推進(バナー広告、町民カレンダー等) 5 めざす目標(平成 28 年) ●実質公債比率 12 %未満の確保に努めます。 指 標 名 現状数値 目標数値 町税の収納率 82.32 % 93.00 % 6 めざす協働の指針 ◎まちの施策についてみんなで考えよう。 ◎効率的・効果的な財政運営について提案しよう。 2-3 広域連携の強化推進 1 現状と課題 住民の日常生活圏は、近年のモータリーゼーション※ 47 の進展により、市町の境界を越え て拡大しており、行政に対し、より広域的な行政サービスの提供が求められています。 また、地方分権の進展などにより、求められる行政ニーズが多様化、高度化する中で行政 サービスはますます細分化、専門化していますが、市町の財政力により行政サービスに格差 が生じている現状があります。 町民と行政の協働による まちづくり このため、行政運営を展望する中で、従来の市町区域を越え周辺の市町が、人、産業、情 報、技術など、広域的な行政サービスを提供していくとともに、効率的な行政運用の観点か ら、広域連合や市町合併についても積極的に調査・推進する必要があります。 2 基本方針 周辺市町と連携し、産業・環境・各種行政サービスや施設の共同利用や、事務の効率化や 経費削減の観点から各市町の共通する事務を共同処理するなど、広域的に実施することが効 果的な事業は、積極的に推進します。 3 施策の基本方向 (1)広域行政の強化推進 ○広域運営により経済的かつ効率的な事務・事業については、周辺市町とそれぞれの役割分 担を明確にした上で、広域行政体制の強化・充実の推進に努めます。 ○地方税一元化※ 48 を目指し、斬新的な地方税一元化として広域連合 ( 静岡地方税滞納整理 ※ 46 公会計制度 現金主義・単式簿記を特徴とする現在の地方自治体の会計制度に対して、発生主義・複式簿記などの企業会計手 法を導入しようとする取り組みのことです。 ※ 47 モータリーゼーション 自動車が社会と大衆に広く普及し、生活必需品化する 現象。 91 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 機構 ) による、徴収事務及び課税事務の集中化を進めます。 ○国、県等の事務の権限移譲が進んでいることから事務量、専門性等に配慮し効率的な事務 処理体制について広域での事務処理の可能性を検討します。 ○町民意識を的確に捉え、道州制や広域連合への移行を見極めながら、市町合併についても 引き続き調査・研究に努めます。 (2)国・県との連携 ○国、県との連携の強化に努め、東駿河湾環状道路をはじめとする国、県事業の事業促進に ついて積極的な要望を図ります。 4 主要事業 ●周辺市町との連携強化 ●広域行政組織の拡充 ●広域連合や市町合併の調査、研究 ●地方税一元化の検討 5 めざす目標(平成 28 年) 指 標 名 広域サービスによる住民票及び 印鑑登録証明書の取扱件数 広域サービスによる 戸籍謄本・抄本の取扱件数 現状数値 目標数値 637 件 / 年 650 件 / 年 602 件 / 年 800 件 / 年 6 めざす協働の指針 ◎広域行政サービスを活用しよう。 町民と行政の協働による まちづくり 三島函南広域行政組合立若葉保育園 ※ 48 地方税一元化 地方税の課税から徴収に至るまでの一連の事務について、市や町でそれぞれにおいて行われている市町村税に ついて、納税者の利便と事務の効率化を図る観点から、県税と市町税を共同処理することをいう。 92 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 2-4 高度情報化の推進 1 現状と課題 インターネットの普及を背景として社会経済活動の様々な分野で情報化はめざましく進展 しており、インターネットの利用もパソコンだけではなく、携帯電話やゲーム機に代表され る携帯情報通信端末や一般家電での利用など多様化が進んでいます。 当町においても、パソコンなどを利用した高度な情報ネットワークが構築されてきており、 庁内情報の共有化やメール活用などにより、行政事務の高度情報化が推進されていますが、 今後ますます多様化・高度化する町民のニーズに応えるため、情報技術を活用した利便性の 向上が求められています。 このため、インターネット等を活用しオンラインで行政手続きができる環境整備の推進な ど、情報技術を活用した電子化の拡充に努める必要があります。 また、広域行政における共同事業に対応した行政サービスを提供するための IT 化にも努 める必要があります。 2 基本方針 高度情報化社会に対応した、各種行政サービスの拡充に努めるために、職員の情報活用能 力の向上を推進するとともに、町民協働のまちづくりを推進するため、行政情報を広く町民 に周知し、電子媒体を活用した町民意見の集収を積極的に進める一方、高度情報化社会にお いて欠くことのできない個人情報の保護、情報セキュリティ対策についても積極的に努めま す。 3 施策の基本方向 (1)電子自治体の整備 ○高度情報化社会に向けた行政サービスの向上に対応するため、情報システムの整備を推進 します。 町民と行政の協働による まちづくり ○インターネットを活用し、オンラインで行政手続きができる環境整備について検討します。 ○広域で行うべきものは広域で行うなどして、安全で効率的な共同情報システムの構築を推 進します。 (2)事務の効率化 ○庁内ネットワークを拡充し、電子決裁等事務の効率化を検討するとともに、情報技術環境 の基盤整備に努めます。 ○事務の効率化を図る上で必要な職員へのパソコン教育、情報教育等の積極的な推進に努め、 情報活用能力の向上を図ります。 (3)情報の保護 ○個人情報の保護については、安全な運用が図れるよう万全なセキュリティ対策を講じると ともに、職員に対しては、情報セキュリティポリシー※ 49 に対する意識の向上に努めます。 ※ 49 情報セキュリティポリシー 企業など団体における秘密情報・個人情報等の管理やコンピュータウィルスなどによる管理につ いて、まとめた規範のことをいう。 93 第五次函南町総合計画後期基本計画 第6章 町民と行政の協働によるまちづくり 4 主要事業 ●文書管理システム導入調査・構築事業の推進 ●総合地図情報システム(GIS)構築事業の推進 ●電子申請システム構築の検討 ●庁内 IT 化の拡充 ●個人情報セキュリティ対策の推進 5 めざす目標(平成 28 年) 指 標 名 現状数値 目標数値 240,000 件 280,000 件 函南町ホームページへの 年間アクセス件数 (トップページのアクセス件数) 6 めざす協働の指針 ◎ホームページを利用した町政情報の提供と活用をしよう。 ◎インターネット等を活用した行政サービスなど、情報技術を活用した電子化の拡充と活用 をしよう。 町民と行政の協働による まちづくり 情報管理 94
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