フロンティア・アジア次世代の新興市場アルフレッド・シプケ編新興市場が世界経済において大きな役割を担い、世界的な成長の大きな要因となって久しいなか、時にフロンティア経済とも呼ばれる急成長中の新たな低所得国グループが注目を集めており、資本市場の寵児となっています。これらの国々は果たして次世代の新興市場となり得るのでしょうか。そして急成長し、フロンティア・アジアの仲間入りを果たしたいとする他の低所得国が学ぶべき教訓とは何でしょうか。ベトナム、カンボジア、バングラデシュを含み、3 億5千万人を超える人口を有するむフロンティア・アジアは、世界で最も急成長している地域に位置し、人口動態の観点から見ても成長に適しています。国や地域による多様性の高さにもかかわらず、これらの国々はマクロ経済・金融・構造にかかる多くの共通課題を抱えています。本書では経済成長や構造変化に関する問題だけでなく、「貧困の罠」のリスクや所得格差の拡大についても述べています。また金融セクターと金融政策フレームワークの問題についても分析を行っています。編者：アルフレッド・シプケ国際通貨基金中国事務所代表。前職は、急成長している東南アジアの低所得国を所掌するアジア太平洋局のベトナム担当課長。 2 目次前書き１．フロンティア・アジアの成長の重要性 Alfred Schipke ２．新興市場の経験からの教訓 Itai Agur, Mangal Goswami, Shinichi Nakabayashi, and Sunil Sharma 経済の変革と成長３．多様性、成長と変動性 Chris Papageorgiou, Nicola Spatafora, and Ke Wang ４．成長の減速：フロンティア・アジアは違うのか？ Longmei Zhang and Damien Puy ５．包括的成長の達成 Ravi Balakrishnan, Chad Steinberg, and Murtaza Syed 政策フレームワークの強化６．金融セクターの深化と変革 Era Dabla-Norris, Yasuhisa Ojima, and Marco Arena ７．金融セクターの脆弱性への取り組み Todd Schneider, Faisal Ahmed, Rina Bhattacharya, Sergei Dodzin, Souvik Gupta, Jongsoon Shin and Xuan Tu ８．資本市場とフロンティア経済 Nehad Chowdhury, Martin Edmonds, and Chris Walker ９．金融政策フレームワークの強化 Ashvin Ahuja , Nombulelo Duma, Sarwat Jahan, Yasuhisa Ojima, and Alexandra Peter