JSCA 賞【新人賞】 福島 孝志 羽田クロノゲート/ 地域貢献エリア『和の里』施設群 Department 1. YamatoFORUM <建物概要> 建築名称 羽田クロノゲート/地域貢献エリア 『和の里』施設群 所 在 地 東京都大田区羽田旭町11-1 建 築 主 ヤマトホールディングス株式会社/ヤマト運輸株式会社 設 計 者 株式会社日建設計 施 工 者 鹿島建設株式会社 建築規模 (代表として、ヤマトフォーラムについて記述) 建築面積:約1800.00m2 階数:2階 建物高さ:13.5m 主要構造 鉄筋コンクリート造、屋根:フープ式張弦梁構造 Step1 地組 ドーム形状でありながら、 平行組柱+平行弦材とする ことで高さ方向に変形可能 となる。 Step2 アップリフト PCa壁と屋根鉄骨には面内 剛性が備わっているので、 施工時に発生する水平力に 対して安定的である。 「オクルス」部分に中央 ベントを設けて、鉛直ジ ャッキにより屋根鉄骨を 引き上げる。 Step3 アップリフト完了 テンションリングのあと 施工分を設置し、PCa壁 をプレストレスにより圧 着して下部構造も閉じる。 50.19° 有効高さ 2 段のフープ状 テンションリング 40000 9300 57350 2 段の放射方向のテンション材 フープ式張弦梁構造の採用 アップリフト構法の考案と実施 屋根鉄骨であるが、約 60m のロングスパンに対する合 理的解決策として、2 段のフープ状テンションリングと 放射方向のテンション材のハイブリッド・システムで あるフープ式張弦梁構造を採用した。本構造を採用し た理由は下記の 2 点。 ・建物高さを抑えて圧迫感を軽減しつつ、競技のための 有効高さが確保できる ・自碇式の特徴によりスラスト力が発生せず、下部構造 に過度な負担が生じない ア ッ プ リ フ ト 構 法 は、プ レ キ ャ ス ト コ ン ク リ ー ト 壁 (PCa 壁)を倒すことで、折り畳んだフープ式張弦梁構 造が引き上がるメカニズムを施工利用した構造計画であ る。フープ式張弦梁構造の内周部は地上に近いところで 事前に組めるため、安全かつ精度の高い工事ができ、上 棟後すぐに屋根工事と屋内工事を二段同時施工ができる ので工程上も合理的と考え、設計図に施工要領図として 図示した。 Department 2. Reciprocity 和のデザイン ヤマトフォーラム 託児所 受付棟 リングデッキ ここでの「和」の意味は、互いに相手を大切にし、協力 し合う関係のこと。目指したのは地域との和、そして建 物同士の和である。ヤマトフォーラムの PCa 壁との調和 を意図した託児所、それらと対比的に全面ガラス貼りと した受付棟は、この棟に最初に来訪してもらいたい意図 を強調した。そしてリングデッキには、すべての建物を 眺望できるしくみを設けた。個々の建物の最適化やつく り込みに留まるものではなく、それらが集まることで生 まれる和の里の名にふさわしい<レシプロカル>な空間 カフェベーカリー を創り出した。
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