運輸安全マネジメントに関する取り組みについて 三重交通株式会社 Ⅰ.輸送の安全に関する方針 ○社長方針 1.「無事故は使命」 2.「思いやりとプロの自覚」 ○取り組み事項 1.事業活動においては、お客様の安全確保を第一に考えます。 2.安全確保のため、日ごろから危険要因の排除に努め、安全に関する計画の策定、実行、チェック、 改善(PDCA)を確実に実施します。 3.安全に関する教育、研修、訓練等を適時適切に実施します。 4.常に安全意識を高く持ち、社会の変化に対応しつつ確固とした体制を目指し、法令遵守を徹底します。 5.事故、災害が発生した場合には、お客様の救護を最優先に行い、他の機関と連携を密にし、被害 の拡大防止、早期復旧を図るとともに輸送の安全に関する情報について、積極的に公表いたします。 Ⅱ.平成 26 年度の取り組みについて(平成 26 年 4 月~平成 27 年 3 月) 1.輸送の安全に関する目標及び当該目標の達成状況 (1)目 標 ……… 有責事故 前年度対比 20%減少 (2)結 果 ……… 有責事故 前年度対比 5 件(2.7%)増加 (全社で事故防止対策に取り組みましたが、目標達成できませんでした) 2.自動車事故報告規則第 2 条に規定する事故に関する統計 ○事故件数 ………… 5 件 (内訳) ①車内事故 ……… 4 件 ②死亡事故 ……… 1 件 ③車両故障 ……… 2 件 3.重点施策の取り組み結果 「三事故(自らの注意で防ぐことのできる事故)の防止」を重点施策として取り組みましたが 1 件発生し ました。 (前年度対比▲5 件減少) ※三事故 ……… 追突事故、発車反動事故、扉事故 1 4.輸送の安全に関して取り組んだ事項 (1)事故防止対策委員会の開催(安全マネジメントに関する会議体) 安全統括管理者を委員長とした社内及びグループ運輸会社管理者から構成される事故防止対策委員会 を年 4 回開催し、安全輸送とサービス向上運動への取り組みとともに事故防止の通年重点施策を策定し ました。 (7 月、9 月、12 月、3 月に開催) また、5 月に臨時事故防止対策委員会を開催し、前年度の取り組み総括とともに新年度の取り組みを 決定しました。 (2)区長・事業所長(統括運行管理者)会議の開催 事故防止対策委員会で決定した取り組み事項及び緊急性のある事項については、統括運行管理者会議 を開催し、各運行管理者並びに乗務員への周知を図るとともに各営業所における具体的な取り組みを策 定しました。 ①定例会議 ………… 年間 4 回(7 月、9 月、12 月、3 月に開催) ②臨時会議 ………… 年間 4 回(5 月、7 月、11 月、12 月、3 月に開催) (3) 「安全輸送とサービス向上運動」を実施 事故防止と接客向上を目指して、年 4 回「安全輸送とサービス向上運動」を実施し、期間中、有責事故 並びに苦情のなかった営業所に対して社長表彰を行うとともに、次回の運動に反映いたしました。 ①春の安全輸送とサービス向上運動 ………… 4 月 6 日 ~ 5 月 6 日 ②夏の安全輸送とサービス向上運動 ………… 7 月 21 日 ~ 8 月 20 日 ③秋の安全輸送とサービス向上運動 ………… 10 月 6 日 ~11 月 5 日 ④年末年始の安全輸送とサービス向上運動 … 12 月 21 日 ~ 1 月 20 日 (4)乗務員講習会の実施 年4回の「安全輸送とサービス向上運動」に合わせて、全乗務員を対象に事故防止と接客向上に向けた 講習会を実施しました。 (年 4 回実施) また早急に取り組まなければならない事案に対しては、緊急の乗務員講習会を実施しました。 (5)会社トップによる職場巡視の実施 社長及び安全統括管理者による職場巡回を行い、取り組み状況の確認と現場管理者との意見交換を行 いました。また同時に乗務員との懇談会を実施し、意思の疎通と安全意識の向上を図りました。 ①社長による職場巡視 ………………… 年 2 回(7 月~8 月・12 月~2 月全営業所) ②安全統括管理者による職場巡視 …… 年 2 回(9 月~10 月・3 月~4 月全営業所) (6)本社管理部門による早朝立合の実施 年 4 回の「安全輸送とサービス向上運動」の初日と最終日に、本社管理部門による営業所早朝立合を 実施し、始業点呼にて適切な指示がされているか確認を行うとともに、必要に応じて助言と指導を実施 しました。 (計 8 回実施) 2 (7) 「安全輸送とサービス向上運動」実施後の評価 各運動期間終了後、運動期間中成績優秀な営業所について、運動表彰規程に基づき社長表彰を行い ました。また、各運動期間中の見直しが必要な事項は、次回の運動に反映させ、継続性のある取り組 みに努めています。 (8)法令遵守の意識向上策の実施 管理部門並びに現業部門社員の運転記録証明書を取得し、事故違反の有無並びに免許証の有効期限切 れの確認を行い交通事業に携わる者としての安全意識の向上を図りました。 (1,830 名取得) (9)運転士に対する運転適性診断の実施 運転士に対して、独立行政法人自動車事故対策機構が実施する適性診断(3 年に 1 度の診断及び特別 診断)を対象者全員に受診させ、安全運転の意識を高めました。 (306 名受診) (10) 「デイライトオン走行運動」の継続実施 現在、取組んでいるデイライトを廃車予定車両を除く全車両を対象にLED球への変更を行いました。 球切れ防止並びにバッテリーへの負担軽減を図り、運転士の安全意識並びに周辺交通からもバスの視認 性が高まることから継続してデイライトオンを実施しました。 (11)睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査の実施とフォロー 新たに運転者になる者は研修期間中全運転士に対して、睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検 査を実施し、必要に応じて再検査の指示をするなど把握と健康管理に役立てています。 (83 名実施) (12)緊急時対応マニュアルの周知 ①乗務員講習会にて緊急時対応マニュアルの確認を実施しました。また各対応マニュアルについては、 随時点検を行い必要に応じて更新しました。 ②大規模地震を想定し、社内連絡網による情報伝達訓練を実施いたしました。 (9 月 1 日実施) ③社内の危機管理体制を高めることを目的として、バスジャックを想定した訓練を三重県警察本部と の合同で実施しました。 (2 月 12 日実施) 5.輸送の安全に関して実施した教育及び研修 (1)運行管理者研修の実施 ①強いリーダーシップの発揮と、幅広い知識を習得することを目的とし、安全意識並びに運行管理業 務の向上を図るための社内研修を実施しました。 (計 5 回、全運行管理者及び運行管理補助者 6 名が受講) ②独立行政法人自動車事故防止対策機構が実施する運行管理者一般講習を受講しました。 (45 名が受講) ③運輸安全マネジメントに関する講習を受講させ、運行管理者の安全意識の向上を図りました。 (15 名が受講) 3 (2)乗務員教育の実施 ①運転士のフォローアップ研修の実施 ・配属後 1 年を経過した運転士に対して、バス運転士の心構えと基本運転技能を再確認する研修を実 施しました。 (計 147 名実施) ②運転士登用研修の実施 ・新規採用及び社内登用運転士の初期教育を実施しました。 (研修実日数 31 日間、計 93 名) ③運転士キャリアアップ研修の実施 ・観光バス乗務資格研修を実施しました。 (研修実日数 3 日間、計 11 名実施) ・スキーバス乗務資格研修を実施しました。 (研修実日数 3 日間、計 7 名実施) ・長距離高速線乗務資格研修を実施しました。 (研修実日数 2 日間、計 11 名実施) ④社外の安全運転研修の受講 ・自動車安全運転センター安全運転中央研修所(茨城県、研修実日数 4 日間、計 2 名実施) ・クレフィール湖東交通安全研修所(滋賀県、研修実日数 2 日間、計 24 名実施) ⑤専任添乗指導員による添乗指導の実施 乗務経験のある管理監督者OB等の中から採用された専任の指導員が、新人等現役乗務員に対する効 果的な技量向上への指導、客観的な評価等を実施することを目的として、専任添乗指導員が年間延べ 2,495 名の営業運転車両への添乗を行い、現地指導並びにその結果を営業所に伝え必要に応じて、営 業所運行管理者が追跡添乗を行い、輸送の安全確保並びに乗務員資質の向上を図りました。 ⑥飲酒運転防止の対策 飲酒運転防止の継続的な取り組みとして運転士に貸与している携帯型アルコール検知器を代替しまし た。 (220 台代替) ⑦運転免許証不携帯防止並びに有効期限切れ防止の対策 乗務員の運転免許証及び有効期限の確認並びに飲酒確認をより確実に実施するため、平成 25 年度より 導入したアルコール検知器連動型免許証確認システム「IC 免許証リーダー」で飲酒運転並びに免許証 有効期限切れを絶対にさせないように取り組んでいます。 ⑧運転士の再教育の実施 ・事故及び苦情発生者研修の実施 事故惹起者並びに苦情を発生させた者に対する再教育を実施しました。 (事故、苦情の原因究明及び再発防止に対する意識と運転技能の向上を図る指導を 19 名に対して実 施しました。 ) ・運転補習研修の実施 疾病その他の理由で、連続非乗務日数が 15 日以上経過した者に対し、運転補習教育を 32 名に対し て実施しました。 4 6.内部監査並びに運行業務点検の実施とその後の対応 (1)本社管理部門に対する内部監査の実施 ・本社監査部長をはじめ監査担当者が内部監査規程に基づき、社長、安全統括管理者並びに運転保安部 長に対してインタビューを実施し、事故防止への取り組み並びに「運輸安全マネジメント」制度の遂 行状況を確認しました。 (3 月に実施) (2)営業所に対する内部監査の実施 ・本社監査部長をはじめ監査部が指名した本社運転保安部社員が営業所に対して、輸送の安全に対する 取り組み状況についての業務監査を実施し、運行管理業務が適切に実施されているか確認しました。 (1~2月に実施) (3)営業所に対する運行業務点検の実施 ・本社運転保安部が旅客自動車運送事業運輸規則第 48 条(運行管理者の業務)等に基づいた運行管理業 務が適切に実施されているかを検証するため、年 3 回の業務点検を実施し、助言とともに改善点の指 導を実施しました。 (6 月、9 月~10 月、12 月~1 月の年 3 回実施) 7.輸送の安全に関する投資実績(平成 26 年 4 月~平成 27 年 3 月) (1)安全に関する投資 ①常時録画型ドライブレコーダーへの代替 ……………… 3,850 万円 ②睡眠時無呼吸症候群検査の実施(新規採用者を含む)……… 40 万円 ③遠隔用リアルタイム動画点呼システム(テレ点呼)…… 10,50 万円 ④運転記録証明書の取得 ……………………………………… 180 万円 ⑤携行用アルコール検知器の代替(乗務員へ貸与)…………… 60 万円 ⑥健康管理対策(薬物検査)…………………………………… 50 万円 ⑦車内事故防止策(啓発用ティッシュの配布) …………… 20 万円 ⑧緊急地震速報受信機のメンテナンス及び配信委託料 …… 70 万円 ⑨デイライト対応LEDライトの装着 ……………………… 670 万円 (2)乗務員教育に関する投資 ①添乗指導にかかる費用 ……………………………………… 780 万円 (3)車両に関する投資 ①乗合ノンステップバスの導入 ……………………… 5 億 2,940 万円 合計 5 億 9,710 万円 8.安全管理規程の変更の有無 見直しを行いましたが、変更すべき点はありませんでした。 5 Ⅲ 平成 27 年度の取り組みについて(平成 27 年 4 月~平成 28 年 3 月) 平成 26 年度に取り組んだ内容を総括・分析し、更なる安全性の向上を目指して取り組んでいきます。 1.輸送の安全に関する方針 ○社長方針 ・ 「無事故は使命」 ・ 「思いやりとプロの自覚」 ※前年度の方針を継承し、輸送の安全の確保に引き続き努めていきます。 2.輸送の安全に関する目標 (1)重大事故の絶無 …… 高速道路、転落、積雪凍結時の事故をはじめ社会的影響を及ぼす事故の絶無 (2)有責事故ゼロ ……… 三事故(追突事故・発車反動事故・扉事故の防止)及び当社責任事故の絶無 (3)具体的な目標 ……… 有責事故前年度比較 20%減少 3.輸送の安全に関する重点施策 (1)運行管理体制の充実 (2)運行管理者の育成と運転士教育の充実 (3)事故事案の詳細な分析とそれに基づいた再発防止策の共有と伝達の強化(データ及び指導ツールの有 効活用) (4)法令遵守に向けた取り組みの強化 (5)当社責任に帰す苦情の絶無 (6)運輸安全マネジメント制度の更なる充実と強化 4.輸送の安全に関する計画 前年度の実施事項をはじめ、下記事項について取り組んでいきます。 (1)年 4 回の安全輸送とサービス向上運動の実施 ①春の安全輸送とサービス向上運動 ………… 平成 27 年 4 月 6 日~ 5 月 6 日 ②夏の安全輸送とサービス向上運動 ………… 平成 27 年 7 月 21 日~ 8 月 20 日 ③秋の安全輸送とサービス向上運動 ………… 平成 27 年 10 月 6 日~11 月 5 日 ④年末年始の安全輸送とサービス向上運動 … 平成 27 年 12 月 21 日~28 年 1 月 20 日 (2)会社トップによる職場巡視の実施 社長及び安全統括管理者による職場巡回を行い、取り組み状況の確認と現場管理者との意見交換を行 うとともに、同時に乗務員との懇談会を実施し、意思の疎通と安全意識の向上を図ります。 (3)安全な運行管理の徹底 ①運行管理者による確実な点呼の執行 ②乗務基準に基づいた適正な運行計画の実施 ③乗務員の健康状態の把握と指導 6 (4)専任添乗指導員による添乗指導の実施 ①添乗中のリアルタイムな現場指導 ②添乗データの蓄積による個別指導の充実 ③主要駅及びターミナルでの立合い指導の充実 (5)ヒヤリハット情報の有効活用(ドライブレコーダー、デジタルタコグラフの活用) ①ドライブレコーダー及びデジタルタコグラフのデータ分析と、再発防止に向けた指導教育への活用 ②終業点呼時におけるヒヤリハットの聞き取りとその情報の共有化 (6)嘱託運転士雇用延長に伴う適性診断等の診断の充実並びに脳ドック受診による安全管理の実施 (7)睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策 ①SAS 治療中の乗務員に対する追跡調査の継続実施 ②新規採用者に対する SAS 検査の継続実施 (8)緊急時における対応方の対策 大規模地震、津波、テロ・バスジャック等、緊急時の対応マニュアルの継続的な点検・訓練の実施 5.輸送の安全に関する教育及び研修の計画 乗務員及び運行管理者の安全意識の向上を図ります。 (1)乗務員の階層別研修の実施 ①運転士のフォローアップ研修の実施 運転経験 1 年未満者、ベテラン運転士並びに観光運転士を対象とした研修を実施 ②運転士キャリアアップ研修の実施 高速、観光、スキーバス乗務に向けた各研修の実施 ③事故・苦情等惹起者の再研修 再発防止に向けた再教育の実施 ④その他安全運転研修 社外施設を利用した実技実習の実施 (2)運行管理者研修 ①統括運行管理者の研修 ②運行管理者の研修 ③初任運行管理者及び運行管理補助者の研修 (3)新規採用後の運転士養成研修 バス運転士としての必要な「心構え」と「運転技量」の習得を図ります。 (4)運輸安全マネジメント研修 本社・営業所の管理監督者を対象に、研修を実施し社員が一体となって安全意識の向上に取り 組んでいきます。 7 6.輸送の安全に関する投資予算 (1)安全に関する投資 ①常時録画型ドライブレコーダーへの代替 ………………………2,800 万円 ②遠隔用リアルタイム動画点呼システムの導入(テレ点呼)… 1,500 万円 ③衝突防止補助システムの導入 …………………………………… 150 万円 ④運転記録証明書の取得 …………………………………………… 180 万円 ⑤睡眠時無呼吸症候群の検査(新規採用者)……………………… 40 万円 ⑥携行飲酒検知器の貸与(新規採用及び代替) ………………… 900 万円 ⑦健康管理対策(薬物検査) ……………………………………… 170 万円 ⑧緊急地震速報受信機のメンテナンス及び配信委託料 ………… 70 万円 ⑨添乗指導にかかる費用 …………………………………………… 760 万円 (2)車両関係に関する投資 ①乗合ノンステップバスの導入 …………………………… 2 億 30,50 万円 合計 2 億 9,620 万円 7.輸送に関する監査並びに業務点検の実施 輸送の安全に対する取り組みを確認するとともに、引き続き更なる改善に向けて助言をしていきます。 (1)本社管理部門に対する内部監査の実施 …… 平成 28 年 2 月~3 月予定 (2)営業所に対する内部監査の実施 …………… 平成 28 年 1 月~2 月予定 (3)営業所に対する運行業務点検の実施 ……… 平成 27 年 6 月、9 月、12 月予定 8.安全統括管理者及び安全管理規程 ・安全統括管理者 ……… 専務取締役 竹谷 賢一 ・安全管理規程 ………… 変更なし 9.輸送の安全に関する組織体制及び指揮命令系統 (1)輸送の安全に関する組織図 ………………… 別紙 1 (2)事故・事件・災害発生時の報告系統図 ……… 別紙 2 以上 8
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