相手立場立信頼関係築く大切﹁交渉を行うにあたって最も大切なことは何ですか？﹂とよく質問されます。皆さんなら、何と答えますか。筆者の答えは﹁相手の立場に立って交渉すること﹂です。﹁相手の立場に立つこと﹂は大切であるのにもかかわらず、できている人は少数です。一見簡単そうに思えますが、実は非常に難しく、奥深い考えを必要とします。勘違いしてはならないのは﹁相手の立場に立つ﹂とは、相手の腹を探ることではないという点です。相手のウィークポイントを見つけ出して、自分を優位に持っていくことが交渉だと誤解している人は多くいます。しかし、前回も述べましたが、ベストな取引条件を引き出すには、まず相手との信頼関係を構築することが何よりも大切。相手が何を考えているのか、どうすれば相手が喜ぶのか、という視点で考えられるかが重要です。例えば、融資先の経営者から、極度額、担保等です。実は、経営者は﹁他行の話をして、何か少しでも自社にプラスになれば﹂と思って、担当者の反応を見ていることもあります。多くの場合、以前から付合いのある金融機関との取引を、金利が低くなるという理由だけで、すぐに解消することはなでは、相手は何を求めているのいでしょう。でしょうか。交渉にあたっては、経営者が合理的な考え方を重視するか、付合いを大事にするか、また会社が現状、資金繰りに苦しんでいるか、成長著しいかなどで求例えば合理的な考えの経営者で﹁Ａ銀行の担当者が来て、お宅よされるかもしれません。できないか﹂というような相談をけられたという時点で、少なくとう。その意味では、相談を持ちかると決めてから連絡するでしょ様は相談もせず、Ａ銀行と取引す係が構築されていなければ、お客お客様と皆さんとの間に信頼関の要求﹂になりますが、本当にそどおりに受け取ると﹁金利引下げして交渉に臨んでください。額面求めていることは何かを強く意識の立場に立つことです。経営者がれたとき、一番大切なのが融資先行より低い金利を他行庫に提示さいずれにせよ、今回のように自もＡ銀行と同等以上には信頼され条件整理提案どうなりますか？融資には金利以外にもいろいろ例えば、支店長に確認しても金利合わせることはできるか。無理で多額の借入れをできるほうが、金の引下げが難しい場合は、他行にな条件が存在します。返済期間、利の水準よりも重要になるでしょ仮定台詞質問これらの台詞で重要なのは仮定の要求からずれてしまうこと。相勝手に相手の要求を想像し、実際交渉においてよくあるミスが、当に交渉が決裂するかどうかを確台詞です。提示条件を断ったら本況を知りたい場合に、最も有効なす。こちらが決断せずに相手の状を表す﹁もし∼﹂﹁例えば∼﹂で手の立場に立っているつもりで、認したい場合にも使えます。この仮定の台詞には様々な使いが本当に他行への変更を考えていめつけている場合です。交渉ではるかどうか等を確認するときに使方があります。次回以降の連載で相手の要求を的確に捉えるにえる台詞として覚えておいてくだも説明しますが、まずは交渉相手は、素直に聞くことです。しか相手の要求を的確に捉えることがし、﹁どのくらいの金利であれば ● さい。も低い金利を提示できない場合はもし、社内で検討して、どうして次の台詞で確認してください。求しているか分からない場合は、今回のように、何をどの程度要利を要求してくるでしょう。ではなかった経営者まで、低い金本当は低い金利を要求するつもりってしまいます。それどころか、問では、経営者の思いどおりにな継続してくれますか？﹂という質非常に重要になってきます。実は自分の想像で﹁こうだ﹂と決相手本当要求確認変更せざるを得ないのでしょうかう。あれば、何か別のサービスで譲歩様経営者みましょう。うか、相手の立場に立って考えてさらに強固な絆が築かれていれば、﹁Ａ銀行が今よりも低い金利を示してきた。お宅とは取引を継プ合ているといえます。れた場合を想定してみます。りも低い金利を提示した﹂と言わ ●仮定の台詞による要求の確認方法続していきたいと思っているが、のタをイ金利引下げ要求には経営者の真の要求を意識して交渉に臨むめるものが変わってきます。あれば、金利だけの比較ではな提示された条件を断ったらどのような対応をするか知りたい場合や、交渉決裂のリスクがある場合に使える台詞。他にも「仮に∼」「例えば ∼」という言い回しがある。にしてわせ相手の真意は「もし」「例えば」など仮定の台詞で確認く、借入期間や担保設定の有無、々な ▼本連載は毎月日号に掲載します︵総特集号を除く︶。１５極度貸付、顧客紹介等の、融資や融資以外で提供できる自行庫の条件やメリットの比較もしながら提案したほうが信頼を得られます。付き合いを大事にする経営者であれば、都市銀行よりも地元密着型の信用金庫や地方銀行の担当者が成長著しい企業であれば、よりをしこちとが有利になるかもしれません。のでプロレド・パートナーズ代表佐谷進 84 ２０１５・５月１５日号２０１５・５月１５日号 85 のの金利引下げを打診された第２回にをの佐谷進プロレド・パートナーズ・代表。不動産と流通に特化したコンサルティングを提供する。数々のコスト削減実績がある、交渉のスペシャリスト。著書に『体温の伝わる交渉』（ウィズワークス）。