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平成27年度
平成 27 年 7 月
第7回スポーツ講座
テーマ「スポーツ哲学」
講師
関根正美
(日本体育大学
体育学部)
報告者:岡山大学教育学部2年
木口明紀
【内容】
今回のスポーツ講座では、
「松井秀喜
甲子園 5 連続敬遠」
「タイブレーク」
「羽生結弦の演技」
という3つの題材を通して、『スポーツとは何か』『私たちはスポーツを通して、何を求めている
のか』ということを複数の視点から考えた。
テレビでよく放送され、話題になった羽生の演技。頭部をけがしたにも関わらず、全力で行っ
た演技には、会場から惜しみない拍手が送られた。流血しながらも、懸命に演技をする羽生の姿
は美しい。けがにも負けない、不屈の闘志を感じる。しかし、けがの程度が正確にはわからない
状態である。そのため、競技者の身体、健康に配慮すべきではないのか。また、健康面に配慮し
たとしても、選手が演技をしたいと言っているのに止めてもいいのか。その場合、選手の人権を
否定していることにもなるのではないか。
「スポーツに、私たちは何を求めているのか」
。もし、観客がスリルを求めているなら、スポー
ツは見世物としてのスポーツになる。しかし、古代ローマのコロッセオのように、選手の健康が
蔑ろにされてしまうこともある。もし、選手の健康ばかりに配慮してしまうと、観客がいなくな
ってしまったり、選手にもスリルというものがなくなってしまうかもしれない。できるか、でき
ないか、そこを目指す選手が少なくなれば、指導者もその選手を育てたという感覚がなくなって
しまうかもしれない。
また、「スポーツの本質とは何なのか」。スポーツとは、競争であり、勝つことが目的であると
する。勝つことが、目的ならば、ドーピング問題というのはありえなくなる。なぜならば、勝つ
ためにしていることであるからだ。また、松井秀喜に対する敬遠も何も問題はない。試合で勝つ
ためには、松井に打たせないようにするのが大事だと判断したためだ。
このように、複数の立場や考えを通して、スポーツとは何か、何を私たちはスポーツに求めて
いるのかを考えるのがスポーツ哲学である。
【感想】
今回の講演では、複数の視点からスポーツを考えるので、難しかったです。ただ、いろんな要
素があることはわかりました。どれか、一つの視点に固執するのではなく。指導者や選手、選手
の保護者、観客など、それぞれに合わせた方法をとっていくのが必要だと思いました。
関根先生の講義風景