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Gambling routine
Study of Magic #004
2015/06/21
#004 gambling routine
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カテゴリー
Gambling
Poker
Any Pokerhand Called For
観客の指定したポーカーの手札をディールするデモンストレーション。
Blindfold Poker & Think-a-Card
目隠しをした状態でのポーカーデモンストレーション。また、観客が思ったカードをポーカーの手札として配るデモンストレーション。
False Dealing
フォールスディールのデモンストレーション
Hold em
hold'emスタイルのポーカーデモンストレーション
Interchange
※James Swainの「Poker Interchange」などのカテゴリーらしいが、現象は不明。
Magic
ポーカーのデモンストレーションでディールしたものがマジカルに変わったり、交換したりする現象群。
Multiple Phase Routines
段階的なフェーズのあるルーティン。
Pokerhand Transformations
ポーカーでディールされた手札が、別の手札に変化する現象群。
Prediction
ディールされるポーカーの手札が予言されている。
Spectator gets winning Hand
観客の手札が勝つようなポーカーデモンストレーション。観客自身がディールするものも含む。
Stacking
10 Hand Stack
10人にディールするときのスタッキングデモンストレーション
Overhand
オーバーハンドシャッフルでのスタッキングデモンストレーション
Riffle Stacking
リフルシャッフルでのスタッキングデモンストレーション
Others
Blackjack
ブラックジャックのデモンストレーション
Bridge
ブリッジのデモンストレーション
Cards are apparently marked
カードに何らかの印があるものでのギャンブリングデモンストレーション。Paul wilsonの「Mark of the Gambler」のような演出のみのも含む。
Other Games
その他のゲームのデモンストレーション
Ten Card Poker Deal
10枚のカードでのポーカーデモンストレーション。どんなに工夫して配ってもマジシャンが勝つというのが基本的なプロット。
You just get the winning Hand.
マジシャンか観客が勝つようにポーカーの手札を配るデモンストレーション。
Red/Black & Matching Games
※Dai Vernonの「The Third Color」などのカテゴリーらしいが、現象は不明。
Three Card Monte
モンテ。2枚や、3枚だけではなく、7枚のモンテもある。また、カードに限らなければ、スリーシェルゲームなども該当
http://archive.denisbehr.de/
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個別の作品
◆Jack Carpenter's Expert Gambling Routines(Jack Carpenter)
デックをシャッフルをしながら、4枚のQを1枚ずつ取り出す。もう一度Qをデックの中に入れ、今度は4枚同時に取り出す。
4枚のQをデックのトップに戻し、一度シャッフルする。ポーカーを10人でするとし、ディールしていくとマジシャンの手元にQが配られる。
最後はポーカーのプロットの延長で、スペードのロイヤルストレートフラッシュを同時に見つける(下図)
◆10-Card Poker Deal(Harry Lorayne)
デックから10枚のカードを取り出すところから始まる。
マジシャンと観客一人に、5枚ずつ配るが、マジシャンが勝つ。
観客にシャッフルさせながら配らせるが、それでもマジシャンが勝つ。
観客に好きなカードを取らせるが、それでもマジシャンが勝つ。
観客に1枚ずつカードを確認させてから、カードを配らせるが、それでもマジシャンが勝つ。
同じように1枚ずつカードを確認させてから、カードを配らせるが、今度は表向きで配らせるが、それでもマジシャンが勝つ。
最後はフルデックで、シャッフルしたあと、5枚ずつ配るが、それでもマジシャンが勝つ。
◆Gambler’s Dream(Roberto Giobbi)
デックをシャッフルし、5人に1枚ずつ計5枚配ると、マジシャンの手元には4枚のAが集まり、それ以外の手札もフラッシュなどの強い手になっている。
Stud Pokerで、4人に5枚ずつ配るが、マジシャンの手元を含め、段階的に強い手札になっている。
Blackjackで、4人に2枚ずつ配げーるが、マジシャンの手元がブラックジャックになっている。
Bridgeで、4人に13枚ずつ配るが、それぞれスートが完全に分かれており、グランドスラムになっている。
※ずっと混ぜながら、違うゲーム=違うルールで強い手札を次々に配られていくのが不思議。
※そして、やはりゲームのルールを知らないと、現象が起きているかの判定が視覚的にはできないので、言葉で補完が必要。ただ、野暮ったくなる気が・・・。
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◆Gambler VS Gambler(Peter Woerde)
デックから3枚のKと1枚のAを取り出す。
その4枚のパケットを振ると、4枚のAになる。
さらにそのパケットを振ると、スペードのロイヤルストレートフラッシュになる。
※短い時間で、ビジュアルに現象が数回起こり、ルールを知らなくても楽しめる。
◆A Professional Gambling Act(Andrew Wimhurst)
4枚のKを、デックの10、20、30、40枚目に入れるといい、入れていく(実際には適当)
そのあと、デックをスプレッドし、4枚のAを見つける。
観客がカットしたところからAが1枚ずつ出てくる。
◆Three Card Monte(David Blain)
Qと2枚のJokerによるスリーカードモンテ
※1枚がダブルフェイス
◆Gambling Demo(Steve Forte)
デックをシャッフルし、4枚のKをトップから取り出す。
観客に好きなバリューを言わせ、デックをシャッフルし、その4枚をトップから取り出す。
デックをカットし、ポーカーデモンストレーションをし、特定の観客に4枚のKを配ってみせる。
ボトムディールのデモンストレーション。
セカンドディールのデモンストレーション。
センターディールのデモンストレーション。
※うますぎる。センターディールはなぜできるのかわからない。
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◆フューチャー・ギャンブラー(ラリー・ジェニングス)
出典:松田道弘 クラシック・マジック事典 p93
◆不在のプレーヤー(ダニ・ダオルティス)
出典:ダニ・ダオルティス SEMIAUTOMATIC p19
◆アルティメットスリーカードモンテ(マイケル・スキナー)
ギミックカードでのスリーカードモンテ。
◆ジャパニーズ・マネー・シャッフル(ゆうきとも)
出典:ワイズワークス5
◆FRACTAL JACKS(ジョン・バノン)
出典:MEGA WAVE
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ギャンブリングルーティンについてのメモ
◆ゲームのルールの説明について
ポーカーなどのギャンブルをテーマにしたマジックは、そのギャンブルのルールについての前提知識が必要なものが多い。
特に、日本人は、ポーカーやブリッジなどのゲームを実際にプレイしたことのある人が少ないので、この組み合わせの手札であればツーペアで、この組み合わせで
あればロイヤルストレートフラッシュですと説明が必要なことが多い。
説明することは野暮ったくもなる(手順によっては冗長にもなる)が、逆に身近ではない世界を垣間見られるという意味で一つの嗜好として成り立つ。これは、美
術館で、解説を聞きながら回るのと似ている。クラシックのコンサートでも、たまに曲の背景や作曲家について説明してから演奏してくれるものもある。それにも
似ている。
◆勝ち負けに起因する負の感情について
ポーカーやモンテなど、勝ち負けや当たり外れが明確なゲームが題材なので、間違ってしまうと観客が負けの感情ばかりを感じてしまい、エンターテイメントとし
て成立しないものに陥りやすい(これは、マジック全体に言われることではあるが、ギャンブリングルーティンに関しては特に)。
例えば、スリーカードモンテは、どんなに簡単にわかりやすくしても、当たらないという演出が一般的だ。このときに、「面白いなぁ」と感じてもらえるか、「腹
立つなぁ」と思ってもらえるかは、マジシャンの声や話し方、ジェスチャー、容姿なども含めたキャラクターに依存することが大きい。ただ、これは、もうマジッ
クとは関係なしに、その「人」がどうか、という問題。扱うには難しすぎる。が、分かりやすい例で考えれば、70歳くらいの素敵で凄みのある紳士が、「私と
け事でもやるかね」と言ってきて、スリーカードモンテをやられ、どうしても勝てなかったとしても、あまり嫌な気持ちにはならないのではないか。これは、ダ
イ・バーノンの言っている「観客は紳士に
されるのであれば悪い気はしない」ということと、凄い人には敵わなくて当然だという志向の2つで支えられるものだ
と思う。
「人」ではなく、演出やプロットで、この「腹立つなぁ」を回避するためには、大きく下記の2つではないか。
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1. ストーリーにしてしまう
例えば、「昔、路上でこういうことが行われていたらしいです」とスリーカードモンテをはじめ、「こうやって、カードを置くと、当たりのハートのQは、このカ
ードだって思いますが、実は違うんです。何かからくりがあると思って、よく見ても、やっぱりわからない。そしたら、当たりのカードの端をこんなふうに曲げて
くれて、やってくれたんです」と、そういうストーリーを聞いてきて、それを再現しているというような見せ方にしてしまえば、嫌味がとれやすい。「マジシャン
である私も、こっちのカードが当たりだと思うんですがね」というスタンスが半分くらい入っているイメージ。
実際、こういうふうにやっているマジシャンも多い。
2.必ず観客に勝たせる
ポーカーデモンストレーションをするときに、マジシャンに手札が勝つようにするのではなく、観客の手札や観客の指定した人の手札が勝つようにディールする。
あまり嫌な気持ちになる人はいないのではないか。
◆日本でなじみのあるゲームでのデモンストレーションアクト
例えば、ババ抜き、神経衰弱、七並べなど。
数年前からやりたいのは、カルタ。観客は4人ほど想定。20枚くらいのトランプをテーブル上に表向きで広げ、マジシャンが1枚ずつランダムにカードを読み上げて
いき、読み上げられたカードを観客4人が取り合う。20枚程度のカードが4人に分配される。ある観客のとったカードの裏を見ると、すべて赤色のカード。また別
のある観客のとったカードの裏を見ると、すべて青色のカード。また、ある観客はすべて緑で、ある観客は黄色となっている現象。ある意味、誰がどのカードをと
るかが予言されていたようにも見える。
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