Hand in Hand 2015 年 12 月 高瀬高校 人権・同和教育部 今年の冬は、エルニーニョ現象の影響で暖冬が予想されていますが、今のところは当たっているようです。冬 らしくない暖かさのために、気づかなかったのですが、もう冬休みがすぐそこに来ています。そこで、今回の 「Hand in Hand」では、2学期に行われた人権・同和教育に関する主な行事について、お知らせいたします。 ロングホームルームの取組 1年生 12 月 17 日(木)4班に分かれて、同和問題の聞き取り学習を行いました。 人権福祉センター・児童館での学習:館長さんや職員の 方から同和問題に関してのお話を伺いました。 校内での学習:三豊市教育委員会人権教育課の人権教育 指導員の方から講話を受けました。 各クラスが4班に分かれて行った聞き取り学習ですの で、3学期にふりかえり学習を行う予定です。 2年生 同和対策審議会答申に学ぶ 同和対策審議会答申(同対審答申) 「同和問題の本質」より抜粋 わが国の社会は、一面では近代的な市民社会の性格をもっているが、他面では、前近代的な身分社会の性格 をもっている。今日なお古い伝統的な共同体関係が生き残っており、人々は個人として完全に独立しておらず、 伝統や慣習に束縛されて、自由な意志で行動することを妨げられている。 また、封建的な身分階層秩序が残存しており、家父長制的な家族関係、家柄や格式が尊重される村落の風習、 各種団体の派閥における親分子分の結合など、社会のいたるところに身分の上下と支配服従の関係がみられ る。さらに、また、精神、文化の分野でも昔ながらの迷信、非合理的な偏見、前時代的な意識などが根づよく 生き残っており、特異の精神風土と民族的性格を形成している。 このようなわが国の社会、経済、文化体制こそ、同和問題を存続させ、部落差別を支えている歴史的社会的 根拠である。 いかがでしょうか。今も精神、文化の分野でも昔ながらの迷信、非合理的な偏見、前時代的な意識などが、残 ってはいないでしょうか? 生徒からは次のようなものが、例としてあがりました。これらが、誰かの不利益に なっている場合は、特に考え直す必要があるのではないでしょうか。 友引に葬式はしない・葬式の後、キヨメ塩を使う・仏滅に結婚式はしない・結婚式会場には〇〇家と〇〇家の結婚式 と書かれる・セクハラ・パワハラ・大相撲で女性は土俵に上がれない・ランドセルの色・棟上げで女性は上に上がれな い・喪中の人は年賀状を出すのを控える・会社で来客があった時には、女性がお茶を出す・保護者を「父兄」と呼ぶ場 合がある など 3年生 人権尊重社会の実現に向けて 3年生でも同和対策審議会答申の内容から学んだあと、DVD『あした元気になあれ』を鑑賞し、部落差別の 不当さについて考えました。 人権週間の取組 ロングホームルームで系統的な学習を行いますが、学校教育のあらゆる場面で人権尊重の理念は生かされなけ ればなりません。そのために本校では、さまざまな機会をとらえて啓発を行っています。中でも 12 月 10 日の 人権デーを最終日とする人権週間は、新聞やテレビでも人権について取りあげられる機会が多いため、本校でも 力を入れて取り組んでいる期間です。本年は主に2つのことを行いました。一つは昼休みの校内放送で、もう一 つは毛利公一さんの講演会です。 1. 校内放送 12 月4日(金) :心にガンジーの教えを刻み、奴隷のような児童労働を強いられている子どもたちを救い 出し、再教育する施設を運営している、昨年のノーベル平和賞受賞者のサトヤルティさんを紹介しました。 12 月7日(月) :今年は同和対策審議会答申が出されてから 50 年の節目になる年です。そこでその内容 を読みあげ、50 年前の答申を検証しました。 わが国の社会は、一面では近代的な市民社会の性格をもっているが、他面では、前近代的な身分社会 の性格をもっている。今日なお古い伝統的な共同体関係が生き残っており、人々は個人として完全に独 立しておらず、伝統や慣習に束縛されて、自由な意志で行動することを妨げられている。 2. 12 月8日(火) :アメリカのノースカロライナ州立大学の故ロナルド・L・メイス教授が、1980 年代自 らの理想や考え方を提唱したユニバーサル・デザインについて、紹介しました。 3. 12 月9日(水) : 「おれんちのバーチャン」と題する県内の中学生が書いた作文を紹介しました。バーチャ ンは「いわゆる視覚障害者ってやつ。けど、おれも、おれんちの家族も、バーチャンにかかわる人は、み んなそんなことは気にしていないと思う。目が見えなくてもバーチャンは、 『この目は、物を見る目や。け どな、バーチャンには、人の心が読みとれる心の目があるけんのー。相手の心が読めるんや』」と明るく笑 い飛ばします。 4. 12 月 10 日(木) :毛利公一さんの講演会の感想を紹介しました。 中学生の時に毛利さんの話を聞いたことがあり、もう一度聞くことができるなんて、すごくうれしく、講 演前からワクワクしていました。私も「障害者」という言葉はなぜか嫌いです。なので「挑壁者」という言 葉に感動したし、ぜひこの言葉を日本中の人に届け、当たり前になってほしいと強く思いました。私の将来 の夢は歯科衛生士です。私が立派な歯科衛生士になれば、高齢者の方や挑壁者の方に触れる機会が多いと思 います。だから少しでもそんな方の力になれるように、笑顔を大切 にし、前向きに生きていきたいと思います。 講演会 毛利公一さんは 1981 年生まれの現在、34 歳。高校時代は陸上競 技部の選手・部長として活躍され、インターハイの棒高跳びで、全国3 位に入賞し早稲田大学入学後も競技を続け、関東インカレで優勝され たスポーツマンです。アメリカ滞在中の事故で首から下が動かなくなりますが、 「首から上は動く」とポジティブ に考え、 「自分の人生くらい、自分でよくしてやる」との不屈の精神でさまざまな活動を行っている方です。講演 を聞いた生徒の感想からは、本当に感動したということがよく伝わってきました。ご家庭で、どのような話だっ たか、話題にしていただけると再びその感動がよみがえると思います。
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