第一部 「生きる構え」編 - 開智未来中学・高等学校

〔「哲学」サブテキスト〕
『天才の学習法』より
この『天才の学習法』は『学びのサプリ 未来』(携帯テキスト)のもとになったものです。
県立高校の教頭・校長の頃に、早朝に行っていた「サプリ講座」のテキストでもあります。
先日読み返したら、なかなか面白く参考になります。そこで、「哲学」のサブテキストとし
ました。なるほど読み、もぎ取り読みで私の本心を読み取ってもらえると嬉しいです。
開智未来中学・高等学校長
関
根
均
第一部 「生きる構
きる構え」編
「Positive,Powerful,Punctual」
前進
全力
もたもたしない
第1章 学力とは
学力とは人間力
とは人間力である
人間力である
今直ちに自分を変えよう。「気分は二流、一流は実行する。三流は口だけ」。その気持ち
になったとき、「間髪を入れず一気に変わる」ことである。
1-1
人間の質やレベルが上がって本物にならないと学力は上がらない。
世間では「頭がいいけど冷たい」という言い方がよくなされます。そして、この言い方がより
定説化されると、「頭のいい人は冷たい。頭の良さと心の温かさは反比例する。」という極論に
なります。「頭がいい」という定義はここでは論じませんが、このような世間で言われ言説は人
々の経験に基づいた常識的な因果関係のように言われています。この「頭がいい人は冷たい」と
いう経験則は、私の経験上では明らかにウソです。私のつきあってきた人たちを見ると、概して
「頭がいい」という人の方が心の温かい人間が多いのです。この経験則は「頭の良くない人」の
やっかみ、つまり、ニーチェの言うルサンチマン(一般人のやっかみ)の産物なのです。
ここで関根は差別的なことを言おうとしているのではありません。「頭がいい人は冷たい」と
いう人は、頭の良さと人間の良さを別物として捉えており、その考え方が誤りだと言いたいので
す。さらに、人間がよくならなければ本当に頭が良くならない、また、たとえ頭が良くても人間
が劣悪ならば、その人を頭がいいと言ってはならない、と言いたいのです。
これから受験勉強が本格化するにつれて、多くの人はその顔つきや姿勢がすっきりしたものと
なってきます。そういう変化をした人は、私の経験上かなりの確率で合格します。学びは人間を
とうや
陶冶するものなのです。ですから、この「天才の勉強法」は単なるハウツー的な勉強法ではなく、
「倫理的な勉強法」と言ってよいでしょう。
私は、近頃、「天才」という言葉に代えて「本物」という言葉を好んで使っています。本物の
定義は次のようなものです。
(1) 本物とは、その姿に表れるものである。姿勢、顔つき、そしてまなざしの確かさである。
(2) 本物とは、自分よりも、人のために、そして社会のために生きようとする志を持ってい
るものである。
(3) 本物とは、言葉よりもその行動で、自らの存在を示すものである。
- 1 -
皆さんには「本物」になってほしいと思います。口先だけの、自分のためにしか考えられない
・行動できない偽物にはならないでください。そして、偽物を駆逐してほしいと思います。
学びというものの意義が日本から見失われて久しくなります。勉強を一生懸命することを恥ず
かしいこととする風潮、さらには、からかいの対象にする風潮さえあります。学びを軽んずる風
潮など、有史以来、どこの国にもなかったものです。福沢諭吉の有名な『学問のすすめ』の一節
を掲げます。あまりも当然を言っているのですが、当然のこととして受け止められる感性を保っ
ていたいと思います。
今広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富
めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。
その次第甚だ明らかなり。実語教に、人学ばざれば智なし。智なき者は愚人なりとあり。さ
いでく
れば賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとに由って出来るものなり。
福沢諭吉『学問のすすめ』岩波文庫、p.11
たしかに現在においては、福沢諭吉がこの『学問のすすめ 初編』を刊行した明治5年のよう
に貴人や下人はいませんが、その品性や品格において、人々の間に雲泥の相違があることを皆さ
んは理解しなければなりません。もし、品性や品格が見えなくなったとしたら、この日本社会自
体が、学びを忘れた社会なのかもしれません。皆さんには、是非、この日本を本来のよき日本に
してほしいと思います。
1-2 「頭のよさ」には8つの側面がある。だから、学力は人間力。
①広さ ②深さ ③遠さ ④力強さ ⑤きめ細かさ ⑥素早さ ⑦美しさ ⑧善さ
「頭のよさ」には8つの側面があると私は考えます。頭のよさはテストの点数のような単純な
ものではありません。ずっと奥深いものです。皆さんにはこの8つの「頭のよさ」を兼ね備えた、
本当に“頭のよい人間”になってほしいと思います。
1
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「広さ」とは、多くのことを知っていることです。もっと知ろうとする好奇心です。
「深さ」とは、深く考えることができることです。思慮深さでもあります。
「遠さ」とは、遠く先まで考えることができることです。目先で考えない賢さです。
「力強さ」とは、ざっくりと骨太に本質を捉える考え方です。そして、考えたことを実
行に移す力強さです。
「きめ細かさ」とは、緻密さです。細部まで考え尽くす粘り強さです。
「素早さ」とは、即座に反応し、テキパキと処理できることです。頭の切り替えの早
さ、思考のスピードも社会では必要です。身体の反応のよさも含まれます。
「美しさ」とは、小さい子どもに「賢そうな子」と表現するときの「凛々しさ」です。
正しい学力は顔や姿に表れるものです。美しくなりましょう。
「善さ」とは、倫理性です。「賢人」というとき、その倫理性が評価されています。現
代人に失われた「頭のよさ」です。
1-3
偏差値を10ポイント上げるには今の自分ではだめだ。だから、別の自分
つまり、天才にならなければならない。
皆さんが今希望している大学・学部と皆さん自身の偏差値はどのくらいの差がありますか。1
~2ポイントの人はこのまま頑張れば受かるでしょう。しかし、5ポイント以上の人はただ頑張
るだけではだめです。今の君たちの人間としてのレベルでは、頑張っても3~4ポイントを上げ
るのが限度です。それ以上アップさせるには変身するしかありません。レベルのより高い人間、
- 2 -
つまり、天才になるしかありません。だから、「天才の学習法」なのです。
自分を本質的に変えて偏差値を10ポイント上げましょう(私はこのごろ20ポイント上げられ
るのではないかと本気で思っています)。ほとんどの人が「そんなこと無理」と思うでしょう。し
かし、そう考える人は自分が逃げるための言い訳をしているだけです。無理だと思った人はきっ
と無理でしょう。自分を変えることから逃げたのですから。10ポイント偏差値を上げることは
かなり困難なことですが、どうせできないだろうと動かないのでは何も解決しません。あきらめ
ること、夢を持てないことは、ごまかして、結局は楽をする弱者の「ずるさ」だと私は考えます。
このように、私が皆さんに教える学習法は「偏差値を10ポイント以上アップさせる天才の学
習法」です。人間の強さを求めて、これが可能だということを皆さんと一緒に証明したいのです。
1-4
今直ちに自分を変える
ここで自分を変えようと思った人は躊躇することなく、恥ずかしがることなく、今直ちに変身
しましょう。「人間は一瞬にして変われる」ものです。
変わるときは、一気に、驚くほど変わらなければダメです。ポイントは2点です。①自分で変
わったと思えるように変わること、②他人から変わったと思われるように変わること、です。
何を変えたらよいのか。そのことについては、これから詳細に説明しますが、何でもいいから
生活や学習習慣などを、まず「一つ変えてみる」のです。早起きでも、家の手伝いでも、朝勉で
も目に見えるかたちで変えるのです。確実に実行に移すのです。
「気分は二流、一流は実行する。三流は口だけ。」気持ちは変わろうと思っても行動に移せな
い人はこのサプリに参加する資格のない人です。
この言葉は覚えましょう。少々話は脱線しますが、暗記を否定するような物言いが広まってい
ます。それは二流の人間の言い分です。実践するには実践する内容を覚えて、いつでもどこでも
明確に言えなければなりません。「私は天才、地道な努力」「ポジティブ、パワフル、パンクチ
ャル」そして「気分は二流、一流は実行する。三流は口だけ」は、すうっと思い出せるようにし
て、いつでも自らを支える言葉にしたいものです。しっかり暗記しないから、気分になってしま
うのです。これから私の示す様々な方法や言葉は、実践するために、即ち、天才になるためにし
っかりと暗記してください。
1-5
受験勉強は大変だ。諦めて投げ出したり、逃げ隠れたくなるものだ。自分
は天才と思うからこそ「逃げる自分」を踏みとどまらせることができる。
今、皆さんは少しずつやる気が出てきたと思います。「よし、がんばるぞ」。しかし、実際に
勉強を始めると、分からないことが山ほどある。しかも、覚えられない。なかなか成績も伸びな
い。関根は人間が変われば簡単に成績が伸びるようなことを言ったけど、ウソではないか。いい
ですか。成績を伸ばすこと、ましてや人間を変えるということは口で言うほど簡単なものではあ
りません。苦しいことの方が多いでしょう。逃げ出したくなる時もあるでしょう。しかし、逃げ
てはならないのです。そういう自分自身を変えていかなければならないのです。気分だけでは人
間は変わりません。「心理は人間を変えない。意志が人間を変える」、そして、何度も言います。
「気分は二流、一流は実行する」です。
苦しいときは、自分が逃げ出さないように自分自身で押し止めるしかありません。そういうと
き、「私は天才なんだから。天才は逃げ出してはいけないんだから」と思うからこそ、踏みとど
まれるのです。「私は天才なんだ。だから、これくらいの辛さは簡単に乗り越えてみせる!」ほ
ら、変身が一歩進んだでしょう。私は自分が天才だとか、また、天才になれるような人間である
とか、本気で思うほど傲慢ではありません。天才は目的ではなく手段なのです。手段として「天
才である」と思うことにして、「辛さや幻滅」「やるせなさや世の悲しさ」「ばかばかしさや腹
立たしさ」を克服して、事を成そうとしているにすぎないのです。
- 3 -
第2章 「天才」
天才」という生
という生き方
「天才」とは天賦の才ではなく、生き方によるものである。だから、誰でも「天才」にな
る資質はある。まずは「天才」になろうとする意志を持つこと。そして、「天才」の生き方
を開始することである。
2-1
1
2
地道な努力-天才とは努力である:ゲーテ-
勉強に安直な方法はない。現状を変えるのは日々継続される実践である。
目標に向かって習慣として規則正しい生活を続け、規則正しく勉強する。
天才になるにも勉強をできるようにするにも、この薬を飲めば即OKというようなインスタン
トな方法はありません。昔から言われているように「地道な努力」しかありません。言い古され
た言葉ですが、「継続は力」です。もちろん、努力ができるのも天才の「条件」です。
では、「地道な努力」とはどのような努力なのでしょうか。私は「ある目標を達成するために、
規則正しく継続していく努力」と定義しています。この定義には2つのポイントがあります(この
ようにポイントに分けて考えていくことが大切です)。1つは、「目標を持った努力であること」、
もう一つは、「規則正しい生活」です。これらについては後で詳しく説明します。
2-2
天才はパワフルであり、疲れない
概して「天才と言われた人」、または「すごい人」はパワフルです。私の好きなダ・ヴィンチ
などは次のようなことをその手記(杉浦明平訳『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上下』岩波
文庫)の中で言っています。
・鉄が使用せずして錆び、水がくさりまた寒中に凍るように、才能も用いずしてはそこなわ
れる。
・おお寝坊者よ、眠りとは何であるか?眠りは死に似たものである。おお、それではなぜお
まえは、生きながら嫌な死人に似た眠りをむさぼるのをやめて、死後に完全な生き姿をの
こす作品をこしらえないのか?
・あたかもよくすごした一日が安らかな眠りを与えるように、よく用いられた一生は安らか
な死を与える。
これらを読むと、彼の「やる気」というものが伝わってきますよね。さすが、ルネサンスの
「万能人」です。でも皆さんは、疲れないのかと思うでしょう。天才は疲れないのです。という
より、その疲れた状態が当たり前の状態、つまり、常体になっているだけなのです。そして、そ
の疲れるという常体を楽しんでいるのです。もし疲れ果ててダメになったならば、それがその人
の命運なのでしょう。
私はこれらのダ・ヴィンチの言葉に勇気づけられ、思い出しては、また、読み返してはや
る気を出しています。このような「元気の出る言葉」をいくつか持っているとよいです。こ
れを「やる気のアイテム」と称しています。出来れば、暗記して口ずさめるようにしておく
とよいでしょう。(だから暗記は必要なのです)
- 4 -
2-3
1
2
3
天才は前向きで、ハイテンションである
天才の意識・その1「YES I CAN!」
天才の意識・その2「見て見て、この私を」
天才の意識・その3「こんなに苦しめるなんて、幸せ」
よく「プラス思考」という言い方をしますが、私はこの言い方はどうしても好きになれません。
単なる心理学的な「別の見方」という感じがするからです。例えば、よく言われる例えですが、
「半分あるコップの水を『まだ半分ある』とみるか、それとも『もう半分しかない』とみるか」
というように、「気の持ちよう」の問題となってしまうからです。心理学の底の浅さを嫌う関根
としては、この安易さがいやなのです。そこには、積極的・能動的な、自分で自分の考え方を創
っていこうとする「力強い意志」が見られないからです。「意志」は「心理」を超えるのです。
同様に「意志」を扱う学問である「哲学」は「心理学」を凌ぐのです。
「気の持ちよう」だけでは人間は進歩しません。なぜなら、気分に左右されるからです。よく
皆さんは言いますよね。「今日はハイだから」とか「今はウツな気分」とか。しかし、天才はい
つもハイです。ドラッグを使わなくてもアルコールを使わなくてもいつもハイテンションなので
す。それは意志の力で、思想として前向きの思考をしているからなのです。
1 天才の意識・その1「YES I CAN!」
「トーゼンできるよ。きまってるじゃない。」
日本語ならこんな訳になるでしょうか。明日まで英単語を100個覚えなければならない。
「ぜんぜんだめ」と泣きそうになっていてはできるわけありません。そんなとき、“YES I
CAN!”と叫ぶのです。これは「気の持ちよう」なんて言葉では表現できないものです。例え
ば、3対2でリードした9回裏の守備、2アウト満塁、1打逆転のピンチ、三塁手だったという
状況を仮定しましょう。この時、「オレの所に来い。それを捕ってやる」の精神です。このよう
な意識は「気の持ちよう」ではなく、厳しい練習に裏付けされた自信、自分への確信に基づくも
のなのです。私が「気の持ちよう」という心理学的表現を嫌った意味がわかると思います。土壇
場で「YES I CAN!」と言えるだけの生活をしているか、勉強をしているか、練習をし
ているか、それが問題なのです。
2 天才の意識・その2「見て見て、この私を」
テストの時は緊張します。しかし、天才は緊張しません。「ムフフ」と嬉しくなってしまうの
です。なぜでしょうか。
ドイツ観念論哲学の大成者で、近代哲学を完成したヘーゲル(Hegel,G.F.W.)は、「あらゆる
がいか
存在は自己の本質を外化する」と述べていますが、これは「自分を表現してこそ存在したといえ
る」と言い替えることができると思います。私たちが生きるということは自己を表現することな
のです。テストの答案を書くのも自己表現です。自分の頭の中にある「本質」を外化(表現)する
作業なのですから。ですから、「模試が嫌」とか「受験で緊張する」などと考えずに、「こうや
って自己表現できるなんて幸せだ。採点官の先生、見て見て!この私を!」縮こまらず自分を開
いていくのです。心理学者のロジャースは「自己開示」といいましたが(カウンセリングの基底
となるスタンスです)、もっと人間存在の本質に関わる奥の深い問題です。内気ではいけません。
ヘーゲルの言うように、人間とは外に向かって自己の本質を表現していく存在なのですから。人
間という存在は元来「内気」には創られていないのです。
3 天才の意識・その3「こんなに苦しめるなんて、幸せ」
別に「マゾヒズム」を推奨しているわけではありません。普段の生活の中で人間はリアルな自
分の存在(これを実存主義哲学ではこれを実存という)を自覚していません。つまり、生きてい
る実感がありません。では、そういう人間が「生きている」「これが自分なんだよ」とリアルに
自己を自覚できるのはどういう時かというと、不安・絶望に対面した時だと実存主義哲学者たち
は言います。例えば、ヤスパースはその状況を「限界状況」と言っています。
- 5 -
《用語解説:限界状況、極限状況(壁)》
死、苦、争い等人間の力では避けることも変えることもできない状況。ヤスパースによれば私た
ちは常にさまざまな状況の中に生きている状況内存在である。我々は、普通、我々の自由な決断と
選択によって、積極的に状況を変えることができる。しかし人間はどんなに努力しても、人間の力
だけではどうしても避けることができない、乗り越えることができない状況、すなわち限界状況
(壁)に直面せざるを得ない。人間はこの状況から逃避することなく、この状況を直視することに
よって、真の自己を得るのである。
ニーチェならさらにこう言うでしょう。「苦しいけど真の自己を見つけられたんだもの、いい
じゃない。不安・絶望を背負っているからこそ自分として生きられるのだから。これが幸せなん
だよ。」この逞しさ、力強さが「超人」の姿です。皆さんもこれから受験勉強で大変でしょう。
受験本番の精神的プレッシャーは相当なものです。そんな時、「これが実存さ」って言わなきゃ。
2-4
天才は価値を創る
天才は生産的です。価値を創り出します。価値を創る第一歩は価値を損うことをしないことで
す。では価値を損なうことをしないとはどのようなことでしょうか。私は「批判をしない、否定
をしない、愚痴を言わない」ことだと思います。人間というものは弱いもので、愚痴を言うこと
もありますが、繰り返しは禁物です。自分の元気だけでなく周囲の元気を削いでしまうからです。
さて、批判や否定というものは何も生みません。人の悪口を言っても何が変わるというのでし
ょうか。現在の日本の言説は、批判や否定に充ち満ちています。教育改革もそうです。過去や現
在の教育を批判し否定するだけです。それに対して、天才は価値を創ります。批判や否定をせず
に、「よさを発見する」「よさを創る」ことに専念しましょう。例えば、現在の教育を批判する
のではなく、今の教育のよさを見つける。相手の長所を発見し褒める。これが「よさを発見す
る」です。そしてさらに、自分の力で「よさを創る」のです。
もちろん、世の中には批判しなければならないこと、否定しなければならないこともあります。
その場合は、議論においては代案を出したり、建設的な意見を述べる必要があります。そして、
言ったことは必ず実行しなければなりません。「気分は二流。一流は実行する」です。
2-5
天才とは宣言して成るものである
繰り返しますが、あくまで「天才宣言」は手段です。自分を天才と称する「狂人」になれとい
うのではありません(実は、伸びるためには若干の「狂」というものが必要です)。他の人を見下
す傲慢な人間になれというのでもありません。くれぐれも勘違いしないで下さい。使用上の注意
です。
1 「天才宣言」をします。もちろん、自分に対してです。
まず、机の前にこのような貼り紙をします。
地
道
な
努
力
私
は
天
才
※
天才だと言う以上、天才だと思える自分でいなければならないから、ずっ
と大変なのです。かえって、凡人(大衆)でいる方が楽なのです。居酒屋で
酒を飲みながら、「自分はダメだ、能力がない」と言ってスネたり世をはか
なんでいる方がずっと楽なのです。自己暗示をかけるのも容易ではありませ
ん。
2
鏡に映った自分の顔を見て「天才」と呟きます。
もちろんダレた顔では「天才」だとは思えないから、しっかり勉強して緊張感ある顔になって
いなければなりません。人に見せられる顔をしているか、これが私だという顔をしているか。
「存在感のある顔」「凛々しい顔」「品性のある顔」が私の理想です。
- 6 -
第3章 やる気
やる気を出す方法
学習者にとってモチベーション(やる気)は、最も大切なものである。受験勉強は、否、生
きること自体が「やる気」との闘いである。しかし、「やる気を出す方法」は意外なほど開
発されていない。
3-1
やる気は「出る」ものではなく「つくる」もの、だから、まず行動!
やる気が出ないから勉強ができないのではなく、勉強しないからやる気が出ない。
やる気は自然に出てくるものではありません。行動によって生まれるものなのです。人間とい
うものは能動的な存在であり、能動的に環境に働きかけてきたからこそ繁栄してきました。能動
性というものが人間の本質なのです。その本質を失っているからエネルギーが出ない、つまりや
る気が出ないのです。だから、能動的になればよい。やる気のでない人は、今すぐ机の前に座っ
て教科書を1行でも読み始めること。1行、2行と読み進めるにつれてやる気が少しずつ湧いて
くるはずです。安全地帯から眺めるだけという生き方では一流になれません。
一番悪いのは受け身の生活をすることです。なんとなくテレビを見ている、なんとなくマンガ
を読んでいる、なんとなくコンピュータ・ゲームをしている、なんとなく音楽を聞いている。こ
れらはやる気の大敵です。テレビを見るなというのではありません。「なんとなく」がいけない
のです。少しは勉強しなければとは思うのだけど、いまひとつやる気にならない。テレビもとて
も面白いというわけでも感動するわけでもないけど、他にそれ以上面白いものもないから「なん
となく」を見ようか。これは惰性的な逃避行為なのです。それらは膨大な時間の無駄であるだけ
でなく、精神を緩ませ腐らせます。身体も動かなくなります。このような「なんとなく」から脱
出する方法は「行動する」ことです。「エイッ」と机の前にすわって教科書を開ける。そうすれ
ば、必ずやる気が出て来るのです。
もし、どうしても机の前に座る気にならなかったら、散歩をしたりジョギングをしたり筋トレ
をしたりして身体を動かすことです。身体が動けば気持ちが前向きになります。
〈心理学からみる「やる気」の作り方〉
《作業興奮》
何事でも、始めてからしばらく経つと少しずつ調子に乗って集中できるようになること。
○まず始めること
1
2
3
○始めたらしばらくは中断しないこと
《ビジネス書に見る「やる気」の作り方》
自分がやらなくてはならないことを列挙する
列記した事項を重要度・緊急度順に並べる(これをプライオリティの設定と言います)
設定した順にバンバン片づける
3-2
自分をデザインする悦びを知る
苦しいときやうまくいかないときは、自分といい加減なところで妥協して(自己限定して)し
まう弱さを人間はもっています。学習成績がなかなか伸びない時など「自分の力はこの程度だ」
と諦めてしまいます。自分を伸ばせるのは自分しかいません。さて、勉強する最大の目的は「自
分を伸ばす」ことです。では、なぜ自分を伸ばす必要があるのでしょう。それは人間という存在
が、自分を伸ばすことによって成り立つ存在だからです。
- 7 -
サルトルは、人間は「無」として生まれ、自由に自分を創っていく存在だと言います。もちろ
ん、この自由は生まれながらに与えられた「自然権としての自由」ではなく「自由でなければ自
分として存在できない」という一つの「鎖」であり、それゆえ、私たちの毎日は、さまざまなも
のになりうる可能性の中から主体的にかつ責任をもって自分を選び取っていかなければなりませ
ん。サルトルはこのことを「自己投企」と言っています。私はもっと簡単に「自分をデザインす
る」と言っています。自分を自分の力で自由にデザインする。なんて素敵なのでしょう。元気が
湧いてきますね。ちなみに、私が自由にできるものは、自分と時間しかありません。
自分を伸ばすのをあきらめるということは、生きることをあきらめることです。この一瞬一瞬
自分を少しでも伸ばすことは、つまり、少しでも知識を得て自分を拡大していくことは楽しいこ
とです。そういう気持ちでいると、感性も豊かになって、外界(環境)に敏感に反応してきます。
そして、能動的に外界に行動するようになります。これは幸せな状態です。自分を伸ばすのは幸
福になるためとも言えましょう。一歩あゆめば一歩すすむ。こんな楽しいことはありません。
「自分をデザインする」ことは夢や希望を持つことです。しかし、ただ夢や希望を持つことで
はありません。その夢や希望の実現に向けて、実際に自分を変えるというアクションを加えるこ
とです。単なる夢や希望はやる気を生みません。それに向かう中でやる気が湧くのです。
3-3
人のために生きる・志を持つ
勉強を伸ばすことは自分を創ることだと述べましたが、自分のためだけでは行き詰まってしま
います。自分自身に疑問を持ったり、自分が大したことないと思ったりしたとき、こんな自分の
ための学習などそれほどの意味はないと思ってしまうからです。また、このことを言い訳にする
ことも可能です。「自分のためだけの学習」はレベルの低い品格のない学習です。例えば、「あ
いつは自分のことしかしない」と私たちは人を蔑むことがありますよね。それと同じなのです。
そういう「低レベルの勉強」(自分のためだけの勉強)をしていると、いつかは自分自身どうし
ても納得できなくなってくるのです。そして、やる気が失せてしまうのです。
人のために生きることにより、自分という狭くエゴイスティクな枠をのり超えることになりま
す。そして、自分のためとは違った、緩やかだけど大きな意欲が湧いてくるのです。今自分が勉
強することが他の人のためになったらどれほど嬉しいことでしょう。「今知識を獲得している。
将来この知識が人のために役立つ。」このように考えることです。もっと具体的ならなおさらい
いですね。例えば私の場合、難しい本を読んでいて分からない時や疲れて集中力が続かないよう
な時、「これを校長講話で杉高生に伝えよう。サプリで話そう。言葉の窓に使おう」と考えます。
そうすると再び力が湧いてくるのです。「人のため、家族のため、社会のため」という動機は何
によりも強く幸福な動機です。人のために生きることによって、ちっぽけだった自分が意味ある
ものに思えてくるからです。これが「志」というものなのです。
この「天才の学習法」の初版を書いたのが30代後半でしたが、40代半ばになると、「人の
ため」という考え方はさらに強まってきました。少し成長したのでしょう。そして先月51歳と
なり、残りの人生を考えた時、人のために尽くすことの大切さがさらに身に染みてきました。繰
り返しますが、自分のためでは頑張る気になりません。人のためだからこそ頑張れるのです。自
分という小さな世界から自我が解き放たれてこそ、人間の本当の力、本来の力が湧いてくるので
す。最近、私は「やる気」というものの正体は「志」ではないかと思うようになりました。
〈志は触発されて生まれる〉
さて、この志というものは、触発されて生まれるものだと思います。松下村塾から、久坂玄瑞、
高杉晋作、伊藤博文等、多くの維新の偉人たちが生まれたことは有名な話ですが、それは師であ
る吉田松陰から教えを受け、その人間から感化され、志が彼等に宿ったからです。このように志
を育てるには、自分の志の芽に刺激を与え、発芽させてくれるものに直接接することが必要です。
興味のある人は、司馬遼太郎の『世に棲む日々』(文春文庫)を読んでみてください。きっとやる
気が湧いてくるに違いありません。
- 8 -
3-4
心を震わせる:一流と会う、感動する、怒る、感謝する
心を震わせるような経験がやる気を促進します。やる気というものは、情念(passion)の一つな
のでしょう。しかし、情念だから移ろいやすく消えやすいのが欠点です。
1 一流の人と会う、一流の音楽を聴く、一流の絵画を見る、一流の映画を見る
すごい人間が世の中にはいます。人間として別格だと思う人です。そのような一流と出会う
と不思議とやる気が湧いてきます。音楽・絵画・映画などはテレビやCD、DVDではなく、
直接見たり聞いたりすることです。やはり本物の力が私のやる気を引き出してくれます。しか
し、一流の人に会う機会はあまりないものです。そういう時は、テレビを見ます。茂木健一郎
氏が司会のNHKの番組で各界のプロフェッショナルが登場する番組があります。その人の言
葉をノートにメモしながら見ます。とても感動してやる気が湧いてきます。
2 感動する
どんなことでも感動すると「よーし、頑張るぞ」という気になるから不思議です。ですから、
私は感動できるものを身近においています。前述したダ・ヴィンチの言葉とかもその一つです。
私がこれまで出会ってきた素敵な人たちは、いろいろなことに敏感に感動する人たちです。い
ろいろなことに感動し、その力をパワーにしてきたのだと思います。たしかに、パワフルな人
はすぐに感動します。みなさんの周りにいる感動屋さんを見つけてみましょう。
3 怒る
怒りも感動の一つなのかもしれません。いわゆる情動ですが、怒ると奇妙なほど元気になり
ます。「リポビタンDスーパー」を飲んだような状態になります。さて、だからといって、こ
の怒りというものが「私憤」であってはなりません。古くさい言葉ですが、私は「義憤」とい
うものが現代において必要だと思います。田中正造は足尾鉱毒事件への義憤と人々を救おうと
いう思いから死ぬまでやる気を持続させました。義憤も人々を救おうという思いも、私利を排
するものです。今、私がこのサプリにやる気を出しているのも、この日本の表面的な教育改革
に対する義憤と皆さんを育てたいという思いからなのかもしれません。
「唯だ仁者のみ能く人を好み、能く人を憎む」(論語)も同じことを言っているのでしょう。
「仁者は人間を愛する情が深いだけに、人間を憎むことも激しいのである。不正に怒る情念が
なくて、どうして正義を守りえよう。ただその怒りは、いかに正当、強烈にあっても、仁の枠
内にあって、理性のコントロールの下になければならない。」(桑原武夫『論語』ちくま文庫、
p.126)。心の中に覚えておきたい言葉です。
4 感謝する
感謝の気持ちもやる気を育てます。それは己を空しくするからです。やる気は怠けたい、楽
をしたいというエゴによって阻害されます。感謝とはまさにこのエゴのもととなる己を断つこ
とです。育ててくれた親に、教えてくださる先生に、命をさずけてくれた運命(天、神)に感謝
してみてください。きっと「静かなやる気」が宿ってくるでしょう。
3-5
伝記を読む
かつては「伝記文学」というジャンルがありました。最近の教育では伝記が軽視されている
ようです。さて、高校時代は理想と志を掲げて生きようとし始める時期です。しかし、私たち
の「理想や志」の手本となる人間はなかなか身近にはいません。私たちの想像もできないよう
な大きな人間は確かにいるのですが、私たちは小さな人間しか見ていないから、人間とはこん
なものだと思ってしまっています。より大きく伸びるためには、高い理想や大きな志に触れた
いものです。伝記を読む意味はここにあります。私の好きな伝記は、石田禮助という人物の人
生を城山三郎が小説にした『粗にして野だが卑ではない』(文春文庫)ですが、司馬遼太郎の歴
史小説も一種の伝記なのかもしれません。是非、自分のお気に入りの伝記を見つけてください。
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なお、レファレンスは図書館の司書の方にお願いしてありますから、是非1階の図書館へ。
〈伝記を読む意味〉
①自分の志や思想を創り上げる材料となる
②元気とやる気(意欲)を得ることができる
③人間や社会にとって何が大切かを知ることができる
3-6
元気の出る人と会う
太極拳では「気」といいますが、これは受け取り可能なものらしいです。同じ人間でも「気」
の強くて多い人とそうでない人がいて、「気」をもらうことで元気になるそうです。元気な人と
いうのがまさに「気」が強くて多い人なのです。ですから、そういう人とちょっと会って話をす
るだけで「気」を獲得し「やる気」になるそうです。しかし、長く話しすぎると「気」に圧倒さ
れて、それこそ「気の弱い」人は「食あたり」ではありませんが「気あたり」をしてしまいます。
かつて太極拳の大家に聞いたのですが、「気」は植物からも出ているそうです。特に「松」の木
が強いそうです。森林浴がいいのもそのためかもしれません。彼女の言うには、新鮮な野菜を食
べて元気が出るのもそのためだそうです。
近くに元気の出る人がいると気持ちいいものです。杉戸高校にも私に元気を与えてくれる先生
たちがたくさんいます。私はその先生たちから毎日「気」を得ています。「よーし、頑張るぞ」
という気持ちになります。いわゆる人間浴ですね。自分も人に気をあげられたらと思っています。
また、私はこの「気」というものは時間や空間を超えて得られるような気がします。既にあの
世にいるダ・ヴィンチや遠方の友を考えるだけで「やる気」になるのですから。
3-7
やる気のアイテムを持つ
やる気の出る言葉、やる気の出る音楽、やる気の出る本、等々
本質的ではありませんが、やる気の出るアイテムもあると便利です。私の場合、いつでも音楽
を聴いています。その中にはやる気を出すときの音楽もあります。それは、NHKスペシャルの
「映像の世紀」で流れた「パリは燃えているか」(加古隆作曲)という音楽です。その他「私は天
才 地道な努力」という張り紙や、シャガールの絵、愛用の4色ボールペン(インド製50円)、
アメリカのMead社のノートなど。また、「気分は二流、一流は実行する」「義を見てせざるは勇
なきなり」などの言葉もいつも繰り返して心の中で叫んでいます。皆さんにもやる気を引き出す
アイテムがきっとあると思います。やる気のでるアイテムを常に携えたいものです。
3-8
体力をつける
体力とやる気は比例します。少々のことでも疲れない。何事も元気元気です。これについては
「生活」「身体」のところで詳しく説明します。
3-9
やる気を続ける、鍛える、高める
ある意味で「やる気」を出すのは簡単なのかもしれません。人間はすぐその気になるからです。
この「天才の学習法Ⅳ」を読んでやる気の湧いてきた人もいると思います。しかし、そのやる気
を持続することは大変です。ですから、私たちは出てきた「やる気」をもっと大切にしなければ
なりません。そのためには、次に記すように、やる気がなくならないように細心の注意を払う必
要があります。簡単にやる気が失せないように、やる気を鍛え、高めていく必要があります。
1 「順調」を続ける
今やる気が出ているとしたら、今の生活を変えないように努めることが大切です。例えば、朝
勉を始めてやる気が出たのならば、朝勉を続けることです。やる気を一気に出し尽くしてしまわ
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ないように、じっくりと続けることです。動いている時はやる気は持続します。特に、健康や体
調に細心の注意を払います。不調のきっかけの多くは体調不良だからです。
2 やる気のもとを継続的に追加する
やる気は自然に減少していくものですから、やる気の素となることを継続的に追加することを
忘れてはなりません。やる気が消失してからでは再度やる気を取り戻すのは難しくなります。
3 仲間をつくる
一人より仲間と一緒の方がやる気が続きます。クラス全体がやる気があるともっとよいですね。
これは1年間続きます。よい担任とはやる気のクラスをつくる担任です。朝からクラスのやる気
を削ぐような言葉を言ったり、顔つきをしたりする先生は最低です。まずは、やる気を与え合え
る仲間を見つけることです。
4 より高いレベルを目指す
志も目標もより高いレベルへと高めていきます。低いレベルのやる気よりも高いレベルのやる
気の方が長続きします。仲間のためから、学校のため、さらには日本のため、人類のため。志は
大きい方がよいのです。
5 結果を出す、評価される
やはり結果がなかなか出ないときや、評価されなければやる気はなくなってしまいます。いわ
す
ゆる「拗ねる」という状態です。しかし、結果が出ない・評価されないということは世の中には
た
しばしばあります。そのようなときは、じっと「力を矯める」のです。静かな闘志です。
6 「空元気(カラゲンキ)」を出す
やる気がなくなっても人前では「空元気」を通します。すると不思議とやる気を戻ってきます。
明るさはやる気の素です。人にもやる気を与える大切なものです。
3-10
やる気がなくならないための「6ない主義」
もっと私たちは「やる気」を失うことに神経質になる必要がある。どのようなとき私たち
は「やる気」を失うか。私は次のようなことを避けるようにしている。
①やる気のない人と会わない ②疲れを残さない・病気をしない ③不規則な生活をしない
④無駄なおしゃべりをしない ⑤テレビ・ゲーム・携帯をしすぎない ⑥のんびりしない
1
やる気のない人と接しない
やる気を減退させる人がいます。私はそのような人の近くには寄らないようにしています。5
メートル以内に近づくとやる気がなくなります。話をすると完全になくなります。世の中には、
人が元気に頑張っていると「あんまり無理しない方がいいよ。体を大切に」と親切な顔をして人
のやる気に水をかけて喜んでいる人がたくさんいますので注意しましょう。
2 疲れを残さない・病気をしない
いくらやる気が出たからといって、徹夜したり無理を続けたりしてはなりません。やる気がな
くなるのは多くの場合疲れや病気など体調不良が原因です。私も飲み過ぎないようにしなければ。
3 不規則な生活をしない
不規則な生活、怠惰な生活をしてはなりません。
4 消費的で無駄なおしゃべりはしない
会話というものはどんなおしゃべりでも実はエネルギーを使うものです。無駄なおしゃべりは
テンションを下げるだけでなく疲労の原因となります。おしゃべりばかりして「疲れた~」を連
発している人を皆さんは見かけたことがあると思います。
5 テレビ・ゲーム・携帯をしすぎない
きっと思い当たる人もいると思います。
6 のんびりしない
一仕事終わるとホッとしてのんびりしてしまいます。その時せっかく高めたテンションが下が
ってしまうのです。一時解放感を味わうのはいいのですが、それを貪っていけません。すぐに次
のやるべきことを見つけて動き出すべきです。今度は何をしようかしら。この「プラスアルファ
感覚」は幸せですね。
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それでも「やる気」を失ったら
それは精神や体が疲れている証拠です。自分が疲れている原因を明らかにし、じっくりと疲れ
をとることが大切です。また、映画を見たり、展覧会やコンサートに行ったり、もう少し気張っ
て旅行をしたりと、ちょっと大がかりな気分転換をするといいでしょう。「急がば回れ」です。
1
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休養と栄養をとろう(睡眠をとる、栄養を摂る)
文化的な行為を行おう(本をたくさん読む、映画を見る、絵を描く、楽器を弾く)
「気」をもらおう(元気な人に会う、話を聞く)
外に出て歩こう(街を歩く、旅行をする、美術館に行く)
自然に接しよう、自然を見つめよう(不思議な自然の力です)
「天才の学習法Ⅳ」を読み直そう(このテキストが皆さんの元気の素になると嬉しい)
1
「なりたい自分」を描こう
2
自分の「志」を書こう
3
とっておきの伝記(何度も読む伝記)を見つけよう
4
やる気の出る言葉を書こう
5
やる気の出る本を見つけよう
6
やる気を出してくれる人を探そう
7
やる気の出る音楽を見つけよう
やる気を出すシート
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